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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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Banshee of the Dread Choir 戦慄聖歌隊のバンシー (3)(B)(B) U

クリーチャー・スピリット

4/4 無尽

〜がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーは手札を1枚捨てる。

 無尽持ちの黒は手札を貪る。青の「群棲するバイパー」とは対を成す存在だが、ドローとディスカードだと若干の性能差があるため、こちらは4/4とサイズ面で優遇されている。4/4は単体のぶつかりあいで一方的には討ち取りにくいサイズであり、殴られる方は手札破壊の影響も鑑み、カード効率を考えてブロックしなければならない。もちろん、普通なら殴る方だって「考えて殴らなきゃ」いけないはずなのだが、こいつは無尽能力を持っているおかげで、とにかく安全そうな相手だけを殴っておけば、他の全員にも緊張感のある選択を迫ることが可能なのだ。相手側としては、安易にアタック宣言をして欲しくないために場で一番弱いプレイヤーのサポートに回るなんて展開もあるかもしれない。コンスピラシーの時の「強い奴を全員で叩く」方向での関与ではなく、「弱いヤツを全員で守る」方向の動き、なかなかに新鮮だ。

 

Corpse Augur 死体占い師 (3)(B) U

クリーチャー・ゾンビ、ウィザード

4/2

〜が死亡した時、あなたはX枚のカードを引き、X点のライフを失う。Xは、対象のプレイヤーの墓地にあるクリーチャー・カードの数である。

 「占い師/Auger」といえば「未来予知」にはコモンのサイクルとして登場したクリーチャー名なのだが、何故か命を費やすことで効果を得る部分が共通している。占いってそんなに刹那的なもんなんですかね。もっと健全な占い師はいないかなー、って思って検索したら「核の占い師某」の文字列が見えたのでブラウザをそっ閉じしました。さておき、あんまり統率者戦用って感じでもない、普通のセットでちょっとしたレアとして登場しそうなカード。ステータスは死ぬ気満々だし、そこから爆裂アドに繋げる気概に満ちている。好きな墓地が選べるのだから、人数の多い試合なら、手頃な枚数の場所を探すのはそこまで難しくないだろうし、黒含みのデッキなら積極的に墓地を貯めて序盤から大量に引きこむことも可能。いつ出ても強いのは良いことだ。ちなみに墓地を選ぶのはマストであるので、試合終盤、全員の墓地が20枚以上のクリーチャーで溢れてるタイミングとかで使っちゃうと、コイツと一緒にレッツゴー冥府。

 

Daxos’s Torment ダクソスの苦悩 (3)(B) R

エンチャント

星座 - 〜か他のエンチャントがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、〜はターン終了時まで、本来のタイプに加えて5/5で飛行と速攻を持つデーモン・クリーチャーとなる。

 白赤デッキにはテーロスの怪物化、そして白黒デッキは当然星座である。ダクソスさんも色々と思い悩んでいるようで、その気持ちはまさかのデーモンに。流石に自分がデーモンに変身したっていうことじゃないとは思うんだけど、怨念とか怨嗟とかがデーモンにまでなっちゃったとしたら、ベスさんも罪作りな女性である。さておき、仕様としては「穏やかな霞(RAV)」が近い。トリガーは変わったが、エンチャントがそれなりのサイズのフライヤーに化けてパンチする部分は一緒。黒いことを考えると「隠れ潜む邪悪(USG)」あたりのイメージもあるか? とりあえず、使い勝手は最近なら「天使の墳墓(ORI)」と大体同じ。あれが超絶サイズになったと考えればその強さは分かりやすい。ソーサリー除去がかわせるので、多人数戦でお馴染みのラスゴに巻き込まれずにビートを続ける鬱陶しい場面も多そう。その名の通りにダクソスさんがいれば毎ターン自在に起動可能なので、「苦悩! 君にきめた!」って溌剌と戦線に送り込むダクソスさんの姿が楽しめるかも。

 




