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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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この記事は4本で1セットになっています。

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<キャラクター部門・女性キャラ>

 さて、ヒロイン部門は当然数が多いので効率的に処理していきたいところではあるが……これ、書く時にもかなり壮絶な取捨選択が行われてますからね。「あのキャラがいない!」で恨まないでくださいね。単純に忘れてるだけかもしれないけどね。

 さて、男性部門と同様にまっとうな主人公の候補から見ていくと、今年最初のヒットを飾ったヒロインといえば、ここまで何度も登場している「えとたま」より、にゃ〜たんを出さないといけない。掛け値無しの弾丸りえしょんキャラという大きな武器を持つにゃ〜たんは、とにかくしゃべって動くだけで常にフルパワー。もう、各方面からお腹いっぱいですわ。同作のヒロイン勢はパワフルなキャラが多かったが、ホームランの数ではにゃ〜たんに引けを取らないモーたんや、死に芸という謎のポジションを確立したDEATHデス娘のウリたんなど、いくらでも選出できそうなキャラがてんこ盛り。

 さらに賑やかしのヒロインといえば、やっぱりデレは力強い方がいいですよね、アルベドOVERLORD)さんも外すことは出来ないだろう。ヒドインという新たな称号を獲得した圧倒的痴女力、そして顔芸。うーん、モモンガ様は幸せだなぁ! 上で登場した作品で外せないヒロインといえば、やはり黄前久美子嬢(響け!ユーフォニアム)も挙げておくべきだろう。彼女の身の丈に合った「青春」こそが作品の最大の魅力。そう考えれば、魂の交感百合という超次元を成し遂げた高坂麗奈嬢も外せないし、そんな世界を統べる神の役割を果たした田中あすか先輩の名前も挙げておくべきか。やっぱり作品単位でごそっと候補が並び立ちますね。

 多少毛色を変えて、メインヒロインの中でも大変な役回りを任された人物にはみよ吉(昭和元禄落語心中)なんて苦労性の女性も。振り返ってみて、彼女の人生を幸せなものだったと言えればよいのだけど。同じく苦労性ながらも、なかなかそれを顔に出さない仮面のヒロイン、柊シノア嬢(終わりのセラフ)も印象深い女性だ。お茶目さんには違いないが、時と場所は選ぼうな。彼女が出たついでに、一気に白雪さん(赤髪の白雪姫)、斧乃木余弦(終物語)あたりもピックアップしておいていいですかね。いや、何で並べたかはワカリマセンケド。

 まだまだいるよ、変なメインヒロイン。意外なところからは、一宮エルナ(ミカグラ学園組曲)なんてどうでしょう。彼女の馬鹿可愛らしさは、珍妙な作品の中で最大の吸引力を持っていたと思うのですよ。珍妙さでいうなら負けちゃいない、真宮桜さん(境界のRINNE)なんてクールなヒロインも。彼女の手慣れた突っ込みと、時たまみせるりんねに見せる感情が無闇に可愛らしいのです。まっとうにヒロイン力は高いけどどこか目立たないのは、これまた苦労人、花咲里あさみさん(アクティヴレイド)。ダイハチは変な女ばっかりだけど、実は一番ネジが緩んでるのがこの子っていう可能性。あとアニメで動いててうれしかったヒロインっていうとギャル子(教えて!ギャル子ちゃん)っていうのもいるんですけどね。そして、メインヒロインには違いないが扱いが難しいのが丈槍由紀(がっこうぐらし!)。この作品がなりたったのは間違いなく彼女がいたからだが、これを褒めてよいものかどうか……。

 メインヒロインのそばで支えながら友情を育み、時に友情の一線を越えてしまうレベルのナイスなお友達部門からは、真っ先にピックアップしたいのはチームプリキュア、天ノ川きららさんと紅城トワさん(GO!プリンセスプリキュア)。いや、ぶっちゃけトワさんよりもトワイライトが好きなんだけど、きららちゃんが今作の視聴モチベーションを大きく支えてくれていたのは間違いない。あんなエロい女子中学生とか、間違いなく犯罪であるし、しっかりと百合成分を育んでくれる努力の方向性は表彰もの。そして今期終盤に不思議な存在を見せたサブヒロインとしては、「実はこっちがメインじゃないか」疑惑もあった遠藤サヤ師(だがしかし)をピックアップ。ほたるさんよりサヤ師派です。彼女がココノツとのコミュニケーションに成功した時の眩しい笑顔は本当に素敵。

 「友人」という枠で語るなら、ヒロイン勢の中から一歩抜きんでた西園寺うさぎちゃん(対魔導学園35試験小隊)。るみるみ+巨乳というキャラは、ひょっとしたらこれが最後かもしれないので、しっかりメモリーに焼き付けておきましょう。「ヒロインの親友」ポイントがMAXで振り切れた素敵なキャラといえば朝倉涼子さん(長門有希ちゃんの消失)。今作の主人公は朝倉さんだった説をずっと押しています。ここからさらに友情を強め、ジワジワ百合要素に傾けていくと、例えば病気がギリギリ常識の範囲内に治まったのはレトリーSHOW BY ROCK!!)。他の連中が異星人だったり闇堕ちしたりしてる間、ずっとシアンだけを見続けた鉄の意志のすさまじさよ。残念ながら病気がデッドラインを超えてアウトだった人としては佐々木志乃さん(緋弾のアリアAA)。綺麗な百合とサイコレズは紙一重ですなぁ。

