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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 第一部完、第5話。綺麗に終わったもんだが、来週から人格交代の妙味が見られなくなるのがちょっと残念。

 とりあえず「ヒトランダム」と題されたチャプターが終わったということになるらしい。あの「ふうせんかずら」がやめると言ったからってやめるのかどうかは定かじゃないが、流石に人格交代でやりたいことはやりきったということなのだろう、ひとまずはここで決着である。

 先んじて書いておくと、筋立て自体は本当にベタだし、大した新鮮味はない。これまで4週にわたって様々な内面を描いてきた人格交代の結末に「死」という課題を持ってくるというのは分かりやすくはあるが、非常に阿漕だし、ベタだし、選択の幅が少ないので面白味に欠ける。これまで人畜無害(すごく悪い意味で)を貫いてきたふうせんかずらが直接伊織の身体を支配してタスクを進めるというのもスマートじゃないし、「誰を殺すか」という選択を迫るのは、これまで多々あった「人格が交代するが故のトラブル」とは無縁のもの。これで「誰かと誰かの運命を逆転させて、肉体ごと死を交代できる」という課題ならばもう少し悩みようもあったろうが、伊織が誰かの身体を乗っ取って生きていく、なんていう選択肢は選べるはずもないわけで、「死の選択」としてもあまり緊迫感がない。もっとも、「まだ5話だから誰も死なせるわけにいかない」というメタ的な判断も緊迫感を削ぐ一要因にはなってたんだけども。

 端的に言ってしまえば、非常に「とってつけたような」幕引きで、これまでいくつかのポイントで面白いプロットが出ていた脚本だけに、この幕引きは正直勿体ない。「終わりらしい終わり」を用意しないと片付かない気がするという、刹那的なラノベ媒体だからこその難点といえるだろうか。別にあのまま自然に収束する事に問題があったようにも見えないだけに、何とも惜しい。

 ただ、散々悪態をついてみたものの、ベタはベタなり、とってつけたなりの片付け方としてはまとまっており、1つのアニメシリーズの終わらせ方としては、決して悪いものではない。阿漕なやり方には違いないが、主人公である太一の「ジョバー」としての性質がこれ以上無い形で表に出ていたし、その姿勢に対して、きちんと姫子の口を通じて「狂っている」旨を伝えたわけで、単なるキャラ設定としての無茶を、1つの特異点として浮き彫りにしておくというのは、今後のシリーズを考えれば悪くないことだし、必要な手順だったと見ることも出来るだろう。伊織と太一の仲についても、あそこで多少強引に横やりをいれておかないと、今後の文研部5人の関係性を続けてネタ回しをするためにはギリギリのラインである。どちらかというと、「幕引き」のエピソードというよりは、「一応風呂敷をたたんで次に向かうエピソード」としては良い終わり方だったのではなかろうか。

 個々のキャラの片付け方についても、太一は上述の通りだし、渦中の伊織についても、「実は前回のエピソードで一切問題は解決してなかったんだ」というのが分かって一安心。唯や姫子と違って太一の荒療治を喰らっていなかったのは彼女だけなので、そう簡単に片付いてもらっちゃ困るのだ。今回の騒動でどのように二人の関係性が動いたのか、次回の表情が楽しみである。また、彼女は今回「人格が入れ替わったふりをして太一を揺さぶる」という、本人も「ひどいこと」と分かっている行動に出た。これは今まで出てきそうで誰もやらなかったことだけに意外な展開で、さりげなく「他人の望む他人を演じることを強いられた」伊織という人格を補強する行動でもある。あのシーンの伊織の涙は結構ショックだった。

 そして、メインシナリオの陰でこっそり株を上げているのが義文だったりする。冒頭の真正面からの告白タイムは男らしくて悪くないと思ったし(そういえば、あのシーンで突然人格が入れ替わったら、覗いていた3人はどうするつもりだったんだろうな)、病院のワンシーンで、「伊織の身体と一緒に死ぬべきは伊織であるべきだ」と発言したのがすごく印象的だった。誰もが思っていても口に出せないそれを「誰かが言わねばならない」として口にする。これが出来るのは相当な男前。今まで単なる軽薄な奴だと思っていたが、一気に見直しました。

 雨が降って地が固まったのかどうかはまだ分からないが、こんな面倒くさい5人が次回もまた何かをやらかすのか、次も楽しみですよ。ちなみに今回、久しぶりに藤島さんが登場した。また彼女は別次元で何か悟ったようなことをいってらっしゃったが、この温度差はなかなか愉快である。あの子、ガチなんだなぁ。あのキャラクターデザインでおでこ全開カチューシャ装備のスタイルは、色々と反則である。誰か、ちょっと髪の色をいじってコラを作ってみる気はないかね。

 そうそう、今回も人格入れ替わりは錯綜して有効利用されていたわけだが、またしても沢城先輩の一芸にため息をつくことになった。クライマックスの病院での伊織役、これがまたすごいんだ。みゆきちは「呼吸からキャラを得る」という手法を採っていることを語ってくれたことがあったが、このシーンでの姫子は、間違いなく伊織になっている。というか、間違いなく「豊崎のリズム」になっている。沢城声で「豊崎の呼吸」だったのでそこに何とも言えない違和感を覚えてしまうくらい顕著に、「キャラが違う」ことが浮き彫りになるのだ。まさに職人芸、神業。独特の「うぇへへ」っていう笑い方も完全再現で、本当にこの作品をスタートする前に豊崎観察を行ったんだろうな、というのがよく分かる。もちろん、「姫子のふりをする伊織」を作った豊崎も負けてはいないのだけど。あー、この面白さが来週から無くなってしまうのは、声オタとしては残念至極だ。

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