Deadly Tempest 命取りの大嵐 (4)(B)(B) R

ソーサリー

全てのクリーチャーを破壊する。各プレイヤーは、この方法で破壊された自分のコントロールするクリーチャーの数に等しい値のライフを失う。

 このセットの(?)ラスゴのコーナー。最近はラスゴも黒と白で均等に割り振られてるイメージがあるわね。黒スキーとしては嬉しい限りだわ。いや、これがあるからってトーナメントシーンには一切影響は無いけどね。横に並べるデッキには効果覿面。ただでさえ横に並べるデッキはラスゴのダメージがでかいというのに、その損失が文字通りのダメージになって返ってくるんだからたまったもんじゃない。今回横に並べる予定の緑黒・緑青デッキは得に注意が必要だ。「急かし」でインスタントにしてやると、相手が「欠片の双子」デッキのときに返り討ちに出来たりするぞ。泥仕合の多人数戦だとこれで引き分けが頻発したりしてな。

 

Dread Summons 戦慄の召喚 (X)(B)(B) R

ソーサリー

各プレイヤーは自分のライブラリを上からX枚墓地に置く。この方法で墓地に置かれたクリーチャー・カード1枚につき、あなたは2/2で黒のゾンビ・クリーチャー・トークンを1体タップ状態で戦場に出す。

 最近黒がお気に入りのゾンビわらわら呪文の新作。来春にはイニストラードに帰還することも発表され、そのお祝いの意味もあるのだろうか。当然フレーバーテキストを寄稿しているのはリリアナさんである。単純に考えるとゾンビ発生確率はデッキ1つあたりXの半分以下なので、どれくらいフィーバー出来るかは試合をしている人数による。仮に5人戦でX=5くらいで撃ったとすると、25枚のライブラリが落ちて、そのうち3割がクリーチャーならゾンビが7〜8体。まぁ、悪くないか。全体増強があればもちろん加点出来るので、ここから「圧倒する暴走」につなぐのが勝ちパターンの1つ。もちろん、ゴルガリデッキなので自分の墓地肥やしをこなせるのも重要。

 

Scourge of Nel Toth ネル・トースの災い魔 (5)(B)(B) R

クリーチャー・ゾンビ、ドラゴン

6/6 飛行

あなたは、〜のマナコストを支払う代わりに、(B)(B)を支払い、クリーチャーを2体生け贄に捧げることで、墓地から唱えても良い。

 何度でも蘇る、ゴルガリイズムに溢れた黒いドラゴン。実際はジャンドのレジェンドである「メーレン」さんの使役したクリーチャーで、ジャンド人からは「お前! ドラゴンを! マジで?!」とかびっくりされてました。7マナ6/6、他に特別な能力があるわけではないのでドラゴンとしては普通レベルだが、そこはひたすら他人を犠牲にして生き残るしぶとさでカバー。クリーチャーを2体要求するのは楽なコストではないが、そこはゴルガリカラーなんだから苗木トークンとか、蜘蛛トークンとかでなんとかごまかせ。しぶとい飛行ファッティってのは、相手が忘れたタイミングで絶望感を演出してくれるのでけっこうえげつないぞ。こんな扱いしてたらどこぞのドラゴン好きの揺るがない人が激怒しそうやな。

 

Thief of Blood 血の盗人 (4)(B)(B) U

クリーチャー・吸血鬼

1/1 飛行

〜が戦場に出るに際し、全てのパーマネントから全てのカウンターを取り除く。〜はこの方法で取り除かれたカウンターの数に等しい数の+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出る。

 なんかもう、適当過ぎるダイナミック進化を果たした「吸血鬼の呪詛術士(ZEN)」のようなそうでもないようなクリーチャー。もしくは生きる「霊気の断絶(DKS)」。とりあえず場に出さえすれば全てのプレインズウォーカーを問答無用で惨殺するという、Magicの世界観を想起するとどう考えても次元を超えた最強覇者。こいつの登場に恐れおののくリリアナさんとか、無様な姿で死んでいくウギンさんとか見たくない。それ以外にも、こと統率者戦のようなシナジー重視のデッキが多い世界には+1/+1カウンターは多いもの。「歩く墓場、髑髏茨(CMD)」や「胞子の教祖、ゲイヴ(CMD)」といったカウンターのみに人生を捧げて統率者戦を生き抜こうとしている奴らが可哀相である。なお、カウンターの種類は一切問わないので、「成金、グワファ・ハジード(CON)」や「贈賄者財布(KTK)」と一緒に使うと賄賂や宝石ででかくなるという、急に俗物根性丸出しのクリーチャーになる。「血文字の羽ペン(RAV)」だと吸血鬼的フレーバーは完璧!