 毎年個人的に盛り上がりを見せるのは「ライバルキャラ、巨悪」なわけですが、正直、今年はあんまりこの部門からのエントリーがない。もちろん誰もいないわけではなく、例えば「敵」にカウントするのは心が痛むが、ジリジリと精神を痛めつけてくれた難しいポジションにはフミタン・アドモス(機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ)の名前が。フミタンマジふみタン。彼女がいなくなってから露骨に視聴モチベーションが下がってしまった自分が辛い。もっと素直に敵意をむき出しにしましょう、緑川花さん(監獄学園)。生徒会3人娘はどの子も甲乙つけがたいサディスティックな魅力があるが、花さんは最終回の「馬鹿になるぅ!」で殿堂入り。花澤香菜を汚しては……いや、もうだいぶ汚れてるからいいや。さらにストレートな敵キャラというと、バトルアニメからはガリィさん(戦姫絶唱シンフォギアGX)をチョイス。当初、CVが公表されてからはミカの活躍を楽しみにしていたのだが、いざ蓋を開けるとガリィさんの傍若無人さが癖になったのですよね。ギザギザ歯っていうのはよい萌えポイントだ。あ、既にアニソン部門でランクインしてるようなもんなのでキャロルちゃんは選考からはずしますよ。「エロいコスチュームの幼女」というだけでも殿堂入りの気配がありますけどね。あ、「エロい幼女」枠でついでにパピ(モンスター娘のいる日常)も入れておいてください。モン娘勢では個人的にはパピのダイレクトな活躍が一番印象に残ってます。他の連中もよいのだけどねー。あとヘンテコモノノケ枠だと……ルル(無彩限のファントム・ワールド)? 彼女の立ち位置って結局なんだったんでしょうね。ルルは普通にしてても健康エロ可愛いし、デフォルメになってもどっかエロさがあるのにヤらしさがないのがいいよね。

 さて、以下にあげる5人は、本当に悩みに悩んで最終選考で惜しくもベスト3に入らなかった面々。年次が違えば充分トップを狙えた人材である。まず、今年最後のアニメシーンを大いに盛り上げてくれた作品からは、女神アクア(この素晴らしい世界に祝福を!)。もう、あの駄目可愛さは奇跡の配剤。クソムカつく女なのに可愛いってずるいよな。面倒な女に惚れないように注意しなきゃ……でもなぁ、金払えば何とかしてくれそうなところとか、いいですよね(ナニをとは言わないけど)! 夏クールからは、これまた正統派を逸脱して「面倒臭い」属性を筆頭に掲げるメインヒロイン、土間うまる(干物妹!うまるちゃん)がエントリー。作品内では海老名ちゃんなどのライバルも色々といたはずだが、やっぱりうまるの愛嬌があって初めて成立する作品だったのは間違いないし、視聴者はみんなでお兄ちゃん気分を味わうのが至福なのだ。面倒な女は可愛い。男ってのはチョロいもんだ。

 せめて非現実くらい、尽くしてくれる女性を選びたいもの。そんなときにぴったりな女性が、クラリオン(紅殻のパンドラ)。……いや、ロボだけどね。メイド服だけどね。猫耳だけどね。登場時に「どんだけあざとすぎるテンプレ萌えキャラやねん」と思ったものだが、クラりんの魅力はそんな些末なものじゃない。いや、猫耳は必須だけどさ。彼女の愛らしさは、メイド服も、ロボも、すべて無関係になったへちょ絵の時にこそ訪れる。「もうコード全部引っこ抜いて」しまっていいのだ。単に「なんか白い塊」になったときのクラりんが一番可愛い。ある意味エポックメイキングなキャラなのは間違いない。もっともっと尽くしてくれる一途な女性がいいですか? だったらもう、ムーコ(いとしのムーコ)しかいませんよ? お? 猫耳の次は犬耳か? っつうか完全に犬か? ……まぁ、ムーコの場合は「ヒロインの可愛らしさ」っつうか「犬の可愛らしさ」なんだけどさ。しょうがないじゃん、動物大好きなんだもん……基本は猫派だけど犬だって好きだよ。柴犬の愛らしさってのは相当なもんだ。今作の場合、アニメーションとしては安価だけどちゃんと原作通りの魅力が出てたし、何より吉田仁美演じるムーコの勢いが毎朝毎朝エネルギーになりました。犬万歳!

 そして最後の1人は、そんな暖かさ、心やすさとは真逆の存在から、ナッシェタニア(六花の勇者)! 猫耳、犬耳ときたらオチはやっぱり(?)うさ耳ですよね。今期の「巨悪」枠は文句無く彼女のものです。最終回の彼女の表情が見たくてどれだけリピートしたことか。別れ際の「あっは!」っていう笑いが最高。

 さて、残り3枠、いきましょうか。

 

 

 

