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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 OK, Guys, 俺だぜ。どうもお久しぶりです。「ニューカペナ」ではスポイラの作成放棄をしたので、Magic関係の記事立ては半年ぶりとなります。ついにきちゃいましたね。ドミナリア。これまた波乱に波乱を重ねたようなストーリー展開でもう私のメンタルはボロボロなんですが……ほら、以前タミヨウさんが完成しちゃった時も触れたかもしれないですが、こういう容赦ない裏切り(裏切らせ)ストーリーって、NTR属性の変な琴線に触れるんですよね……ぬるぬるオイルの触手プレイで快楽堕ちするアジャニさんの薄い本ください。
 せっかくなので誰も求めてないだろうけど最近の私のMagic模様をご報告しておくと、アリーナとの付き合い方は今まで通り……と言いたいところなんですが、実はちょっと違ってまして、ここ1ヶ月は一切ドラフトをしておりません。というのも、今年は「夏セットの販売がない」という珍しいシーズン構造だったじゃないですか。代わりに紙媒体だとエルダーズゲートとダブルマスターズ、アリーナ上でもアルケミーのテコ入れが行われてドラフト環境は新設されてたんですが、なんかこぅ……妙なこだわりというか、不思議と電子オンリーの環境にあまり興味が湧かなくてですね……ニューカペナの最後のあたりでちょうど最後のジェムを使い果たしたこともあって、そこから課金してまでドラフトしなくていいかな、ってんでしばらくは構築デッキでデイリーを回すだけの接し方になりました。ちなみに愛用の構築デッキは「五者会談打ってドーンするぞデッキ」です。4回に1回くらいは勝てます。何がいいって、色の概念が無茶苦茶だからデイリーミッションの達成がこのデッキ1個で全部できること。
 そんなわけで、「ドミナリア」が帰ってきたら、私としては数ヶ月ぶりのドラフト復帰も意味するんですね。色々と世界は変わっています。ちなみに、こないだアリーナから送られてきたメールによると、私のニューカペナ環境の結果は以下の通り。
 
 こういうデータが残るのもデジタルならではで面白いですね。
 閑話休題、とにかく半年ぶりのスポイラになるので、リハビリも兼ねて頑張っていきましょうね。スタイルについては最後に作成した「神河」準拠になります。つまり、わざわざ積極的に情報を追いかけることはせず、公式に発表があった情報のみを取り扱うよ。あと、ややこしいので先に断っておくけど、記事の中では2018年発売の「ドミナリア」のことを「先代」と表記するよ。
 
○メカニズム
 詳細については公式記事参照。
 
・後援(enlist)
 戦闘特化した、「賛美」の亜種ともいえる能力。賛美との違いもたくさんあるが、開発コンセプトとして最大の違いは、能力を持っている方が後方に控えるんじゃなくて殴りに行くという部分だろう。賛美はどうしても「受けの能力」のイメージがあったが、こちらはどんな味方でも武器に変えられるために積極的に殴りに行くイメージが強くなっており、昨今の「クリーチャー戦闘主体のゲームにしたい」というWizardsの意向が伺える。また、殴りに行くクリーチャーが絞り込みやすくなり、そいつ自体に戦闘関連の能力を付与することで強さを調整しやすいのも特徴だろうか。タフネスが増加せず、必要以上に無敵感が出ないあたりもバランス調整の賜物だろう。後援に使えるクリーチャーは召喚酔いしていてはダメなので、必要以上にゲームバランスを壊すようなことにもならないと思うが、「殴れないけどパワーが高いクリーチャー」(「装飾庭園み歩くもの」あたりだろうか)の需要が上がり、アンブロッカブルを付与する方法なども付随して価値が生まれるのはチェックしておいてもいいかもしれない。腐乱ゾンビに後援させるのも面白いかもしれない(嫌な図だな)。
 ちなみに余談だが、ルールテキスト上に「召喚酔い(Summoning sickness)」という言葉が正式に書かれるのはだいぶ久しぶりな気がする。最近はサプライセットなんかを全然チェックしてないので統率者関係のカードなんかは分からないが、Wikiで調べると明確に言及されているのは「ドライアドの東屋」以来とか?
 
