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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ○「魔乳秘剣帖」 5

 「せんせー、金子ひらく君がまったく自重する気配をみせませーん。クェイサーが終わったと思ったらすぐにこれって、流石に馬鹿がすぎるんじゃないですかー?」 「仕方ないでしょう、これが彼のお仕事なんだから」 以上でーす。

 クェイサーなんか終わってなかったんや。いやぁ、前クールにたまたま2話連続で見逃してしまったもんで視聴のモチベーションが切れてしまった残念な作品があったんですよ。それがクェイサー。1期が大好きだったから2期も頑張るつもりだったんだけど、途中で力尽きてしまったことはちょっと後悔してたんです。でもね、どうでも良かったみたいですね。終わってないじゃん。単に胡散臭いロシア人小僧が和風テイストになっただけじゃん。むしろ突っ込み役がいなくなったからギャグとしては悪化してるじゃん。いやー、馬鹿っていいなー。

 ほとんどの部分は「クェイサーの続き」として見ればいいと思うんだけど、一応やってることは違うらしい。らしいけど、あまりに画面がまばゆすぎてじぇんじぇん分かりません。「乳狩り」とか「討ち乳(ウチチチ)」にあった人間の胸の部分って、一体どうなってるの? あそこに規制が入るのってエロいから? グロいから? どっち? でも乳を斬られて一週間の楓が普通に活動出来てたところをみると、魔乳の秘剣には人命に害をなさずに乳だけ切り落とす秘術があるんだろうなぁ。すげぇな。ほんと、文字で書いてるとどんどん自分が馬鹿になっていくのが分かるなぁ。もう、乳吸収パートとか笑うしかないけど一周回ってぽかーんとしてたわ。大きくまとめると、「クェイサーよりもまともになった部分」は「乳をみだりに吸わなくなった」ことで、「クェイサーよりもおかしくなった部分」は、「みんな真面目過ぎる」だな。もっと楓がはっちゃけてギャグにしてくれないと、こいつら真面目に乳のために死ぬぞ。実際、何人か死んどるぞ。

 ま、今後ともいつも通りのテンションでじっくりたっぷり見ていきたいと思います。ちなみに、一番楽しみなのは大真面目な声で馬鹿全開の台詞を読み上げてた大川さんのナレーションだったりするんだけどね。その他、中の人的には「クェイサー」もそうだが、何故か「百花繚乱サムライガールズ」の流れですね。世継ぎ役に寿美菜子、アホの子に豊崎愛生、そして銀髪巨乳の敵キャラに水原薫。豊崎は本当にこういう変態作品に縁があるな。そして、活き活きしてるな。ちなみに1話だけ見ればぴかしゃがいるから軽音部員がよってたかって乳の話をするという、ある意味贅沢なお話でもあるぞ。sphere面子も3/4か。ほんと、楽しそうな現場やで。大川さんとか斧アツシがどんな顔で聞いてるんだろうな。あー、製品版じゃないと喘ぎ声が聞こえないのが憎らしい。

 こうしてみると、「クェイサー」が始まった時に「光渡しがきつすぎて何が起こってるか分からん! こんなものを流すなんて!」とか怒ってた気がすんだけど、もう、慣れっこだね。これが平常状態だものね。「あー、なるほど、乳の清拭描写がやりたいのね。確かにそれはフェティシズムを感じるわー」とか、見えない部分だけから監督の願いを読み取って共有する作業が楽しいくらいだもの。何コレ病気? うん、主に脳が。

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 ○「THE IDOL M@STER」 5

 鳴り物入りで始まりました、今期ある意味最大の注目作といえるだろう、アイマス。感想を書く前に、ある程度「私とアイマス」について触れておく方がいいだろう。

 基本的に、ゲームには一切ノータッチ。デビューの時点で中の人的に見るべきキャストがほとんどいなかったし、ゲームハード的に対応していなかったし、そもそも俺ギャルゲーやらねぇし、あんまり興味を引く対象にはなっていなかった。そんな中でも、やはりこの世界に身を置いていると「やたら評判らしいで」ということは耳に入ってくるもの。現時点でこの作品がどんな状態になっており、どういう評判が飛び交っているのかは大体知っていると思う。「2」になったときのあの悲しい事件も知っているし、そうした根強い原作ファンが、相当な覚悟でこのアニメを見るであろうことも想像に難くない。しかし、私は残念ながら、そこまでの熱心なファン層と同じ視点では見られないんだ。