第3位

‘05 「灼眼のシャナ」より「“弔詞の詠み手”マージョリー・ドー」

‘06 「天保異聞妖奇士」より「アトル」

‘07 「バンブーブレード」より「千葉紀梨乃」

‘08 「とらドラ!」より、「逢坂大河」とその他ヒロインズ

‘09 「デュラララ!!」より「セルティ・ストゥルルソン」

‘10 「会長はメイド様!」より「鮎沢美咲」

‘11 「47都道府犬」より「愛知犬」

’12 「しろくまカフェ」より「笹子さん」

’13 「サムライフラメンコ」より「真野まり」

’14 「デンキ街の本屋さん」より「先生」

‘15「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」より「ヘスティア」

 由紀ちゃん、キャロル、そしてヘスティア様……やはりいのすけ強いな。もう忘れてしまった人も多いかもしれないが、今年度、アニメシーンは「例の紐」の狂乱から幕を開けたのだった。その後、紐は本当に「一時の熱狂」になり、すぐに収束して今作のことも割とあっさり数多のアニメの流れの中で埋もれていった感がある。しかし、やはりダンまちは楽しいアニメであったし、その楽しさの8割はヘスティア様がベル君の尻を追っかけて顔を赤くしたり青くしたりしていたおかげで生み出されたものなのだ。「主人公にベタぼれ

」「僕っ子」「ロリ」「巨乳」「女神」という禁断のかけ算。その結果、ヘスティア様はロリ特有の甘ったるさと、現代オタク用語ではバブみとも称されるような圧倒的包容力、母性すらも発揮する、まさに男の願望をそのまま具現化したような、ある意味で最も下世話な存在として顕現したのである。たとえ飽きやすいオタクがすぐに忘れ去ろうとも、あの意味の分からない紐は、間違いなくアニメのコスチュームの文化に一石を投じ、なんだかよく分からない伝説を残したのである。「紐一本で、業界はここまで震撼する」という現代アニメ文化の象徴的な事件として日本の歴史に刻んでおくべきだろう。まぁ、そんな歴史書は読みたくないけど。こうして振り返ると、春クールのヘスティアに始まり、冬クールのアクアで締める1年だったということに。……日本人はやっぱり女神様大好きやな。

 

 

第2位

‘05 「地獄少女」より「閻魔あい」

‘06 「うたわれるもの」より「トウカ」

‘07 「キミキス pure rouge」より「二見瑛理子

‘08 「紅」より「九鳳院紫」

‘09 「ささめきこと」より「村雨純夏」

‘10 「刀語」より「否定姫」

‘11 「花咲くいろは」より「四十万スイ」

’12 「人類は衰退しました」より「“わたし”ちゃん」

’13 「戦姫絶唱シンフォギアG」より「雪音クリス」

’14 「selector spread WIXOSS」より「蒼井晶」

‘15「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」より「アンナ・錦ノ宮」

 中の人の事情を懸案せずとも、今期のグランプリでアンナ先輩の名が刻まれることは登場時点から決定していた。これほどまでに規格外で、アニメの全てをぶっ壊しかねない危険なヒロインはこれまで存在しなかっただろう。全力で振り切れた「純粋」。全力でねじれた「正義」というものの恐ろしさを教えてくれる最強の「敵」であるアンナ先輩。彼女がいたからこその「下セカ」であるし、今作の肝である倫理観の倒錯は、彼女が一人で全てを背負って体現してくれていた。

 アンナ先輩のキャラ特性というと、そのイカれたストーカー的な言動にばかり注目が行きがちであるが、彼女の本質はそうしたネジの外れた部分ではなく、幼少期から与えられた純然たる「正義」を守る鉄の意志にこそある。そのために彼女は規格外の体術などの「執行する力」を自らの努力で手に入れ、母の教えを守るため、その力をたゆまず奮い続けている。作中では既に完成形に到っているので描かれていないが、彼女こそが、作中で努力・勝利というテーゼに最も近い人物なのだ。しかし、彼女にはただ一つ、「友情」の部分が欠けていた。そして、それは「愛情」とも言い換えられる。この世界の最大の歪みは、性の概念が完全に欠落しているために、どれだけ「愛」を語ろうともそれが永久に満たされないことである。アンナ先輩は、あまりにも純粋さと善に貪欲でありすぎたために、その身に世界の歪みを全て抱え込んでしまった。その結果として、初めて本能的に「愛」を認識した途端にあのイカレた言動が発露するようになってしまったのだ。アンナ先輩が幸せになれれば、この世界は全てが丸く収まる。そういう意味では、世界=アンナ先輩と言いきってしまっても良い。「過度な規制社会との戦い」を描くという大上段の目標も、最終的にはアンナ先輩を幸せにすることでカタルシスを迎える設計に落ち着く。これだけの大役を任されながら、一切の迷いも弱さも見せずに駆け抜けたアンナ・錦ノ宮は、文句無しで最高のヒロインなのだ。

 そして、たくさんの記事で何度も書いているので繰り返しになってしまうが、やはりこのアンナ先輩のバイタリティというものは、その声に宿っていたということを繰り返し強調していきたい。まつらいさん、あんた、世界を作ったんだよ。

 

 

第1位

‘05 「ぱにぽにだっしゅ」より「レベッカ宮本」

‘06 「ローゼンメイデン・オーベルテューレ」より「水銀燈」

‘07 「ひぐらしのなく頃に解」より「鷹野三四」

‘08 「SOUL EATER」より「魔女メデューサ」

‘09 「CANAAN」より「リャン・チー」

‘10 「けいおん!!」より「田井中律」

‘11 「よんでますよ、アザゼルさん。」より「佐隈りん子」

’12 「中二病でも恋がしたい!」より「凸守早苗」

’13 「魔法少女まどか☆マギカ新編 叛逆の物語」より「暁美ほむら」

’14 「PSYCHO-PASS2」より「霜月美佳」

‘15「ガールズ&パンツァー劇場版」よりドゥーチェ・アンチョビ(安斎千代美)