・先読(Read ahead
 日本語は「サキヨミ」と読むのでいいんでしょうかね? 「センドク」ではないよな。ドミナリアなので当然英雄譚はたくさん用意されているが、その全てがこの新機能であるページスキップが与えられているという。なるほど英雄譚の根本的なシステムを破壊せずに利便性を持たせるのには、シンプルだが効果的なギミックである。ほんのちょっとの変更で新鮮味を与えられるので、これはうまいデザインなんじゃなかろうか。一応の懸念は2つあって、1つは、そうして利便性を与えることで当然強さは増すわけで、壊れないように安全弁をかけると鮮烈さが薄れやしないかという懸念。これまでの英雄譚は「3章まで読むのに時間がかかるから……」という免罪符を手に強烈な能力を配置できたわけだが、それが出来なくなると多少穏当な能力にまとめられる懸念はある。でもまぁ、それくらいは開発部も分かってるだろうし、せっかくのギミックをフル活用する面白いデザインに期待しよう。もう1つの懸念は「先読」のルールテキストを記載する分だけテキスト欄が小さくなっちゃったので、文字数の関係で制限される能力が多そうなこと。こればかりは紙のMagicの限界なので致し方ないが。
 あと「ヴォリンクレックスさんがいるとカウンターの扱いがややこしそう」という心配もあったんだけど、どーせスタン落ちするから別にええか。
 
・麻痺カウンター(Stun counter)
 青が得意な「氷漬け」能力をカウンターにしたもので、能力としては直感的に理解しやすいので取り扱いには不自由しないだろう。ただ、現在は盾カウンターやら能力カウンターやらとカウンターへの負担がかなり大きくなっているので、紙のMagicは相当ややこしそうである。変な装備品のせいでPWが攻撃してきた時に「えっと、忠誠カウンターが4つと+1/+1カウンター2つ、盾カウンターと絆魂カウンターがのった状態で……」「いや、その2つは麻痺カウンターだよ」とかいう地獄絵図が実現可能。ちなみに、何故この能力が今回ギミック化されたかを考えるに、おそらく後援能力との兼ね合いがあるんじゃないだろうか。青の必殺技はオーラで氷漬けにして押し込めることだが、そうなると白の「平和な心」系との差に「後援で使えるか使えないか」という優劣がはっきり出てしまう。そこで、青の除去オーラの一部をこのように「制限時間付き」にすることで後援能力の強さを底上げしようとしたと思われる。どうせ多色ならリミテッドは多少スローダウンした環境になるだろうし、この時間制限の扱いも勝負のポイントの1つになるんじゃなかろうか。
 ちなみに日本語名は「麻痺」だが英語名はstunになっている。過去のカードの和訳と照らし合わせると「麻痺」は「paralyze」で、「stun」は「気絶」。揃える意味では「気絶カウンター」でもよかった気がするのだが、雰囲気を優先した結果でしょうかね。
 
・版図(Domain)
 ここからは再録ギミック。こちらは能力語であるが、語としての登場は2回目。概念が初登場したのは初めて多色を売りにしたインベイジョンブロックの時で、この時はまだ名前がなかった。続いて同じく多色世界、アラーラ次元の「コンフラックス」にて、初めて名前付きの能力となった。振り返ってみれば、インベイジョンブロックはドミナリアがファイレクシアと最終決戦に挑む様子が描かれたセットであった。その時に初登場した能力が今回大々的に再録されるというのは、偶然かもしれないが運命めいたものを感じる。
 この能力が登場したということはリミテッドでも多色化が打ち出される可能性もあるが、流石に多色を売りにしたニューカペナの次のセットでコンセプト丸かぶりはないだろうから、今までの扱いを考えるなら緑(と多分赤)のアーキタイプの1つに「多色」がある感じじゃなかろうか。ニューカペナの宝物トークンがそのままギミックとして置き換わると考えるとイメージしやすそうだ。
 ちなみに構築レベルで考えると、現在は土地タイプを3つ持ってるニューカペナトライオームがバリバリの現役。なんと最速2ターンで5種類の基本土地タイプを全てカバーすることが可能。そう考えると、デザインチームはあんまり壊れたか版図カードは作れないってことになるが……まぁ、版図のいいところはどれだけ頑張っても最大ボリュームが5で終わるって部分なので、そこまでヤバいものにはならない……と思いたいね。
 
