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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 はい、ようやくいけました。気づいたら劇場に足運ぶの2ヶ月以上ぶりなのかよ……5月に一気にまとめて通ったもんで、その反動でしばらく近づかない結果になってしまったのかしら。今作も観なきゃ観なきゃと思ってたのにいつの間にやら時が過ぎ、気がついたら日に1回の上映(しかも夜遅い)になっていた。危ないところだったかもしれん。今日確認したら少なくとも封切りしてる作品で2作品は劇場に行く必要があるので、夏の間はまたお世話になるかと思います。

 ちなみに折り返し前に今作の大まかな感想を書いとくと、「義務教育の道徳の授業で子供達に見せたったらええねん」です。

 

<以下、一応ネタバレ注意だけど、今更何を言う>




 さて、久しぶりの青ブタ。確認したら前作「ゆめみる少女」の映画がなんと2019年。コロナ前の作品だったのねぇ。4年ぶりの新作ということで、まずもって「あんまり覚えてない」というお約束の状態である。今作は地上波版も劇場版も割と好きだった印象はあるのだが、だからとて何回も見直すようなことはしてないので、どうしてもディティールは忘れてしまう。今回は一応事前に前作をもう1回観てから行くというプランもあったのだがやっぱなんやかんやで時間が取れず、しょうがないので窮余の策として「過去に自分が書いた感想だけざっくり読んで思い出して行く」という完全自給自足プランで対応。おかげで大雑把な内容と人物配置はなんとなく思い出せました。まぁ、劇場版前作はあれ1本で完結してる内容だったし、あんまり直接の関係はなかったけども。時系列で言えばあの事件の後ってことは「ますます先輩と咲太が周りの目も憚らずにいちゃこらしてる」という事態だけが重くなってはいる。いや、このカップルはもう馴れ初めの直後からだいぶバカップルだった気もするけど。作画は並の作品なのに、とにかくキャラデザがいいのでみんな可愛い。先輩、なんでそんなに美人がブレないんですか?

 今回のエピソードの最大の特徴は、この「青ブタ」という作品の根幹である思春期症候群という「題材」が、表立ってはほぼ出てこないという点。「ゆめみる少女」なんかはゴリゴリに症状(と超常)が関わってくるプロットだったのに対し、今回は現象として現れるのは花楓ちゃんのアザが広がることくらいで(まぁ、それだってだいぶ重篤な症状ではあるが)、少なくとも「超常」と言えるファクターが直接シナリオを引っ掻き回すようなことはしない。あらすじだけを書き出すなら、今作は「対人障害を患い不登校になっていた女子中学生が家族の助けを借りて少しずつ社会に出るようになり、努力の末に高校受験に挑み、最終的には自分の意思をしっかり持つことに自覚的になり、お仕着せの受験を乗り越えて自らの意思で進路を決める」というお話。これだけならEテレのドラマにあってもおかしくないような話。この「なんの変哲もないホームドラマ」という見た目を、本作は2つの観点から「青ブタオリジナル」に転換させている。

 まず1つ目。ぶっちゃけ、視聴中に私は「これ、ほんとにフツーの中学生日記だな」とぼんやり思いながら見ていたのだが、「んなわけないやんけ!」という事実を叩きつけられたのはまさにあの保健室のシーンだった。花楓は何も自分の症状に悩んでいるだけのフツーの中学生ではない。少し前までこの世に「いなかった」存在である。そして、かえでという別な少女の「代わり」に残された存在。そのことが彼女の進路選択に、そして家族との接し方に大きく影を落としていた。あまりにも数奇な彼女の人生をちょっとでも思い出せればそれが本当に大変だったことはすぐにわかったはずなのだが、わたしゃ久しぶりだったもんで花楓ちゃんの心中に全然思い至らず、「ふつーの社会ドラマ」として見てしまっており、あのシーンの花楓ちゃんの慟哭にハッとさせられたものである。そして、あの一言でショックを受けたのは咲太も同じ。彼は誰よりも妹想いのお兄ちゃんなのでもちろん私なんかと違って花楓ちゃんの苦悩は理解した上で接していたはずだが、その咲太をして、あの花楓ちゃんの叫びに咄嗟に応えることができなかった。そのくらいに、彼女の悩みは孤独で、絶望的なものだったのだ。そんな苦闘を一人続けていた少女を勇気づけるのがどれほど大変なことか。なるほどこれはドラマになる。まぁ、その後の「通信制高校に行った知り合いがいるから、話を聞いてみるといいよ」はすげぇ普通の解決策ではあるのだが。