 「アイマス」に最初に触れたのは、何を隠そうあの名作「XENOGRASIA」である。世間的にあれが黒歴史呼ばわりされているのが非常に不満なのだが、私と長井龍雪の出会いの作品ともなった「ゼノグラ」は、今でも面白かったと確信している。確かにアイマスである必要が欠片も無かったのは事実だろうが、サンライズロボットアニメの中では至極まっとうな出来であるし、贅沢なキャスト起用も相まって、見るべき点が多い秀作だと思っているのだが。まず、その時点で原作ファンとは意見が違うんだな。まぁ、元々愛好していたもののキャストが変更されたら怒るのは仕方ないと思うけど。私にとっては、キャストといえば晴香は井口だし、伊織はゆかりんなのである。堀江由衣の雪歩が闇に落ち、キタエリボイスの真が嫉妬に燃え狂うのが私のアイマス観だったのだ。

 それがいくらか正しい方向に是正されたのが、ちょっと前に何故かドはまりした「ぷちます!」である。小動物に滅法弱い私が、あんなに可愛らしいキャラクターに耐えられるわけがなかった。アイマス原作知識なんてほとんどないのにコミックスを買い、グッズがついたらうっかり「電撃マ王」も買っちゃう程度にはファン。おかげで気づけばすっかり「秋月律子」という名前だけで心動かされる始末。一番好きなぷちはちっちゃんなんだけど、その時点で「俺はひょっとして律の字がついている子なら誰でも好きになってしまうんじゃなかろうか」という疑念まで生まれた。

 で、そんな「ぷちますファン」の状態で、今作を観るわけですよ。いわば原作には初めて触れる状態ですよね。見ていて安心したのは、「ぷちます」ワールドは想像以上に原作そのままだったこと。美樹のキャラだけちょと違う気もするけど、他の部分はキャラクターデザインも含めてほぼ理想通りの「ぷちます」ワールド。あとは小動物が出てくれば完璧なのだが、肝心要のその要素だけは残念ながらアニメ化されていない模様。危ないところだった、「ぷちます」アニメ化だったらどれだけ経済的にダメージを受けていたことか。

 まぁ、冗談はさておき、原作「アイマス」の魅力を出すための方策としては、実に無難に、悪くないスタートを切ったのではなかろうか。13人も抱えるアイドルを全員平等に扱い、それぞれに見せ場を作るなんて到底無理な話だと思うのだが、それでも1話目は「ちゃんと全員扱います」という意思表明がちゃんとなされており、どのキャラのファンでもそこそこ満足できるようには作られているように見える。カメラでの撮影風景という体をとっているおかげでアイドルのPVのように見える部分もあり、それに加えてアイドル事務所の家族的な賑やかさ、仲の良さもあり、非常にアットホームで、微笑ましいスタートである。特に大きく心揺さぶられるようなものではないのだが、1キャラ1キャラの顔見せとしてはこれ以上ないムービーといえるだろう。あとは、顔出しで介入してきた主人公「プロデューサーさん」がどのような扱いになるかで、今後の勝負が決まるか……

 ま、あとは原作ファンに任せることにしましょうかね。特にバックグラウンドにこだわりもないので、今回のように肩肘張らないエピソードでも、緩く、丁寧に、楽しげに描いてくれればそれで満足です。そしてゆくゆくは、「ぷちます」がアニメ化すればいいじゃない。マジで。どたぷ〜んすればいいじゃない! お願い偉い人! かっかかっか、はるかっか!

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 ○「R−15」 2

 あぁ、うん、そうだな……で、どうしたらいいんだろう。今期何本目か分からないラノベ枠だが、一番分からないのは視聴者層のニーズだったりする。……これ、どういう層からの人気がある作品なの?