・キッカー(Kicker)
 あらゆる能力の頂点に立つKing of 能力、キッカーさんがもう何度目になるかも分からない再録。解説記事では「ドミナリアに戻るんだから、先代で人気のあった要素はちゃんと入れとかないとね!」みたいな言い方してるが、別にキッカーにドミナリア固有のイメージねぇよ。まぁ、正確には「歴史的を入れようとしたけど諸事情で外れちゃったから、穴埋めで手っ取り早く使えるのがキッカーやった」という話なのだが。どこにいたって完璧な仕事をしてくれるのがキッカー先輩の実力ですんで。今のところ発表されてるキッカー、多色化が推し進められてるのでなんとなくアポカリプスみがある。「ラッカボルバー」とか再録されねぇかな。
 
・その他雑感
 上で触れた「歴史的を入れられなかったからキッカー入れたよ」など、最近のマローは積極的に開発の狙いを事前に開示してくれるのでいろんな情報が見られるし、考えることができるので助かりますね。セットの全容はまだまだ分からないので完全に第一印象での話だが、正直、歴史的が再録されなかったのはちょっと残念。先代環境の時には割と好きなギミックだったので。でもまぁ、そこまで支配的な概念でもないし、あんまり構築環境には影響を与えなかったので問題は無いか。英雄譚さえゴリゴリに強くなればドミナリアっぽさは出るわよ。ただ、そうなると「前回同様に伝説のカードをいっぱい入れるやで」っていうのが本当に「それだけ」の話になっちゃってあんまり周りとの有機的な絡みがなくなっちゃうのは残念。一応伝説絡みのギミックは残るらしいが……。そんな中で笑ってしまったのが、「先代にあったギミックで再録を検討したけど即却下されたのは伝説の呪文やな。あれはあかんかった」という一文。まぁ、そうやな。とても正しい判断です。
 
 
以下、個別カード。
 



 
怒りの大天使Archangel of Wrath
 キッカー能力のサンプルとして紹介されたレア天使。4マナ3/4飛行絆魂というズルいボディの時点でレアとして文句無しだが、そこにキッカーギミックを入れて一際残虐性を増している。やっぱりこうして敵対色2色のキッカーを持ってるとアポカリプスを思い出すんだよな……この組み合わせだと「デイガボルバー」ですね。今回の多色キッカーは煩雑さを回避するためか、どちらの色で払っても効果は一緒で、事実上の多重キッカーみたいな扱いになっている。この天使のやらしいところはキッカー2回の時に対象を分ける必要がなく、1つのターゲットに4点叩き込むのも可能という部分。3色6マナならそれくらいやっても文句は言われないだろうが、絆魂と飛行がついたフレイムタンはやっぱやりすぎ。
 
 
ベナリア守護者Guardian of New Benalia
 こちらは後援能力のお披露目に使われたレア兵士。いかにも「白の2マナレアですよ〜」というえげつないパッケージングがわかりやすいレアリティ主張になっている。後援能力ってのはタフネスが上がらないので先制攻撃を持っていない場合には生存率が変わらず、いうてもそこまで脅威度に大きな変化はないはずなのだが、そこにこうして破壊不能とか与えちゃうともうダメよ。「アダントの先兵」「歴戦神聖」といった先人たちが残した実績をさらにエグい形で引き継いでいくことになるのだろう。流石にこれ、占術能力は余計じゃないっすか? 弱点はマイナス修正。赤いデッキは震えて眠れ。
 
 
勢いを挫くImpede Momentum
 麻痺カウンターのサンプルとして紹介された手頃なコモン。既存の氷漬けオーラと比べると、3ターンという時間制限が設けられたために2マナでタップまで行えるという手軽さを手に入れた。正直、3マナでもいいので永続効果のオーラの方が強いのは間違いない。カペナ環境の「身代金の要求」ですら「えっ、効果終わるの?」と文句が出ていたのだから、3ターン後に確実に消える効果ってのは除去としてそこまで信頼できるものではないだろう。もちろん開発チームもそれを分かっているからこそ、占術なんかを盛り込んで誤魔化しているわけだ。既存のオーラとは違う使用感になるので、うまいこと活かせるデッキを探したいところ。ソーサリーなので、青赤のスペルギミックなんかが活用できればマイナスは補えるかも。
 
