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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「亜人」 5→6

 終わってねぇけどなぁ。原作未完なのだからここで終わるのはやむなしか。お手本のような「俺達の戦いはこれからだ!」エンドだったので、据わりがよいといえば良いのかもしれない。

 終わってみれば案外良いアニメになった。その何割かは「佐藤さんマジかっけえ」っつうか「芳忠さんマジかっけえ」に起因するものであるが、そうして佐藤さんの渋い格好良さを見せてくれたのも、この作品のトータルの完成度故とも言えるのだろう。

 初見の時には色々と難点が目立った作品で、大きく分けると2つのポイントがあった。1つは映像面の話で、どうしてもポリゴンピクチュアズの作る映像は癖が強くて人を選ぶ部分がある。前作「シドニア」はSFだったし色々と規模のでかい話だったのでこの映像技術と親和性が高かったが、この「亜人」の場合、そうしたスケールの大きさ、CGで作るような意義が薄いんじゃないの? というのが懸念の1つ目。実際、相変わらず人物造形に関しては動きがいかにもCGキャラ(というか、なんか一昔前のゲームのモブみたいな)モーションになってしまう部分もあるので、合わない人間も多いのは仕方ないところだろう。私も正直言うとあまり合わない方の人間だとは思うのだが、今作の場合、途中からIBMという「CGの意味」を与える存在が登場したため、この「合わない」感覚はかなり改善された。IBMの持つなんとも言えない不安定さ、はかなさと、それとは真逆の不可解な存在感、圧力みたいなものを併せ持ったデザインとして、今作のCGで作られたIBMはよく出来ていた。出現時や分散時のエフェクトもなんとも「それっぽく」なっており、この表現のためにわざわざ作品全編をこのスタジオが作ったのだ、と言われたら納得出来るレベル。佐藤さんを中心として行われた人を人とも思わないような冷酷な戦闘シーンについてもこのつるっとしたCGだからこそ凄惨さを増した部分もあるし、逆にこののっぺりしたデザインだから多少緩和されて救われた部分もあるだろう。そうして考えると、今作の映像は作品のテーマにマッチした妥当なものだったといえる。

 2つ目の懸念はシナリオラインについてのもので、作品冒頭のドタバタを見て「なんで亜人ってこんなに忌避されるの? その倫理観はおかしくない?」と不思議に思ったこと。基本的な舞台は現代なのに、たった1つ「亜人がいる」というフィクションが混ざり込んだだけで、ここまで世界の見え方が変わるのはどうなんだろう、という違和感である。ただ、この部分についても亜人という存在の特殊性がどんどん明らかになることで自然に解消していった。佐藤さんの暴れっぷりを見てれば、そりゃ危険な存在だと認識するのも分かるわ。さらに「叫び声」や「IBM」などの特殊な武器も備えており、見れば見るほど「やっぱり人と違うものか」と思わせる。軽々と死を乗り越えて進軍してくる佐藤さんを見ると、唯一にして絶対の「死」という概念を乗り越えるというたった1つのハードルが、人類種と亜人を大きく隔ててしまっていることがよく分かる。この社会も、おそらくそうした「壁」を見せつけられた人間によって倫理が形作られ、人間が種としての優位を保つため、必死に積み上げたものなのだろう。一度亜人を脅威として認識してしまえば、今作のパニックものとしてのシナリオラインはなかなか道理に合っているし、なんとも真に迫っている。これに主人公本人のちょっとイカれた風味も加わると、色々と刺激の多さが楽しめるのだ。

 こうして、映像面、シナリオ面で最初にネガティブな感情を抱いていた要素は無事に解消され、本作は充分オリジナルな魅力が味わえるものになったのである。これでラストがもやっとしなければ万事OKだったのだが……こればっかりはなぁ。まぁ、気長に2期を待つしかないだろうねぇ。

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