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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「プリンセスコネクト!Re:Dive」 5→6

 「ソシャゲアニメに成功なし」。ここ最近、一体どれだけ書き続けてきたかも分からないこの文言に、ようやく正面から終止符を叩きつけることができた作品なんじゃなかろうか。しっかりと「ソシャゲが原作だなぁ」ということが分かる構成のままで勝負を挑み、初見の人間にも充分な見どころを提供してくれる作品。そういうデザインが、ようやく生まれたのかもしれない。

 ただ、1つ生まれたからって今後もザクザク後を追う作品が生まれるかと言われれば、多分それも違うと思う。何しろ、成功させるための条件はかなり厳しいからだ。1つは、当然予算である。今作の作画が今期のアニメの中でも群を抜いていたことは論を俟たないだろう。今作の映像製作はCygamesPictures。言わずと知れた、ソシャゲで稼ぎ、ソシャゲのために作られたサイゲームスの独自スタジオだ。これまでは「マナリアフレンズ」だけでその技術力の高さを見せつけたが、今回はいよいよ自社の看板作品のアニメで殴り込みをかけてきたわけだ。この手のソシャゲアニメはこの時代においても円盤商法である程度の採算が見込めるとあって(何故でしょうね?)、事前に予算をかけるリスクが低いという売りがある。ただ、それでもやっぱり慈善事業じゃないわけで、今やアニメ産業とは完全に逆転状態でケタが違うソシャゲ業界は、わざわざアニメを作ってリスクを追う必要もなかったはず。そこに、わざわざスタジオを作ってさらなる版図拡大のために乗り込んできた作品。そりゃま、気合が入らないはずもない。

 もちろん「金がある」というだけでは説明できない強みも多々ある。映像部分だけで言っても、やはり金崎さんの作劇のうまさが目を引く部分だろう。「このすば」でヒットを飛ばしたおかげでギャグメイカーとしての印象が強いクリエイターだが、このすばの場合ギャグの見せ方は翻せばメインヒロイン3人の見せ方がうまかったとも言える。とにかくキャラの扱いが巧みで、どうやったら最大限にそのキャラの魅力が映えるかを考えてくれている。アクアが救いようのないバカ可愛さを発揮したのと同様に、ペコリーヌは突き抜けた能天気さと溌剌とした強さを見せてこそ輝く。それがわかっているからこそ、彼女の戦闘シーンにあれだけのウェイトを置くことができる。コッコロ・キャルについても同様で、反則とすら言えるコッコロの献身的姿勢は、ロリキャラにあるまじき「ママみ」を発揮しているというので一時騒然となった(どこがだ)。キャルにしたって、猫耳ツンデレ少女なんて旧時代の遺物みたいな設定のくせに、そのはにかんだ様子を臆面もなく描くことで着実に視聴者の深層にまで食い込むキャラとなった。奇しくもこのすばと同じ「ヒロイントリオ」であるが、これだけメインキャラの掘り下げがうまくいっていれば、そりゃシナリオにだって見応えが出てくるというものである。

 さらに、映像部分以外で特筆すべきはやはり脚本構成ということになるだろう。今作の場合、ソシャゲアニメ最大のハードルだと(少なくとも俺には)思われる「キャラ多すぎ問題」について、削るとか、流すとかいう回避策を採っていない。なんと、真正面から「大量のキャラも出す」という選択。これまで数多の作品がそうやって散漫な内容に拡散した挙句に飛んで散ったわけだが、今作の場合、途中パートで新キャラを続々投入しても、その中心にある美食殿があまりに強固に確立していたため、「こっからゲストキャラ」というのが至極あっさりと理解できるようになっており、視点が散る心配がほとんどなかったのである。毎回ゲストになるキャラがいちいちぶっ飛んでたってのもあるしね。

 そして何と言っても、今作にしかできなかった荒技が、「主人公の完全空気化」というコペルニクス的な発想の転換であった。いや、確かにそこにいる。ユウキは間違いなく存在しているし、たまには活躍もした。初期の頃には「マジの赤ん坊じゃねぇか!」とネタ扱いもされた。しかし、次第にその存在は虚無へと消え、いてもいなくても問題ない、まさに「百合の間に入っててもいい男」になっていった。どうやらこれは「リダイブ」という設定のおかげで可能になったサムシングのようであるが(その辺わかってねぇしな)、普通に考えて、この配置はなかなか実行できるものではない。そして、空気と化したはずの主人公ではあるが、別に虚しいとか、必要ないとか、そういうネガティブな感情を与えるでもなく、「まぁ、ゲームの主人公だったらこのくらい置物になって見守ってるのがいいよね」という絶妙な「ゲーム感」を演出することも叶ったのである。やっぱり、改めてとんでもない発明だった気がしますね。

 まぁ、そう考えるとやっぱり「この作品にしかできない」裏技だったのは間違いないだろう。しかし、一度やってしまえば、少なくとも今作においては完全に正当化された。ということは、続く2期3期も同じ方法論で実現は可能になるはずなのだ。ソシャゲなんてのは引っ張って引っ張って長大化するのがお約束なのだし、今回のお話も何一つ解決してないのである。今後もプリコネがアニメで快進撃を続ける可能性はあるんじゃなかろうか。

 ちなみに、個人的に嬉しかったのは「多分明乃さんが福島・稲田コンビと同じように金崎ファミリーのネタ要員として登録された」ってことですね。洗剤飲めるのおばさん、いろんな世界にいる説。

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