 
ザルファーフェイジングThe Phasing of Zhalfir
 公式にも触れられていたが、かつてテフェリーは故郷であるザルファーをファイレクシアの侵攻から守るため、一時的にフェイズアウトさせる大呪文を試みた。それが「テフェリーの防御」なのだが、残念ながらカードの効果と違ってザルファーは2度とフェイズインしなかった。今回、改めてそんなテフェリーの最大の業をカード化。フェイズアウト効果と「全破壊」の効果が混ざり合い、なんとも皮肉な物語が完成した。想定される2つの使い方は、1章からきちんと読んで自分のクリーチャーを2体救出しつつ全除去を行うパターンと、やぶれかぶれでいきなり3章を読んで何もかも吹き飛ばすやけっぱちパターン。世にも珍しい「青い全体除去」であり、流石にこれはカラーパイの「曲げ」じゃなくて「折れ」な気もするのだが、「パーマネントを何かに変身させる」は青のカラーパイなので、ファイレクシアン・トークンを提供することでぎりぎり青い効果の範疇に収めているのが絶妙である。全体除去としては決定的でないし、1章2章で相手パーマネントをフェイズアウトさせる選択肢も考える必要があるなど、かなり使い手の実力が試される1枚。まぁ、それでもやっぱり「青いラスゴ」はニーズがありそうだけどね。
 
 
蘇りし悪夢ブレイズ/Braids, Arisen Nightmare
 溌剌とした笑顔素敵だった僕らのヒロイン、ブレイズさんが装いも新たに帰還。かつては「ノワール」などの黒コンでメインエンジンを勤め上げるなど燻し銀の活躍をみせた彼女だが、そんなアイドルが1マナ軽くなり、よりマッシブな体を手に入れて持ち前のサクらせ能力も現代風にリニューアル。相手に選択肢を与えるようになったので拘束力という観点で言えば大幅に低減してはいるのだが、その代わりにもらえるものが1ドローとライフアドというならあまり問題は無いだろう。「鬼流の金床」みたいなカードでトークンを量産して相手を締め付ける戦術もいいし、私がぜひやってみたいのは土地を攻めるプレイング。……まぁ、流石に相手は土地サクるのは断るだろうが……。ローテがあるのでターグリッさんとの夢の共演が実現できなかったのは残念である。ちなみにブレイズさんの何がすごいって、此の期に及んでクリーチャータイプは「ファイレクシアン」になってないんです。あくまで陰謀団の一員として、ナイトメアの業務を担いながら人生を謳歌しているのである。強い。
 
 
進化した潜伏工作員Evolved Sleeper
 「運命の大立者」に端を発するレベルアップ系クリーチャーの最新作。前作が青単色(氷雪単?)の「隆盛するスピリット」だったが、今回はなんと黒単。そして、これまでのシリーズの中では最もコンパクトに収まり、かなり運用しやすいデザインになっている。1マナ1/1から1マナ注いで2/2。ここまではコモンクラスだが、次の3/3接死でアンコモンくらいの強さになるし、そこから先は毎ターン3マナ1ドローという異次元のアドソースへと変貌していく。黒マナの拘束は強いが、黒単ならば何枚入れといてもどこででも活躍できる実に柔軟な1マナクリーチャー。現在余ったマナの使い道としては「しつこい負け犬」という有力なライバルもいるが、今後どちらが優先されることになるだろうか。
 