 いや、別にいいんだけどさ。多分過去にアニメ化された作品の中にも、似たようなレベル、ひょっとしたらこれよりしょーもないレベルの話っていうのは転がっていたと思うし。わざわざこの作品だけを目の仇にする必要も無いだろう。見る人が見れば「れでぃばと」だって大体同じ内容だしな。でも受け付けない。必要性が全く見えてこない。……余計なエロ要素を抜いてコロコロコミックとかで連載するといいんじゃないかな。

 冒頭、主人公がポルノ作家、という設定だけはなるほどと思った。あらゆるジャンルが食い荒らされた昨今、なかなか斬新な設定を考えるのは難しいが、多分男子高校生がポルノ作家として大家になり、更なる栄華を求めてその道を究め続けるという設定は、まだ世に出ていないものではなかろうか。新機軸であるということは、ひょっとしたらその設定で面白いものが作れるかもしれないということである。至極単純な発想ではあるが、自然にエロが絡められるだろうし、どんなヒロインが相手でも商売ならばエロ行為に及んでも大義名分は立つ。なるほど、思いの外ラノベの設定としては面白いかもしれない。

 ただ、ちょっと待て、ここまで考えてすぐにゴールが見えた。これって、ラノベじゃなくてエロ漫画の設定だ。エロ漫画だと、掃いて捨てるほどこんな設定はある。そして、エロ漫画なら掃いて捨てられても問題は無いのだ。だって基本的に使い捨てだから。でも、ラノベのシリーズで、しかもアニメ化までされるとなると、そうもいかないだろう。ある程度「その設定」を採用する意味は探さなきゃならないだろうし、新しいとまで言われずとも、少なくともこの設定が「活きる」面白いお話を作りたい。

 ……ないなぁ。届いてないよぉ……こっちまでその意志は伝わらないよぉ……設定だけ考えてものすごく満足した感じがするよぉ……見てて辛いよぉ……そもそも、「天才が集まる学園」っていう恐ろしく安易な発想が凄い。世界中に数百機しかない上に興業目的でしか使われないはずのISの操縦者のために世界中に何校も専門学校が作られているっていう設定くらいすごい。その学校、どう考えてもいらないだろ。同じ教室にプログラミングの天才と数学の天才と器械体操の天才とクラリネットの天才が集まって何をしたらいいねん。そこは個人でやれや。しかも天才っていってる割にみんなショボいよぉ……安易に「天才」とか書いちゃうあたりに既に限界が見て取れるわなぁ。この設定は絶対に面白くならない自信がある。1話の内容が分かりやすい証拠である。

 アニメ制作を務めるのは、「ほんと、なんで毎度こんな作品ばっかなん?」でお馴染みの名和宗則監督。そろそろ別ジャンルでの活躍とかありませんかねぇ。「クェイサー」のサポートとかに回ってくれればそれなりに輝ける人だと思うんだけど、この手の作品ばっかだと作品と共倒れしますよぉ……危ないですよぉ……作劇のテンポがものすごく悪くて、序盤の教室のシーンとか本当に中学生の学芸会見てるみたいだったよぉ……途中で流れぶった切ったチアガールの子とか、なんで出てきたんだよぉ……意味の分からん部分が多すぎるよぉ……

 えーっと、フォローすべき場所がほとんど見付かりませんでした。まぁ、正直言うと「いつか天魔の黒ウサギ」とかがこれとどんだけ違うかと言われると1話段階ではそこまで劇的に差があるとは思わんのだが、得も言われぬ「受け入れがたさ」がこの作品にはあるな。きっとそれが、「このアニメは駄目だ」という防衛本能なんだと思う。いっそこのまま、視聴前にテレビの前に巨大な門が見えて護身してくれるレベルにまでなってくれると助かるんだけどな。まだその域ではなさそうなので、頑張って次の話数くらいは見たいと思います。

 そうそう、良い印象が全く無いのは、中の人がほぼ新人で固められていて食指が全く動かなかったことも大きな理由ですね。基本的にアニメを見る動機の5割は中の人だし。今回、メインキャストで知っている名前は主人公役の合田彩くらいだろうか。「キディ・ガーランド」でクフィーユやってた頃よりはずっと聞きやすくなっていたと思うんですが、いかんせん脚本がグダグダだからな。良い印象は受けにくい。あと、新聞部の部長役に有賀由衣っていうのが驚いた。是非また聞きたい声だと(2年前に)思っていたのだが、久し振りに聞いたら全然分からなくてちょっとショック。俺が帰ってきて欲しかったのは中の人じゃなくて美邦様だったんじゃないかという気もする。あとはおらんな。月宮みどりっていう名前はすごく見たことがあるはずだけど、デビュー作でほとんどしゃべってなかったからノーカン。特に印象にも残らなかったし。そして、このよく分からない面子がオープンエンドも歌唱しているとかなぁ。ホントにね、誰得?! 誰得?! 誰得?! 誰得?! 誰得?!(CV:チョーさん)

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 ○「No.6」 4

 ノイタミナ枠2本目。つまるところは「あの花」の後番組。そして……すげぇ、わかんねぇ。本当に何1つ分からん。なんだこれ。脚本大丈夫か?

