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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 キラキラしてやがんなぁ、第19話。職無し視聴者からすると、仕事で苦しんでる様子を見ても胃が痛いし、仕事で楽しそうだったり、充足してる様子を見てもやっぱり胃が痛いんです。助けて。誰だこんな話作る奴は。

 矢野さん復帰にわいた前回。さぁ、これで大反撃だ! と勝手に思ってたけど、冷静に考えたらたかだか制作進行1人増えただけで状況が劇的に好転するわけじゃないんだよな。実際の動きについてはそこまで大きな変化があったわけじゃない。もちろんここで重要なのはそんな具体的な変化ではなく、宮森にとっての心の支えが生まれたことであろう。「万策尽きたー!」と叫ぶ宮森、そこに現れた頼れる先輩。彼女は具体的に状況への特効薬を持ち込んだわけではないが、トラブル続きでパンクしかけていた宮森の悩みを1つずつ丁寧に解きほぐし、冷静に状況に対処していく。彼女がやった最初のことが「宮森を休ませる」だったのが白眉である。なるほどねぇ、背負えば背負うほどに追い込まれていくのは責任感の強い人間にはありがちなこと。実際、矢野さんに休めと命じられた後も、宮森は(というかミムジーは)焦って仕事を続けようとしていた。そこで一旦「焦り」をキャンセルし、万全の状態で残った困難にあたっていくことが最善。また、一度仕事から離れることで冷静に俯瞰する視点も得られるであろうし、少しでも疲労が無くなれば作業効率も上がろうってもんだ。やはり経験値の差であろうか、矢野さんの対処は理にかなっている。

 そして、具体的な対策としては、最大の難敵となったスタジオタイタニック関連のあれこれについて、矢野さんが全てを引き受けることで解決を図る。具体的には、タイタニックにヘルプで入って不透明な管理体制を直にたたき直すこと。そして、逃げてしまったと言われる演出の代わりを見つけ出し、停滞していた作業に鞭を入れること。「そんな手段があるのか」と驚くような対処法であるが、正社員1人を出向させてまでの強硬修正というのは最後の手段なのかもしれない。ここまでさせたタイタニックに、そして三女という作品のスペックにはおののくばかりだ。そして、タイタニックに着くなり問答無用で場を掌握してしまった矢野さんの手腕にもおののくばかりだ。道中での平岡との対話は意外なもので、どうやら矢野さんは過去に平岡と仕事をしていたこともあるようだ。まぁ、広いようで狭い業界、何年か仕事をしていたらかち合うこともあるのだろう。平岡のああした横柄な態度については重々承知しているようで、慣れた様子で彼を上手いことコントロールしていく。タイタニックがヤバいスタジオであることも知っていたみたいで、平岡がどのような気持ちで仕事に当たっているのかも全て理解しているのだろう。不幸中の幸いといえそうなのは、そんな矢野さんが平岡に対して「宮森を頼む」と直接お願いしたこと。平岡という男が本当に使えない駄目な人間ならば、おそらく矢野さんはあんなことは言わないだろう。仕事への熱意を失い、人付き合いもドライでムカつく奴には成り果てたが、それでもやることはやれると信用したからこそ、矢野さんは平岡に宮森を託したのである。平岡の方もその誠意に対してまんざらでもない応答をしているので、今後は多少なりとも彼の態度も改善されるのかもしれない。

 そして矢野さんが向かった先には、通称「ひげ仙人」と呼ばれる演出家、池谷氏が隠遁している。まぁ、どこをどう見ても「ひげのおじちゃん」こと池端隆史監督その人でしたけども。実際の池端さんは逃げたりしないし、仙人でも何でもないよ。おそらく、この人も水島監督とは縁の深い人だから、監督からのオファーでヘンテコな役のモデルになることを了承したんだろう。まー、いかにも「いそうな」タイプのクリエイター像なので、きっと名前は出せないようなモデルが実際にはいるんだろうな……。隠遁者の隠れ場所を勘で見つけ出す嗅覚、逃げようとするところを拉致って引きずり込む手腕、集合時間を狙って設定する采配……矢野えりか……恐ろしい子!

 そして、残りのシーンは様々なアニメクリエイターの思惑・思い出・幻想・郷愁を詰め込んだ「追憶編」となっている。宮森の元気回復を目論んで丸川社長が連れ出した「旧社屋」。そこにはあの頃の景色がそのまま時間を止めて残っており、アニメ制作に対して・自分の仕事に対して疑問を持ち始めてしまった宮森の熱意を刺激するには充分過ぎる舞台となった。セル作画、絵の具塗り、手作業によるフィルム編集……ほんの二十年前までは、それが普通のことだったのに、あっという間に廃れていった、アニメ大国日本の礎である。単なる郷愁と言ってしまえばそれまでのものであり、ひょっとしたら若い世代には響かないお話になってしまうかもしれないこのシーン、宮森という「若者代表」がそこにいることによって、「宮森の熱意」と「在りし日の社長の熱意」が見事にオーバーラップし、「あのときのアニメ」がきっちりと現代の情熱として描かれているのが上手い。アツい男だったんだな、丸川社長。そして若き日の大倉さん、伝説メイカー杉江さんに、後にその奥さんとなるであろう女の子。初めて見るはずの製作現場の景色が、我々視聴者目線から見てもしっかりと「良い思い出」として見えてくる。「みんなですごいアニメを作ってやろう」という情熱は、宮森たち上山高校メンバーの若い力にフィードバックされることになるのだろう。いいなぁ、アツいなぁ。当時の若手代表として大倉さんが活躍しているところも含蓄に富んでいて、彼が「自分の実体験」で予定していたアニメの行程を塗り替えていくところなんかは、よくクリエイターに言われる(特に富野由悠季)「アニメ作りたい奴はアニメ観てないで外に出て他のことやれ」をダイレクトなメッセージとして伝えている。大倉さんも元々は映画看板が作りたくて、気付けば背景作家として評価を得るようになっていたというし、やっぱり「アニメが」ばっかりじゃない方が仕事の幅が出るのは間違いなかろうなぁ。宮森たちも、いつかこんな風になれるときが来るのだろうか。

 今回のお話、構成の妙で凄く納得させられるだけじゃなく、「アンデスチャッキー」の映像がたくさん流されることによって、よりダイレクトに「技術の新旧」「継承と革新」という普遍的な問題意識も刺激されるように出来ている。わざわざ古いセル風に処理されたアンデスチャッキーの作中劇は、意図的に動画の枚数も減らされているし、塗りに粗を作って多少野暮ったく見せているが、宮森が滂沱の涙を流していたことからも分かるように、今見たからといって色褪せるものではない。大倉さんの作った吹雪の景色、そしてそこから繋がる夜明けのシーン、そして背景。まだまだ現代アニメにはたどり着けないものもそこにあるのだ。1クール目でなされた「手描き・CG論争」の時のように、世のアニメ関係者が語りたくてしょうがないテーマの1つが、またこうして具体的な形で世に出たのである。やっぱりすげぇアニメだよなぁ。

 他にも映像面でのお遊び、というかセルフパロディみたいな要素はちょいちょい挟まってるけど、一番気になったのは今回の絵麻ちゃんたちの酸っぱい顔も「崩していいけど綺麗に、美しく」とか書かれてたのかどうか、っていうこと。久乃木ちゃんに見つかった絵麻先輩、可愛い。

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