 
ヴェールリリアナLiliana of the Veil
 帰還した次元ってのはどんなカードを再録するのかも見どころの1つであるが、まさかのカードがまさかの再録。PW枠ってのはそのセットの花形であり、ここに何を入れるかで集金効果も変わってくる最大の「見せ場」である。そこをまさかの再録というのは本当に驚きなのだが……そんな重責を担うに足るのが、このカードということなのだろう。ザッと価格を確認してみたが、未だにシングルでは数千円の取り引きが続いている様子。この度の再録で供給量が一気に増すので、値段はかなり抑えられそうである。クセのある能力なので、実はリミテでしっかり活躍させるのは案外難しい。スタンレベルで再びの活躍が見られるかどうかは墓地の活かし方次第だろうか。リリアナさんも実家に帰省したり、鴉の男との因縁が一段落したりでちょっと浮かれてるのかもな。
 
 
The Raven Man
 長らくリリアナを苦しめ続けていた謎の存在、それがこの「鴉の男」。デーモンたちとの契約云々以前からリリアナさんにちょっかいを出し続け、彼女の運命を弄んできたわけだが、この度公式ストーリーでついにその正体が明かされた。「なるほどそんなところから?!」という驚きもあるにはあるんだけど、まぁ、正直昔のストーリーはあんまり知らないのでピンとこない部分もあったり……。お前さん、「時のらせん」の時にふつーにクリーチャーとして存在したじゃんね。まぁ、とにかく色々と歴史は動いているのです。そんな重要人物のカード化ではあるが、彼はまだ実体を取り戻したわけではないので存在は割と儚げ。そして再録されたヴェリアナさんとはがっちりタッグを組める能力になっているあたりがニクい。まだ屍術師としての能力よりも「精神を攻めるよ」みたいな悪夢っぽさがフィーチャーされた形か。単体でも最低限の仕事はできるが、出来れば他のハンデスギミックと組み合わせた方がいい。そして、そこまで頑張るほどのボーナスでもない気もする。使えたらラッキー、くらいの気持ちで。
 
 
黙示録シェオルドレッドSheoldred, the Apocalypse
 カルドハイムにヴォリンクレックス、神河にギタさん、ニューカペナにウラブラスクさんときたら、当然ドミナリアにはこの人、シェオルドレッドさんです(ノーン様は本拠地で待機中)。もう、ストーリーが始まった時点ではドミナリアに転移して結構経ってたようで、転移のダメージを回復させながら、下半身をキャストオフしてマナ・リグに接続したりとやりたい放題の活躍ぶり。カードの方もとんでもねぇおてんばになるに違いないと思われたが……なんと4マナ。これまでの法務官シリーズでは最軽量での登場である。素体も4/5接死と(馬鹿でかいが)そこまでぶっ壊れたものでもないし、ちょっと拍子抜けかと思ったが……いや、だからこそ怖いのだろう。このデザインはマジで「ちゃんと使ってください」という意図が感じられるものになっており、「俺は得、お前は損」という法務官パートについても、実は結構えげつないことが書いてある。ライフという要素は軽んじられがちであるが、毎ターン自動で4点差をつけていく効果は、ちょっと放置しただけですぐに死が見える。相手は対処法を探したいのに、ドローを進めればそれだけ死が近づくというアリジゴク状態。これ、やりよる1枚なんじゃないですかね? 白黒ライフゲインみたいなデザインがどっかで再登場したら爆上がり。
 
 
焦熱交渉人ヤヤ/Jaya, Fiery Negotiator
 壮絶な物語の中、失われた大きなパーツの1つ、それがヤヤ。彼女が先代で帰還した時には感動を覚えたものだが、その4年後、再びのドミナリアの地で、彼女の長きにわたる物語が終わりを迎える。なんてこった。彼女の遺志はチャンドラに引き継がれる。そう思わないとやってられませんね……。
 ってなわけで、これが最後になる(と思う)ヤヤのカード化。過去2回のPWカードはどちらも5マナとやや重かった彼女だが今回は4マナ。そして小技を含めた4能力持ちという身軽さは健在だ。個人的にはプラス能力がとても気が利いているのが好き。ヤヤのこれまでの業績の中でも大きなものは、なんと言ってもケラル砦での後進育成。その中にはあのチャンドラも含まれるわけで、彼女の能力でモンクが生み出されるというだけでも「生きた意味」を感じさせるもの。後の能力はまぁ、ぶっちゃけそこまでスペックは高くないが、手頃なアド能力、そして多少手間はかかるがプラス能力に噛み合った除去性能と、4マナらしいコンパクトなまとまり方であろう。今のところ赤いPWにはそんなに大したライバルがいないので、もしコントロール寄りの赤いデッキが組みたいならお声がかかるかもしれない。
 