 2年前と同じ措置です。グランプリの設定自体が適当なことについては、心より謝罪を申し上げます。今期テレビシリーズのアニメグランプリに関しては、2位のアンナ先輩がトップということです。しかし、今年度のアニメを語る上で、この作品だけは外すことが出来ない。一枠だけここで使わせてくれ! ガルパンは、ガルパンは……。

 実際のところ、これでもかなり抑えている方なのである。ちょっと油断するとヒロイン部門が上から「ドゥーチェ」「ミカ」「ローズヒップ」とかになりかねないところだったのだが、流石にそこは我慢出来た。しかし、一昨年の「まどマギ」の時とは問題が異なっているのでまた悩ましい。「まどマギ」の場合、あの作品の全てを「暁美ほむら」という1人のキャラクターに集約することが出来た。作品全体を評するのに、この1部門だけでもまとめられた。しかし、ガルパンはむしろ真逆のアニメ。何十人もの女の子がひしめき合い、その1人1人にドラマがあるのが最大の見どころ。とてもじゃないが1人のヒロインをピックアップすることなんて…………いいや! するね! 俺はするね! じゃぁドゥーチェだ。選択の余地はないんだよ! 

 OVAアンツィオ戦からぽっと出の存在であるドゥーチェ。彼女の活躍が描かれたのはあのわずか30分ちょっとのOVA(と本編の2秒くらい)だけであり、キャラの掘り下げなどはほとんど行われていない。キャラクターを好きになる時ってのは、そのキャラの内面を深く深く知ることで愛着が高まっていくものであり、テレビシリーズのヒロイン勢は皆それで目が離せなくなるものだ。しかし、ドゥーチェの場合には本当に一目惚れみたいなもんである。OVAでの短いやりとりだけでも分かる司令官としての風格、回りから信頼を集める人格、そして隠しきれない愛嬌。……もう、みんなでシュプレヒコールを続けるしかないのだ。劇場版においても、中盤まで彼女は一切姿を見せない。初見のときには「え? ひょっとしてドゥーチェが来ないなんてことは……」と、(本当にちょっとだけ)心配にもなる。しかし、満を持して駆けつけるドゥーチェの笑顔で、その不安が極上の喜びと信頼感へと転じる。ノリと勢いとパスタの国から、彼女は来てくれたのだ! その後も「とりあえずパスタをゆでる」「干し芋パスタでゴキゲンになる」「かけ算が出来ない」「叫ぶ」「喜ぶ」「やられる」。もう、全てがアンツィオだ。戦車道には、人生に大切な全てが詰まっているらしいが、ドゥーチェには、ガルパンに必要な魅力が全て詰まっているのだ。

 是非、ガルパン2期シリーズを製作するなら、視点を大洗だけに定めずに全ての学校にチャンスを与えてほしい。時系列を考えればどうしてもドゥーチェの卒業後の話になってしまうだろうが、彼女がOGとしてアンツィオに檄を飛ばす姿を見せてほしい。解説役として、見事にパスタを語る彼女を見せてほしい。

 我々は、ノリと勢いをいつでも求めているのだ。

 




 

<声優部門>

 さぁ、最後の部門にして最大の部門だ。長くなるから、なるべく手短に、手短にね!

 基本的に、これまでこの部門で取り上げた名前は極力出さないようにする。そりゃ好きな声優なんてもんは年単位で変わるもんじゃないし、活躍する最前線の名前だってそんなに簡単に移り変わりはしないから、「今年活躍した声優」を取り上げようとすればどうしたって去年と同じ名前を出す必要があるのだが、それでも今回は文字数の削減のために例えば佐倉綾音だとか、種田梨沙だとか、早見沙織の名前は出しませんよ、ってことだ。あれ? 出してしまったな? ……まぁいいじゃん。特にみさおは今年ソロデビューもあったし声優アワードの受賞もありましたし。ますます飛躍の年となっております。

 さて、ここからも昨年取り上げた名前が何人も被ることになるが、「活躍が見込まれていたけど順調にその期待に応えてくれた」組から。例えば出演本数の安定している顔ぶれでは大西沙織相坂優歌諏訪彩花といった面々。相坂君はソロデビューを果たして事務所の期待を一身に背負っている感があるし、出演本数で言ったら大西君が飛ぶ鳥を落とす勢い。声質が安定していてどこでも守れるユーティリティプレイヤーな印象。安定感でいうなら大橋彩香加隈亜衣芹澤優といったすっかり一枚看板になった「メイン級」も今年はグッと存在感を増してきた。へご旋風は留まるところを知らず、クマちゃんは歳を重ねる事にヒロイン度数を増してどんどん可愛くなっていく印象。なんか顔の系統はどこぞの17歳の系譜な気がするので、結婚してからも良いお嬢様声優として仕事を繋ぎそう。芹澤優ちゃんはiRisとしての仕事も順風満帆だし、持ち前のエネルギーはまだまだ底が知れない。他のメンバーも少しずつ声優としての仕事を見せてきているので、今後もグループを牽引するトップリーダーとしての活躍が期待される。

