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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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よし、行ってきました。本当は封切りした週末に駆け付けたかったんだけどね、残念ながらよんどころない事情があったのと、やっぱ週末のスタート日なんて無茶はしたくなかったので、ぐっと平日になるまで我慢しましたよ。まぁ、そのせいで来場特典をもらいそこねるというとんでもないダメージを負うことになりましたがね……なんで初週で一番早くはけるタイミングで律ver なんだよ……仕方がないから売店で「クリアしおりセット」を買って慰みとしました。しかしこれ……使う場所がねぇなぁ。




さて、そんなわけで割と急いで観に行ったわけですが、世間ではこれでも遅いくらい。私が売店に並んでいたら前に並んでいた人は早速6枚の半券を握り締めてフィルム2枚と交換していましたし、今更腰を上げるのは駄目な部類かもしれない(まぁ、そういう無意味な競争意識は誰も得しないからどうでもいいんですけどね)。おかげでこの週末はちょっと油断すると感想サイトにヒットしそうになり、情報をかわし続けるのが骨でした。まぁ、ネタバレ気にするような作品でもないから別にいいちゃいいんだけど、やっぱりまっさらな気持ちで観たいじゃないですか。

 で、そんなワクワク映画の感想だが、まず、総評としては、「ま、やっぱりこれだろうな」というくらい。感激で滝のような涙を流しながら「もうこれが観られたら死んでもいいわ! 24回くらいじゃ観る回数少なすぎる!」とか思うようなものではなく、「まぁ、機会があって上手くフィルムがもらえるなら2回目も来る……かな?」という程度である。あれだけ地上波放送で狂乱していた身としては割とあっさりした感想である。でもまぁ、それも仕方ないと思う。この「そこそこの印象」になった理由は大きく2つある。

 1つは、この作品が「涼宮ハルヒの消失」と同じ京アニ作品であるということ。「消失」の時にも全く同じ感想を持ったのだが、京アニ作品は、地上波の時点で既にやれることを全てやりきってしまっているのだ。「劇場クオリティ」という言葉があるが、京アニは全てにおいてその域を維持する。作画のレベルもそうだし、1カット1カットへの心の砕き方も、テレビ版の時点でつけいる隙がない(だからこそあれだけ大仰な感想も出てくるのだ)。おかげで、同じレベルを劇場で観たとしても、その感動はどうしても「慣れた」ものになりがちである。非常に贅沢な悩みだが、こればかりは致し方ない。

 そしてもう1つは、「けいおん」という物語自体が、「特別さ」を求めていないという点である。「日常をドラマとする」ことについては、このブログの記事を通じて何度か書いているのだが、けいおん世界に求められるドラマは、あくまでも日常世界のそれである。「日常の延長」ですらない、「日常のど真ん中」である。その上でテレビ版は完璧なまでの「大きなドラマ」を産み出すことに成功したわけだが、劇場作品として2時間を区切った場合には、どうしても他のアニメ作品と比べると「特別さ」との食い合わせが悪い。今回最大の「特別さ」はイギリス旅行という舞台の入れ替えだったわけだが、ロンドンの地に降り立った唯たちに求められるのは、あくまで彼女達の「変わらなさ」なのだ。我々観客は部屋の居間から劇場へと舞台を移し、唯たちも海外に舞台を移し、「特別なこと」をするのには充分な下地が整ったというのに、求められるのは「普通のこと」であるという、何とも倒錯した状態。これは、どのように構成を練ったとしても、一筋縄ではいかない問題なのである。

 結局、そのおかげで「普通のけいおんだった!」という褒め言葉ともその逆とも取れる感想が出てくるわけだが、このあたりの感想の落としどころは難しいものである。
 

 だがしかし。  だがしかしだ。やはり、「けいおん」は、それでいいのだという、近視眼的かつ狂信的な結論が私の中にある。どこまで「普通」であろうが、それを求められて、「最上級の普通」を作り出せるなら、それは100%の出来であると断言する。この映画は一分の隙もない「けいおん」だったのだ。なら、それでいいではないか。もちろん、この「最上級の普通」を産み出すためのプラスアルファの努力は、画面に全面的に現れていた。大スクリーンを意識した新鮮味のあるレイアウト、普段以上に「5人の仲間達」の距離感を追究したカット割り、シナリオ運び。そして、「特別さ」を最大限に楽しむために、まるでキャラクターたちと一緒に旅行しているかのような臨場感溢れる「近さ」。「地上波の延長」と言っても、作品のあらゆる部分から、「劇場で観るための特別さ」があふれ出してくる。比較してもうしわけないが、本当に「地上波の拡大版」だった「UN-GO」とはわけが違う。こちらは純然たる「劇場作品」としてのスタイルを確立させており、観るものの求める世界をこれ以上ない形で提供してくれていた。面倒な批判的評価はここで終わり、後は1つ1つ楽しんだ部分を観ていくことにしたい。

 まずはシナリオラインだ。予告で流れていた「音楽性の違い」ネタが軽いジャブであることを開始2分で片付け、いざ向かうははるか遠くロンドンの地。卒業旅行でいきなり女の子だけで海外、という潔さは感服するが、今の若い子はそれくらい平気なんだろうな。特に物怖じしないメンバーが揃っているだけに、多少強引な旅行日程も、ギャグとして処理してしまえる。いや、どう考えても「初めての海外旅行にギター持っていくのはおかしいだろ」とか「なんで3泊の間に突然の海外ライブが2回もあんねん」とか、ご都合主義以外の何ものでもない展開は山ほどあるのだが、そんな細かいことはどうでもいい。何故なら、放課後ティータイムに求められていることを、ちょっと海の外に移してやっただけのお話なのだから、自然にそうなるのである。

