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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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2015年度・俺的アニメグランプリ

 

 まだ終わってない作品も若干残ってはいますが、毎年恒例、年度末の総決算アニメグランプリの時間がやってまいりました。ブログ上ではこれが7年目。……7年?! え? このブログってもうそんなにやってんの?! うわぁ……ヒくわぁ……。なお、グランプリ企画自体は身内向け地下ページ時代からやっているので11年目。11年目……ドン引きよ(CVあけこ)。まぁ、結局一事が万事、全部言語化しないと気がすまない体質が悪いんや。いや、でもね、これを書くっていうモチベーションがないと、ただでさえ流し見でダラダラ消化するだけになりがちなアニメ視聴姿勢に歯止めがかからなくなってしまうからね。どんなクソアニメでも一期一会です。しっかり受け止めて、人生の糧にしていきたいものですね。アニメで人生狂わされてるから糧も何も無い気もするんだけども。なお、昨年分はリンク参照のこと。それ以前のデータも同様に「アニメ・雑記」タグから遡れます。

 毎年のことなので断り書きをコピペしておくと、タイトル賞の選出は何故か毎年「仮装大賞」の賞に依っており、タイトル部門以外の賞は、基本的に3位まで取り上げてある。そういや最近は「仮装大賞」も見てないなぁ。欽ちゃんはまだ元気に司会をやってるんだろうか。

 今期エントリーされたのは、「2015年4月期以降に終了した、もしくは現在放送中である」ことを条件としたある程度最後まで視聴していた以下の152作品。作品数については毎年ギャーギャー言ってるし、数だけで言えば昨年の149本よりもさらに増えているが、実はこれには理由があって、今年は何故かしらないがショートアニメの数が一気に増加した年なのである。「ウルトラスーパーアニメタイム」のような枠が出来たことで、去年まで視聴していなかった「闇芝居」みたいな作品に触れる機会も生まれ(正確には「影鰐」が割と面白かったのでその後に始まった「闇芝居」の3期を見始めた)、昨年の時点でショートアニメは15本になって「増えたなぁ」と思っていたのに、今年はさらに増えて23本。これをさっ引いて考えれば昨年は133本、今年も分割クールや単発ものを引けば128本になるので去年よりも減ったとも言える。まー、それでもかなりしんどいことには依然変わりなく。今の生活スタイルもそろそろ終焉を迎えそうだし、今年か来年あたりがこのグランプリ企画の最後になるかもしれない(毎年そう言ってるが)。一応記録を残しておくと、過去9年間の本数の推移は7674596790103(93)132(121)149(133)152(129)となっている(括弧内がショートアニメや分割をまとめた実質本数)。こうしてみるとやっぱり2013年に何があったんだよ、って気がするな。AT-Xに加入したのがこのへんだったのかな? 

 一方、劇場作品は冬の映画ラッシュもあって年間9本で、昨年よりも少し増えた。業界の劇場版押しの空気もあるが、最近は「単なる総集編」みたいな残念映画じゃないものも増えたし、OVA程度のちょっとした特別版を安価で見られる機会も増えているので、今後も劇場に足を運ぶ回数は増えるんじゃないかと期待している。まぁ、あとはぶっちゃけガルパンショックがでかかったな。あれ以降は無闇に劇場の敷居が下がったから。ちなみに劇場作品視聴本数の変遷は過去8年で7→4→6→12→8→6→9と、それなりに安定している。来年はどうなりますことやら。なお、毎年のことだが劇場作品については「基本的に」このグランプリの選出規準からは外すようにしている。評価の軸がずれてしまうというのが大きな要因だが、やっぱりシリーズアニメの方が思い入れは強くなるからね。

 

 

○一応ある程度見ていたエントリー作品(アイウエオ順・ショートアニメは()で表示)

