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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<以下の文章は、放送当時に執筆されたものである>
 
○第6話「私のセンセイ」
 脚本・森山あけみ 絵コンテ・名村英敏 演出・岡島国敏 作画監督・PARK SANG JIN


 <あらすじ>
 シャッターの閉じた深夜の商店街で、芹沢夕菜は携帯電話から地獄通信に依頼を送る。送信後に「来たよ」の声とともにその場に現れたのは年端もいかない少女。そう、きくりだ。彼女は「書き込んじゃったね!」と笑いながら、夕菜に手を差し出す。しかし、そこに置かれたのは藁人形ではなく、巨大な1つの目玉。依頼は地獄少女に受け入れられなかったのだ。その理由は彼女の依頼内容にある。彼女が流してほしかったのは、学校の理科教師、石元蓮。一目蓮の現世での姿だった。
 
 一目蓮が恨まれた。四藁達はその話題で盛り上がる。骨女は一目蓮を慰めようとするが、当の本人には恨まれる覚えが全く無い。「この俺の美貌が悪いのかな! どうせ俺の隠れファンだろう」と女子生徒の一方的な逆恨みに得意げな一目蓮に、他の全員はしらけた表情。
 
 この時期、学校では体育祭のクラス対抗種目の練習に余念がない。体育教師である骨女は、女子の新体操の指導に精を出している。ゆずきの隣のクラスの生徒、諸星綺羅は、そんな骨女(曽根アンナ)の熱烈なファン。「アンナちゃん」と親しげに骨女に近付き、ファンを公言して何かと付きまとう。ゆずきと秋恵はそんな諸星の様子に呆れ返る。
 
 更衣室で曽根先生の魅力を熱弁する諸星の脇を通り過ぎるのは、一目蓮を流そうとしていた芹沢。彼女も諸星と同じクラスだったが、クラスでは目立たず、諸星とはあまり仲が良くない。
 
 そんなある日、芹沢の依頼の真実が明らかになる。興味本位で一目蓮が覗いた芹沢の携帯の待ち受けは、なんと曽根アンナのものだった。芹沢が惚れていたのは一目蓮ではなく骨女で、憧れの人にまとわりつく悪い虫だと勘違いされた一目蓮が狙われたのだ。落ち込む一目蓮。
 
 何が何やら、わけが分からず本人に確認を試みる骨女。山童の能力で下校中の彼女の自転車を転倒させ、怪我の手当を理由に芹沢に近付く。「好きな子とかいないの?」「いません! 憧れの人ならいるけど……私なんて、暗いし、釣り合わないです」。卑下する芹沢を励ます骨女。「でも、その人には恋人がいるみたいで」と落ち込む芹沢に、それとなく誤解を解く骨女。これで一目蓮が狙われることも無いし、芹沢も前を向いてくれるはず。別れ際には、「先生の髪、いいにおいがしました」と笑顔を見せる芹沢。骨女は「いい子じゃないか」と安堵するが、自宅の部屋に戻った芹沢は、奇妙な笑みを浮かべながら、骨女に張ってもらった膝の絆創膏を剥がす。この絆創膏は、体育教師である骨女が常備しているトレードマークのような存在だった。
 
 あくる日、教室では諸星が骨女にねだって絆創膏を貰ったことを回りに自慢していた。「これでアンナちゃんとおそろ!」。得意げに見せびらかす彼女だったが、彼女の視界には、自分と同じ絆創膏を首筋にはった芹沢が飛び込んでくる。長髪でうなじに隠れた絆創膏。その意味を確認するために芹沢を呼び出す諸星。「虫に刺されただけ、絆創膏もうちにたまたまあったものだ」と弁明する芹沢だったが、諸星が無理矢理絆創膏を剥がすと、そこから現れたのは、明らかにそれと分かるキスマーク。失意のうちにその場を後にする諸星に、芹沢は「お願いだからこのことは誰にも言わないで!」と懇願してみせ、陰では冷徹な笑みを見せた。その夜、嫉妬に駆られた諸星は地獄通信にアクセスして藁人形を手に入れる。
 