 原作はあさのあつこ。同氏の作品は過去に「テレパシー少女蘭」がアニメになっているが、正直言ってあんまり面白いとは言えない出来だった。アニメ化の際のスタッフとの兼ね合いもあるが、あんまり話作りが巧みな作家という印象は得られなかった。今作は2本目のアニメということでリベンジの意味もあるはずなのだが、やっぱりピンと来ない。これは、ちょっと危ない気がする。ある程度売れてる作品ならいいのだが……どうなんでしょうね。

 まず、映像面にはつけいる隙はない。ボンズ制作ということで実に綺麗にまとまっているし、これの前に放送される「うさぎドロップ」のちょっと古めを意識した手描き感と比較すると、実にクールな、まさに「現代アニメ」的な絵柄である。一昔前ならばこのまま劇場版と言っても通用するだろう(実際、現在劇場放映されている「トワノクオン」と比べても見劣りしていない)。何とも奇妙なセッティングである「No.6」という空間の特異性はそこまで明示されるものではないが、一見すると普通に見える建物や景色の中に、1つ1つ異物を紛れ込ませて差を出す景観描写もなかなか見事なものだ。おそらくこの枠ならば予算的にもスケジュール的にも、作画面の大きな崩れは懸念せずとも大丈夫だろうから、「とにかく安心して画面が見たい」という要望には完璧に答えられる作品に違いない。

 しかし、それだけはっきりとした画面であるにも関わらず(というかむしろそのせいで)、お話のぽか〜ん具合が甚だしい。毎度毎度色んな作品の1話目で言っているのだが、「分からないコト」それ自体は別に構わない。1話でそこに登場する全てを理解させるのは不可能であるし、理解させる必要も無いからだ。しかし、この作品は曲がりなりにもしばらくの間放送を続けていく連続アニメなのであるから、この1話目を見た後に、そのまま2話を見ようというモチベーションを維持してもらわなければいけないはず。この1話の「分からない」は、そうしたモチベーションをそぎ取る方向性に動いているように見えてしまうのだ。

 謎の施設である「No.6」。その全容こそ明らかにされないが、台風が来るというイベントと、それに対する人々の対応、更に後半主人公が説明した大戦と避難のエピソードなどから、何となく巨大なシェルターのようなものでありそうだ、というところまでは予想がつく。過去のアニメでいえば「キングゲイナー」のドームポリスとか、「シャングリ・ラ」のアトラスとか、そういうものだろうか。しかし、そうした外界について、内部に済む人々からのインタラクトが無いせいで、基本設定は投げっぱなしだ。中の人たちは当たり前に生活しているのだろうが、視聴者たちはそうも言ってられない。どこが我々の世界に共通していて、どこが違っているのか。それが分からないと、話の筋も追えないし、伏線だってチェックできないじゃないか。

 さらに、一番困るのは主人公のキャラクターである。突然夜空に向かって雄叫びを上げる「成績優秀」な主人公は、一体何を悩んでいるのか。そして、何故突如現れた不審者をかくまうようなことをしたのか。後から乱入してきた「ネズミ」が「純粋培養されたエリートは危機感もないのか」といった台詞を吐いていたが、それは事実なのか。もし主人公のメンタリティが我々「普通の人間」と異なるならば、もうこれ以上主人公には感情移入して見られない。その場合、誰の視点を頼りにこの作品を追えばいいのかが分からない。何が普通かが分からないので、何が特別なのかが分からない。このアニメ、一体何を書く作品なんだろうか。

 うーむ、とにかく1話目は投げっぱなしということでエンドだ。盛り上がる要素があるにはあるんだろうけど、はたしてそこまでモチベーションを維持することが出来るか……ねぇ。ラノベ的な作品でつらつらと説明台詞を吐かれるのにも辟易するが、だからといって何の説明も無しに自分ワールドを展開されても困るな。やはり脚本構成というのは難しいものである。

