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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「神様ドォルズ」 4→6

 1話導入時に見せた不安定な印象はいつの間にやら無くなり、気づけば毎週楽しみな作品になってましたね。改めて考えると、この作品が楽しかったのって、何でなんだろう。

 1話目で持った不満というと、なんといってもつかみ所の無いシナリオだった。匡平は「因習の根深い村」の出身で都会に逃げ出して来た青年、っていう設定で、そこに村からの追っ手である阿幾が迫り、超常的なツールである案山子によって日常が破壊される。そこで匡平が正義、阿幾が悪という二項対立が分かりやすけりゃ問題無かったのだが、どうにも阿幾の立ち位置が分からず、わざわざ駆け付けた「2人目の正義」である詩緒の存在もどこかはっきりしない。「結局何がいいたいんや」というので、導入はモヤモヤしたものになっていた。

 そして、お話が終わってみて、実はこのモヤモヤはそんなにすっきり解消してるわけじゃない。結局シリーズを通して、阿幾の持つ悲しい記憶にも同情の余地はあり、枸雅と日向の対立も単純な善悪で分かれるようなもんじゃない。強いて「悪」をあげるとするならば、やはり旧態依然とした村の存在そのものということになるのだろうが、敵対した阿幾や桐生、まひるにしても、村の被害者としての側面もあり、どこか真っ直ぐに対立構図が見えないのである。匡平の持つ特性がオープニングで表される「不完全燃焼」であることからも分かる通り、単純な英雄譚にならず、全容が見えていないキャラクターどうしが、自分の見える視野の範囲内で抗っている様子だけが描かれるために、どこが結論なのかが見えない作りだったのである。

 しかし、1クールが終わった今になると、そうした不安定なものについての不満は無くなっている。詩緒を始めとして、阿幾には阿幾なりの生き様があり、桐緒、まひる、日々乃、そして匡平。それぞれが明示的でないゴールを目指して、とにかく自分を奮い立たせていたことが分かり、その部分については満足できるのだ。原作コミックが現在も進行中ということを考えれば、このくらいのレベルで解決したことは、むしろ良くできた部類に入るかもしれない。

 そして、シナリオラインの不安を覆い隠すように、この作品は様々な部分から見るべき点を提供してくれた。特にブレインズ・ベースが作り上げた安定した作画が、この作品の一番の見どころである非現実の側面を上手く描いていた。その代表となるのが、謎の機械兵器、案山子だろう。玖吼理や武未禍槌など、「巨大なこけし」と揶揄される妙ちきりんなモニュメント。どう考えても格好良さや愛らしさとは無縁の造形のはずなのに、いつしか玖吼理が可愛くてたまらなくなるし、空中での白熱の戦闘シーンには手に汗を握る。ビームビームもサンライズ作品と紛う大迫力であるし、隠し武器の左手の迫力なんてもとがこけしだとは思えないレベル。回想シーンで勃発した謎の古代案山子VS幼い3人の隻による共同戦の大迫力は、今期アニメのバトルシーンの中ではトップと言い切ってしまっていいかもしれない。とにかく、「本来無いもの」であるはずの案山子という無茶な物体に存在感を与え、「動くように動かせた」ことが、この作品の白眉な点である。

 そして、人間たちのドラマの側面を見れば、詩緒の顔芸に代表される、ダイナミックな感情のやりとりが楽しい。玖吼理がみるみる可愛くなっていったのは、おそらく詩緒が可愛くなっていたことによる副次効果だったのだろう。強さと弱さを絶妙にない交ぜにした少女の頑張りを応援しているだけでも、この作品は楽しいものだった。そして、さらに終盤にはまひるという核弾頭クラスのキャラまでもが投入される。作中では、ものすごくシリアスなシーンなのに敢えてデフォルメ顔でぐちゃぐちゃに潰して描く場面なんてのもあり、この作品の胆が個々のキャラクターの感情の絡み合いであることがよく分かる。アニメは動いてナンボ、やっぱりそこに集約される。

 これが終わったことによって、本作の指揮を執った岸誠二監督についての評価がまた難しくなった。個人的には、彼の監督作品では「ギャラクシーエンジェる〜ん」と「Angel Beats!」が大外れ、「サンレッド」や「瀬戸の花嫁」などは面白かったという印象。これってまとめると「岸監督は原作アリだといい仕事をする」ってことなのかしら? ……やっかいな人やで。

 最後は当然中の人。そして今期2回目の福圓先生大フィーバーですかね。美味しい役を持っていく人やなぁ。そして、この作品は花形声優の実に豪華な共演の舞台となった。花澤香菜・茅野愛衣の新世代コンビに、沢城みゆき、高垣彩陽の、個人的には頂上決戦とも言えるお腹いっぱいの共演。85年度組近辺がたっぷり味わえます。やっぱりこういう役どころのみゆきちは大好きです。

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