 

Wretched Confluence 不憫の合流点 (3)(B)(B) R

インスタント

次のうちから3つを選ぶ。あなたは同じモードを何度選んでも良い。

・対象のプレイヤーはカードを1枚引き、ライフを1点失う。

・対象のクリーチャーは、ターン終了時まで−2/−2の修正を受ける。

・対象の、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを手札に戻す。

 合流点サイクルの黒は、他に比べるとちょいと地味め。3つも選べちゃうのだから単純な除去とかにしちゃうと強すぎるわけだが、フルスペックで除去モードを使おうとすると5マナインスタントで−6修正っていうコモンっぽい効果になることも。まぁ、「−4と−2」だけでも充分かもしれないけど。その他、ドロー能力は青の合流点に後れを取っているし、墓地回収も緑の下位互換。インスタントであるという利点こそあるものの、直接盤面を動かしにくいカードなので、ささやかに利を重ねていくしかないだろう。名前の通りにやや不憫。

 

Awaken the Sky Tyrant 大空の暴君の目覚め (3)(R) R

エンチャント

いずれかの対戦相手のコントロールする発生源があなたにダメージを与えたとき、〜を生け贄に捧げる。そうしたなら、5/5で飛行を持つ、赤のドラゴン・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

 4マナという軽さで何とかでかいドラゴンを出してみよう、というチャレンジ。普通だったらドラゴンを呼ぶためには土地を6枚以上並べるとか、それなりに苦労するものだが、このカードは超簡単。とにかく誰かに殴ってもらえばいい。誰かがうっかり「全体1点」とか言ってもいい。とにかく、飼い主が「痛てッ」とちょっと漏らすだけで、過保護なドラゴンが呼ばれて飛び出る。うーむ、お手軽だなぁ。まぁ、でかいとは言ってもミラクルな除去耐性があるとかいうわけではないのでそこまでの脅威ではないかもしれないが、序盤戦で何となく「俺を殴ったらあかんで」感を醸し出すにはいいんじゃないでしょうか。

 

Dream Pillager 夢の略奪者 (5)(R)(R) R

クリーチャー・ドラゴン

4/4 飛行

〜がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、それに等しい枚数のカードをあなたのライブラリの上から追放する。ターン終了時まで、あなたはこの方法で追放された土地でないカードを唱えても良い。

 このセットの新ドラゴン。ただ、割と地味。7マナと重たいし、能力が戦闘ダメージでトリガーの時点で普通のセットなら「面倒なレア」の烙印を押されるレベル。そのままリミテッドでちょっとワクワクする程度のスロットに収まるものだが、幸いにもここは統率者デッキ。この程度のコストならば充分に出られるし、どこか1人を殴るくらいのことは出来るだろう。ワンパン入れればなんと4倍「前哨地の包囲」(土地を除く)。まー、爆アドってやつですね。やっぱりあんまり放っておかれないカードな気もするな。ちなみに、長期戦になったときに登場した場合、ライブラリを食い尽くしてしまう可能性もあるのでご利用は計画的に。

 

Fiery Confluence 焦熱の合流点 (2)(R)(R) R

ソーサリー

次のうちから3つを選ぶ。あなたは同じモードを何度選んでも良い。

・〜は各クリーチャーに1点のダメージを与える。

・〜は各対戦相手に2点のダメージを与える。

・対象のアーティファクト1つを破壊する。

 「合流点」サイクルの赤は、サイクル中最軽量の4マナというコストでアピール。例によって個々の効果は全て同じものを選ぶ(全体3点、本体6点、アーティファクト3つ破壊)とやや効率が落ちるが、細かく分岐することでそのデメリットを補っている。というか、本体火力がある時点で無駄になる心配は無い。ある時は場のお掃除スペル、またあるときは対戦相手全てをまとめて焼き捨てるとどめの一撃。「節操が無い」はカードにとっては褒め言葉である。

 