 これらの名前と比べると出演数は少ないが、「上がってきそうな期待枠」としては、一発ヒロインを引き当てた本渡楓田中あいみ鈴木絵理といった面々を確認しておこう。本渡ちゃんは「ここたま」でメインヒロインをゲットしたことで名前を認識したが、実は案外色んな作品でモブとして仕事を重ねている。田中あいみはご存じ「うまるの中の人」だが、こちらもモブでの仕事をちょこちょこ見かけてはいたので、そろそろ下積みから一歩抜け出るチャンスだ。鈴木絵理は「六畳間」で早苗ちゃんをやった後にしばらく沈黙していたのだが「ヘヴィーオブジェクト」の姫役でちょこちょこいい仕事を見せ、同時期に「Dimension W」にも出演して名前を売り出すことが出来た。こういうポジションからグッと抜け出せるかどうかが、今後の運命を分けることになるんだろうな。あ、ついでに「六畳間」繋がりだと個人的な好みで田澤茉純の名前もあげておいていいですかね。こういう低めでビシッと決められる役者は、それだけで貴重なので今後ももっと声が聞きたいですね。さらに若手で推したい名前を追加しておくと、例えば花守ゆみり。映画でメインヒロインをこなしたことで実績も充分だと思うので、今後の各方面での起用に期待したい。あとは田中美海とかかな。WUGの中から誰が抜け出るか、ってのは注目していたところだが、田中・山下・奥野の一軍3名から、どうやらみにゃみが一歩抜き出たようだ。残りの面々の追撃なるか。

 少しずつ名前のカロリーをあげていこう。何故か個人的に今年やたら印象深くなったのが、中堅ポジションに位置しそうな五十嵐裕美の名前。名前としては認識してたけど、案外ゆきんこに接する機会が少なかったもので。今年は「デレマス」でブーストがかかったこともあり、色んなところで名前を見て「器用な人だなぁ」としみじみ。本人のテンションもおかしくて良い。デレマス繋がりで列挙してしまうと上坂すみれの完全にレールに乗り切った感、黒沢ともよちゃんの天下取れそう感、高森奈津美の「なつ姉ぇ! なつ姉ぇ!」感。すみぺについては、実はこれまで一部のキャラを除いて「なんか演技は微妙な部分があるよな」と思っていたものだが、今年あたりからは次第にそうした違和感も消え、「おいしい部分」が前に出てくるようになった。人気に実力が追いつき、すみぺストリームがようやく本格始動か。アイマス繋がりでいうなら、個人的に無視できないのは原由実の存在。何しろ今期は「うたわれ」でアトゥイやってる脇でアルベドさんですからね。一発の仕事で最大限のインパクトを残してくれる役者の鑑。

 ここで目先を変えて「変な声強いぞ」部門。まぁ、ここであげられる変な声って言ったら井澤詩織のことなんだけどさ。しーたむはイロモノ枠でしか出番が無いかと思われていたが、案外そつなく幅を広げていて感心する。まぁ、出てきたら一発で分かるのはそうなんだけど。声の甲高さやキャラの濃さでいうなら、「ラブライブから意外に一番堅実に出てきた」と話題なのが久保ユリカの今年の活躍。気付けば色んなところでしかこブームが。関西弁の役もおいしくこなせるのは強いなぁ。あとは変な声と言ったら吉田有里と……。あれ? 人外しか出てこないぞ? ゆーきち、そろそろ人間やらせてもらえ。そうそう、変な声で期待の枠っていうと、村瀬迪与っていう名前が出てくるんですよ。しーたむ・ゆーきちみたいな明らかな人外枠ではないのだが、この人の声の出し方ってすごく癖になる。「シンフォギア」でガリィをやってから「ここたま」「シュヴァルツェスマーケン」と立て続けにレギュラーを勝ち取っており、本格的にアニメ業界に参入してきたみたいなので今後の暴れっぷりが楽しみ。そうそう、暴れるといえば村川梨衣さんは……去年と同じです。

 さて、残るは……待って、ベスト3の前にあと10人(?!)。ここからは本当に滅茶苦茶悩んで誰を上にあげるか悶絶したラインナップです。まず、アニソン部門・キャラ部門で繰り返し取り上げた名前として水瀬いのり。いのすけは去年から仕事量を増やしてブーストをかけていたが、今年は「ここさけ」などの露出も重なり、圧倒的存在感でロリキャラカテゴリでトップランナーへと躍り出た。最近ではこの部門も競争が激しいが、子役上がりの強さはやはりこういうところで出てくる。ソロデビューも果たし、まだまだこれから伸びてくる脅威の20歳。負けじと今年一気に名前を売り込むことに成功した新鋭には、高橋李依という名前を刻んでおかなければなるまい。こちらもまだまだ若手も若手。しかし、その堂々としたヒロインボイスはあさのますみ先生との太いパイプや、プリキュア声優という看板にがっちりと繋がった。「乱歩奇譚」でショタをこなし、人気作品「このすば」でも見事にエクスプロージョン。もし「新人賞」があったら間違いなく今年は彼女のものだ。