 
シヴの壊滅者Shivan Devastator
 名前と次元からして「シヴ山ドラゴン」のリメイクかと思われたが、あまりシヴドラっぽさは感じられず、ベースになっているのは「火山のドラゴン」の方だろうか。「火山のドラゴン」と同じ6マナで唱えるとワンサイズアップした状態で出てこられるのはさすが神話レアといったところだが、今やアンコモンに落ちてしまったロートルと比較してもあまり意味はないか。もちろん、X呪文最大の利点である可変性というのは注目すべき部分で、やろうと思えば2マナで1/1速攻フライヤーが殴りにいくことも可能。どんだけ意味があるかは定かじゃないが、低コストでドラゴンが出せることに意味を見出すデッキもありそうだ。リミテで引くと「神話でこんなもんかぁ」くらいの感じになりそうなので、出来れば構築のカウンターデッキとかで活躍の場所を見つけたい。ほら、「黄金」が落ちればまたドラゴンのポジション争いも再開しそうだし。
 
 
怪しげな統治者スクイーSquee, Dubious Monarch
 先代環境に続き、再びの新作カード化を達成したのはこちら、ウェザーライトクルーの中でも屈指の人気キャラ(?)、スクイー君である。ただ、今回はいよいよストーリーの要請上不死性を失ってしまったらしいので、今後の彼の人生が気になってしょうがないよ。幸い、カードの方は相変わらずの不死っぷりを熱烈アピール。いや、でも代を重ねるごとに生き返るのが面倒になっているので、これももしかしたら原作再現なのかしら? 最初のカード化は「アップキープに自動的に手札に戻る」というえげつない性能、2作目は「墓地から唱えられる」に変化してコストがかかるようになったが、その分ちょっとだけステータスが増強された。そして3度目の今回は、なんとテーロスから「脱出4」を持ち出して不死を表現。以前と比べると蘇りに相当な手間がかかるようになってしまったが、その分、素体の戦闘性能がなんと「ゴブリン熟練扇動者」に近いスペックを獲得。単体でも充分使えるレベルに格上げされた。なるほどこれが墓地からホイホイ戻ってきてはゲームも何もあったもんじゃないだろう。過去のスクイーとはだいぶ印象も違うし、使い方も変わってくるだろうが、今までで一番戦闘に関わらせてもらえそうなのは間違いない。今後のさまざまな環境のゴブリンデッキに注目だ。
 
 
時の火炎Temporal Firestorm
 ヤヤとテフェリーのタンデムアタック。一掃部分をヤヤが務め、それをフェイジング能力でテフェリーがサポートする形だ。現在もコントロール系の赤デッキでは「家の焼き払い」はそれなりに見かけるカードだが、こちらの呪文はベースとなる5点部分は同じで、追加要素として自軍クリーチャーを守れる可能性を付与した。1回キッカーするだけでも7マナという数字は正直どこまで現実味があるか怪しいところだが、無いよりあった方が(略)。9マナモードは大きく勝ちを引き寄せるビッグムーブには違いない。……この効果、テフェリーは相当サボってるってことだよなぁ……。
 
 
群れの渡りHerd Migration
 あんまり関係なさそうな効果を節操なくくっつけちゃった呪文。メインの効果は7マナの大技で、最大5体ものビーストが爆誕するイラスト通りの大迫力だ。流石にこの呪文をデッキインしてるなら5体出さないと嘘で、7マナから2体くらいだとコモンの「狩猟者協定」にも鼻で笑われてしまうので準備は抜かりなく。そして、7マナの呪文なんてそんなに構えられねぇよ、というクレームに対応するためにつけられたのがディスカード能力で、こちらは版図のための基本土地を直接手札に持ってくる「地勢」効果。2マナインスタントで「地勢」+3ライフなら、それだけでも呪文として一本立ちできるスペックなので、こちらの効果での出番の方が圧倒的に多いだろう。一応ディスカードや墓地のソーサリーとのシナジーを見込めるデッキなら何かギミックを仕込めそうだが、その手のデッキってあんまり緑が絡まないのよね。
 