「アイドルマスターシンデレラガールズ」「蒼の彼方のフォーリズム」「青春×機関銃」「赤髪の白雪姫」「アクエリオンロゴス」「アクティヴレイド 機動強襲室第八係」「亜人」「アルスラーン戦記」「暗殺教室」(いとしのムーコ)「ヴァルキリードライヴマーメイド」(うーさーのその日暮らし夢幻編)「うしおととら」「うたのプリンス様マジLOVEレボリューションズ」「うたわれるもの偽りの仮面」(浦和の調ちゃん)「えとたま」「OVERLORD」(おくさまが生徒会長!)(教えてギャル子ちゃん)(おじさんとマシュマロ)「おそ松さん」「俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」としてゲッツされた件」「俺物語!」「終わりのセラフ」「終わりのセラフ -名古屋決戦編-」「終物語」(温泉幼精ハコネちゃん)「学戦都市アスタリスク」(影鰐 -KAGEWANI-)「がっこうぐらし!」「ガッチャマンクラウズインサイト」(彼女と彼女の猫)「かみさまみならい ヒミツのここたま」「牙狼 -紅蓮ノ月-」「ガンスリンガーストラトス」「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」「GANGSTA.」「境界のRINNE」「金田一少年の事件簿R(第2期)」「銀魂°」「空戦魔導士候補生の教官」「Classroom Crisis」「グリザイアの楽園」「黒子のバスケ(3期)」「K RETURN OF KINGS」「ケイオスドラゴン赤竜戦役」「GATE 自衛隊、彼の地にて斯く戦えり」「「血界戦線」「攻殻機動隊ARISE」「紅殻のパンドラ」「GO! プリンセスプリキュア」「ご注文はうさぎですか??」「GOD EATER」「この素晴らしい世界に祝福を!」(この男子、魔法がお仕事です)「コメット・ルシファー」「コンクリート・レボルティオ」「最弱無敗の神装機竜」「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」「実は私は」「シドニアの騎士 -第九惑星戦役-」「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」「Charlotte」「シュヴァルツェスマーケン」「城下町のダンデライオン」「少女たちは荒野を目指す」「SHOW BY ROCK!!」「昭和元禄落語心中」「食戟のソーマ」「ジョジョの奇妙な冒険SC」「進撃!巨人中学校」「新妹魔王の契約者 BURST」「スタミュ高校星歌劇」「すべてがFになる」(石膏ボーイズ)「戦姫絶唱シンフォギアGX」「蒼穹のファフナーEXODUS(第2期)」「それが声優!」「対魔道学園35試験小隊」「ダイヤのA Second Season」「だがしかし」(旅街レイトショー)「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」「Dance with Devils」(旦那が何を言っているか分からない件2スレ目)「DD北斗の拳2+イチゴ味」「ディバインゲート」「Dimension W」「てさぐれ!部活ものすぴんおふプルプルんシャルムと遊ぼう」「デュラララ!!×2転」「デュラララ!!×2結」「電波教師」(どうしても干支に入りたい)「To LOVEるダークネス2nd」「トリアージX」「ナースウィッチ小麦ちゃんR」「長門有希ちゃんの消失」「虹色デイズ」「ニセコイ:」(にゅるにゅる!! KAKUSENくん(第2期))「ノラガミ ARAGOTO」「ノルン+ノネット」「のんのんびよりりぴーと」「ハイキュー!! セカンドシーズン」「ハイスクールD×D BorN」「灰と幻想のグリムガル」(ハッカドール THE あにめ〜しょん)「ハルチカ~ハルタとチカは青春する~」「ハロー! きんいろモザイク」(ぱんきす!2次元)「パンチライン」(ビキニ・ウォーリアーズ)「緋弾のアリアAA」「響け!ユーフォニアム」「干物妹!うまるちゃん」「ファンタシースターオンライン2 ジアニメーション」「Fate/Kaleid Liner プリズマイリヤツヴァイヘルツ」「Fate/stay night[UBW]」(不思議なソラメちゃん)「ブブキ・ブランキ」「プラスティック・メモリーズ」「監獄学園」「プリンス・オブ・ストライド・オルタナティブ」「ベイビーステップ(第2期)」「ヘヴィーオブジェクト」「放課後のプレアデス」「僕だけがいない街」「魔法少女リリカルなのはVivid」「ミカグラ学園組曲」(ミス・モノクローム)(ミリオンドール)「無彩限のファントム・ワールド」「モンスター娘のいる日常」「やはり俺の青春ラブコメは間違っている。続」「山田くんと7人の魔女」(闇芝居(第3期))「ヤングブラックジャック」「ゆるゆりさん☆ハイ!」「妖怪ウォッチ」「ラクエンロジック」「落第騎士の英雄譚」「ランスアンドマスクス」「乱歩奇譚」「ルパン三世」「レーカン!」「霊剣山 星屑たちの宴」「六花の勇者」「WORKING!!!」「ワールドトリガー」(わかば*ガール)「ワンパンマン」

 

 

○今期視聴した劇場アニメ作品

「ラブライブ! The School Idol Movie」「心が叫びたがってるんだ。」「蒼き鋼のアルベジオ -ARS NOVA- Cadenza」「ARIA The AVVENIRE」「リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード」「ガールズ&パンツァー劇場版」「傷物語Ⅰ 鉄血篇」「ガラスの花と壊す世界」「selector destructed WIXOSS




<タイトル部門>

技術賞

‘05「創世のアクエリオン」 ’06「がくえんゆーとぴあ まなびストレート」 ‘07「モノノ怪」 ’08「キャシャーン Sins」 ’09「化物語」 ‘10「デュラララ!」 ’11「輪るピングドラム」 ‘12「さんかれあ」 ‘13「蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-」 ‘14「ピンポン The ANIMATION

‘15「ブブキ・ブランキ」

 アニメーションの技術力について評する部門。こうして書いてみると明解な指標のようにも見えるが、毎年の受賞履歴を見るとこれが割と簡単ではない。大きく分けるといわゆるCGのような技術革新について触れているパターン、キワモノじみた演出方向を評するパターン、純粋に総合的な演出方針を見ているパターンと3つの方向性があるようだ。まぁ、てめぇで決めてるんだから好きにすればいいんだけどね。