 そんなエクスプロージョンな繋がりで忘れてはいけないのは雨宮天。昨年から既に大舞台での活躍が多かった彼女だが、今年はミーア&アクアという新規路線でその魅力を爆裂。新たな雨宮像を確立させた。やっぱり彼女のエネルギッシュな声を聞いていると事務所の先輩である戸松と被るのだが(声でなく、存在感みたいなものがね)、彼女も戸松のようにミラクルを連発することが出来るだろうか。同じように気鋭のメインキャラを連発させたのは上田麗奈。僕らの中ではどこまでいっても「モブ子の中の人」だった彼女だが、今年は数多くの主演、怪演をこれでもかと楽しませてくれた。「35小隊」でのちょっと固めの演技から、「実は私は」でのトバし気味のテンションを経て、「ハッカドール」の4号に到るイロモノ振り切れ路線がたまらない。うえしゃまの変なしゃべりは見ていて心が和みます。主演級の仕事の量で言えば、すっかり「そういう」カテゴリで地位を確立した感があるのは潘めぐみ。正直言うとプリキュアやってるあたりではあんまりピンときてなかったのだが、今期はラキたまやってる裏で礼央子様の声を聞いて「やっぱすげぇな」と改めて感心。正統派から「変な声」まで自由自在ね。

 そうそう、イロモノといえば忘れちゃいけない、石上静香。いや、彼女は役者としては非常にまっとうな路線を歩んでいるし、演技も手堅く、声も変幻自在でいかにも「声優」といったスキルの高さが目を引く役者。どこまでいっても僕は低めの声に引かれる傾向にあるので、ドスを効かせても揺らがない声質を持っているのはそれだけで武器になると思っています。彼女のすごいところは、この声質なのにきゃぴっとした演技に回すときちんと「萌え声」に合わせてくるところなんだよな。低い声が好き、というところで今期ずっと聞いていたかったのは、藤井ゆきよのお綺麗な声。なんなんだろう、彼女の不思議と艶のこもった声の魔力ってものは。思い返せば、彼女の第一印象っててとらちゃんなんだよなぁ。そっから今年はレベッカとかクルルシファーさんとか、正統派のいい女で一気に印象を固めてきた。その脇でキャシディー(「Dimension W」のネコ耳やんちゃ娘)みたいなドスの効いた音域でもしっかり楽しませてくれるし。

 ベスト3の前にあと3人。個人的に、最後の最後の最後までランキングに入れたかったのだが泣く泣くここで落ち着いてもらうことにした名前が、松井恵理子である。今年のカッターの活躍、マジで最高だった。モーたんとか「ダンデライオン」の岬とか、いちいち変なポジションを任されるのに、その変なところをがちっと決めてくる恐ろしい精度。そして一時は「ニコ生声優」とすら言われた番組回しの謎スキル。そうだよなぁ、りえしょんだのぱるにゃすだの、あらゆる猛獣との戦いを強いられてきたんだもんなぁ。強い女、カッター。彼女の活躍はきっと来年以降も続くだろうから、また改めて選出するよ。

 そしてもう1人、これは正直初めての経験なのだが、自分でも認識していなかった候補者が1人いたのだ。上記の「女性キャラ部門」で最終候補まで残った名前を見てほしい。クラりん、サヤ師、それにレトリー。……あれ? 俺ってこんなに沼倉愛美のことが好きだったのか?! あんまり意識したことがなかったのだが、数々のアニメキャラを見ていくと、ぬーさんの演じているキャラってことごとく魅力的なんだ。他にもオバロのナーベとか、するりと私の認識の間に入り込み、素敵なキャラをそっと置いていく仕事人、それがぬーさん。来年度はもう少し彼女本人の姿を追いかけてみようかと思っています。

 そして最後に、ランキングに入れるのも違うと思ったのでここで改めて松来未祐の名前を挙げ、ご冥福をお祈りすることに。彼女の遺志は、ここに挙げた人たちを含めて、たくさんの後輩たちが継いでいってくれるに違いない。

 さぁ、ラスト3人いくよ。

 

 

第3位

‘05「植田佳奈」 ’06「小林ゆう」 ’07「戸松遥」 

‘08「佐藤聡美」 ’09「原田ひとみ」 ’10「日高里菜」

‘11「伊瀬茉莉也」 ’12「茅野愛衣」 ‘13「種田梨沙」 ’14「大久保瑠美」

‘15「小澤亜李」

 今年の新人賞は誰のものか。上で「間違いなく」と書いたが、果たしてそうか? この子の躍進が、今年は最大のシンデレラストーリーだったのかもしれない。「パラスの中の人」、小澤亜李である。亜李ちゃんの進撃は本当に凄まじいものだった。昨年度の「野崎くん」で一気にその名が知れ渡った彼女。「役に恵まれた」のも事実であろうが、人気に火をつけたそのデビュー作でエンディングの歌唱までしていたのだから、制作側の何かを刺激したのは間違いないだろう。そして、この千代ちゃんフィーバーから彼女の声優人生が激変する。続けて「ローリング☆ガールズ」でも主役に抜擢。「アクエリオンロゴス」でも主軸となる「子役の小生意気幼女」というポジショニング。「ランスアンドマスクス」でも作品最大の魅力である真緒ちゃんで「ロリの小澤」を不動のものとする。「ランマス」はニコ生出演の機会も何度かあり、そのふてぶてしくもどこか抜けた本人のキャラクターも魅力を振りまいた。そしてホームラン級のあたりが飛び出したのが「モン娘」のパピ。これがひどかった(褒めてる)。単なるロリじゃない。やっちゃいけないタイプのロリだ。事実上デビュー1年目みたいなものだった新人さんがイッてしまってはいけない禁断の彼岸へと一気に加速をつける。