 そうして「一見して普通のホームドラマに見えたけど、その裏にはしっかりと思春期症候群をめぐるあれこれが尾を引いていたんですよ」という「尋常→超常」の変遷が今作の視点の1つ目。そしてこれは以前から今作について触れる時に書いてきたことではあるが、そうしてどれだけの「超常」や「異常」があったとしても、結局最後に扱うべきは「思春期」であるというのが今作のブレず譲れずの根本原理。上で「平凡な解決策」と書いたが、咲太たち余人には想像もできない花楓ちゃんの悩みも、結局解決するためには地味で平凡な人間付き合いしかないのである。思春期症候群という特異な現象に名づけはするが、花楓ちゃんが戦っているのは現実世界でもそこらじゅうに転がっている心の現象なのである。その戦いを描くにあたり、本作は華美に飾り立てることもしないし、冗談めかして囃し立てたり、必要以上に脅かしたりもしない。ただ地道な、当たり前の手順があるだけだ。

 咲太はただひたすら花楓ちゃんに寄り添い、静かに彼女を見守ることを選択する。もちろん影で彼女のためにできることは全部やった上で、それを恩に着せるでもなく、ことさらに訴えるでもなく、ただ花楓が自分の足で歩けるようになるのを待っている。花楓との問答で「妹はどっちも普通だ、妹を好きなんて言ったら、色々問題があるだろ」と言っていた咲太。あのシーンではうまいことはぐらかす意味もあったし、花楓とかえでのどちらが大切かなど選ぶ意味がないという主張もこもっていただろうが、やはり一番伝えたかったこととして、咲太が花楓のためを思って動くことは「家族だから」であり、「妹のためにやれることを全部やる」のは、彼にとってはとても「普通」のことなのだろう。そうして「普通」の家族の問題を、普通に解決するお話。それができるのが「青ブタ」という作品なのである。「思春期症候群」というトリッキーな道具立てで青春のあれこれを面白おかしく具象化させるのがこれまでの主な見せ方だったところを、ついに余計な具象化無しにでも表現せしめた。この小編は、そこに最大の特異性があり、作品の依って立つところを明示する役割があったのかもしれません。全国の青少年のみんな、学びの形なんて人それぞれだからな。

 とまぁ、メインプロットに関してはこんなもんかな。ぶっちゃけ、次への布石も打たれちゃってるので「次も楽しみですね」で終わっちゃってもいいところなのだが……。せっかくなので思い出せる限り、視聴中に考えていたことを列挙して行くと……。

 まず、エンディングはズルい。いや、至極真っ当な措置なんですけど。前作のことを考えれば必然だったんですけど、もう「不可思議のカルテ」が流れるだけでちょっとウルっときちゃう部分があるじゃない。そこにまさかの花楓&かえでバージョンだからね……これが実現できるシカコの歌唱センスの高さに唸らされるわ……というか、今作は当然ながら久保ユリカの良さをギュギュッと詰め込まれてるのがとても美味しいのです。シカコは本気で声優業界でなりあがろうと思えば世界を回せるだけのパワーを持っているはずなのだが、なかなか見る機会が少なくてなぁ(Why ラブライブ声優)。

 中の人の話で言えば、突如通信制高校のプロモーションから雨宮天ボイスが聞こえてきたら、そりゃビビるよね。豊浜が所属してるアイドルグループ、「こんながっつりキャストだったんか」って思って確認したら、テレビ放送時は適当に埋めてた枠みたいね。空気読めない雨宮ボイスもいい具合に「花楓ちゃんを引っ張り上げる」力になってたよなぁ。今回一応翔子さんを除く全ヒロインが登場していたわけですが、私の中では桜島麻衣を除外すると(?)やっぱり双葉理央さんが永遠のヒロイン。今回は流石に出番が少なかったのであんまり持ち上げるチャンスはないんだけど……彼女の描写で、後ろからのアングルで見た時に耳の後ろにちゃんとメガネのつるがかかってるのが見えるのがすごく好き。これは伝わらない話か……でも、アニメのキャラデザで「耳の後ろのつる」までちゃんと見えるデザイン珍しくない? 理央さんのメガネこだわり好き。彼女が作中で「ブタ」って呼んでくれないとタイトルが破綻するので毎回ちゃんと呼んできてね!

 まぁ、いかんせん今作で一番カッコ可愛いのが誰かと言われたら、最終的には梓川咲太くんになってしまうのでね。咲太はねぇ……何なんだろう、いちいち立ち回りが完璧なのに嫌味がないラインでセーブしてくれる加減がいいのよな。本当にいいお兄ちゃんだし、いい恋人だし、いい後輩だし、いい先輩だし、いい友人だし、いいドナー提供者なんだよなぁ(あれ?)。

 あ、あと最後に、「vaio」を模したパソコンブランドのロゴが「void」なの怖くね?(オチ)

 

 

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