Magus of the Wheel 輪の大魔術師 (2)(R) R

クリーチャー・人間、ウィザード

3/3

(1)(R)(T)、〜を生け贄に捧げる:各プレイヤーは手札を捨て、その後、カードを7枚引く。

 「時のらせん」ブロックに収録されていた「大魔導師/Magus」サイクルは、各セット全色で15枚。「時のらせん」には各々アーティファクトをモデルにしたもの、「次元の混乱」では土地をモデルにしたもの、「未来予知」にはエンチャントをモデルにしたものが採用された。そんなサイクルからは外れるわけだが、こちらも立派に過去のビッグネームを模倣している。「運命の輪(3ED)」はかつてはヤバいカードの代表格であったが、最近ではそんなこともなく、ちょいちょいリメイクが登場している。今回はそんなリメイクの中でも割とダイナミックなデザインになっており、なんと3マナ3/3という普通に使えるステータス。さらに起動コストもそこまで重くないので、相手ターンエンドまで構えるのは割と簡単。息切れの早い赤のデッキで使えば、あっさりアドバンテージを稼げるはずだ。副次効果として相手が大事にとって置いたカードを捨てられたりもするので、迷った場合でも積極的に使って色んな相手の悲喜こもごもを楽しんでみたい。まー、相変わらずゴルガリデッキは墓地が増えると喜んじゃうので、その辺は応相談。

 

Meteor Volley 隕石破 (X)(R)(R)(R) U

ソーサリー

クリーチャーとプレイヤーから任意の組み合わせでX体の対象を取り、〜はそれらに4点のダメージを与える。

 個人的には今回の新カードの中で一番好きなフレーバーテキスト。「違う、そうじゃない」感が良い。4点をいっぱい飛ばせる呪文といえば、最近「うねる撃ち込み」のおかげで我々の間で話題に上ることが多い「降り注ぐ塊炭(ODY)」様が思い出される。年間90試合を超えるドラフトをこなしたオデッセイ時代は、やっぱり僕らの心のディープな部分に根強く残っているのです。この呪文がそんな偉大な先輩に追いつくためには(3)(R)(R)(R)を支払う必要があり、なんとあのアンコモンは今の時代のカードを凌駕しているのである。まー、そりゃ7マナ目以降は当然こっちの方が強いわけだけど。「拡大可能なシャワー」というヤバいカードであり、これを握って延々土地を伸ばしておけば盤面はいつでもお好みの形に。まとめて敵プレイヤー全員に4点を見舞えるという選択肢も、終盤には大きな意味を持つだろう。やっぱり「4点を好きなだけ」は強いなぁ。なんで「うねる撃ち込み」は……(以下略)

 

Mizzix’s Mastery ミジックスの熟達 (3)(R) R

ソーサリー

対象の、あなたの墓地にあるインスタント・カードかソーサリー・カードを追放する。この方法で追放された各カードをコピーし、あなたはそのコピーをマナコストを支払うことなく唱えてもよい。〜を追放する。

超過・(5)(R)(R)(R)

 今セットナンバーワンの頭のおかしさを誇る、未だかつてないダイナミックすぎる再利用呪文。墓地にある呪文をもう一回唱えられるようにする方法は過去にも色々と開発されてきた。スペル好きの青と赤はインスタント・ソーサリー限定でフラッシュバックを与えることが多く、墓地のスペシャリストである黒は(大体変な方向で)どんなものでも再利用可能。最近のヒット作では下の環境のコンボデッキで活躍する「炎の中の過去(ISD)」なんかが記憶に新しい。そしてこれは、そんな赤のスキルをイゼットに任せたらはっちゃけすぎた事案。1枚だけなら4マナ据え置き。決して軽くはないが、5マナ以上の呪文を唱えれば得にはなる。コスト無しで使える時点で色々悪用は考えられそう。最近はタイムワープ系呪文はことごとく追放されるようになっているので、何かもっと別方向からのアプローチは必要だが。そして、頭がおかしいのは当然超過の方。墓地から全部唱えていい。デッキデザイン次第だが、普通に考えたらゲームが2〜3回終わってしまう規模の大災害である。流石イゼット、流石ニヴ様の申し子。やることの桁が違う。「紅蓮術士の昇天(ZEN)」のデッキに入れて遊んでみたい。

 

Rite of the Raging Storm 荒れ狂う嵐の儀式 (3)(R)(R) U

エンチャント

「稲妻の憤怒獣」という名前のクリーチャーは、あなたやあなたのコントロールするプレインズウォーカーを攻撃出来ない。

各プレイヤーのアップキープの開始時に、そのプレイヤーは5/1でトランプルと速攻と「次の終了ステップの開始時にこのクリーチャーを生け贄に捧げる」を持つ、「稲妻の憤怒獣」という名前のエレメンタル・クリーチャーを1体戦場に出す。