 今年も、非常に多くのアニメで「これはすごい」と感心させられることがあった。キワモノじみた演出方向を見ていくと、例えば「灰と幻想のグリムガル」は確固たる意志を持ってグリムガル世界の「無情さ」みたいなものを表現する方向性だった。極力音声情報を削り、動きすらも削り、間を生み出すことで情感を盛り上げていくテクニック。挿入歌云々の問題さえ無ければ、多分私の好みのドまん中の作品だった。似たような路線ながらも、より美術設定に個性が出たのは「終わりのセラフ」。こちらもある種の「無常観」みたいなものが前面に押し出された作品だが、一枚絵のような完成度の背景美術による「セラフ世界」の表現は本当に美しかった。どちらもスタッフの頑張りがしっかり作品のセールスポイントになった好例である。美術設定の妙でいうと、多少地味ではあるが「ルパン三世」も面白い。「相も変わらぬテレコム」といえばそうなのだが、この古くささを味わいに転換する作劇は、懐古方向へとバックダッシュし始めている昨今のアニメ業界にはぴたりとはまる。新しい作画の方向性だと「ディバインゲート」みたいな癖の強さを見せる方向性もあるだろうか。原作絵のファンには嬉しいところだろうが、なかなかあのクオリティを全ての画に徹底して動かしきるのは骨の折れる仕事だ。

 純粋に監督の演出方向の巧さという視点だとどうしても好みが出てしまうのだが、外せないのは畠山守演出だろう。過去にも「さんかれあ」を選出しているわけだが、今回はさらに純化した方向で監督の筆致が冴え渡った「昭和元禄落語心中」が圧巻。あれだけの映像を臆面もなく出せるクリエイターはなかなかいないのではなかろうか。真逆の方向性でとにかく愛嬌を振りまきながらチャカチャカ動く画ならば、CGとの絡みも含めて「SHOW BY ROCK!」や「えとたま」も要注目。どちらもデフォルメフォームを完全CGにシフトさせたチャレンジだが、見事にこれが愛らしさと結びつき、見た目の賑やかさを引き立てた。対抗する純正動画勝負では、今期最も盛り上がった「作画アニメ」としての「ワンパンマン」や、スポ根模様を徹底して誇張して見せてくれた「ハイキュー!!セカンドシーズン」なども外せないだろう。ワンパンマンが毎回あまりに楽しそうにバトル作画を見せびらかしていたのは贅沢の極みであったし、「ハイキュー!!」はバレーボールに関する個々の要素をCGで管理しつつ、要所で暑苦しい手描きモーションが極まるバランス感が気持ちいい。ジャンプ漫画はやっぱりこういう方向性がよく似合います。

 こうして様々な方向性で「技術力」という指標を見ることができるわけだが、今期は割と素直にCG方面の作画環境の変化をこの賞の指標にしておこう。冬から提供されたフルCGアニメ2本、「亜人」と「ブブキ・ブランキ」。つまりポリゴンピクチュアズとサンジゲンという、CGアニメを牽引する2つの製作会社の看板。どちらもしっかりとオリジナリティを出して興味深い作品を提供してくれたが、今回は監督の小松田大全氏による「ふざけたCGワーク」の楽しさを評価して「ブブキ・ブランキ」を選ばせてもらおう。「アルペジオ」で培った「CG作画の普通アニメ」は、まだまだ固い部分は多いし、発展途上にあるのは間違いないが、「ブブキ・ブランキ」はそうした固さを敢えて残し、ブブキというギミック、ブランキというコンセプトに組み上げたほか、さらにそのデザイン性を人間のキャラクターにまで落とし込んだ部分に新鮮さがある。一昔前ならCGアニメの牽引役といえば神山監督と「攻殻機動隊」(つまりI.G.)のイメージがあったが、最近の流れはそうしたハードな作品が「深夜アニメ」的なキャラアニメとの融和で不可思議なフュージョンを果たしているようで興味深い。今後のジャパニメーションはどこへ向かうだろう。

 

努力賞 

‘05「蟲師」 ’06「ひぐらしのなく頃に」 ‘07true tears」 ’08「かんなぎ」 ’09「けいおん!」 ‘10「世紀末オカルト学院」 ’11「ブラック★ロックシューター」 ‘12TARI TARI」 ‘13「聖闘士星矢Ω」 ‘14「ばらかもん」

‘15「デュラララ!×2」

 「よく頑張ったな」を評する部門。ただでさえふわっとした当グランプリの中でも屈指のファジーさを持つ。要は「何か褒めたいけど他の部門で評価しにくい」をぶっ込む部門である。