 次の日、体育の時間に運動靴が見つからない諸星。一人残された教室で必死に探しまわると、掃除用具入れのバケツの中でボロボロになった自分のくつを見つける。そこに偶然を装って現れる芹沢。諸星は怒りにまかせて芹沢に掴み掛かる。「あんたがやったんでしょう!」と詰め寄ると、芹沢はあっさり自分がやったと認める。「曽根先生がやれって言ったから。先生、あなたにつきまとわれてうざいって」。
 
 得意げな顔で立ち去る芹沢。諸星は、その場で藁人形の糸を解いた。地獄流しの船が行く三途の岸辺を、骨女は寂しげな表情で芹沢を見送った。
 
 芹沢夕菜が謎の失踪を遂げた学校で、諸星は新たな意中の人を見つけた。今度の相手は熟年の渋みが光る、用務員の不和さん。やるせない顔の骨女に、山童は「あの年頃の女の子は、自分を特別扱いしてくれる大人を求めているんですよ」と達観した台詞を漏らすのだった。
 
 
 
 <解説>
 
 「三鼎」になって初めて、四藁にスポットがあたった、新たな「三藁回」とでも言えるエピソード。さらにこれに微妙な百合要素も絡めて、何とも不可解な後味の回。2期で何回かあった「三藁回」だが、輪入道が「黒の轍(12話)」と「湯けむり地獄、旅の宿(19話)」(あと一応「この国のために(15話)」も?)と、2話か3話くらい、一目蓮に至っては明確な主役回が「沈黙のまなざし(17話)」の1回だけだったというのに、骨女は「曽根アンナの濡れた休日(10話)」「悪女志願(16話)」「紙風船ふわり(21話)」とはっきりメインと分かるエピソードが3本もあり、さらに今回もメインを張っている。やはり恨みの物語を作る上で、女の情念みたいなものの方が扱いやすいってことだろうか。まぁ、覗き趣味の付喪神と乗り物好きのじいさんでは話が作りにくいとは思うが。
 
 一目蓮を巡る奇妙な依頼で幕を開ける今回の話、軽く流してはいるが、一目蓮を流す依頼にあいが「エラーを出した」というのは興味深い。これは一目蓮が妖怪だから起こったエラーだったのか、それともあいの配下だったからの特別措置だったのか。過去のエピソードで「妖怪からの依頼」は受けることが判明しているので(「紙風船ふわり」の姑獲鳥)、この違いは気になるところだ。冒頭、きくりが登場して暗に依頼を拒否するシーンだが、場面こそ夕暮れの岡にスイッチしないが、きくりがいつもの三輪車ではなくて普通に歩いて登場している。これは、謎の目玉を受け渡した「拒否宣告」を現世ではなくて「あちら側」で行ったことを暗示している。こうした事例は非常に珍しい。
 
 さておいてのメインストーリーであるが、女三人の絡みなのでややこしそうに見えるが、実際は割と単純な三角関係である。問題となるのは芹沢がやたらに嫉妬深くて狡猾だったという部分だけ。彼女の行動は冷静に見ると常軌を逸しており、思い込みだけで一目蓮を流そうとしたり、「骨女は自分のことを好いてくれる」と勘違いしてからの暴走っぷりはひどいものがある。最後に諸星の靴をぼろぼろにするあたりなんかはまだストレートなのでいいが、わざわざうなじに絆創膏を貼って自分と骨女の関係をにおわせ、さらにキスマークを周到に容易、勘違いを誘発させるなど、普通は思いつかない手口だろう。そもそも女子中学生からそんな発想が出てくるのがおかしい。絆創膏で隠すって、本当にいつの時代の昼ドラだよ。
 