 最後に中の人の話だが、この作品もそこまで触れる内容がない。敢えて1人あげるとするなら、途中で主人公といちゃいちゃしていた女の子の中の人に安野希世乃という新人を起用しているのが気になる点。特に上手いというでもないが、何だか耳に残る独特な濁りがある声音は、上手く使えば良い武器になりそうな気がする。一応プロフィール見たら「キズナ一閃」でデビューした人か。さぁ、ここからどう伸びてくるかな? そして、ネズミ役の細谷佳正。やっぱり何回聞いてもお前の発声はどこか不安だ。理由は分からぬ。

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 ○「うさぎドロップ」 5

 最近なにかと話題の絶えないノイタミナ枠(関西ではあにめわ〜く枠)の新作がこちら。一言でいうなら、久し振りにノイタミナらしい、なんちゃって「一般向け」作品といえる。実写で劇場版をほぼ同時期に作っているあたり、ある意味「のだめ」に並ぶキラーコンテンツになっているということだろうか。実を言うと、これの原作がちょっと前に私の回りでも随分話題になっていて、原作漫画が飛び交っていた時期があったのだが、既にその時点でアニメ化が決定しており、「アニメ観るんだから原作は読めない」という理由でシャットアウトしていた。原作は、アニメ観て気に入ったら買う派。そして極力アニメ見終わるまで買わない派です。

 で、1話目を見ての感想だが、一番どうでもいいところから埋めていくと、「ホントにノイタミナはニートに優しくないよな」という印象が1つ。過去にもさ、大学5年生だのさ、2万人のニートだのさ、引きこもりだのさ……お仕事ものも多いから、無職で日々を怠惰に生きている人間には、本当にこの手のテーマは痛いんだぞ。今作で一番痛かったのは冒頭で主人公がおかんに「あんた30にもなってそんなこと言って……」とかたしなめられるシチュエーション。うるせぇよ、人間年齢重ねたら成長できるってわけじゃねぇんだよ。……勘弁して……

 いや、そんな些事はさておくとしても、「中年になりかけくらいの年齢の若者が、祖父の葬儀を契機に久し振りに親族の集まりに参加する」というシチュエーションがまず辛い。お仕事してる人はいいんですが、これ、根無し草だと周囲の「普通の大人」に弁解するのが大変なんですよ。行きたくないんですよ、マジで。ただでさえ親戚付き合いがしんどいと思っている引きこもりにとって、無条件で大人数が蠢いている場所に顔を出し、世間的な交流をしなきゃいけない場所っていうだけで地獄なんです。この春私は似たような経験をしたばかりなので、あの空気を思い出して胃がキリキリしました。「え? 俺って香典包まないと駄目な歳になってた?!」みたいなね……幸い主人公はその程度のことはきちんと出来る普通の大人だったようだけど、やっぱりあの独特の雰囲気はあまり気持ちの良いものではなさそうでした。

 ここまで長々と自分の話を書いてきたけど、何がいいたいかというと、このアニメはそういう「身近に起こった非現実的なイベント」の空気が何とも言えない生々しさで出ているということ。「80間近で死んだじいちゃんに年端もいかない隠し子がいました」なんて出来事は本当に嘘くさくて現実味がないんだけど、葬式の空気、人との距離感が何だか生々しいせいで、その嘘くさいイベントまでが、ひょっとしたらあるんじゃないか、っていうレベルにまで引き下げられ、いつの間にかドラマの1パーツとして溶け込んでしまう。ひどくゆっくりと流れる奇妙な日本家屋の風景が、1つ1つ「ありそうな様相」を形作っていくにつれて、少しずつりんという少女が現実に形作られていく。そういう、足下から沈んでいくような奇妙な現実感が、この作品には出ている。最近はノイタミナにこういう作品がなかったので、かえって新鮮に映っているのかもしれない。