 「頑張った」という評価ってのは時に切ないもので、「結果は伴わなかったけど」という注意書きが付くことすらある。そんな作品が無いわけではなく、やりたいことはとても分かったのに何かが噛み合わずに「ひょっとしたら面白くなっていたかもしれないのに」と思った作品としては「パンチライン」なんてのがある。色々と力の入った作品だったのは間違いないのだが、やはりアニメのさじ加減ってのは難しいもので。同様のカテゴリには「ClassroomCrisis」も入るんじゃないかな。画が非常に魅力的な作品だったのだが……。

 いや、この部門は別に弔うための部門ではないんだ。とにかく注ぎ込んだ労力を称える場なんだ。恐ろしく大変だったろうな、と思う作品では、例えば「僕だけがいない街」がある。ギミックが多く、あまりに繊細な作業が求められるアニメ化を、よりによってノイタミナの12話尺でやれと言われた絶望的な状況。そんな無茶振りに対しても伊藤智彦監督はギリギリのところで応えていたと思う。ちゃんと作品として成立していたのだから、それだけでも喝采ものだろう。同様の尺の厳しさは「グリザイアの楽園」にも言える。こちらは尺を詰めに詰めたおかげで、逆に勢い余って変な面白さが出たという不思議な作品であった。逆に、尺に余裕があってたっぷりたっぷり余すことなくアニメ化して、アニメ化しすぎたくらいなのが「ジョジョの奇妙な冒険スターダストクルセイダーズエジプト編」。望まれたアニメ化が、望まれた作品になるというWin-Winの関係ですわ。望まれたアニメ化といえば「監獄学園」も凄まじかった。監督をはじめとする制作陣の病的なまでのこだわり……まさかメイキングが漫画化されるまでになるとは。変な方向に突き抜けた成功例としては今期随一の作品である。あ、あと「幸せなアニメ化」枠には「いとしのムーコ」も入れておきたいんですが……なんだろ、この並びだと完全に別次元やな。非常に分かりやすくてアニメらしいアニメですよ。ムーコが可愛いんですよ。

 制作陣の頑張りを褒めるなら、ここで触れておきたいのは「落第騎士の英雄譚」だろうか。十把一絡げで扱われがちなラノベカテゴリ、実際に作品自体はそうしたテンプレに埋もれてしまうものだったと思うのだが、それでもしっかり魅力を掘り出し、それをアニメならではのものとして描き出すことが出来れば、充分に作品の価値を高めることが可能であることが示された秀作。いや、単に大沼さんの演出方向が好きなだけかもしれないけども。こういう作品が出てくるとラノベアニメだからってなおざりに出来なくなるから困りますね。

 そして、個人的に最後まで悩んだ作品の並びがあって、片方が「K RETURN OF KINGS」だった。3年の時を経て復活した時には「なんで今帰って来たんや」と思ったものだが、想像以上にがっちりと風呂敷をたたんで決着をつけた姿勢は天晴れ。独特の世界観はさらに膨らませることが可能な伸びしろもある作品だし、終わったとは言ってもまだまだ何かがでてくるんじゃないかという期待もある。そして、そんな「K」よりもさらに長いスパンで決着をつけにきたのが、トータルで60話という大作となった「デュラララ!」シリーズというわけである。1期の頃から熱心に追いかけてきた身としては、6年にも渡るこのプロジェクトが無事に収束したというそれだけでも喜ばしいことだ。途中で制作スタジオが変わったり、どうしても作画リソースが追いつかなかったりと色々難しい部分もあった作品だが、構成を担当するスタッフ陣には最後まで恵まれ、あれだけ難しい作品がわだかまり無く綺麗に着地したという事実だけでも価値のあることだろう。世間的にはどうにも「腐女子向け」みたいなレッテルを貼られる傾向にある作品だし、長期シリーズになったが故になかなか途中で入りにくくなってしまい、後期は客層が狭まってしまったようだが、是非とも1期シリーズから見直してその構成の妙を楽しんでほしい一本である。

 

 

ファンタジー賞 

‘05「ふしぎ星のふたご姫」 ’06「あさっての方向。」 ‘07「天元突破グレンラガン」 ’08「RD 潜脳調査室」 ‘09「狼と香辛料Ⅱ」 ’10「あにゃまる探偵キルミンずぅ」 ‘11「うさぎドロップ」 ’12Fate/Zero」 ‘13「翠星のガルガンティア」 ’14「ログ・ホライズン2」

‘15GO! プリンセスプリキュア」

 何となく「イッツふぁんたじっく!」を評する賞。毎度のことながらここもよく分からない。一応「世界観構築」と解釈することが多い気がするのだが、まぁ、毎年何となく雰囲気で察して。