 ここで終わっていればまだ「普通に当たった」だけの新人で片づいたかもしれないのだが、続けて手に入れた役は「がっこうぐらし!」の胡桃、「若葉*ガール」の若葉と、ロリ方向ではない魅力を持つ2つのレギュラーキャラクター。千代ちゃんとはまた別ベクトルでの天然オーラと癒しの波動を持つお嬢様ヒロイン若葉、そして、これまでとはガラリと方向性を変えた武闘派系女子高生の胡桃。「亜李ちゃん、こんなんも出来るやん」という意外性が印象に残る。そしてとどめに「アクティヴレイド」のあさみちゃんである。いわゆる「アニメ声」ではハードルも高くなる役どころだが、どこかズレながらも堅苦しく生きるあさみちゃんの不器用さがばっちりはまり、「スーツも似合うぞ小澤亜李」と文句無しのメインヒロイン。ほんの1年か2年でここまで自由自在に声優業の幅を広げて見せた新人は、競争の激しい現代でもなかなか見たことがない。そして、本当に「巧い」からこそのこの仕事量であることは疑いがない。今後も彼女は躍進を続けることだろう。業界では華の世代と言われる91年度組、そして佐倉さんの牽引してきた93年度組の活躍が顕著だったが、ついに間隙の92年度が、彼女によって埋められた。

 

 

第2位

‘05「斎藤千和」 ’06「後藤邑子」 ’07「佐藤利奈」 

‘08「遠藤綾」 ’09 「悠木碧」 ’10「喜多村英梨」

‘11「豊崎愛生」 ’12「金元寿子」 ‘13「佐倉綾音」 ’14「M・A・O」

‘15「安済知佳」

 今年、私の中で大ブームを巻き起こした声優が2人。1人は上で書いた松井恵理子先生。そしてもう1人が、このちかぺである。そうだな、何がいいかと言われれば……可愛いところかな……。残念美人という言葉が似合う、声優業界では割と良くいるベクトルだけども……。この残念さは護りたい。だって可愛いしな……。ちかぺのデビューはこれまた大好きだった「キルミン」である。思い返せば既に7年前、随分時間が経ったものだ。当時は御子神姉妹の中ではリコリムのキャストがストライク過ぎて、ぶっちゃけポチ姉ぇの印象はそこまで強くなかった。キャストの中で1人だけ聞いたことない名前だったし、「安定感のある新人やな」とは思いつつも、残念ながら「安済知佳」というその名前はそこから数年、他の作品で見かけることもなく、時たま思い返しては「あのポチ姉ぇの中の人は誰だったんだろう」といぶかしがるくらいのもので。

 時を跨ぐことしばらくして、ごく稀にモブで見かけることがあってもすぐに記憶から消えてしまっていた名前は「棺姫のチャイカ」で再びキャストロールの1ページ目に返り咲いた。しかし、強烈な印象を残すチャイカ語も良し悪しで、ぶっちゃけこのチャイカ、役者として上手いか下手かが計りかねる存在だった。「チャイカ可愛い、チャイカ好き、でも、中の人の技術、不鮮明」。そんな昨年の復活劇から、今年は見事に「ユーフォニアム」で高坂麗奈というターニングポイントを迎えることとなる。物語の鍵を握る最重要キャラである麗奈。これまでのちかぺキャラとは一線を画すクールな路線だったが、彼女の持つ純粋さ、真っ直ぐさが一番良く表れたはまり役。「精神の感応百合」が実現出来ただけでもその存在意義は大きいが、それ以上にやってくれちゃったのが、ラジオ・ニコ生による「未成年より下の存在、安済」の暴露。いや、多分チャイカのラジオをちゃんと聞いてればもっと早くその存在を知ることが出来たはずなんだけどね。こればっかりは一期一会ですな。見事なコンビネーションを発揮した北宇治カルテット。こまっしゃくれた座長の黒沢ともよの傍らには、モデルばりのスタイルを窮屈なコスプレ服に押し込めた安済君の姿が。そして、一瞬たりとも落ち着かずにバタバタと暴れるその四肢。うるさい、こいつうるさい。なんか、どっかで見たことのあるうるささだ。あぁ、これはあの勇者部で見た……。

 そこからはもう、ちかぺ旋風が止まらない。残念だ。美人だ。そして常にマジだ。最近は「どっか斜に構えたスタイル」が声優業界でも主流になっており、「やる気が無い」みたいな適当さがラジオでも人気になったりするのだが(それはそれで面白いこともあるが)、ちかぺはそんな器用な真似は出来ない。与えられたお仕事は常に全力で、自分の出来ることをやりきるだけ。その結果がどうなるかは本人も分からない。誰にも分からない。でも、やりたいことはやったもん勝ちだって誰かが言ってた。その真摯な気持ちは、仕事の結果に、そして与えられた役の魅力に現れるのである。

