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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 2日連続で映画館へ。こういうのって不思議と波があってね。スケジュール的にもモチベーション的にも。行こうと思える時に一気に行かないと、私みたいな出不精の人間はすぐに言うだけになってしまう。そして、今作は少し前から上映していた作品なのだが、とにかく話題になってないせいで上映回が見る見る減っていき、「そのうち行こう」と思ったらすぐに日に2回になり、ついには1回だけになり。しかも朝一の9時前とかいうかなりキツい時間帯しか残ってなかった。真面目か! 出勤日か! 社会人か!(社会人だよ) まー、お仕事にいくのに9時出社だったら嫌だけど、アニメ見るためならしょうがないかー、ってんで早起きして行ってきました。こういうところは割と真面目なー。

 

<以下、ネタバレ要素などあるので未視聴注意>

 




 

 さて、本作であるが、端的にまとめてしまえば「設計図」である。今後打ち出したいオリジナルアニメ企画の設計図。そんな印象だ。つい最近「歌舞伎町シャーロック」の感想で「いかにもアニメの企画会議に持ち出されそうなプロット」という書き方をしたが、あっちが「今まで誰もやったことがないアニメを作りましょう!」という現場の勢いでうっかりやっちゃった感じのオリジナルなのに対し、今作はとにかく売れる要素、分かりやすい要素を固め打ちして「とにかく人気が出るものを作りましょう」という感じ。何しろ女子高生(卒業したけど)がNINJAアクションでビシバシバトルするアクションかつ女の子主人公たちが泣いたり笑ったりで友情を深めるドラマである。萌えアニメのベースを押さえることで基盤となるアニメファンを確保し、さらにNINJA要素であわよくば海外のアニメファンにも色目を使おうっていう算段が(実際にあったかどうかは分からないが)透けて見えるのである。まぁ、別にそうして作品を作り上げることは何も悪いことではないのだけど。「うわー、分かりやすいビジュアルだー」ってんでむしろ感心したくらいである。実際、そうしてキャッチーな絵面がなければ私も劇場まで足を運ばなかったかもしれないのだから、ある意味で正着打ではあるんだよな。多分主人公が野郎の忍者だったら今朝はゆっくり寝てたでしょう。

 そうして作った「分かりやすい何か」であるが、良いところは「分かりやすいし、ちゃんとキャラものとして一定水準を満たしたドラマができている」ということ。父親と祖父の死をスタート地点に、復讐に燃える少女忍者が街中で暗躍し、敵組織所属のサイキッカー少女とうっかり出会って戦場で再会する悲劇。そして最後にはそれらを乗り越え、父の無念を晴らしながら敵方だった少女とは心を通わせ、親友と呼べる仲にまでつながりを深くする……うむ、実にわかりやすい。これをまるっと90分でやった作品としては、アクション描画も悪くなかったし、「可」よりは上、「優」に届くか届かないかくらいの結果であろう。キャラデザはちゃんと可愛いから見てて華やかで良いよね(個人的にはメリッサのデザインがツボなんだけども)。

 ただ、そうして「外枠の部分で要素の置き方は間違ってないし、およそ1つのシナリオが成立した」とは思うものの、やっぱり「設計図」なんだな。多分「空の青さを〜」と真逆の印象になるのだが、今作はどっちかって言うと劇場映画でなくてシリーズアニメとして展開できた方が幸せだったんじゃないかという気がする(まぁ、今後そうして展開していくところまで目しているのかもしれないが)。ラストが「まだまだ続くよ」っていう終わり方になっているのは別に良いとしても、やっぱり90分でやるとドラマの各要素がどうしても投げやりになり、入り込みにくい部分が出てきてしまう。特に一番微妙だったのは律花とミアの馴れ初めの部分だろう。単に街中で偶然あって、日が暮れるまでチェスをやったというだけの関係性では、その後の戦場で再会した時の律花の葛藤がすごくやっつけくさくなる。もうちょい心にクるくらいにがっつりコミュニケーションがあって交流が深まっていれば「まさかあの時の娘が憎い敵だったなんて!」という悲劇が引き立つのだが、たかだか半日くらいの付き合いであそこまで大きなショックを受けるとなると、「まぁ、律花はあんまり石動流を継ぐのには向いてなかったんやろなぁ」くらいの印象で終わってしまう。その後の展開で急激に二人の仲も深まっていくのだが、多分こういう「心のかよわせ方」ってのはシリーズアニメで3〜4話くらいかけてじっくり描いてこそのお話だっただろう。

