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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 色気があるねぇ、第4話。こうして聞いてると林原めぐみってのはやっぱり恐ろしい存在だってことがよく分かるな。

 少しずつ回り始める歯車。今回は前半のメインが初太郎改め助六の「夢金」、そしてBパートがみよ吉登場編、という構成。まずAパートだが、いきなりボーイ姿の菊さんに驚く。あんまりそういうことをしそうにない人だったが、お金が苦しかったのでとにかく少しでもバイト代がいいところで働いていたんだろうか。高座がいつあるか分からないからあんまりがっつりバイトも出来ないだろうし、こういうときに融通が利くのはやっぱり飲食店なんだろうね。声優のバイト事情と似てるかもしれない。菊比古は基本的にイケメンなので、すらっと立っているだけでも固定ファンがついているようだ。元々踊りをやっていた人間だったわけで、所作が様になっているのはそういうところの影響もあるのかもしれないが、1つ1つのことに折り目正しいのはやっぱり性格なんだろうな。当時の風俗から考えると、そういう所作ってのは洋装にも映えるし、それで人気も出ていたんだろう。足が悪くて普段は杖を使ってるわけだが、バイト中くらいは杖無しでゆっくり歩くのは問題ないのかな。

 そしてそこに現れるのは相変わらず対照的な助六。ちょっとでも隙があると酒代の無心、師匠からもらった紋付きもさっさと質入れして飲んでしまうとか、まさに落語の登場人物そのまんま。実在の人物なら志ん生そのまんまだ。菊さんとしてはせっかくのイメージを保ってすました顔でこなしていたバイト先に助六が来るのは都合が悪いようで、いつも通りにシレッと「知らない人です」と片付けてるあたりはベリークールである。あのシーンだけ見ると「嫌ってるのかな」とか見えてしまう可能性もあるが、まぁ、単に仕事の都合だわな。菊さん自身は「アタシは嫌いですよ、あんな男」とか言いそうだけど、別にそういうことじゃないんだよな。小屋への雪降る道すがらの会話、ずっといがみ合ってるように見えるが、結局はじゃれ合ってるだけだからね。ボンをいじって面白がっている助六と、ため息混じりにそんな面倒な相方の面倒を見てやる菊比古。すっかり定着したこのコンビネーションは実に良いものだ。

 菊さんが助六に愛想を尽かさないのは、ひとえに自分の欲しいものを彼が持っているから。普段の生活の心配もせずに遊び歩く助六だが、噺の稽古はきっちりやっている。助六は何よりも落語が好きだから、そこでの手抜きは無い。今回の「夢金」については、映像自体はそこまで手の込んだものではなかったが、その分、袖で観ていた菊さんが演じる時、聞く時のポイントを解説してくれているので分かりやすい。演じている助六が楽しそうで、それを聞いている菊さんもやっぱり楽しそうだ。

 ちなみに、アニメの上での演出としては、今回の「夢金」はやけにカット割りが多かったのが気になるところだ。具体的には、落語の中でキャラが入れ替わるタイミング、実際には噺家が観る方向を上下と切り替えるタイミングが、カットを割って省略されている。つまり、右を向いた画、左を向いた画が動画で繋がらずに場面がポンと飛ぶのだ。この演出はもちろんこれまでにも見られたものだが、今回は特に多かった気がする。演出効果としては、各々のキャラがスパッと画面上でも切り分けられるので、話の筋が追いやすくなるという意味合いがある反面、切れ切れになると、実際の「演じ方」の描写としてはちょいと不足する。このあたりの取捨選択は演出の狙い方次第だろうが、今回は「夢金」というお話で2人の登場人物の演じ分け、切り替えがポイントになってくるところ。助六の言っている言葉を借りるなら、「菊比古をイメージしたケチ・強欲」なんかを1つ1つはっきり枠を切り取って浮き彫りにする狙いがあったと思われる。こうして、画にしてしまうと似たり寄ったりになりがちな高座のシーンでも、演目によって描き方が細部でかわるのは面白いところだ。今回は後半のみよ吉パートの艶っぽさから監督コンテかと思ったんだが、実際には田頭しのぶ氏という人の仕事。調べてみると「少ハリ」のキャット回なんかを担当していた人のようだ。監督の意図がしっかり伝わっているみたいだし、1つ1つの作業が丁寧なのは嬉しいことだ。

 そんなわけでBパートはいよいよみよ吉の絡みになるわけだが、とにかく「みよ吉という女」を描くことに全神経が注がれている。1つ1つの動作がやたらに蠱惑的で、最終的に菊さんもなびいてしまうのがよく分かる。そりゃま、普段から芸者仕事してる人なんだから男の扱いなんてお手の物なのだろうが、こんなんやられたらいくら堅物の菊比古でもクラッと来ますよね。単に押しの一手というだけでなく、菊比古の性格も良く見ていて、押したり引いたりけしかけたりはぐらかしたり、一筋縄ではいかない手練手管が実に厄介な女性。これに林原めぐみの声が加わって、何とも形容しがたい魅力がギュギュッと詰め込まれている。徳利を触るその手指の動きだけでもドキドキしてしまいますよ。さらに林原めぐみの小唄なんてレアなものまで聞けるし、こういうじっとりした男女の繋がりが見られるというのは、現代アニメではなかなか無いこと。日本伝統の「恋愛ドラマ」って、元々こういうところだよなぁ。

 「恋愛ドラマ」っていうくくりで考えるなら、みよ吉との関係に助六がどう絡んでくるのかは気になるところ。わざわざ助六に「みよ吉に呼ばれたんだ」って言っちゃうあたりが菊さんだよなぁ。どうでもいい事ですが、二人で火鉢に当たってるシーンでたばこを噛みながらしゃべる時の声の使い方がホントに上手い。結局、今作は贅沢過ぎる中の人の仕事を聞いてるだけでもだいぶ幸せなのである。それに負けないだけの画作りが出来てるスタッフは大したもんだ。

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