 見事に開花した「ちかぺワールド」は、不思議と病的な役柄にその破壊力を発揮。麗奈も若干危ない人ではあったが、その後も人類を滅ぼす存在であるキセキ(35小隊)や、ちょっと触れただけでも特攻して死にかねない不安定娘であるアネット(シュバケン)、触るものみな傷つけちゃう尖ったナイフのメリイさん(グリムガル)といった一筋縄ではいかない役どころばかりが回ってくることに。いいぞちかぺ。役も本人も、この不安定さは癖になるぞ。今後も彼女は全力で生きていってくれることだろう。それがたとえ、本人にとってどんな災難を招こうとも。大丈夫、その姿勢が一番の武器なのだから。あと、可愛いから。

 

 

第1位

‘05「生天目仁美」 ’06「井上麻里奈」 ’07「阿澄佳奈」 

‘08「井口裕香」 ’09「高垣彩陽」 ’10「藤村歩」

‘11「福圓美里」 ’12「内田真礼」 ‘13「内山夕実」 ’14「早見沙織」

‘15「山本希望」

 悩みに悩んだ今年度一押しはこの人。ゴリラ女(小見川千明談)こと山本希望その人である。声優事情についていくらか知ってるよ、という人はこの人選には「?」と思われるかもしれない。のじょさんはデビューから数年経っているので決して「頭角を現した若手」というカテゴリではないし、何か人気作品で大々的な役をやって有名になったって話も聞かない。しかし、私の中でこれまで少しずつ溜まりに溜まっていた「のじょメーター」は、今年こそ、彼女の変革の時なのだと認識しているのです。

 世間的に最も知名度が高くなったのじょさんのキャラといえば、何と言ってもデレマスの莉嘉であろう。アニメでもいい仕事をしてくれた莉嘉は、ライブ活動なども考えるとすでにのじょさんのライフワークと言ってもいい。デレマスが、莉嘉が成長すればするほど、のじょさんも大きくなっていく。これまで単発ではメインヒロイン級の役を任されることもあったのじょさんだが、何故かそこから「次の仕事」という連結がおぼつかず、いわゆる「一線級」というのとはどこか違う空気があった。しかし、莉嘉を契機にしたかのようにその流れは変わり、今期だけでも「空戦魔導士候補生の教官」、それに「シュヴァルツェスマーケン」と2つの主演をゲット、さらに「うたわれ」ではヒロイン勢の中でも良い具合にかっ飛んだノスリを任され、「蒼の彼方のフォーリズム」でも真白というキーパーソンを担当。そのどれもが、ひとつの枠にくくられず、各々に違ったベクトルを持つ役どころなのだ。どんな役者でも「特に売り出せる方向性」というものはあるものだが、のじょさんの場合、それがロリなのか、ツンデレなのか、馬鹿なのか、強面なのか、なかなかつかみ所が無い。こうした変幻自在の役のデザインというのは、我々声優ファンが最も好みとするところなのである(独断)。

 また、のじょさんは今年、これまたライフワークとしていた「まよなかデリバリー」という長寿ラジオが最終回を迎えるという事件があった。この時の彼女の様子が凄まじい。何せ、ある時期の放送で明らかに収録中のテンションが落ちたのだ。相方の話もろくすっぽ聞いていないようで、どう考えても心ここにあらずの状態でパーソナリティーをやっていたのだ。相方のゆーみんも大変そうだったが、「なんか今日ののじょさん変だな」という収録回の後に、実はそれが番組の終了を告げられたが故のものだったことが判明する。あまりに番組が終わることが哀しかった彼女は、必死に泣くのを堪えながら、平常心を保っているふりをして収録していたということである。

 ぶっちゃけ、プロの仕事としてみるなら彼女のこの様子は褒められたものではないのだが、なんかもう、本当に「素直で真っ直ぐな人なんやなぁ」という感想しか出てこなかった。これだけ流れの激しい声優業界。アニメ作品にしろラジオ番組にしろ、右から左に過ぎ去っていく忙しない状況だ。そんな中で、1つの番組を終わらせたくなくて奮闘し、それがかなわなかった時にどうしようもないくらいに落ち込んでしまう。そんな彼女の様子が、現代の声優業界ではなんとも貴重なものに思えた。本当に嘘をつくのが下手で、ひとつのことを考えると突っ走ってしまう(どこか病的な)魅力が、彼女の全てに込められているのだ。そこまでやってくれたからこそ、キャラクターが輝くのだ。

 まよデリの終了は本当に残念だったが、この悲しみを乗り越えて、山本希望はまた強くなった。彼女の今後の声優人生が幸多きことを祈りつつ、今年の総括を終わらせてもらう。

 

 

 

 

 

今年も、良きアニメに巡り会えますように。

 

 

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コメント
無題
のじょさんは去年HIP-HOP界隈でも話題になってましたね。納得の1位だと思います。

ところで「猫ブース鬼パーセント芋ハイパースクロールみらくるあ〜る」ってラジオをご存知でしょうか。よろしければぜひ。
【2016/04/18 00:00】 NAME[NONAME] WEBLINK[] EDIT[]
Re:無題
同意してもらえる方がいると嬉しいですね。ありがとうございます。


猫芋ラジオ、もちろん聞いとりますよ。のじょさんとカカオットのコンビですからなぁ。ここでもカッターの聞き上手っぷりが遺憾なく発揮されてて、のじょさんの野放図に広がる趣味の世界を、無理なく全部受け止めてくれてるのが本当にありがたい番組。世代も趣味も割と合う友人、大切にしてほしいとしみじみ。
【2016/04/18 01:03】


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