 そして、あれだけ大々的に「卒業旅行のお話です!」と言っていたにも関わらず、その本筋が旅行ではなく、帰ってきた後の卒業式に集約される「梓との関係性」をメインとしていたのが心憎い。結局、我々がけいおんに求めているものは、テレビ版で観てきた日常の掘り下げなのである。だとしたら、メインテーマとして「旅行の楽しさ」を用意するのではなく、「旅行を1つの道具として、梓とその他4人の関係性を彫り込むこと」に定めたのは適切な判断だ。最終的に「天使にふれたよ」の歌詞に繋がる友情物語は、あの24話で号泣した人間には卑怯なほどによく刺さる。まぁ、本当の心の声を呟くと、ゆいあずメインだと個人的にはちょっとごにょごにょ。出来たら律澪メインとか、律紬メインとか、ギャグに徹して律唯メインとか、盛大な変化球で律梓メインとか……いや、別にいいんですけど。

 「梓との関係性が主軸」というボディが決まれば、後は必要な要素を継ぎ足していくだけ。今回もしっかりと存在感を見せ付けてくれたのは、何度かあったライブパート。個人的に、寿司屋ライブは3番目、野外ライブが2番目。唯が赤ん坊の反応を観てとっさにアドリブに繋げるっていうシーンは唯の気紛れな才能が爆発する面白いシーンだったんだけど、ちょっと音声との絡みが浅くて、十全にその美味しさが出せてなかった気がするのは惜しいところ。

 そして、本来ならメインでおかしくないはずのイギリスライブを差し置いて一番感極まったのは、教室で行われた机上ライブだ。まさか、ここで「Utauyo!!MIRACLE」の画面ネタを回収してくるとは。「Utauyo」の画面が大好きですり切れるほど見返していた身としては、あのシーンの狂乱がしっかり「事実」として刻み込まれたことが嬉しくてしょうがない。多分、今回一番泣いたのはこのシーンだった。何が上手いって、最後に歌ったのが「Utauyo」ではなくて「U&I」なんだよ。そして、本来「U&I」は唯が憂に対して書いた歌だったはずなのだが、その想いが自然に梓との交流にすり替わっていたのが心憎い。楽しげに踊り狂う唯がギターで梓とセッションして、2人の鳴らす音が重なって響き渡る音響もたまらない。最後の卒業式ライブよりも、今回はこのシーンの方が印象的だったなぁ。やっぱりみんなが心底楽しそうに歌ってくれていたおかげかな。……ん、書いてるうちにあのシーンだけはもう一回観なきゃ、っていう気になってきた。

 個人個人のキャラについて観ていくと、今回は梓、唯の2人が中心となっていたので、他のキャラはやや薄め。それでも、ちゃんと見せ場には各々が好き勝手に自分の仕事をはたしてくれていたのが楽しい。澪は突っ込みにすら回れなくてなんだか勿体無い立ち位置になっちゃったけど、ムギはぶっとい根性を武器にして海外で一際輝いていました。思いつきでキーボード郵送しちゃうお嬢様って……すごいな。ただ、冒頭では自分で持ってきたはずのバームクーヘンのパッケージ相手に苦戦するという珍しいシーンも。怪力のムギが手こずるとか、恐ろしいビニールである。

 梓は今回、絶妙なひとりぼっち感を醸し出しながらの、メインヒロインとしてのお姫様ポジションが見どころ。唯と2人でベッドインしちゃうシーン(事実)なんかはキマシタワーな感じが……いや、ドキドキしないんだけど。そして唯については、「駄目さ」と「凄さ」の共存具合が短い中でちゃんとまとまっていたのが見どころ。本当に不真面目で駄目駄目な子なのに、一瞬輝くだけで不思議な「主人公パワー」を醸し出すのはずるいよなぁ。他にも、ヒーローとしてあり得ないレベルで大活躍を見せたさわちゃん、途中まで台詞すら無いんじゃないかと危ぶまれた割には案外出番はあった純ちゃん、忍者衣装でこっそりサービスの和ちゃん、想像以上に日常的な関わり合いで魅力を振りまいたモブの方々まで、本当に画面のすみからすみまで、観るべき点のつきない作品だ。

 そして、我らが部長、田井中律ちゃん。今回も本当に可愛かった。残念ながら、普段遺憾なく発揮出来ていた部長パワーは今回そこまで炸裂しなかったが(残念ながらちょっとお馬鹿なので海外は弱い)、それでも彼女がいたからこそロンドンまで行けたことを考えれば、この映画の主人公は律ちゃんだったといっても過言ではない(過言ではない)。個人的ハイライトは、聡の頭を撫でて「大きくなったな」って言ったトコ、そしてちっちゃかったおかげでドアスコープに届かなくて頑張ってたトコです。ちっちゃい律ちゃんギュッとしたい。彼女のドラムスティックで肩たたきされたい。

 一応慣例なので中の人にも触れた方がいい気もするのだが、この作品については「常のように良し!」としかいいようがない。ただ、久し振りにたっぷりと新しい台詞を聞いたら、やっぱり(しゅが美を除くと)圧倒的存在感を醸し出しているのは唯役の豊崎ですかね。「出世作」として刻印された唯というキャラクターと豊崎ボイスの親和性は本当に恐ろしい。
 

 結論、うむ、やっぱり良い映画だった。これを書いているとだんだんまた観たくなってきた。うまいこと配給側の策略に踊らされつつ、もう1度くらいは劇場に足を運ぼうかと思う。

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