 世はラノベやらなんやらのおかげで「異世界」特需の様相。既に飽きられているという風潮が強いが、それでもアニメには恐ろしい量の「異世界」があふれている。すっかりテンプレ化している「異世界」をどのように処理するかというのが、群雄割拠のアニメ業界で抜き出るポイントになってくる。そんな中、独特の雰囲気から他のファニー系異世界との差をつけた作品といえば、何といっても「灰と幻想のグリムガル」だろう。例えば「この素晴らしい世界に祝福を!」や「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」といった作品は、ファンタジー世界をRPG的ゲーム世界と素直に直結させ、それをメタレベルであるあるネタや捻った自虐に転化して笑いに繋げるお話。この方向性ってのは最近のオタク文化が停滞気味であり、何とか狭っ苦しい抜け道を探して「ならでは」を探そうと試みた結果の流れだと思うのだが、「グリムガル」の場合、そこを純粋に「サバイバル」という異世界バトル要素に特化させ、ゲーム的要素も全てこの「生き残り」のためのツールとして活用している。未だかつてここまでゴブリンとの関係性を考えさせられたことなどなかったのだし、手垢の付いた題材でもまだまだ調理法はあるものだと教えてくれた。

 多少方向性は違うが、そんな手垢の付いたファンタジー世界に「ミステリ」や「人狼」といった要素を加味してアレンジした「六花の勇者」もこれ以上無いくらいにファンタジー。多分、昨今のアニメ作品の中でも突出して「好き放題作った世界」であり、テンプレ的な常識が通じないという意味ではなかなかチャレンジングな作品作りであった。異世界お仕事もの、異世界グルメものと様々な異世界派生が進んでいる中で、「異世界ミステリ」はまだまだ発展途上(まぁ、それだけ難しいということだが)。「六花」が先鞭をつけたこのジャンルが、新しいファンタジーの可能性を開拓することが出来るだろうか。

 もう少し穏やかなファンタジーの方向性を探ると、例えば「うたわれるもの 偽りの仮面」あたりもファンタジーといえるだろうか。ケモ耳要素を別にすれば、実は古式ゆかしいRPG的世界。まだ完結していないので今後どのように世界がひっくり返るかも分からないが、1作目から続く世界造形の広さという点ではやはり一日の長がある。ケモ耳的ファンタジーを突き詰めるなら、「モンスター娘のいる日常」もなかなかにファンタジー。まぁ、「空想」というよりも「妄想」に近いわけだが。色んな女の子を愛でたいなら、義体にロボット、「紅殻のパンドラ」は如何だろうか。こちらはファンタジーっつうかSFカテゴリになるのだろうが……いわゆる萌えアニメと「攻殻機動隊」を結ぶラインの上という、今まで誰も引いたことのない線が見えただけでも充分にファンタジー。もっと素直にお姫様的な女の子が愛でたいんじゃ、という人は大人しく「赤髪の白雪姫」を観ておきましょうね。王道王道&王道。ヒネた最近のアニメの匂いが鼻につく人は、少女漫画に身を任せると幸せになれるよ。

 「非現実」をファンタジーの定義とするなら、決して手に入らない日常もある意味ファンタジー(過去の受賞作に「うさぎドロップ」があることに注目)。そういう意味では日常アニメだってここにカウントされてもいいと思うのだが、世界観的に最も空想的だったものといえば、全くもって個人的感傷からは「のんのんびよりりぴーと」を推したい。教もどこかでれんちょんが元気に駆け回っている田園風景を思うと、人生がやるせなくなるような、頑張れるような……ひょっとして幼女というのはそれ自体がファンタジーだったのでは?! ということは、「Fate/kaleid liner プリズマイリヤ ツヴァイヘルツ!」も極上のファンタジーだった可能性が?? いや、魔法少女なんだからファンタジーには違いないが……。無茶苦茶な世界をとにかく楽しみたいなら、「血界戦線」の世界構築なんかも実に見事なもの。殺伐としてても、馬鹿が騒げば楽しくてよし。

 というわけで、今年のファンタジックな頂点は「GO! プリンセスプリキュア」ということになります。普段そこまでプリキュアに入れ込むことはないのだが……プリプリはどこまでも魅力的な世界であった。正しいお客様層を考え、多分にご都合主義になるプリキュアシリーズ。もちろんそれは目的にあったシナリオ調整なのだし、見せるべきはディティールではないのだから問題にはならないのだが、今年のシナリオはそうしたご都合主義の違和感が非常に少なく、主人公4人組がしっかりと人生を定め、前向きに進んでいく姿が時に厳しく、時に美しく描かれていた。まさに「強く、優しく、美しく」なのである。はるはるが一度は挫折し、「何故プリンセスなんて目指してるんだよ」と自問するシーン、彼女の挫折は中学生の女子が抱えるにはあまりに難しい人生の命題であり、本来の視聴者層には受け止めきれないくらいのものだ。それを敢えて逃げずに真っ直ぐにぶつけ、プリキュア的エネルギーでまかり通った時の爽快感、達成感。そうしたものが、4人分全てで手抜かり無く描かれている。どの娘たちも全力で人生を謳歌しているからこそ、「プリンセス」としてのプリキュアが引き立つのである。こんなおじさんでも力がもらえるプリキュア、実に尊い、永遠のファンタジーではないか。

 

 