 この「特別感がない非日常」の雰囲気を作り上げるために、スタッフは徹底してドラマをドラマティックに描かない。背景美術や1つ1つのカットの色彩などは本当に素朴な漫画を描きだしてきたような味わいを持ちながら、実はCGでの加工が施されているので紙一重でリアリティが出ているし、何気ない動きしかないはずの動画面においても、とにかくりんがそこにいることを示すために気を払っている。一番感心したのは、りんが棺に収めるためにリンドウの花をつんで、裸足のまま縁側によじ登ってくるワンカット。ほんの些細なアクションなのだが、りんの小ささとか、必死さとか、不器用さが良く出ているモーションだった。このカットを描いただけでも、1話は意味があったような気がする。

 全体的に観ると、最終的にはりんの愛らしさに依拠することになる作品だと思うのだが、1話目ではそんなりんが存在感を得るための下準備が、これ以上ない執拗さで描かれていたのではなかろうか。この作劇は、なかなか出来るもんではないです。余計な心の傷さえ抉られなきゃ、もう少し点数は上げてたと思うんだけどね。どうもね、嫌な思い出がね。

 最後は中の人の話なんだけど……あんまりすることがないな。りんの中の人はリアル幼女であるようだ。どうやら実写劇場版のキャストと同じ子というわけではないらしいが、調べてみると、こちらの子も可愛らしい。そして、まだ台詞が少ないとは言え、実は結構上手い。ついに私の「声優プロフィール一覧」に、21世紀生まれの名前が刻まれる時がくるのだろうか(現在は松元環季ちゃんの1999年が最年少)。一方、主人公の大吉役は土田大。最近どっかで見たことがある名前だなーと思っていたら、「シュタゲ」のジョン・タイターだった。なるほど。

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 ○「森田さんは無口」 ー

 新番チェックと言いながら、そのスタンスが故に先週書き忘れてたシリーズ第2弾。ごめん、すっかり忘れてた。でも、放送日の後に何故か微妙に回りで話題に上ることが多かったのが謎である。なんだ、みんな花澤キャラが好きなのか?! 短いアニメが見たいならユルアニを6分割して1日に1作品ずつ見たらいいじゃない!

 で、この作品であるが……だから言うことねぇよ。3分そこらの映像で何を書けってのよ。いいんじゃないの、日常系アニメなんてこのくらいの枠でこのくらいの中身でも誰も文句は言わないよ。30分枠でやるのはよっぽどしんどい作品だろうし、形はどうあれアニメ化が実現したんだから原作者は嬉しいんじゃないのか。でも、だからどうしろって話よ。えーと……戸松がいいな。ほんと、この作品の戸松キャラは本当に戸松がまんましゃべってる感じが凄く良い。ちょっと油断するエビフライ犬の影がちらつきそうな鬱陶しさも良い仕事である。っつうか、もう戸松・花澤コンビがいちゃいちゃしてるだけでも満足だよ。一時期は戸松といえば花澤で花澤といえば戸松っていうくらいに共演が多かったのに、最近はあんまり一緒の作品がなくなったなぁ。どっちもヒロインクラスの大看板だから合わせにくくなっちゃったのかな。もう1回「狂乱家族日記」や「かんなぎ」クラスの合わせ技が見たい。この2人で絡んだ時のリアルガールズトークは、適度なウザさがおっさんには心地良いんですよ。

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 ○「いつか天魔の黒ウサギ」 4

 これは……ゾンビですか? いや、割と真面目に。今期の純正ファンタジーラノベ枠はここだろうかね。

 ばんばん流れていた番宣CMを見ていたらエフェクトバリバリでバトル要素をせめてくる硬派なアニメになるのかと思っていたのだが、少なくとも1話の時点ではそうした要素はほとんど前面に出てこない。どちらかというと後背位体勢でキスをねだる淫乱幼女とか、まっぱで異空間に囚われて身もだえし続ける自称6歳幼女とか、群衆が集まる場所で不自然さを隠そうともせずに堂々とスカートを覆う光渡しとか、そういうポイントの方が目を引くスタートである。ZEXCSというとアニメバブルの頃の粗製濫造体勢のイメージが強いのであまり良い印象は持っていなかったのだが、最近は元請本数も減ったおかげか1本1本の品質はそれなりに安定している。今作も最大の眼目である幼女のボディラインの無駄なむっちり感とか、見せ場となるであろう魔法効果のエフェクトなんかは非常に鮮明な色づかいでくっきりと描かれているので見ていて悪い気はしない。どうしてもこの手の作品だと作画の方向性も固定化してしまう傾向にあるが、少しでもこの作品にオリジナルの売りを出せればいいと思う。

