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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 住むということ、第18話。前回に引き続き、今回はとても良いお話だった。「戦う」とか「生きる」なんていうテーマはアニメでもちょくちょく扱われているものだが、「住む」というテーマはなかなか扱えるものではない。このアニメならではの切り口から、しっかりと独自の問題をエピソードに落とし込むことが出来ていたのではなかろうか。

 前回の時点で、「全ては教授のてのひらの上」ということは分かっていたし、早苗によってインフラの整備が行われ、話題にのぼった時点で教授の目論見は果たされているというところまでは確実だった。あとは、そのゴールがどこに設定されているかという部分が問題だったわけだが、どうやら教授は全ての「終わり」までもをその計画に組み込んでいたようだ。集落の終わり、そして、自らの「終わり」。

 学問とは、常に予測と実践の繰り返しである。対象がどうなるかを事前に予測し、仮説を立て、それを実証するためにひたすらに実験や調査を繰り返す。フィールドワークを旨とした人類学の場合は、それが人の生活という対象に対して行われるわけだ。教授は雪国の生活というものに興味を持ち、その生活スタイル、文化基盤を調べるためにこの地にやってきた。その目的は、最上位に「保全」があるわけだが、今や日本中のあらゆる集落で様々な文化がひっそりと消えていることは専門家の教授が一番良く分かっていること。そこで次善の策として、「記録」というゴールを用意していた。デジタルアーカイブにのせられた集落の日々の記録。それは決して誰かが強要したわけでもないし、学術的な価値が証明されたわけでもない。しかし、教授は自らが抱えた「実践」の責任を果たすため、このアーカイブの自然生成システムを作り上げる事に成功したのである。「町興し」と言っても様々な切り口があるだろうが、今回教授が成し遂げた成果は、町という重要な文化基盤を「保存」するための起死回生の一手だったと言える。

 教授は「出来すぎだった」と言っていたが、そんな教授の目論見の副産物として、実際に集落の足となるバスの見直しが行われ、高見沢さんの尽力によって新たなシステムが完成した。確かに「出来すぎ」の話だが、まぁ、そのあたりはあくまでお話である。教授の成し遂げた業績も、あのまま老人達がひっそりと町から隔絶していくなんてオチじゃぁすっきりしないわけで、そこは「何もかもが上手くいく」というハッピーエンドの方が気持ちがいいだろう。別にあそこで高見沢さんが頑張らなくても、一応「集落の老人達もネットで町とつながっているからいざとなったら助けが呼べる」くらいでもそれなりに収束性はあるのだが、今回のエンディングの方がきれいだったのは間違いない。実際のところ、寄り合いバスという試みが実際に運用出来るかどうかもまだ結果は出ていないのだし、教授が言っていたように「集落はいつか無くなる」のもまた事実。長期的に見れば決して「ハッピー」な事ばかりではないのだが、とりあえず、今のこの段階では、彼の計画は成就したと言って良いのではなかろうか。

 こうして全てが教授の目論見通りに進んだわけだが、もちろん、これはしたたかな1人の老人が事を成したというだけの話ではない。彼が行動を起こすのに必要だったのは、積極的な町との接続と、何とか最低限の話題性を引き出すための起爆剤である。その任を求められた以上にこなしてみせたのが、我らが国王、由乃であった。彼女の脳天気な行動は、教授の目論見なんてほとんど気にしていない自発的なものだったが、少なくとも「集落と町を近づけたい」という積極的な動機を持つ第三者が現れなければ、教授の計画も机上の空論で終わっていたはずだ。由乃が現れ、チュパカブラ王国が成立したからこそ、教授は計画を前に進められたのである。今回の話の中で地味に重要なのは、そんな1つの目標に対し、ジジイも「ピンチはチャンス!」と言って援助を差し出し、更に千登勢さんも「面白いじいさんがいるもんだね」と言って快く支援していたことだ。2人とも気付いてこそいなかったが、まんまと1つのプロジェクトを一緒にサポートしていたのである。犬猿の仲だった2人の意志がつながっていたというのも、今回のプロジェクトの大きな一歩といえるだろう。

 そして、全てを成し遂げた教授はそのまま表舞台から退場してしまった。しかし、こうして「失われた」ことによって、かえって「残ったもの」が浮き彫りになるというのも興味深い。確かに聡明な仕掛け人は亡くなってしまった。しかし、彼が成し遂げた結果は村に息づいているし、彼が80年の時をかけて積み上げた学問的な成果だってノートの中にしっかりと残されている。そして何より、「町を見守り、保全していく」という教授の強い想いは、同じような立場から町にやってきた早苗の中に強く根付くことになった。あまりにも大きく、あまりにも偉大だった先人の全ての想いを引き継ぐことは流石に重荷ではあるが、これまで何となく町の活動に協力してきただけの早苗に、大きな1つの道しるべが与えられたことは間違いない。「住む」というのは、そういうことなのだ。教授と早苗の対話は、新たな「監督役」へのバトンタッチを表すものだったのである。もう、早苗さんも今後の人生に迷うことはないと思います。

 残りの面々は……なんか楽しそうにしてただけですけどね。真希さんにお酒与えちゃ駄目。正確には、真希(の中の人)にお酒与えちゃ駄目。ホンマに楽しそうに暴れるから。

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