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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 百合は世界を創造する、第21話。どこぞの概念魔法少女と悪魔魔法少女のごとく、女の子が手を繋げば、そこに新しい世界は生まれるのです。次元を飛んだアルタイルさんたちが二人で寝そべる構図もまどほむと同じなんですよ。

 アルタイル戦の決着は禁じ手による盤外からのフィニッシュである。颯太が繰り出した「卑怯で汚い」やり方とは、創造主、セツナの創造。もう、なんかいろんなところでイレギュラーが発生してごちゃごちゃになってしまっているので、今回の決着に導かれるまでのファクターをまとめていかなければならないだろう。

 まず根本的に、1つ目のイレギュラーは「被造物の顕現」という現象そのものだった。これによりアルタイルがこの世にうみだされ、次々と被造物が顕現する中で、「これ以上世界の理を歪めたら、この世界がキャパオーバーしてぶっ壊れる」という問題が生じた。つまり、この1つ目のイレギュラーはアルタイルという要素を生みだしながらさらに彼女の最終目標に設定されたもの。そして2つ目のイレギュラーは、アルタイルという存在そのもの。他の被造物は「承認力」のルールにより、消費者の最大多数の認識が反映される形でこの世に生まれるが、彼女だけは確固たる「原作」が存在せず、この世に生み出された二次創作、個人の持つ彼女のイメージの数だけ膨らみを持つという。動画サイトからの誕生という他のキャラとの差が彼女の持つ「イレギュラー」を作り出し、彼女を「被造物というイレギュラーの中でもイレギュラー」という特異な立場に立たせた。

 そして、そんなアルタイルは創造主たるセツナへの想いが高じて世界を破壊することを信念としていたが、ここで3つ目のイレギュラーとして、颯太が「創造主を創造する」というとんでもない奇策に打って出た。承認力のルールさえ逸脱し、真鍳の特殊能力の助けを経て辛うじて成立させたかりそめの存在ではあったが、少なくとも颯太の中でのセツナであることに間違いはなく、2人の関係性から察するに、どうやらアルタイルの中でも立派に彼女はセツナとして成立する存在だったようだ。勝手な推測だが、彼女の姿が顕現した際、アルタイルは相当に動揺しただろうから、彼女はうっかり「そこに彼女がいること」を「認めたくて」認めてしまった。被造物であるアルタイルが認めたという事実を観客たちは見守っていたわけで、その「アルタイルによる保証」がセツナを成立させるための最後の承認力を提供したのではなかろうか。

 こうして僅かながらも存在できた「被造創造主」であるセツナ。わざわざ颯太が彼女を引っ張り出してきたのは、端的に言ってしまえば本当に下衆な考えでしかない。まぁ、単純に言えば「被造物を黙らせるなら創造主」ということ。これまで、真鍳やアリスちゃん、ブリッツみたいに創造主に牙を剥いた連中もいるのだから創造主がいれば全てコントロールできるというわけではないが、すでに颯太はまみかやブリッツの情報からアルタイルの行動原理の根底に「親」であるセツナがいることは分かっている。アルタイルは出自が揺らいでいること、出会えなかったことから、すがりつくべき創造主たるセツナに対して特別な感情を持っていたのだろう。下世話な言い方をすれば、立てこもった犯人に「お母さんは泣いているぞ!」とお袋さんを引っ張り出してくるのと同じ戦略なのである。そしてまぁ、これがアルタイルさんにはよく効くのだ。

 アルタイルという「イレギュラーの中のイレギュラー」。そしてセツナという「イレギュラーによるイレギュラー」。この二者を邂逅させ、その後どうなるかなんて颯太も想像していなかっただろう。打ち出す手立てがなくなったから苦肉の策で思いつきのアイディア勝負に過ぎない。しかし、結果は想像をはるかに超えたものになった。アルタイルがこれまで狙っていたのは「イレギュラーの度合いをどんどん上げていくことで世界が許容できなくなってぶっ壊れる」という結末だったのだが、そんな爆心地であるアルタイルに、いわば全パワーを叩きつけて「イレギュラーの塊」を生み出させる餌を与えたことになる。消えかけのセツナを前にして、アルタイルが行ったのは「破壊」とは真逆の行動、つまり「世界の創造」。これにより、アルタイルとセツナという最大のイレギュラーが現世とは別次元へと切り離され、アルタイルが貯めてきた破壊のエネルギーが全てチャラになるのだ。これまで幾度となく「被造物はこの世界に現れた時点でわれわれ人間と対等であり、彼女たちにも物語がある」ということを確認してきたわけだが、アルタイルはそんな被造物たちの中でもとりわけ強烈なパワーを持っていたおかげで、ついに「被造物」から「創造主」になり変わったのである。クリエイター(セツナ)が生み出した被造物(アルタイル)が、今度は新たな世界に被造物(セツナ)を成立させる。この二重の構造こそが、今作で最後に用意された「Re:Creator」という言葉の意味である。いやはや、恐れ入った。

 今回の一件で、本作の主人公がアルタイルであったことは確実になった。今作で最も「Creator」の称号がふさわしいのは間違いなく彼女なのだから。シマザキセツナの物語、そしてアルタイルの物語に、非の打ち所は一つもない。

 ただ、残念ながら問題が1つだけある。颯太である。あいつ、何でセツナを創作に紛れ込ませるっていう(本来なら成立しないはずの)アイディアを盛り込んだくらいで「君と同じところに立てたかな」とか偉そうなことを言っているのだろうか。今回、改めて颯太のクズエピソードが反芻され、「こいつがもっとちゃんとしてればそもそも事件はなかったのに……」という残念さが際立ったことに加え、せっかくアルタイルとセツナが二人きりで睦言を語らうという最強のシチュエーションだったにもかかわらず、たかだか眼鏡で割って入って邪魔しにきた。お前いらんねん。別にセツナの才能や生涯を語る上で、颯太はなくてもええねん。何で「颯太のおかげで解決しました」みたいな空気を作ろうとしてるんだ。違うからな。全部アルタイルさんの献身と純愛のおかげなんだからな。

 とりあえず、無事にアルタイルさんが幸せになれたことで、今回のCreatorのお話は一件落着といったところか。まぁ、セレジアさんとかアリスちゃんとかがどうなるねん、って話はあるけど……ほら、前回アルタイルさんが言ってたじゃないですか、「そいつらは脇役だ」と。このまま何事もなかったかのようにハッピーエンドで問題ないです。まぁ、残りの被造物連中が今後どうなるのかは知らないけど。ラスト1話でそのへんの後日譚になるのかな。いや、でも真鍳ちゃんがのうのうと生きてるのはちょっとまずいな……。

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