演技賞 

‘05「地獄少女」 ’06RED GARDEN」 ‘07「魔法少女リリカルなのはStrikerS」 ’08「紅」 ‘09Phantom ~Requiem for the Phantom~」 ’10「屍鬼」 ‘11「Cシーキューブ」 ’12「夏雪ランデブー」 ‘13「戦姫絶唱シンフォギアG」 ’14selector spread WIXOSS

‘15「六花の勇者」

 いい声を聞いた、言い演技を聞いたことを評する部門。後述の声優部門との棲み分けがやや微妙だが、むしろ声優絡みの部門が2つもあるっていうあたりが私の分かりやすい傾向ではあるな。

 声優動物園的な賑わいという意味では、まず押さえるべきはやはり「アイドルマスターシンデレラガールズ」だろう。2期目に入ってからはプロジェクト外からの参加者も増え、ますます大量の女性声優がひしめく素敵作品になった。とりあえずアイマス関連さえ押さえておけば現代の若手声優は8割方チェック出来そうな気配。でも今期は案外こういう方向性の声優図鑑は少なかったかな(去年が多すぎただけか)。声優のカロリーの高さという話題ならば、今期は「おそ松さん」以上の作品もあるまい。「ウケる声優を使ってるだけ」なんて揶揄されることも多い作品だが、しょうがないじゃん、だってクソ面白いんだもん。6人が好き放題やらかしてるんだもん。男性声優動物園だって、女性だけのためのものじゃないんやで。そういう意味では「スタミュ 高校星歌劇」も笑ったし、「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEレボリューションズ」も最終回のラッシュは本当にお見事。まだまだ動物園は終わらない!

 マジな動物っていう意味では「えとたま」も外せない作品ですわな。いわゆるハーレムもののフォーマットのはずなのに、そんなお得感とはほど遠く、イロモノばかりが集まる楽しさ。「城下町のダンデライオン」みたいな穏やかな群像劇も良いが、この刺激はやはり「飛び道具満載」だからこそ。飛ばし方で言ったら「戦姫絶唱シンフォギアGX」も毎度のことながらこの部門で触れないわけにはいかないわね。声優ありきの番組みたいなところもあるし、キャロル役の水瀬いのり以外にも、オートスコアラーチームなんかでますます賑やかに盛り上げてくれました。

 声優の「数」から話題を変えて、まずは惚れ込んだ「男性声優」のお仕事を観ていくと、まず思いつくのは「OVERLORD」における日野聡。これは本当に声優冥利に尽きる楽しそうなお仕事。どんな声優でも「悪役をやってみたい」ということが多いが、こういう形の悪役(??)なんてなかなか演じる機会も無いだろう。楽しそうで何よりである。同じような立ち位置でぶっ飛びすぎていたのが、どこかで名前を出しておかなきゃいけない、「DD北斗の拳+いちご味」。本編での神谷明しゃべりすぎな贅沢さもあるが、ここで取り上げたいのは主にいちご味の方。万丈さんたちが延々「それが大事」を歌うだけで終わるアニメとか、無駄遣いの域を超越して神々しくすらあるわ。

 女性声優の仕事ぶりでお見事だったといえば、たとえば「干物妹!うまるちゃん」は異論の出ないところじゃなかろうか。まだまだ若手の田中あいみがしっかりと自分の役割をこなし、魅力的なメインヒロインを作りあげた。脇を固めるキャストもほとんどが若手で、今後が楽しみな作品といえる。「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」では、あらゆるキャストがとめどなく下世話な台詞を言い続けるという刺激的なチャレンジが言い渡されている(まぁ、「おそ松さん」も似たようなところがあるが)。そんな中で最低最悪のヒロインキャラがボコボコと誕生する奇跡の現場であった。もっと綺麗な方向性が観たいなら、青春がどうにも止まらない、「響け!ユーフォニアム」も中の人をたっぷり堪能出来る素晴らしい作品。黒沢ともよは、本当に化け物じみた対応力でぐんぐん「声優」として大成していくよ。恐ろしいまでの「語り」の密度を持つ「昭和元禄落語心中」も「演技」カテゴリでは外せない。各々の感想で大体書いてしまったのでここで改めて振り返りはしないが、ここまで「キャストの語り」に重きを置き、それを見せることに邁進したアニメ作品というのはおそらく史上初だ。

 そして、今年選ばせてもらう一作は、声優11人への責任のかかり方では他に類をみない、「六花の勇者」である。少ないキャストでジリジリ聞かせる方向性の方が没入度は高いが、こちらはわずか7人で全てを回す。その密度の濃さは文句無しのナンバーワン。11人の疑心暗鬼が焦点となるためにどうしたってキャラの心情を対話から読み取っていくことになるし、この方向性が敬愛する高橋丈夫監督の演出方向にがちっとはまる。高橋監督は本当に「人と人の距離」を紡ぐのが上手い演出家で、元々惚れ込んだ「狼と香辛料」もロレンスとホロの男女の関係が見事に描かれていたが、今作ではそれがさらに疑惑や嫉妬、あらゆる愛憎劇に拡散してたっぷりと描かれている。中心となるアドレットとフレミーの関係性も、どの台詞も無視できない繊細なものだったが、それ以外にもナッシェタニアとゴルドフの間に流れる空気、チャモとハンスのお気楽コンビのテンションなど、1つ1つの人間関係が全て刺激になっている。一体アフレコ現場にはどんな空気が流れていたのだろうか。「七人の六花」の皆さんには、改めて拍手を送りたい。