 他にもディティールに気になる部分はあり、結局親父さんと爺さんは律花にどうなって欲しかったんだろうか。不慮の事故であんな悲劇的な顛末になってしまったわけだが、あのまま無事に誕生日を迎えて三人でお祝いをしていたとしたら、彼女は「やっぱアサシンやろうぜ!」と爺さんに説得されていたのだろうか。おそらくその道をあまり望んでいなかったはずの親父さんが「有事のために」と隠しておいたラボに立派な忍び装束や武器の類を保管していたのもなんだか釈然としない。まるで律花が復讐鬼となって戦場に身を置くことを予測していたようではないか。誕生日に忍び装束を送る予定だったのも変な話で、親父さんもニコニコしながら渡すもんじゃないだろうに。そもそも、おうちで誕生パーティーをやる予定だったのだから、あの録画映像って流すタイミングがなかったはずなんだが、当日の親父さんは何をやるつもりだったんだろう(そしてなぜあのタイミングで律花が再生することになったんだろう)。

 もちろんこうした要素は「なんか気になる」っていうだけで説明されれば納得できる部分なのかもしれないが、やはり90分で1つの大きな流れを片付けなきゃいけないために、ちょいちょい脚本が駆け足になり、アラが目立つ結果になってしまった。せっかく企画の骨子は良さそうに見えるのだから、それこそ同じくStudio 3Hzが手がけた「プリンセス・プリンシパル」のようにじっくり1クールで今回のお話をやっても良かったんじゃなかろうか。探偵事務所でのアルバイトなんていかにもそうしてお話を盛り込むのにぴったりのデザインだし、日常回が挟まれば律花の性格の幅を見せつつ、メリッサとの絡みを増やすことも簡単だ。メリッサ周りのあれこれを補強できれば、彼女のドラマももっと劇的に出来ただろうに。まぁ、今作の場合メリッサの存在はあそこでちょろっと割れるからこそ面白かったのかもしれないけども。

 トータルで見ると、「特に作品の出来に大きな不満はないのだけど、なんだか関係者を集めた企画会議か試写会で見るようなアニメだった」というのが結論かな。まー、劇場作品を「天気の子」とかみたいにガッチガチに固まった完成度マックスの作品ばかりにする必要もないと言われればそうかもしれないので、今後はこうして「うまいこと劇場版で話題になればそのままシリーズ展開していきたいなぁ」みたいな企画のお披露目として使われるのもありかもしれないけどね。正直、もし「アニメ本編」がここから始まるなら応援したいと思える作品ではあったんだ。

 そして、その最大要因となっている中の人の話を例によって最後に書くんだ。わざわざ今作を早起きして観に行った理由も(毎度のことながら)ここにあり、主演が七瀬彩夏だったというのが興味を引いた。あやサマー、実は割と気になってる役者なのよ。最初の印象が「クラクエ」の由乃だったので割とまっすぐな主人公ボイスのイメージだったのだけど、ここ最近は京アニ2作なんかで割と低めの声での仕事が印象に残っていて、さてどのあたりが本筋なのだろう、と気になっていたのだ。今作の律花の演技を見ていると、ロリからハードまでの様々な側面が見られるので彼女の引き出しの多さを楽しむことが出来て割と満足。そして一番びびったのはメリッサ役の大地葉である。「あれ、事前にキャストチェックしたらたいちょー出てるって書いてあったけど、どこにいるんだ……」って思ったらメリッサだったっていう。全然気づかなかった。こっち方面で振り切れる仕事もお見事やなぁ。あとは飛田さんね。ほんと、この人は白衣が似合うんだよなぁ……。最近まともな精神状態の役が少ない気がするけど大丈夫でしょうか。ついでにいうと「藤原啓治声のアニマロイドが主人公のサポート役」っていう設定が判明した瞬間に脳内に響く声は当然「レッツ、モーフィング!」である。今回は方向音痴じゃなくて良かった。

 

 

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