 
ラノワール壌土語りLlanowar Loamspeaker
 マナを出し続けて30年、ラノワールから出てきたレアエルフはマナ能力に関しては一切の手加減無し。2マナ1/3で好きな色マナが出せるっていうだけでも、過去のさまざまなマナクリーチャーの上位互換と言える性能。同じドミナリア次元から「ユートピアの」がさめざめと泣いているに違いない(まぁ、あいつはいろんな後輩に泣かされてるけど)。そして当然それだけでは終わらないのが現代版エルフであり、なんとマナが充分になって手が空いたら戦闘にまで加担し始めるという。過去のマナエルフってぇととにかくマナ出ししか頭にない連中が多かったが、こうして後の展開まで考えてるのはかなりのお利口さん。これが殴り始める場合には是非ともフレーバーテキストを読み上げながら殴ってほしい。一応補足しておくと、「ラノワールのエルフ」の有名なあの一文のオマージュである。
 
 
ニショーバ喧嘩屋Nishoba Brawler
 版図能力のお披露目に使われた版図の申し子。この手の「ステータスが版図で上下する」というデザインはこの能力が生まれた時点で出てくることが必然であり、黎明期のインベイジョンには既に似たコンセプトの「カヴー斥候」がいるし、コンフラックスの時代にも機動型能力で同じ効果を得る「さまようゴブリン」がいる。面白いのは、こうしてパワーだけが可変のクリーチャーは元々赤に与えられていたもの。緑の版図クリーチャーは「マトカ暴動者」のようにタフネスも版図の影響を受けるイメージが強かったのだが、今回はこれが緑にカラーシフトしている。おそらくタフネスも影響すると上述の通りにトライオームで急速成長が可能になり、こいつの場合、3ターン目に5/5トランプルが殴りにいくという地獄絵図が容易く実現できてしまう。そのような事態を避けるため、今回は意図的にツマミを絞っている状況だと思われる。リミテレベルでは3色以上になれば及第点だが、そのためだけにわざわざ色を広げるほどの戦力でもない。周りのサポートカード次第ってところか。ちなみに、ドミナリアにおけるニショーバというと「ニショーバ」あたりのせいでかなり獰猛なイメージがあったのだが、今回のイラストは多次元におけるレオニンと同程度の文明レベルはありそう。猫族にも色々あったんやろな。
 
 
のマローTerritorial Maro
 マローが紹介してくれたマロー。どうでもいい話だけど、初代のマローも別にイラストがマローに似てるわけではない。まぁ、そりゃその時期のマーク・ローズウォーターがそんなに有名人だったわけじゃなし、イラスト発注は別業務だっただろうけど。さておき、元々のマローは手札の数分のパワーとタフネスを持つクリーチャーだったわけだが、あんまり緑っぽくないってんで後続のマローたちは土地の数を参照することが増えた。今回はさらにそれを一捻りして版図ギミックに絡めたもの。上限こそ設定されたが、トライオームを併用すれば5マナ10/10は割と簡単に達成できるため、何かパワー・タフネスを悪用するギミックで使い道があるかもしれない。リミテッドの場合は3色で5マナ6/6になれるかどうかが分岐点。6/6や8/8が実現できるならバニラだとしても採用の価値はありそうだ。
 
 
世界呪文The World Spell
 氷河期(ice age)に落ち込んだドミナリアを救った、フレイアリーズの一世一代の大勝負を英雄譚にしたもの。フレイアリーズについてはかつて「フレイアリーズ」が英雄譚として登場しているが、この名シーンが英雄譚になったのは当然初めてである。おそらく先代セットでは「ドミナリア大修復」が収録されていたため、似たようなニュアンスのこの英雄譚は先送りにされたんじゃなかろうか。さて、そんな次元を揺るがす大事件がどのような効果になったかというと、緑が得意とする「踏み倒して出せるよ」系の新技になった。先読を使っていきなり3章をぶっこむと手札のカードが2枚、コストを踏み倒して出すことができる。手札が整ってしまっているなら、これ一撃でエムラクールもウラモグも出し放題である。もちろん、そんなことをしてもアドが得られるわけじゃない、ってんで丁寧に1章から読み進めてもいい。その場合には3章で爆誕させたいパーマネントをライブラリからじっくり選ぶことができる。相手からしたら3章で何が出てくるかを少しずつ予告されているみたいで生きた心地がしないだろう。もちろん、途中でこれが破壊されてしまえば3章は永遠に訪れない。単なる「ライブラリからカードを1、2枚持ってくる効果」だけで7マナはいかにも高いので、相手の対応力や、自分の命が続く時間をきちんと測った上で、何章から読むかを決める必要があるだろう。
 