 とはいえ、見ている側からすると見当違いに暴走を始める芹沢は見ていてなかなか面白く、件の狂言劇から靴隠しへ発展し、地獄コントではさらに直接的な「愛情表現」に出る。今回の地獄コントは「骨女争奪ゲーム」で、様々な種目をこなして誰が一番に骨女のもとにかけつけられるかを競うというもの。水蜘蛛レースで輪入道を蹴倒し、飴食い競争(実際には何故か「大福食い競争」だったが)で山童ときくりをはり倒す。そう言えばコントフィールドなのにきくりのゼンマイが切れていたのは何故だったのだろう。そして最後、ロープを登って行く「SASUKE」のラストステージばりのあいとの直接対決では、「地獄に堕ちろぉ!」と叫んで思い切りあいをけり落とす。まぁ、現実世界なら普通に死ぬ。そこまでしてたどり着いたのが憧れの曽根アンナではなく、文字通りの「骨女」だったというオチは、「骨女」という妖怪そのものの性質がそのまま活きた、面白いコントであった。あいが蹴りを食らった脇腹をずっと痛そうにしていたのも印象的で、どうにも今期は地獄流しのテンプレを意図的に崩そうとしているきらいがある。船上であいが「人を呪わば穴二つ。あなたには言ってなかったけど」と訓戒するのも珍しいシーンだ。
 
 その他のトピックスとしては、最も気になることの1つである「携帯電話」がある。冒頭での芹沢の依頼もそうだったが、諸星の依頼も、今回は屋外から携帯電話で送信されたものである。確か2期のエンディングでは携帯に「依頼受け取りました」という地獄少女のメッセージで幕を引いていたが、どうやら今期の地獄通信は携帯対応になっているようだ。まぁ、単に携帯ブラウザの質が向上しているから可能になっているだけかもしれないけど。一応前シリーズの設定を引き継いでいることのアピールだろうか。屋外での「夕暮れの岡」の登場は珍しいが、一応2期25話で飯合蛍がアクセスした経験がある(この時はモバイルパソコンによる接続だった)。
 
 もう1つ気になるのは、ゆずきからあいが顕現するタイミングである。地獄通信が真夜中限定ということでほとんどの地獄流しは深夜に行われるのだが、今回を含め、昼日中、人の多い時間に地獄流しが行われる機会も少なくない。この時、ゆずきの中からあいが現れるわけだが、何故かこれまでのところ、ゆずきはこのタイミングで必ず1人なのである。今回はたまたま体育への移動中で、忘れ物をしたゆずきは一人教室に取って返したところであいが現れた。回りに友達がいるような状態で突然背中が割れたらエラいことになるとは思うが、これは偶然なのだろうか。あと、今回諸星が地獄通信にアクセスした時(つまり夜中の12時)にはゆずきは風呂に入っていたのだが、一人暮らしの女子中学生はもう少し早く寝た方がいいと思う。ま、3年生だから受験勉強が大変なのかもしれないけどさ。
 
 最後に残ったのは、今回ちょっとだけ出てきた山童の能力。どうやら彼は風を操ることが出来るようだ。私の知っている妖怪知識(100%水木しげる)では山童はその名の通りに山の怪なので風くらいは操れそうだが、他にも何か見せてくれるんだろうか。また、これまで純真無垢だとしか思われていなかった彼だが、今回はラストで妙に達観した意見を述べるなど、どうにもつかみ所がない。今後「四藁回」で彼のエピソードが語られることはあるのだろうか。
 
 今回のキャスト、依頼人となった軽めの中学生、諸星役にはキングことたかはし千秋。色々と露出も多くて人気の高い彼女だが、個人的にあんまり見かけないのは何故だろう。やっぱりアイマス組に属しているせいだろうか。割と面白い役者だとは思うんだけどね。そして電波系思い込み女の芹沢役は高本めぐみ。この子、2年前にデビューした時に「この子は絶対に来る!」と思っていたのだが、今のところどうにも鳴かず飛ばずでもどかしい思いをしている。来年放送の番組で久しぶりのレギュラーもとれたし、ここらで一発当ててほしいものであるが。〈現注:2012年現在も、そこまでメジャーになっていないのである。寂しい〉
 

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