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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 突然の映画!! どうも、アニメ映画しか観ない僕です。突然の実写邦画という視聴結果に自分でもびっくりです。そして記事を立てることになったのはさらにびっくりです。記事立ててるってことは、割と気に入ってるってことなんですね。普段やらないことなもんで、カテゴリがないので「特撮」のカテゴリに放り込んでおくしかない。特撮要素ゼロだけどな。

 

 <まずネタバレ含まない程度での感想>

 

 何故この映画を観るに至ったかという部分は割と謎なので簡単に自分語りをしておくと、まず、原作小説の時点でちょいちょい読んでるんですね。正確には3作目の「クレイジーフォックス」まで。何故読んでいるかというと、単純に人狼ゲームが好きだから。小説原作者の川上亮は私が馴染みのあるボドゲ業界のライター、デザイナーとしては割と有名な人で、その人が書いてるならとりあえず読んでみようか、というので1作目を暇つぶしに読んだ。まぁ、ぶっちゃけ本当に「単に人狼やってるだけ」なので特別面白いというほどではないのだが、人狼って他人がやってるのをはたから見てるだけで割と面白いんだよね。むしろ、私は中に入ってプレイするとプレッシャーで死にそうになるので、GMやりながら脇で見てる方が好きなくらい。だから小説版人狼は「どこかで誰かがプレイした人狼のリプレイ」くらいの気分で読んでいたのである。幸い、2作目「ビーストサイド」では倒叙形式になって盛り上がりもあったし、3作目「クレイジーフォックス」は恋愛ドラマと交えてのドラマ作りもそれなりに意味があり、毎回きちんと違うことをやってくれるので退屈はしない(まぁ、エンタメ小説なんだからそれくらいやってもらわないと困るが)。

 で、そこまで読んだ状態で続刊までは読んでなくて、たまたま1月から「人狼ゲーム ロストエデン」という新作ドラマが地上波で放送されることを(アニメの合間のCMで)知り、「どうせアニメを40本も50本も見てるんだから、その間に実写ドラマの1本くらい入れてもいいだろ」というので録画作品に追加した。1時間ドラマだとしんどいが、30分×1クールならアニメと同じ感覚で見られるだろう、というのもあったかもしれない。そちらは無事にこの春に放送を終了したわけだが、「続きは劇場版で!」のエンディングになっており、さすがにこのままじゃ放置できない、ってんで、上映館も上映数も少ない中でひっそり公開していたこの映画を観に行ったわけだ。

 わざわざ観に行ったということは、「ロストエデン」も割と嫌いじゃなかったということ。完全にベーシックルールだけの人狼だが、ちゃんと「この設定」だからこそ出来るネタが仕込まれていて、プロットの作り方はさすがに上手い。いい具合にキャラクターに感情移入できたところでの劇場版だし、メインヒロイン・紘美がこの後どうなってしまうのか!? というのは是非とも観たかったところだ。

 で、実際劇場版の方はどうだったかというと、これがなかなかのものだった。2時間弱という尺の短さはどうしても難しい部分だが、それでもギリギリまで性急さを感じさせず、むしろ加速していく絶望感がトントン拍子の殺戮劇で増幅される感じもあるし、「ロストエデン」で蓄えられた人間関係が活きるので、短い時間の中でも割と濃密なドラマになっている。「インフェルノ」から新規参加した連中も純粋な新規ではないおかげでそこまで捨て駒という感じでもなく、ある程度インパクトを残してくれてる連中もいる(まぁ、それでも舞台装置みたいなもんだと割り切った方がいいかもしれないが)。警察サイドの話を極限まで減らしたおかげで、尺の大部分はゲームの描写に使われているのもありがたいところだ。警察の話は大体テレビ版の方で片付けてくれてたからな。

 そして、なんでわざわざ記事を立てたかというと、今作が性癖にドンピシャだったということをお伝えしたいがためである。アニメグランプリなんかでもちょっと触れているが、「お堅い女が堕ちていく様」がドがつくくらいにツボなので、本作主人公の紘美の作中での変化というか、覚醒というか、凋落というか、そういう部分の執拗な描写がたまらんのよね。あとはまぁ、単純に主演の武田玲奈が好みのタイプだったってのもあると思うけど。特に紘美役の場合は前髪きっちりわけで眉毛が引き立ち、目力の強さが尋常じゃなくなるのがホント好き(私の貧弱な顔パターン認識だと悠木碧にどことなく似てる気もする)。殺すの殺さないので「演じている役を演じる」というハードルの高い仕事だったと思うのだが、これが一切臆することなく真正面から演じきれているのも好印象。綺麗な顔がどんどん歪んでいくのを見てハァハァしたい人にはホントおすすめ。中でもオススメは、映画の中で親友のルナから衝撃的な一言を言われた時の紘美の顔。あれはもう、すごい(語彙喪失)。下手したらあのワンシーン観るためだけにBD出たら買うかもしれん。

 特に興味はなかったので認識してなかったけど、このシリーズは他の作品も映像化されてるらしいので、機会があったらそっちも観てみたいかも。ただ、単に「武田玲奈が可愛い」というのが最大限のモチベーションだったとするなら他を見てもピンとこない可能性もあるけど。

 

 

