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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 何とも奇妙なもやもやが一向に晴れてこない第4話。この世界のどっしりとした、それでいて据わりの悪い感じはなんなんだろう。

 今回のミッションは街へ下りての物資調達。そしてドライバーとしてカナタに同行したノエルのお当番会である。前回がリオ、前々回が一応クレハだとすると、残るはフィリシアだけですね。

 相変わらず背景を含めた美術設定は嘆息するほど美しく、今回カナタたちの下りた街の様子も、1話のお祭りの時とはガラリと雰囲気を変え、しっとりと落ち着いて、どこか空虚な感じも漂う中世的な石造りの空間。街中を彩るオブジェも存在感があるが、普通の軒先、店構えを見るだけでも、一体何をモデルとしたのかが判然としない、奇妙な文化の混交が見える。前回リオたちは普通に漢字を読んでいたが、今回ちらりと見えたタケミカヅチのインターフェイスは英語だったし、今回カナタの訪れた百貨店の看板は、アルファベットではあるが英語表記ではない。みたところスペイン語とかフランス語とかそんな印象だったけど、一体どこの文化に属するものだろうか(公式の紹介だと街のモデルはスペインに実在するらしいが)。そして、カナタたちはこれらの言語を全てごちゃ混ぜにして理解しているのだろうか。まぁ、日本文化における外来語も似たような状態にあるので無理な設定とはいえないが。加えて、通貨単位は「円」と「銭」であることも判明している。これは日本の通貨単位が残存してさらに大幅なデノミが行われたという見方は流石に無茶なので、「たまたま近世日本の通貨単位と同じ呼び方」と考えるのが自然だろう。いや、不自然だけど、そうしとかないと色々おかしい。まぁ、明らかに日本人名でない連中(フィリシア・ノエルなど)が普通に日本語を話しているので、「キャラクターの会話は日本語的に解題されている」とメタ的に理解することも出来るんだけど。ただ、その場合はわざわざ「2円75銭」とするより「275円」にした方が楽なはずなので、やはりどこか奇妙な部分である。

 そして、今回再び登場した教会のシスターのおかげで、改めて「戦争」と「軍隊」というファクターも浮き彫りになる。ノエルとカナタは志願して軍に入った。つまり、この軍隊は女性でも前線基地(?)に配属される程度に、間口が広く、周知された機関である。また、今回ノエルに悪態をついた少年が「戦災孤児」であることから、この世界、少なくともこの国は過去7〜8年以内に人の死を含む戦争状態にあった。カナタたちは15歳という設定なので、少なくとも彼女たちは物心ついたあとに戦災に巻き込まれている。つまり、軍隊というものの真実を見ている。その上で、カナタは「ラッパが吹きたい」というある意味大変不謹慎な理由で軍に入隊した。またすぐに人の死に関わるかもしれない苛烈な職場、軍隊に、である。少なくとも彼女たちの隊の様子を見る限りではそうした切迫した使命感、恐怖感は全く伺えないのだが、本当に、この国の経験した「戦争」とは何なのだろう。それが見えてこない限りは、今回の少年のように「軍なんて大っ嫌い!」と叫ばれても、我々としては何に共感したらいいのかが分からないのだが。

 そして最後にノエルが向かったのは、この町の最大の特徴であり、最大の建物であるガラス工房。こちらも軍の要塞同様にいかめしく、無骨な作りだが、話によれば軍要塞とは異なり民間の手によって建築、増築されたものであるらしい。外観を見る限りではあまり工場に適した構造には見えないが……一体何人くらいが働いていたやら。そしてそこにいるのは「マイスター」の称号を持つ優秀なガラス技師と、彼ですら苦戦するレンズ作りを依頼し続けるノエル。彼女のタケミカヅチへの執着の理由も結局今回分からずじまいだったが、とにかくこの世界の技術では追いつかないようなオーバーテクノロジーであることは分かった。カナタのラッパがあっさりうまくなってしまったために、今後この作品を支えるのはタケミカヅチ完成へのシナリオだと思うのだが、カーステレオ以外にどんな機能が盛り込まれているというのだろうか。そして、何故そんな珍奇なものがノエル1人の手元に残っているのだろうか。なにやら1話1話は「めでたしめでたし」みたいな雰囲気で幕を引いているが、その実なにも解決してないぞこの野郎。

 改めて、非常に陳腐な一言アドバイスでラッパがうまくなりすぎたカナタが驚きである。そりゃまぁ、このままラッパがうまくなるまでの努力物語を延々描き続けたら本当に「けいおん」になってしまう気もするが、流石にもう少し段階を踏んでもらった方が受け入れやすいのだが。街の人達だって突然下手なラッパが聞こえなくなったら心配するだろうに。それに、せっかくの設定がもうなくなってしまったのでは、わざわざ作る意味があったのかどうか。

 ん〜む、本当に先の見えてこない不安な作品である。それでも何となく見続けてしまうあたりにこの作品の魅力があると思うのだが、それが一体何なのか、未だに見えてきません。このまま最後まで観るんだろうなあ…… 

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