 しかし、画面はそれなりでも、いかんせん話の中身がない。いや、1話目から前後編なので何が起こっているのか分からないっていうのが最大の難点ではあるのだが……どうせ大して目新しい展開でもなさそうだから、ちゃっちゃとシナリオを進めて欲しいところなんだが。1話では、死をトリガーにして主人公が封印された過去の記憶にアクセスする過程や、それをメインヒロインと思しき悪そうな少女が亜空間で待ち焦がれながら身もだえしている様子がやたらと尺を取って描かれていたのだが、視聴者側からすると、9年待とうが100年待とうが、2人のキャラクターの背景が全く見えていないのでその苦節は感じられない。そこで精一杯「待ったんだ、こんなに長い間待ったんだ!」と訴えられても、その悲哀は伝わってこない。とりあえず話を進めて、その後で思い切り恨み言でも祈りの文言でも呟いてくれればいいとは思うが、1話で無駄に盛り上げられてもついていく気力が起こらないのである。

 そういう意味で、脚本はあんまり上手くない。「緋弾のアリア」みたいな鼻をつく臭いが有るわけではないが、素体が薄味なだけに、引き込まれる要素がほとんど無かったのは先行きが心配である。とりあえず1つ目のエピソードが次回でまとまるわけだが、そこでちゃんと1つ目の魅力を提示してくれることを祈ろう。

 で、中の人であるが、久し振りに高本めぐみがメインヒロインっていうところで思わずガッツポーズ。よっし、数年前から必死の高本推しを行っている身としては、こうして着実なキャリアを踏んでスターダムにのし上がって欲しいところ。まぁ、この作品はそこまで大きな一歩にはならない気もするけど。いいんだ、めぐたん可愛いじゃない。

 その他、回りを取り囲むキャストは最近はすっかりお馴染みとなったプロダクション・エースの手が入っている。個人的には幼馴染み役の美名が本当にいい仕事をしているのが嬉しい。「そらおと」のそはらの時から言っているけど、絶対にエースで一番伸びしろがあるのは美名だ。今回のキャラクターも1話目からほわほわと実に良い味を出してくれていて、「あぁ、また幼馴染みキャラが一番可愛い……」と溜息が漏れた。今までの打率を考えると、俺は幼馴染み萌え属性があるのかもしれない(美佳子である場合を除く)。そして、エース声優といえば当然の野水伊織。今回は一番やりやすい音域の役だし、良い具合にはまっていますな。しかし本当に仕事もらえてるなー。今年あたりアワードノミネートはあるかもしれんな。

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 ○「だぶるじぇい」 ー

 新番チェックと言いながら、そのスタンスが故に先週書き忘れてたシリーズ第1弾(第2弾は明日です)。地味に色んなところがリニューアルされてるんですけどね、「ユルアニ」。

 この作品については……いや、ごめん、特に言うことないわ。原作は連載開始直後は少しだけ読んでたんだけどね。別に読まんでもいい作品だったもんだから……すぐに存在自体を忘れた。それがユルアニ枠でアニメ化されても……特に興味は……あぁ、でもエンディングのももクロは嫌いじゃないですよ。フラッシュアニメだと激しく叩かれる心配がないからむしろこういう作品には向いてる方向性なんじゃないかって気すらしますね。小見川千明と大橋歩夕の共演って、夢の棒対決のはずなのだが、残念ながらあまり目立っていない。それでも、これが並ぶと小見川が安定して聞こえ始める。

 ついでに他の「ユルアニ」作品についても触れておくと、「週刊シマコー」が「その時シマコーが動いた!」に。中身は特に変わりません。ユルアニ枠では一番面白いのがこの「シマコー」シリーズな気がする。FROGMANの味が一番良く出ている。「汐留ケーブルテレビ」は、2クール目からじゃないけど途中からこっそりエンディングに曲がついたんだよね。案外好きな曲なんだけど、絶対にCD化とかされないよね。エンディングといえば「霊媒先生」もか。元々手のかかってない作品ではあるんだろうけど、ちょっとした変化を加えてもらえると嬉しいもんです。

 そして最大の変化は、「ぷ〜ネコ」ですね。今までエンディングに合わせてのサイレント劇だけだったけど、幕間に入って小ネタをやる形に。そして、ネコ役は千和! なんかしらんけど千和! 千和って死ぬまでネコ声優で喰っていける気がしてきた。

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 ○「ゆるゆり」 5

 ついに現れた、実は案外今期は出てきていなかった純正日常系作品である。ひらがな4文字、女学生の日常、さぁ、毎度お馴染みタイムの始まりだ! 