 なんかややこしい書式になっているが、とにかく全員が5/1速攻クリーチャーで殴るというオプションを手に入れられる、きわめて物騒な爆薬庫。なにしろパワー5である。先制攻撃持ちなんかがいればいいが、殴られたら無視は出来ないし、一方的に勝てるクリーチャーを用意するのは難しい。となると、少しずつ場からクリーチャーが減っていく。つぶし合った後に残るのは、5/1が素通りする泥沼状態ばかり。これを置いたプレイヤーだけが、そんな惨状を高見の見物というわけだ。まぁ、別に攻撃を強制されるわけではないので、相手の手のひらの上で踊りたくないなら殴らずに平和協定を結べばよいだけだが、それでもこいつのコントローラーは5/1を甘受する。そして、人というものは、使えるものは使っておきたい生き物なのである。レッツ政治力。いやならさっさと割ってしまえ。なお、今回のセットでは白赤・青赤の両方のデッキにこのカードが収録されており、2人のプレイヤーが並べると毎ターン2体のエレメンタルを出しつつもお互いに「殴れませんなぁ」「残念ですなぁ」とかいいながら他のプレイヤーを蹂躙する白々しい茶番が展開する模様。

 

Warchief Giant 戦長の巨人 (3)(R)(R) U

クリーチャー・巨人、戦士

5/3 速攻 無尽

 無尽サイクルの赤は白と同じシンプルな打撃力。白が同じコストで飛行を持っていることを考えると使いやすさでは完全に後れを取っている。いつ出しても役に立つのは間違いなく警戒を持つフライヤーだろう。しかし、無尽クリーチャーは「安全なところだけ殴っていればいい」という独自の特長がある。つまり、たとえ地上クリーチャーでも、たとえタフネスが3でも、案外安全に殴れる道は多いものだ。そう考えれば、速攻によるダメージ増加、それに5点というパワーは純粋に武器になる。まごまごしているプレイヤーが1人でもいるならば敵全員にパワー5が襲い掛かるかもしれず、他のプレイヤーたちは連携を求められる。こういうヘンテコ効果こそが無尽の本懐だとするならば、このカードはなかなかよく出来たデザインといえるのではなかろうか。

 

Arachnogenesis 蜘蛛の襲来 (2)(G) R

インスタント

1/2で到達を持つ、緑の蜘蛛・クリーチャー・トークンをX体戦場に出す。Xはあなたを攻撃しているクリーチャーの数である。このターン、蜘蛛でないクリーチャーによって与えられる全ての戦闘ダメージを軽減する。

 イニストラード産の「蜘蛛の発生(ISD)」でお目見えした蜘蛛トークンが再び。今回はその「蜘蛛の発生」の再録も発表されているので蜘蛛デッキでも出てくるのかと思われたが、墓地を利用する「蜘蛛の発生」は黒緑デッキ、こちらのカードは青緑デッキに収録されているので特に蜘蛛だらけになるわけではなかった。ただ、こちらはそこまで大量に蜘蛛が湧くわけではない。相手アタッカー次第だが、ゲーム終盤の鉄火場でない限りはせいぜい3〜4体が限度。「蜘蛛の発生」みたいなおかしな出来事は起こらない。ただ、3マナと抜群に軽い上に「濃霧」である部分が一気にこれをレアにまで引き上げている。何しろ相手が「このパンチで勝つ!」と思ったものが敗北フラグに裏返るのだ。この蜘蛛の湧き方はなかなか残酷である。何はともあれ、統率者戦中はこういう「握ってれば死なない(気がする)」呪文って大事よね。ちなみに、他のデッキに蜘蛛クリーチャーなんて入ってないやろ! と思って安心してると、白赤から「雄牛のやっかいもの(MOR)」が出てきたりするので、ごく稀に注意。

 

Bloodspore Thrinax 血胞子のトリナクス (2)(G)(G) R

クリーチャー・トカゲ

2/2 貪食(1)

あなたのコントロールする他のクリーチャーは、+1/+1カウンターがX個置かれた状態で戦場に出る。Xは〜に置かれた+1/+1カウンターの数である。

 ジャンド次元からの出張組なので、再録ギミックは当然の貪食。今回はどのデッキも「対抗色2色」なので、ジャンドを表す色も「赤中心」ではなく「緑黒」という外延部分になっているのが面白い。4マナの割に貪食の数も控えめだし、素のサイズも全く大きくない。なんかショボいレアにも見えるが、これがトークン量産のゴルガリカラーと絡むことによってなかなかの凶器に。登場時に蜘蛛トークンを3体食いつぶして5/5、そうすればそこから「蜘蛛の発生」で新たな蜘蛛を送り込むと全てが4/5で参戦することに。ふうむ、ナイスゲームエンド。でもまぁ、一手間かかるし、登場から機能するまでちょいと時間がかかるので、活躍のハードルはやや高めかな。結局「大量のクリーチャーがいる前提」のカードって、統率者戦では「ブン回りがもっとブン回る」だけなんだよなぁ。

