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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ほんと疲れた、特別編。なんでも製作が間に合わなかったために「セカンドシーズン」の放映に合わせられず、こうして特別枠での放送になったというなかなかシャフトらしい曰く付きの作品。まぁ、かつて「猫物語」も一挙放送をやったことがあるので、2時間の枠で放送されてもあまり違和感は無いのだけど。それにしても、いくらBSとはいえ、2時間で無理矢理5話を詰め込み、ほぼCM無しで流しきってしまうというのはすげぇ話である。これだけの特別枠がとれるっていうのは、やっぱり「物語」シリーズの強みなのだろうなぁ。

 今作の感想を一言でまとめると、「みゆきちとアスミスはどれくらいギャラを貰えばいいんだろう」ということである。ただでさえぎっちぎちの台詞でお馴染みのシリーズだが、今回は一挙放送だったこともあり、もう、ほとんどこの2人の独壇場。たまに貝木さんや阿良々木さんが入ることはあったが、心象的には8割がこの2人である。いや、収録はちゃんと5話分割でやってるんだろうけども。これ、一気にやったらゲーム収録とかと同じくらいにしんどかったろうよ。こんだけ長台詞しかない作品って、多分他には無い。

 で、そんなキャストの苦労ばかりが忍ばれる本作であるが、お話としては「割と普通」。正直言うと、1作だけ特別枠を設けられたお話で、しかもメインヒロインがあの神原駿河であるというので色々と夢想しながら待っていたのだが、予想していた方向とはだいぶ違っていた。神原さんといえばエロティックでバイオレンスな印象ばかりが強いのだが、今回はそうした彼女の破天荒な部分はほとんど描かれず、阿良々木さんの言葉を借りるならば「青春」を描くことがテーマとなっている。おかげで、途中からはなんだか「駿河のバスケ」みたいなお話になっていたのである。また、必ず捻くれたどんでん返しや無茶な投げっ放しをぶっ込んで読者を煙に巻くことばかりに専念する西尾維新にしては珍しく、今作はあまり意外性の強い要素が無い。一番の驚きはとっても優しくてとっても素直だった貝木さんのご様子くらいだろうか。駿河と「悪魔」を巡るお話については、沼地蠟花というキャラクターそのものはやはりどこかヒネた厭世的な部分は感じられるが、彼女の根底にあるものもまた「青春」の一要素であり、いつものように物語を根底からぶっ壊してしまうような野放図さではない。

 加えて、今作はシリーズの他のエピソードとの関連性がほとんど無い。唯一関わっているのは「駿河モンキー」だけであり、名物である複数ヒロインのクロスオーバーや、阿良々木さんによるハーレム、もしくは阿良々木さんを餌にしたヒロイン同士のガールズトークなんかも一切無い。つまり、物語を掘りさげるためのバックボーンが「駿河の人生」ただ1点だけだったことも、この物語を素直なものにする要因だっただろう。確かに「駿河モンキー」の時に表れた神原の人物像は一筋縄ではいかないものであったが、「腕」を中心とした彼女(と戦場ヶ原と阿良々木)の物語はあの時点でほぼ決着がついており、いわば彼女は「もう残された要素が無い」ヒロインだったのである。その神原が単体でヒロインを務めた物語なので、その筋立ては真っ直ぐになるしかなかったわけだ。神原が悩み、阿良々木が救い、最終的には彼女の持つ最大属性の1つである「強さ」によって、沼地という幻影を打ち払い、彼女の人生における「悪魔」という楔をも吹き飛ばした。珍しく分かりやすいハッピーエンド。もちろん沼地蠟花の存在を考えればひとくくりでハッピーと言えない要素もあるにはあるが、駿河の「青春」を主軸と考えれば、やはりこれは後腐れのない青春物語だったのである。

 おかげで、普段のようにあんまりいじる部分が無かったので、ず〜〜っとメインシナリオを追いかけるばかりで2時間が経過したのが疲れた原因である。これ、5話分割でじっくり見た方が良かったような気がするが、それだとかえってメインテーマが見えにくくなるかなぁ。きちんと要所要所で変化を加えて飽きさせないようにしているのはアニメスタッフの頑張りであろうから、そういう工夫が見えやすくなったのは一挙放送のおかげかもしれない。ここまで執拗に肉を焼き、今焼いてるのが焼き肉のどの部分かまで全部分かる作画リソースの割き方っておかしいと思うよ。

 個人的には、貝木さんの活躍がやっぱり嬉しかったかな。スーツ姿で謎の疾走を見せるお茶目な詐欺師とか、「マジで珍しいけど、お茶くらいなら驕ってやる」って言った直後に肉を焼き始める詐欺師なんかは今回数少ない笑えるポイント。あと自分の恋心を指摘されて否定しない貝木さんも割と萌え度が高い。彼は確かセカンドシリーズラストで謎の狙撃を喰らっていた気がするのだが、後日談である今作でなんで生きていたのかは謎。まぁ、詐欺師だから。あとは、結局何一つ謎が明かされなかった忍野扇という存在。結局彼女(彼?)は何者なんでしょう。原作読んでる人間はいくらか理解があるのかしら。私からすると「今回は大家さんが宮ちゃんゆのっちの2人を相手に大変やな」という感想を持つのが精一杯でした。あと、「日笠がひかさって呼ばれとる」とか。あれは完全にキャスティングの時点で狙ってるネタやな。

 というわけでキャストの話になるわけだが、前述の通り、今作は(貝木役の三木眞一郎を除けば)もう完全に沢城みゆき、阿澄佳奈の世界。アスミスに関しては、「こういう役も回ってくるようになったなぁ」という印象。まーシャフト声優だから、と言ってしまえばそれまでなのかもしれないが、沼地蠟花はあまり阿澄臭のしないキャラである。それでも、アスミスがこのダウナーな役を演じると、不思議と「暗さ」や「湿っぽさ」、そして「狂気」の裏に、何故か「無垢さ」や「あどけなさ」も表れてくる。この辺りのバランスがアスミスの面白いところ。今回のお仕事は敬愛するサワシロンとの真っ向勝負、彼女も色々楽しめたのではないでしょうか。みゆきちとの濃厚なキスシーン(?)があるキャラってのも珍しいしねぇ。

 そして我らが沢城御大。元々神原はかっ飛んだキャラなので演じていても色々と楽しそうな役なのだが、今回はそんな神原の中でも比較的中の人に近い「生真面目」という側面にスポットが当たったので、割とすんなり演じることが出来たのではなかろうか。分かりやすい中にも沢城印の細かく精度の高い演技が光り、個人的に一番だったのは、貝木にダッシュで追い抜かれた後の泣きそうな神原さんの漏れてきた鳴き声、首根っこ捕まれた時のうめき声なんかがホントにすげぇと思う。あと、沼地の真実を知って徐々に水に浸っていくバスケコートでおののくシーンとか。やっぱりこの作品はキャストに恵まれ、キャストでもってる部分が大きい。だから好きなんだろうな、多分。

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