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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 「イッペン、シンデミル?」の着ボイスはちょっと欲しい気がしてきた第11話。そしてなんといつの間にか来日してやがったらしいアイザックとミリアまで登場しており、作者繋がりの化け物どもの存在が気になります。まぁ、あの2人は死なない存在だからどこに居てもおかしくはないわけだけどさ。相変わらずの空気の読めなさにほっこりですよ。ここからさらにニャンコ先生も登場すれば大森作品大集合になるんだけどなぁ。

 さておき、前回覚醒してみせた帝人を中心に、「ダラーズ」の真実が語られ、さらにそれを使って矢霧製薬を圧倒してみせるという、なかなか痛快な1話。……のはずだが、なかなか一筋縄ではいかないのがこの作品。最後の(どうやって判断したんだかわからんが)誠二が帝人へ挑みかかる引きは、一体どんな展開になるのかが気になって仕方ないですがな。相変わらず構成が憎たらしいなぁ。

 ただ、今回はちょっとシナリオ上釈然としない部分もあったので、まずはそれを確認しておこう。なんと言っても、今回一番納得出来なかったのは、クライマックスとなるダラーズの使い方の部分である。帝人は波江が動いたのを見てすぐに反応してメールを送信したわけだが、やはりどうしたってここにタイムラグは生じている。矢霧製薬チームがなんとなくダラダラしてくれていたために大事にはならなかったが、相手は実験のためなら人の命を何とも思わない集団である。それこそ誠二のように突如襲いかかってくるという可能性もあったわけだし、みんなしてメールを見ているあいだにさっさと片が付いてしまうという危険もあったわけだ。帝人が「数の力」をそこまで信用できた根拠がいまいち分からないし、不用心な気がしてならない。

 また、「メールチェックしてない人間が敵」というのは面白いアイディアだとは思うのだが、帝人はどこまでダラーズの拡大を実数として把握できていたのだろうか。数千単位で増え、その一部を何らかの手段であの場に集めたとも考えられるわけだが、それなら、矢霧製薬チームにもダラーズのメンバーが居ても不思議はないのだ。その場合、すぐに敵側に帝人の作戦は伝わることとなり、壮大な「こけおどし」が露呈することになる。「矢霧製薬の人間はダラーズではない」という確証をどうやって得たのか、それが一番気になった部分であった。

 しかしまぁ、そうした些末な疑問点があったとしても、今回のシナリオはやはり奇妙な爽快感がある。ダラーズの結成と浸透の過程が明かされ、一介の少年だと思われた竜ヶ峰帝人が、実は「創始者」であったことが判明する。これまでのエピソードではそのあたりのことを割と露骨に、かつ自然に描かないようにぼかしてきたのは素直にうまいと思う。知らんかったせいで色々と見当外れなことも書いてきた気がするけど、まぁ、アニメ初見の人間なのでこんなもんですよ。

 そして、「ありふれた幻想だけに、それは多くの人間が望んでいることなんだ」という台詞から、「数を武器として使う」という宣言への流れは、この池袋という珍妙な街の中において、なかなか面白い自己主張である。謀略の天才である折原臨也や、部類の馬鹿力を誇る平和島静雄、組織力の矢霧波江、そして魔性の能力を秘めたセルティなど、魔都池袋には様々な「強さ」がはびこっているわけだが、地味で非力な学生である帝人が手にした力は、「無色透明な緩やかな繋がり」という、何とも奇妙なもの。これを行使する方法として、「何もせず、ただ見つめる」という戦略をとったのも「田中太郎」である帝人らしい戦略で、あくまで暴力、謀略で勝つのではなく、「ただあること」によって敵をくじく。「ただあるだけ」の存在であるダラーズの創始者として、これ以上の自己主張も無いだろう。もちろん「努力をする時間も与えられない」といいながら、彼の手にした力は長年蓄積してきた「努力」の賜物以外の何物でもないのだが、そうした「手にある力」を存分に発揮しつつ、これまでの「帝人像」を崩すことなく作戦を遂行しきった姿は、何とも不可解な、興味深い主人公の姿であった。

 こうした「力の行使」のシーンの演出がまた面白く、最初は関係していそうな人間以外はモノトーンの人影で描かれていた部分に、帝人のメールが届くことで、少しずつ個体としての色を得ていくという描写がなされている。「色がないこと」が特徴であったはずのダラーズの存在が、「次第に広がり行く色」で表現されるというのは、何とも倒錯的で、見応えのあるシーンであった。

 そして、「ダラーズ」という都市伝説の上でもう1つの都市伝説である「首無しライダー」も現実のものとなる。「池袋における自分とは何か」で思い悩んでいたセルティ。新羅には「結婚しよう」とまで言われた彼女だが、自らの手で「首が他人のものとして人格を持ち、自分の手を離れてしまった」と認識したとたん、彼女はブチ切れてしまう。理知的な彼女のこと、流石に張間美香から首だけを奪い取ろう、などとは考えなかったが(何せ首の方だって「彼女自身」なのだから)、「首のない、今の自分」の存在価値を知らしめるため、全てをなげうっての壁面滑走からの大立ち回り。画的にも迫力のあるシーンだったが、なんと言っても我を失い、現実に寄りすがるセルティのもの悲しい慟哭が寂寥感を誘う。首もなく、名も奪われ、彼女は何をもってアイデンティティとするのか。池袋の住人達は、そんな一人の女性の懊悩の、決定的な目撃者となったわけだ。

 さぁ、次週でこの矢霧製薬の騒動は一区切りするのかな? ここまで盛り上がったバカ騒ぎ、何とか収めてもらいやしょう。 

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