 とはいいつつも、この作品は掲載誌が「百合姫」というとんでもない名前の雑誌であり、名前にもそのものずばり「ゆり」の文字。密かにリリアン女学園に憧れる身としては、「あら、どのような心の交流を見せて頂けるの? ひょっとして性別が逆転した『世界一初恋』くらいの密度はあるんじゃなくて?」なんて期待してたんだけど、いざ始まってみれば、一番近い作品は「苺ましまろ」という……いや、監督繋がりなら「みなみけ」の方かな。まぁ、とにかく割とアホ、というか間抜けな方向でした。百合を待っていた分の期待感は、一体誰に頼んだら返してもらえるんでしょう。ごきげんよう。

 で、そんな期待はずれな作品になってしまったわけだが、「日常系ギャグアニメ」では「みなみけ」「みつどもえ」という2本の実績を持つ太田雅彦監督。なかなかの手練れである。原作は知らないので推測するしかないが、多分原作もそこまで大笑い出来るような漫画では無いだろうし、アニメにしたからって人気が大爆発、ってなテイストでもないだろう。そんな中にもきちんと笑いのポイント、アニメで際立たせたら美味しそうなポイントを選び抜き、的確に映像化させて確実にニーズに応えている。実際に大爆笑するようなシーンは一度も無いわけだが、タイトル通りの緩さに、適度な刺激とニヤニヤが加わると、まぁ、こんなもんなら文句はないかな、というくらいの結論に落ち着くのである。ひょっとしたら、ここ数年で生み出された作品の中では「けいおん」が一番テイストの近い作品なのかもしれない。

 百合要素はおまけ程度に据え置くとして、メインとなるのは狂言回し京子の無茶な言動がメイン。キャラ的には「みなみけ」の夏奈に比べるとまだ勢いが足りないが、適度な性欲との絡め方はちょっと新鮮。そして主人公であるはずのあかりが「特徴がない」ことを最大の特徴とする部分は、意外な変化球であった。この手の作品の主人公なんて確実に天然系でせめてくると思っていたのだが……今後どうやっていじっていくのかは興味深いですな。そういや、なんでこの手の作品って大体4人組で構成されるんだろうね。「苺ましまろ」「けいおん(同学年だけ)」、「らき☆すた」もそうだし、「Aチャンネル」「ひだまりスケッチ」もそう。はっきり5人の作品って、ぱっと浮かぶのは「GA」くらいだ。4人が構成しやすいのかな。ただ、この作品の場合は学年が違う人間が2対2で分かれてるのが新鮮だな(あ、ましまろもそうか)。こうして色んな作品を比較していると、やっぱり松岡美羽が化け物であることがよく分かるのである。どんだけ必死にボケても「美羽の下位互換」にしかならないし、どんだけ厳しく的確に突っ込んでも「千佳の下位互換」にしか見えないんだよなぁ。

 さておき、女の子いっぱいの作品なので中の人の話をしたいわけなんですが、今作はメイン4人をほとんど若手の知名度が低いキャストで構成されている。かろうじてネッサ役津田美波と最近気になっていた大久保留美だけは認識できるが、他2人は全然知らない。そして、この4人が絶妙に「まぁ、目くじら立てるほどではないか……」っていうくらいのスキル。決して褒められないのだが、まだ聴けるくらいの。ま、まだまだ若いですからね、この作品をきっかけに精進して欲しいと思います。やっぱこうして聞くと大久保留美が一番安定してるかな。この子は近々一山当てそうな気がする。そして、こんな4人が担当しているのがオープンエンドの楽曲なのだが、エンディングが割と好みでした。コールアンドレスポンスを基調としたお祭りソングなんだけど、案の定曲作りがfuntaであった。ちびちび仕事してくれてるfuntaなんだけど、UNDER17と絡んでた時期からのファンなのですよ。この手の文化はきちっと受け継いでいって欲しいもんだなー。

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趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
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