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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「昭和元禄落語心中 -助六再び篇-」 7

 もう、第1話から過呼吸起こしそうな密度。またあのめくるめく狂乱の日々が帰ってきたのかと思うと、身が引き締まる思い。1期を思い返しながら新たな物語を見ていると、1つ1つの台詞、情景に込められたものが一気に溢れかえってきて、何でもないシーンでも目頭が熱くなります。

 個人的には思い入れが強いのであまり冷静な評価は出来ない作品だが、巧緻なコンテワークと語りの妙は相変わらず。中心人物が菊さん(敢えてこう書かせてもらいます)から与太郎(こちらもこの表記の方が分かりやすいね)へとスイッチ。雰囲気は多少変わるはずなのだが、通底した「心中」というタイトルの無常観、圧倒的な落語への愛憎は変わらない。1期から更に時代は流れ、落語業界の様子も様変わりしたようで、かつての落語界の情勢を映し出した八雲・助六の二人と違い、与太郎の落語は現代の写し鏡とはなっていない。先人たちの努力によって持ち直したかに思われた落語文化は、また新たな時代の流れによって命脈を絶たれつつあるという。戦争という要因で断ち切られていた落語を必死になって繋ぎ留めた八雲が、新たな時代になり、落語にとどめを刺す「死神」とまで言われる時代。新たな時代に息吹を吹き込むのは、やはり「助六」の名を継いだ男しかいない。菊さんの戦いとはまた違った、新たな戦いの幕が上がるのだ。

 今回唯一不満が有るとしたら、1期でもちょこちょこ見られたがっつり1席見せる落語シーンが無かったことくらい。それだって理由は理解しており、私のように1期でどっぷりハマってすぐに世界に立ち戻れる人間ばかりではなく、久しぶりの再開で世界観を思い出す必要のある人も多いだろうし、ひょっとしたら2期から見始める人もいるかもしれない。そうした人たちへの配慮として、まさかの「与太郎本人によるプレイバック」というサービスで幕を開けたわけだ。タイトルロゴがドン、の演出なんかも抜群に上手いし、正確には「落語の高座」ではないこのプレイバック演出が何とも痛快。もう、最初の数分で「帰ってきた!」と膝を打てるだけの内容になっているのである。1話目は畠山守監督自らのコンテですので、この説得力は言わずもがななんですがね。他にも、いきなりクライマックスで見せる小夏との関係性や、新キャラとして登場した作家先生のインパクトなど、かなり性急な展開にも関わらず、一切の不足無くギチギチに見せてくれる密度にお腹いっぱい。今期もガンガン盛り上げてくれそうだ。まぁ、この作品の盛り上がりって大体は胃が痛くなる方向ばっかなんだけどね……(次回予告を見ながら)。

 今期が始まるにあたって、原作を知らない身としては唯一不安だったのが、「菊さんがメインじゃなくなるとだいぶ話が変わっちゃうんじゃ?」という部分。1期の魅力といっても一口には説明出来ないだろうが、やはり菊さんの魅力が一番の屋台骨だったわけで、そこに助六・みよ吉が絡むからこその完成形。その菊さんが半ば隠居状態になってしまい、お気楽な与太郎が中心になったときに同じような深みが出せるのか、っていうのは心配だったのだ。しかし、この1話目でその心配も杞憂だったと思えた。与太郎が思いの外人間的に成長して魅力的になっていた、ってのもあるが、そんな与太郎を作り上げた陰のラスボスとしての菊さんの存在感が相変わらずだったためだ。落語協会の会長になり、与太郎という「愛弟子」を作り上げた菊さんは、作家先生のいう「未練」をどこまで抱えているのか。すっかり老け込み、身の回りの諸々にも力なく応えるのが精一杯、といった様子の菊さんだが、高座に上がった時の姿勢に衰えはない。そして、与太郎のことを話しているときのあの一瞬の歯がみ。彼は自分自身に「終わった」と言い聞かせているが、やはりあの若かりしころの情念はまだ残っている。それが良い形で出るのか、最悪の形で爆発するのかは分からないが、落語業界を変えてしまった怪物「八雲」の今後の動向にも注目していきたい。

 あと、姐さん可愛いっすね。まー、あのみよ吉の娘さんなのだからものが良いのは当たり前だが。息子さんはどんな子供に育つのかなぁ。

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