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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 義務はなくても頭のお花の謎には答えて欲しかった第10話。「答える義務はありません」って、答えがあるかのような言い方ではあるのだが……

 「レベルアッパー」事件もいよいよ佳境。身内にピンチが訪れ、犯人の正体が割れることで嫌が上にもストーリーは盛り上がってくる。ジャッジメントの活躍を描くストーリーなので主人公がどう絡んでくるかが心配だったが、前回のちょっとした一言から御坂が責任を感じての参戦というのは、まぁ、不自然な導入ではなかろう(黒子の怪我も動機としてあるしね)。流石にここまでシリアスな事件で今までみたいに「面白そうだから首突っ込みたい」っていうスタンスだったら、流石に御坂が嫌いになるところだった。

 さて、毎回恒例になってきているが、まずはシナリオ面への疑問を先に並べてしまおう。一番気になるのは、やっぱりこの世界の「超能力」の科学っぷりへの疑問である。今回レベルアッパーの正体が「聴覚情報による強制的な脳の連結」というとんでもない代物であることが判明したわけだが、これって、作中でも言い表されていたようにコンピューターを大量につないでスパコンにするのと話は同じ。ということは、能力者のレベルの差は普通のコンピューターとスパコンの違いということになる。しかし、演算能力が向上する程度で、レベルが上がるというのはいかがなものか(もちろん最大の疑問は「脳の連結ってどないやねん」なのだが、そこは触れても仕方ない気がする)。もしそういう理屈ならばレベル5の御坂はデフォルトでスパコン状態にあるということになり、「研鑽を積んでレベルを上げた」というエピソードの拠り所とした、訓練すればレベルが上がるという事実との整合性が取りにくくなる。普通のファンタジーにおける超能力はいわゆる脳のジャンク、使われていない部分を活性化させることを説明に当てることが多く、それはつまり「常人では使えない脳のモジュールを起動させる能力」と捉えられる。そうでなければ、ただでさえ人智の追いつかない高性能の脳という器官が、これまでに存在しなかった現象を引き起こす説明にならないのだ。常人の脳をいくらつなげたところで、それはあくまで「ただの脳」。御坂や黒子達のように「何か新たなモジュールに目覚めた脳」で無い限り、つなぐ意味は無いと思うのだが。

 また、レベルアッパーを起動させるための説明材料となった共感覚の捉え方も、脳のモジュール性を否定するようなよく分からないような説明である。共感覚という現象は実際にあるらしいし、それを否定するつもりはないが(でないと「CANAAN」を褒めにくくなる)、普通、共感覚というのはあくまで入力における異常現象と捉えられる。例えばカナンの場合ならば「音」の入力が脳で変換されて「見え」になったり、入力情報そのものを、ある意味「誤変換」することの表れである。これは入力情報に依ることは無く、あくまで常人とは異なった脳のシステムを説明するものだ。対して、レベルアッパーは聴覚情報だけでこうした「共感覚」を生み出すという。つまり、音波そのものに何らかの超常的な要素があり、脳内で変換される際に聴覚情報以外の何かに置換されるということになる。ひょっとしてものすごく高度な総合出力のデバイスが使えるならばこのような現象を引き起こすことは不可能ではないかもしれないが、「レベルアッパー」の基本的な用法は、単にオーディオプレイヤーを使うというもの。流石にどこのメーカーのプレイヤーにも共感覚サポート機能は内蔵されていないだろう。もちろん木山がそうしたとんでもない「音」を作り出すとんでもない科学者だ、というならばそれまでだが、逆にそこまで凄いと、多分誰にも分析、追究は出来ないと思われる。

 まぁ、こんな疑問を掲げるだけ野暮ってな話になるんだろうが、どうせ納得できない説明をもってくるなら、最初から「科学サイド」「魔術サイド」なんて訳の分からない分割をせずに、全部夢と魔法の力で片付けてしまえばいいと思うわけだ。でないといちいち鼻について困る。

 と、相変わらず散々文句をいうわけだが、実は今回のお話はかなり好きだ。具体的には初春と佐天の電話シーンの盛り上がりが非常に良くできており、これまで微妙に避けて描写されていた二人の友情ががっつりと堪能できる仕上がりになっている。「大丈夫です!」と初春がから元気を出すシーンから初春の目が描かれないようになり、電話越しの声と、佐天の感極まった表情だけが視聴者に見える。そして、佐天を叱咤して号泣するところで、初春の目がようやく画面上で見開かれ、くしゃくしゃになる。このシーンの間の持たせ方が溜まらなくて、思わずもらい泣きしそうでした。初春、本当にいい子ね。

 そしてクレイジーというよりマッドな雰囲気が漂う、脱げ女こと木山の存在感も悪くない。結果として自分の存在ににじり寄っていたジャッジメントをしれっとさばき、いざとなったら非常に明快な行動力。そして田中敦子ボイスと、非常に魅力的な女性として描かれております。願わくは陳腐な犯行動機で彼女の魅力が崩れないようにお願いしたいけど……多分この作品のシナリオだと夢は儚くなりそう。

 他にも初春を頭上に飛ばして御坂の不意を突く黒子の外道プレイとか、初春を評して次第にしどろもどろになる黒子の表情とか、シリアスな中にも色々と見せ場となる演出もあって、アニメとしては純粋に楽しんでみております。コンテ切った人が誰だろうと思ったら、常ちゃまこと小林常夫氏の別名義でしたね。この人も面白い作品描くんだ。 

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