 

 

ユーモア賞 

‘05「アニマル横町」 ’06「ひだまりスケッチ」 ‘07「俗・さよなら絶望先生」 ’08「ひだまりスケッチ×365」 ‘09「そらのおとしもの」 ’10「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」 ‘11gdgd妖精s」 ’12「しろくまカフェ」 ‘13「マイリトルポニー〜トモダチは魔法〜」 ’14「スペース☆ダンディ(シーズン2)」

‘15「てさぐれ!部活ものすぴんおふプルプルんシャルムと遊ぼう」

 他の部門とは一線を画すために色々充実するのがこちらの部門。今年も各方面から散々笑わせてもらいました。

 今年度、ギャグを中心とした作品の流れとして注目したいのは、15分以下のショートアニメの台頭である。これまでも「あいまいみー」や「みりたり」などの5分アニメ枠でギャグは数多く製作されてきたが、今年は10分枠などの数も増え、商業モデルとしても確立してきたのか、独自性を強く打ち出した興味深い作品が増えてきている。短い時間での放送となるとドラマを中心としたアニメには不向きだが、その分、勢いだけで攻めるギャグアニメはこうした切れ味の枠と相性が良いようだ(「あいまいみー」や「てーきゅう」を30分でやれるわけないしな)。今年のヒット作をあげていくと、どこか懐かしいながらも他に無い狂気を見せつけてくれた刺激アニメ「ハッカドール THE あにめ〜しょん」が筆頭に。方向性は「ギャラクシーエンジェル」あたりに近かったのかな。監督があらゆる仕事を一人でこなしてあの完成度というのは、ショートアニメならではの恐ろしさが感じられる。同様の10分枠では「石膏ボーイズ」の変なささり具合も注目。基本的には止め絵と中の人のテンションだけで押し切る作品ではあるのだが、人形劇アニメともまた違った「石膏劇アニメ」という新次元に、何かの夜明けを感じたり、感じなかったり。もう少し穏当な枠で見ていくなら、個人的にお勧めしたいのは何といっても「どうしても干支に入りたい」だ。放送枠の関係で(あとあんまり興味のある人もいなかったせいで)まったく話題にはのぼらない作品なのだが、「47都道府犬」の正当後継として、毒のある破壊力は充分。それでいて、動物たちの愛らしさも押さえてハートフルな物語も見せてくれるなど、この枠だからこそ実現出来た自由な作風が魅力だ。オチに用意された猿の周到さなど、やっぱりこの会社の作品は絶対に「都道府犬」から逃れられないという安心感もある。続編早く!

 真面目にギャグを狙った秀作といえば、外せないのは「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEレボリューションズ」。どこまで狙ってギャグとして実現させているのかも定かでないが、そっち方面の業界の旗手は、ひたすら貪欲に進化を続けているのです。「真面目に頑張ってるけどギャグにしか見えなかった」という意味では最高にCoolだったのが「ヤング ブラックジャック」。オープニングに合わせての「医者はどこだ!?」は卑怯だわ。

 まっとうに全力全開でギャグ方向に攻め続けた大作といえば、今期は奇しくも同時期に放送されていた下ネタ系2作品。「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」と「監獄学園」。どちらもアニメ化という大舞台に一切臆することなく、全力で投げきってくれた見事な働きである。いや、少しくらい臆してくれてもいいんだけどな。ちんこ大活躍の夏クールから、季節を跨いで少しは平穏が訪れるかと思いきや、現代日本の病巣はそんなに生やさしいものではない。「おそ松さん」が始まってしまう。こうしてみると、人間のギャグのセンスなんてものは昭和も平成も大して変わらないと思いませんか? だって、俺はといえば「境界のRINNE」でずっと笑ってられたもの。るーみっくわーるどは衰え知らずやね。

 今期最後に界隈を賑わせてくれたのは「この素晴らしい世界に祝福を!」。こういうメタ視点でのいかにもラノベ的なギャグってのは滑るときには徹底的に滑り倒すものなのだが、今作はきっちりはまってたなぁ。何が差としてあらわれるのか、真剣に考えてみるのも面白いかも。対して今期最初に加速したギャグは「えとたま」だろうか。いつの時代にもドタバタギャグというのは求められるものなのです。

