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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 何故レンジにいれたし。第6話。良い話、本当に良い話。先週の「悲しい」に続いて今週も「悲しい」はあるのだが、「嬉しい」が混じったこの感情は本当に良いものだ。どちらかというと今週の方が泣いたかもしれません。前に誰かに聞かれたけど、私は「泣いてる」と書いてる場合にはマジ泣きしてます。割と涙腺緩い方。最近はプリキュア23話リピートして毎回泣いてるんだけども。

 「泣き」の話には違いないが、今週は確実に「始まる」話になっており、同じ涙でも嬉し泣きである。ふらふらとさまよった和奏の気持ちは、今回無事にたどり着くべきゴールへと届いた。よくよく考えると何で今週のエピソードでもって彼女が解放されたのか、というのは因果関係がはっきりしない部分があるのだが、それでもここまで作り上げられてきた彼女の「想い」はちゃんと伝わってくるので、自然に昂ぶりが分かるというもの。基本的に、おおっぴらに説明を広げるのではなく、和奏・来夏・紗羽の3人の人間関係だけで全てを表しているのが、この作品の上手いところである。

 野暮は承知で少し見てみよう。前回、和奏は揺れ動く自分の心に決着をつけるため、「捨てる」ことを選択したところだった。ピアノを捨て、思い出を捨てて、母親に対する自らの喪失感と罪悪感をなげうってしまおうと考えた。しかし、どうやらこれが彼女の本心には耐えきれない所業であったらしい。猫を探して雨の中をうろついたことも原因かもしれないが、心に大きく穴が空いた彼女は、自らの選択である「喪失」の重みに堪えられず、身体を壊してしまう。まさに身も心もボロボロの状態で、彼女が救われる手段は一見すると失われたかのように見える。

 そこに、1つ目の横やり、来夏が乱入する。入水と勘違いしてケーキをクラッシュさせるという賑々しい乱入をかましてきた来夏だったが、ごくごく自然に、本作で初めて和奏の部屋に押しかけることに成功している。殺風景になった和奏の私室は、本来ピアノがあったはずの部分にぽっかりと穴が空いており、まさに彼女の内的心情そのものと言っていい場所。そこにずかずかと上がり込んでくるってのは来夏にのみ許された特権と言ってしまっていいだろう。たとえ和奏が望んでいなかったとしても、ずぶ濡れになってしまった友人を放っておく訳にもいかないのである(もっとも、少しずつ信頼関係は構築していたので、別にぬれてなくても部屋には上げただろうが)。そして、そんな「内側」に食い込んできた来夏に対して、和奏は今まで隠してきた自分の弱さ、母親への罪悪感を漏らしてしまう。この時点で既に彼女が来夏に対して気を許している事が分かるが、タイミングも重要だったのだろう、どうしようもなくて自暴自棄になった和奏だからこそ、どうにもならないと思いつつ、友人に後ろ向きな発言をしてしまう。

 しかし、そこで来夏からかえってきたのは予想外の反応だった。「かなわないことも、また思い出の一部」。はっきり言ってしまえば詭弁であるし、大した情感もこもっていない適当な物言いではあるのだが、今の和奏からすると、全く想像も出来ない考え方だっただけに、そのショックは大きかったのだろう。和奏は事前に、来夏がコンドルクインズにどれほどお熱で、それだけ祖父の影響が大きかったということをよく知っている。つまり、来夏にとっての祖父の存在も、自分にとっての母親と同じように、大きなものであるはずなのだ。それをあっけらかんと笑って語る来夏を見て、和奏は何を思っただろう。「叶わなくて良かった」と笑う友人に、何を見ただろう。

 そして、「来夏→和奏」という直接的な「ウザい」乱入者とは対照的に、受け止める方向で和奏の心情を
変えたのが、もう1人の主役である紗羽(とサブレ)である。キーアイテムとなる母親のテープの受け渡しも大事だが、面白いのは、来夏とは正反対に、紗羽は和奏との対話で、一切「故人との接し方」「音楽との接し方」などということを口にしていない。和奏が勢い余って「父親に二度と会えなくなったらどうするのか」などと口走ってしまった時にも、ただ黙ってそれを受け流し、和奏をサブレに乗せた。普段紗羽が見ている景色を共有した和奏が、馬の背から何を見たのかは分からないが、不可思議な「友達」の優しさに、和奏は何かを感じ取ったのだろう。

 2人の友人の洗礼を受けた和奏はテープを聴くために音楽室に行き、そこで常識のない男声パート2人の脳天気さにも救われている。1つずつ繋がっていく合唱部のリンクが、ここで一気に完成を見る。下地が整ったところで、いよいよ最後の勝負、今は無き母親まひるさんの思い出と、父の言葉を通じて対峙する。前回の食卓は「いないこと」がことさらにフィーチャーされた「欠けた」団らんであったが、今回の画にはそれが一切無い。あくまでも父と娘の2人の食事風景であり、テーブルクロスの配置や、空席が見えないように取られたアングルなどからは、前回とは全く違った食卓の意味がうかがい知れる。それは、立ち直った和奏に対して、父・圭介がまひるの遺志を伝える場である。

 娘への思いや音楽への思いを突きつけられ、和奏は再び挫けそうになるが、既にそれを受け止めるだけの下地は出来ていた。新たに「自分の音楽」を作るという目標、そして、母と2人で1つの音楽を完成させるという目標。全てを受け継いで、ようやく、坂井和奏が立つことになった。
 ここまで都合6話。少しずつ繋がる人間関係に、少しずつ増えていく声の数。どこかで見たことがあるこの構図、と思ったら、「迷宮組曲」のオルゴールだった。和奏はさしずめ、最後に主旋律を完成させるためのバイオリンの役目である。もしくは「夢を見る島」の楽器集めでも良し。まぁ、あれの場合は最後がドラムだからちょっと雰囲気違うけどさ。

 相変わらず情感たっぷりで文句のつけようがない作劇。そして何もかもを丸め込む声の力。恐ろしいまでの充足感が得られる作品である。声といえば、教頭は高校時代からずっとあの声のまんまなんやな。まひるさんもそうだけど。いや、中の人的には実際に高校時代から1ミリも変わってない気がするよ、まひるさん。是非とも子供さんが出来たら一緒に歌ってあげて下さい。

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