<以下、ネタバレも含む部分での感想もちょこっと>

 




 

 というわけで、劇場版では紘美の心情部分の掘り下げが最大の見どころになったわけなのだが、あれだけ頑なに「人を殺したくない」って叫んでいた紘美がわずか2時間(作中では3日)で転がり落ちていく様子が最高にクレイジー&クールである。それを牽引してくれたのがナチュラル・ラブドランカーの亜利沙。彼女は水谷への偏愛をただ貫き続けようとしているキャラなので主義主張が一貫していて非常に見やすく、さらに独自の行動原理のおかげでいい具合にシチュエーションをかき混ぜてくれるこの作品の屋台骨。そして、彼女の狂気に引きずられるようにして紘美が次第に壊れていき、最終的にはその亜利沙を乗り越えててっぺんに達するという倒錯劇がまたソソるのである。

 最初は亜利沙をなんとか「正気」のうちに止めようとして方便として使っていたはずの「生きなければいけない」っていう文句が、口にし続けるうちにだんだん紘美の中で広がっていき、最終的には自分が人を殺すための免罪符として最大化されてしまう。亜利沙とぶつかったシーンで顕著なのは「紘美の正義」が正しいのか正しくないか、という問題が作中ではほとんど語られていないという部分で、少なくとも「ロストエデン」の中では紘美の行動は絶対正義だったし、ルナも最後の最後にはそれを信じたはず。しかし、亜利沙にその「正義」を揺さぶられ、何もかもが自分の思う「正義」の通りでないと気づかされてしまった紘美は、最後にすがるべきものが「生きる」というただ一点になってしまった。ラストシーンの「まだ生きている」という彼女の独白が最高のカタルシスをもたらすのは、このドラマを通じて、野々山紘美という女性が完全に書き換えられたことを示すものだからである。あの後警察に保護された紘美は、この後どんな壮絶な人生を送ることになるのか。想像するだけでも絶望的で、またゾクゾクさせられるのである。

 紘美を語る上ではずせないのは、最後の最後までもつれにもつれたルナとの友情。「ロストエデン」の時点で親友のルナがクソ野郎だということはわかっているわけだが、それでも、「友達」を大切にしたいという気持ちが拭きれなかった紘美はずっとルナを守るための方策を考え続け、「ロストエデン」のラストシーンではギリギリで二人の友情が勝利をつなぎとめることに成功した。ルナはクズではあるが、最後の最後まで紘美を守りきることができたのだ。

 しかしそんな友情も「インフェルノ」では早々に寸断される。人狼を引いた紘美、そして相方が亜利沙だと判明し、狂人は水谷(だと思われた)。その時点で2人が生きる方法はない。「自分が死ぬか、ルナが生きるか」をずっと抱え込んでいた紘美。言い換えれば「自分が死ぬか、ルナを殺すか」なのだが、次々に周りの人間が死んでいく中でもなんとかルナの命を長らえることを考えていた紘美も、亜利沙の影響で少しずつ信念が歪み、崩れていく。

 どこかで決裂することが約束されていた2人の友情だが、投票シーンではルナが「紘美には悪いけど」の一言で矛先を紘美に向けかける(正確には馬渡と同時にだが)。この瞬間、視聴者サイドから見ていると「あぁ、ついにルナの奴が裏切りよったぞ、紘美さんも絶望的やな」というふうに読み取ることができる。絶対正義を守らんとし、ルナの命を守るために奔走した紘美が一方的に裏切られる構図かと。

 しかし、実際にはそうではないのだ。ルナの言動に慌てふためく紘美が詰め寄った時に、ルナが発した一言は「いつもの紘美の顔じゃない」である。この一言が本当に凄まじい。どれだけ極限状態にあっても、「ロストエデン」の段階ではルナはそんなことは言わなかった。確証がない中でも、ルナは紘美のことを信じ続けることができた。しかし、それを覆すような言動に出てしまったきっかけは、「いつもと違う紘美の顔」。もう、この時点で何人もの命を奪っている紘美は、元の正義の女子高生とはかけ離れた存在になってしまったいたのだ。そのことを、「親友」だったルナだからこそ気づくことができた。「いつもの紘美の顔じゃない」。その一言で、紘美は自分の変質を初めて突きつけられ、もう二度と戻れないことを悟り、あとは転がり落ちるだけである。どれだけ表面を偽っても隠せない殺人者としての本質。もがき苦しむ自分の内面を唯一察した親友の存在。そしてそんな親友に手をかけることを真剣に考え始めた自分。すでに、この時の投票シーンで紘美は壊れてしまったのだろう。最後の夜の投票シーンでは、すでにルナは「道具」と化してしまっている様子が伺える。紘美が連日連夜繰り返した冷酷な「投票!」の発声も、少しずつその色合いを変えていたことにお気づきだろうか。改めて、武田玲奈の芝居作りの凄みを強調しておきたい。

 なお、家に帰ってパンフレットを見るまで、水谷の中の人が「エグゼイド」の闇医者だということにさっぱり気づいていなかったので、俺はやっぱり人の顔ってものにほとほと興味がないのだという現実を叩きつけられたりもしている。こんなんだから声オタになるんやで。そんな人間でもたまには3次元に惚れてもいいじゃない。

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