 そして、これだけ充実したラインナップの中から、ごめんなさい、「てさぐれ!部活ものすぴんおふプルプルんシャルムと遊ぼう」を選んでしまうのは私の心の弱さです。でも……しょうがないじゃない! 好きなんだもの! まぁ、ダテコー作品はまだ2作品目の選出だからヘーキヘーキ。今作はこれまでの「てさぐれ」の短尺を「シャルム」とのコラボで引き延ばすという無茶苦茶な進化を遂げたものだが、尺の長さを感じさせない「中の人パラダイス」はより深刻さを強めた。個人的に最大の功績としたいのは9話で実現したすみぺ×こぽちんの「カーストの交わらない者たち」対決。これが成立しただけでも割と事件だよ。そして個人的に大きなトラウマを残した「百合狼」対決も。ここまで来ると「アニメとは何なのか」っていう哲学みたいな問題にもなってきますね。よく「アニメが好きなのは分かるけど、声優ファンってどういうこと? イミワカンナイ」って尋ねられることがあるんですが、こういう作品を見れば、「声優ファン」という存在が、少しずつアニメそのものを変容させている姿も確認出来るのではないでしょうか。まぁ、良いか悪いかは別にしてな……。

 

 

アイディア賞 

‘05「アカギ」 ’06「地獄少女二籠」 ‘07school days」 ’08「地獄少女三鼎」 ‘09「大正野球娘。」 ’10「魔法少女まどか☆マギカ」 ‘11TIGER&BUNNY」 ’12「戦国コレクション」 ’13「ガンダムビルドファイターズ」 ’14SHIROBAKO

‘15「おそ松さん」

 「その発想はなかったわ」を評する賞。ここも割と適当な規準だが……、新規性ってのも人それぞれのセンスですからね。

 ごく最近のネタで「そう来るのか!?」と驚いた作品というと、例えば「ファンタシースターオンライン2 ジアニメーション」。「どうせいつものネトゲアニメになるんだろ」と思ったら、マジでネトゲがネトゲだったという斜め上のスタートだった。最終的にはそれが現実を侵食し始めるというまとめ方なのでそこは理解出来るのだが、延々高校生がネトゲをやってレポートを書き続けるアニメだったらどうしようと、しばらく冷や冷やしたものである。あふれ出すアイディアを全部詰め込んだアニメといえば、やはり鬼才あさのますみ先生の「それが声優!」。昨年も「SHIROBAKO」の業界切り込みが話題になったが、もちろんピンポイントで声優に絞り込んでもなかなかに業の深い作品が出来上がるもので。

 ストーリーギミックの捻り方での努力賞をあげるなら「がっこうぐらし!」も今年の1つのニュースといえるだろう。1話で見せたどんでん返しはホラーものでは既に定番になりつつあるギミックではあるが、アニメでまるまる1話使ってあそこまで本気で見せてくれるなら立派なオリジナリティである。死体からー、死体ならー、死体ときー、死体でしょー。また、未完ではあるものの「とにかく思いつくものを好きなように詰め込んだ」というデザイン性と、懐古に走りながらも好き放題だったおかげで変な方に吹っ切れた「コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜」も、色々と夢のある作品。「昭和レトロ」は昨今色々なところで扱われている題材だが、ここまで野放図に組み合わせていびつなモザイクを作るとなると、まとめる方だって大変だっただろう。いや、まとまってないけどさ。

 斜め上か斜め下か、よく分からない発展性が面白かったのは「俺がお嬢様学校に『庶民サンプル』としてゲッツされた件」。実在芸人とのコラボレーションを強引に実現させ、潔くそれをアニメ版の売りにしてしまうという、いいんだか悪いんだか分からない開き直り。これまでのアニメ文化なら「誰も得をしない」と言われそうなものだが、なんだか不思議な味わいになっていたのだから世の中分からないものだ。実在の芸人というか、実在の中の人とのコラボが行きすぎた例が「てさぐれ!部活ものすぴんおふプルプルんシャルムと遊ぼう」ですけどね。前人未踏の荒野を進んでいる作品なのは間違いない。これまた、良いか悪いかは別にして。あらゆるもののパイオニアってのは、背中を指さされ、笑われながら突き進むものなのさ。そうだろ? 「ヴァルキリードライヴマーメイド」よ。あんたのおっぱい……馬鹿だったぜ! あ、あとついでに「石膏ボーイズ」も馬鹿のカウントに加えておいてください。

 てなわけで、様々な馬鹿チャレンジが繰り広げられたわけですが、誰もが「それはやめておけ」と思った無謀企画が最大市場にまで膨れあがったという、信じられないミラクルを引き起こした作品、「おそ松さん」こそ、今年最大の一発アイディア勝ちと言える。昭和の不条理ギャグに、現代アニメからどんな要素を足せばこの時代に通用するものになるのかと思ったら、それは「人気男性声優」と「クソ下ネタ」だったのです。多分、作ってるスタッフがこの狂乱に一番驚いてるんじゃなかろうか。世の中何が起こるか分からないものだが……しょうがないよな、面白いもんな。赤塚先生、あんた、この時代でも最先端を走り続けてるよ……。

 
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