 
潜伏工作員アジャニAjani, Sleeper Agent
 涙なしには見られない、愛しさと切なさと心細さを覚えてしまう残念カード。そうなんだよなぁ、今のファイレクシアって5色あるから、別に黒を足すとかせんでもファイレクシアになるんだよなぁ……。というわけで、残念ながらPW第2の犠牲者はアジャニさんでございました。意外な展開に見えるかもしれないが考えてみりゃこれはこれで必然で、何しろあのタミヨウが「完成」させられている状態。そんなタミヨウが自由にプレインズウォークして次に他の誰をたらし込むかって言ったら、正義感で一番チョロくついてきてくれそうなアジャニを狙うのは自然な流れだったのかもしれない。その際にどんな死闘があったのかすら描かれないのが本当に不憫だが……。こうしてメインキャラがガンガン闇落ちする展開になってしまっていることを考えると、なんとか後からリセットする手段は欲しいですね。テフェリーさん、過去に飛んで全部を無かったことにするのは……どうかなぁ……。
 というわけで完成版のアジャニ。タミヨウと同じくΦマナを使うことで1マナサバを読むことができるが、その場合は3マナ忠誠度2。状況次第ではあるが、できれば4マナ忠誠度4の方が安定感はありそうかな。忠誠度2で出しちゃうと奥義までの道のりはほぼ諦めなきゃいけないしね。異形になったからと言って特にやることは変わらず、1マナでやんわりとアド、そしてマイナスで全体増強というパッケージ。いつものアジャニには違いないが、マイナス能力の消費忠誠度がやや多いのがネックか。やっぱりどうせだったら奥義を目指したいところだが……この奥義だけがやたら禍々しいという……まぁ、ほら、ファイレクシアでは緑も毒の専門カラーでしたからね。なんか、全体的に悲壮感漂ってる割にカードとして普通なのがまた辛い。
 
 
アダー荒原Adarkar wastes
「コイロスの洞窟/Caves of Koilos
「カープルーザンの森/Karplusan Forest
「シヴの浅瀬/Shivan Reef
硫黄Sulfurous Springs
「ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast
 個人的にめっちゃテンションあがっちゃったのはこちらの再録。なんとあのダメランがまさかの帰還を果たした。ダメランサイクルが初登場したのははるか昔「アイスエイジ」の時代らしく、それ以来基本セットに長年収録され続けたことで、おっちゃんからすると「2色レア土地の代表格」みたいなイメージがある。実際、私がMagicを始めた第6版の頃はダメラン全盛期であり、多色に広げるってのはこれくらいのリスクを伴うんやで、というのがとても分かりやすい良い指針だった。第10版を最後に十年以上再録が無かったのでもう過去のものになったかと思っていたのだが、なるほどカード名にドミナリアの固有地名が含まれているので再録のタイミングはなかなか難しかったのかも。この機会しかないとばかりに繰り出される温故知新。古いカードではあるが、今見ても別に弱いわけではない。タップインのリスクがゼロなので、速いデッキならば他の2色土地よりも優先して採用されることは充分あり得るだろう。また、今後のセット次第ではあるが、もしかしたら無色マナを出せる部分にも意味はある……かもしれない。今の若い子は持っていないかもしれないけど、頑張って集めるやで。まぁ、俺も使おうと思ったらストレージボックスの相当奥の方から引っ張ってこなきゃいかんだろうけども……(紙のMagicなんてもう何年もやってねぇ)。
 
 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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