 

Caller of the Pack 群れの招集者 (5)(G)(G) U

クリーチャー・ビースト

8/6 トランプル 無尽

 無尽サイクルのトリを務める緑は、もう他のサイクルなんかしったこっちゃねぇ我が道を行く。他が全て5マナで統一されていたのにここだけが7マナ。流石緑。そしてこのサイズ、トランプル。流石緑。統率者戦は大雑把な肉のサイズだけでどうにかなるような甘っちょろい世界ではないが、流石にワンパンで初期ライフの1/5をもぎ取る可能性があるならそれはそれで。正面から対処するのはサイクル中でも最も困難なわけで、無防備なプレイヤーが1人でもいれば、他の面々は甚大な被害を受けることになる。つまり、みんなが手に手をとって潰しに来るのは間違いない。しかし、除去耐性が無いとは言ってもタフネス6。そんなに簡単に対処出来るものなのか。惜しむらくはトークンが「踏み荒らし」や「圧倒する暴走」の効果を享受出来ないという部分だが、ひょっとしたらそこにまで考えてのことなのか、黒緑デッキではトークン全部が修正を受けられるようになっている「草分けるアイベックス」なんてカードがデザインされていたりする。全軍+8の修正を受けるから全プレイヤーに16/14トランプラーが襲い掛かる。草生えるアイベックス。

 

Centaur Vinecrasher ケンタウルスの壊し蔦 (3)(G) R

クリーチャー・植物、ケンタウルス

1/1 トランプル

〜は全ての墓地にある土地カード1枚につき+1/+1カウンターが1つ置かれた状態で戦場に出る。

土地カードがいずれかの領域から墓地に置かれるたび、あなたは(G)(G)を支払っても良い。そうしたなら、〜をあなたの墓地から手札に戻す。

 なんだこの渋い目の付け所は。墓地に土地、普通に考えると落ちない。そりゃ現行スタンダードだとフェッチだらけだけども、そんな変な高値のカードが無いときは普通土地なんて墓地に行かない。そして今回の統率者デッキにはフェッチはほとんど入っていない。じゃぁどうするんだ、って話だけども……どうするんでしょうね。分かりません。割るしかない……のか? 一応全デッキを見ると、サイクリングランド・「進化する未開地」「広漠なる変幻地」あたりは割と入っているので、そのあたりの恩恵に期待するしかない。あとはゴルガリなら自分のライブラリを削れ、っていう話ですわ。フェッチが多い下の環境を狙ってのデザインなのかなぁ。実用レベルにはちょっときびしい気もするが……。

 

Ezuri’s Predation エズーリの捕食 (5)(G)(G)(G) R

ソーサリー

各対戦相手のコントロールするクリーチャー1体につき、4/4で緑の、ビースト・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。それらのビーストは、それぞれ異なるクリーチャーたちと格闘する。

 公式記事でめでたくファイレクシア堕ちが発表されたエズーリさん。よりにもよってギタクシアスさんの参加に下ってしまった彼が目指すのは完全なる進化。その目標には一切の妥協はなく、爆裂するビーストトークンが食物連鎖をなぎ払っていく。とりあえず「場にある敵クリーチャー分だけ4/4」の時点で割と頭がおかしい。統率者戦の場合、タイミングにもよるけど二桁得点も割と現実的。さらに、そこからの容赦無い格闘劇である。そりゃぁドラゴンや天使には打ち負かされるかもしれないが、そこで淘汰されるのも自然の摂理。もとから適当に出したトークンなんだから1体2体削れたところで大した問題じゃない。問題は相手陣営のダメージだ。調子にのって蜘蛛トークンを出していたゴルガリなんか涙目通り越して8時間寝た後みたいにすっきりしちゃうこと請け合いだ。エズーリさん率いる青緑軍団とグリッサ率いる緑黒軍団は仲が悪いらしいし、ショウガナイネ。

 

Great Oak Guardian 大樫の守護者 (5)(G) U

クリーチャー・ツリーフォーク

4/5 瞬速 到達

〜が戦場に出たとき、対象のプレイヤーのコントロールするクリーチャーはターン終了時まで+2/+2の修正を受ける。それらをアンタップする。

 あんまり統率者戦のレアリティは意味が無いが(pauperとかには意味があるかもしれないが)、この性能でアンコモンってのもなかなかひどい話。インスタントで全軍+2ってことは「鼓舞する突撃」以上の効能であり、それに4/5到達をセットにして6マナぽっきり。なんて時代だ。そして、このクリーチャーの真骨頂はやっぱり多人数戦。好きなプレイヤーを対象に取れるので、他人の喧嘩にちょっかいを出すとちょっかいレベルじゃ終わらない。「殺さない程度に殴ろう」とか思ったのにマジ事案になったりする。このツリーフォーク、どういうフレーバーでどうなったらこの能力なんだよ。

 

Pathbreaker Ibex 草分けるアイベックス (4)(G)(G) R

クリーチャー・山羊

3/3

〜が攻撃するたび、あなたのコントロールするクリーチャーはターン終了時まで+X/+Xの修正を受けるとともにトランプルを得る。Xはあなたのコントロールするクリーチャーのパワーの最大値である。

 上の「群れの招集者」の紹介でもちょっと出てきたが、なんと「圧倒する暴走(M11)」が毎ターン発動可能という謎の化け物が登場。いや、普通は決め技になるんだから毎ターン発動する必要は全く無いはずなんだけどね。統率者戦なので、相手全員を一撃で葬り去るのは無理かもしれない。そこでコイツだ。毎ターン炸裂するオーバーランに相手もガクブル間違いなし。確実に殴る前に殺されるタイプの奴だな。ちなみに、クリーチャータイプは世にも珍しい「山羊」である。全てのセットで検索しても6件しかヒットしないし、最も新しい山羊ですら「冠毛の岩角獣(LGN)」だから10年以上前だな(しかもわざわざオラクルで追加されてる)。ちなみに、クリーチャータイプが山羊であることによる特典は……「山羊さらい(LRW)」でパクられる。以上だ!

 

Skullwinder 髑髏蛇 (2)(G) U

クリーチャー・蛇

1/3 接死

〜が戦場に出たとき、対象の、あなたの墓地にあるカードを手札に戻し、その後、対戦相手を1人選ぶ。そのプレイヤーは、自分の墓地にあるカードを1枚手札に戻す。

 渋い蛇。1/3接死のボディは決して戦闘で無駄にならない堅実屋であるし、そこにつけられているのは何と「永遠の証人」能力。そりゃ凄い。もちろん、それだけでは強すぎるってんで多人数戦ならではのフォローがなされており、好きなプレイヤー1人を選んで同様の回収能力を与えている。つまり2人戦の場合はお互いに墓地から1枚回収するので得が出ないようにデザインされているわけだ。もちろん、多人数戦ならば一番どうでも良い雑魚プレイヤー、もしくは共闘している(ととりあえず言ってる)プレイヤーを選べばほぼ「証人」と同じ。いや、素のステータスを考えれば彼女以上かもしれない。どうしても自分だけが得したいというわがままな人は、墓地を掃除してから使ってやれば大丈夫。タシグル直後が狙い目。いや、どこのレギュレーションかは知らないけども。

 

Verdant Confluence 新緑の合流点 (4)(G)(G) R

ソーサリー

次の内から3つを選ぶ。あなたは、同じモードを何度選んでも良い。

・対象のクリーチャーに+1/+1カウンターを2つ置く。

・対象の、あなたの墓地にあるパーマネント・カードを手札に戻す。

・あなたのライブラリから基本土地・カードを1枚探し、それをタップ状態で戦場に出す。その後、あなたのライブラリを切り直す。

 合流点サイクルの緑は緑だからそこそこ重いが、その分でかい、強い。「大地の武装」効果、「自然のらせん」、そして「不屈の自然」、全部2マナソーサリーの効果で整えられているのがふつくしい。ここから3個選ぶとちょうど6マナでつじつまは合うよね。別におかしくないよね。じゃぁ、「増え続ける成長」のパチモンみたいな効果解決するね、あ、でも墓地に「永劫の証人」もいるからついでに回収しておくわ。次のターン、もう一回この呪文唱えるし。おう、ファッキン。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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