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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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地獄少女宵伽 第3話 「いつか誰かが…」

 脚本・髙木登 絵コンテ・西本由起夫 演出・高橋英俊 作画監督・南伸一郎/武本大介




<あらすじ>

 とある救われぬ一家の話。その家には6人の人々が住んでいる。祖母・長田トシは嫁姑関係がこじれにこじれ、家中にゴミをぶちまけては嫁に汚いと怒鳴り散らす、「性格に問題のある」人物。対する嫁、長田司織は、そんな姑のことは意にも介さず夜な夜なホスト遊びを繰り返し浮気に手を伸ばす「性格に問題のある」人物。その旦那・長田健介も、こちらはこちらで浮気を謳歌する「性格に問題のある」人物。その娘・長田亜須加は、いじめの主犯格として学校で悪逆の限りを尽くす「性格に問題のある」人物。そして、そんな4人の顔色を窺いながら、怯えて日々を過ごす幼い兄妹、亜希良と亜里奈。6人の家庭は、すでに崩壊寸前だった。

 ある日の夕食、いつものように嫁の味付けに文句をつけ食事をひっくり返す祖母・トシ。嫁の司織は最初は気にしなかったが、フォークで手の甲を突き刺されたことで激昂。騒がしい親たちの諍いに、娘の亜須加は祖母の頬をひっぱたき退室する。父親の健介も我関せずとさっさと逃げてしまう。嫁姑の火花は消えず、互いに「地獄を見ろ」と罵り合う。怯えて見守るしか出来ない幼い兄妹も、実母に声をかけた途端、興奮した母に頬を張られて倒れ伏すばかり。この家は、兄妹にとって地獄だった。

 ある夜、夜中に目を覚ました亜希良は、偶然にも母親が藁人形を握っているところを目撃する。不可思議な藁人形の糸を解いた時の違和感の正体は翌日に判明し、祖母が失踪したことで全てを理解する。胸に怪しげな刻印を刻まれた母を含め、祖母がいなくなっても一切気にしない家族の様子を見て、亜希良は少しずつ企みを模索し始める。地獄少女が実際に効果を持つならば、この世界の地獄を打開することも可能かもしれないのだ。しかし、流したい相手は未だに父・母・姉と3人もいる。可愛い妹を巻き込むわけにもいかず、1人で3人を流すことは出来ない。悩む亜希良の前には、更なる苦難として、甥の永山義則が現れる。どうやら義則は姉の亜須加と恋人付き合いがあるようだが、問題のある性格は他の肉親と変わらず、特に妹の亜里奈は義則をことさら警戒しているようだった。

 ある日、亜希良は大胆な計画を実行に移す。彼は「自分の家族を憎く思っている人間」を独自の調査で集めると、それらの面々に地獄流しを依頼したのだ。母を流してくれそうなのは、浮気相手の奥さん。父の場合は浮気相手を追いかけるストーカーじみた人物、姉はいじめの被害者だ。3人の対象に「地獄流しをしてくれれば、何とか残った遺産で大金を支払う」と頼み込むが、当然、そんな奇妙な依頼はいぶかしがられることになる。「何故そんなことを依頼するのか」と尋ねたのは、亜須加のいじめの被害者・三上である。「自分が死後地獄に落ちるという代償が怖いのではないか?」と尋ねられると、亜希良は否定してみたものの、その答えははっきりしない。やはり、「代償」を考えれば、自分から藁人形を手にすることには抵抗がある。結局、せっかく選出してきた依頼人も「リスクを負えるほどに憎らしいわけでもない」という結論になり、亜希良の考えた「地獄流し教唆」は失敗に終わってしまった。

 しかし地獄は続く。事態が動いたのは、亜須加が従兄弟の義則を自宅に引き入れたことだった。義則は親との関係性がこじれて家出してきたのだが、すでに精神状態は半分おかしくなっていた。家に戻るように諭した親たちに対し、突然キレて暴力を振るいだす。あまりの剣幕に誰も義則を止めることが出来ず、一家は「触らぬ神に」の精神で家から逃げ出し始める。父親が叔父の家へと避難し、それを見た母も知人の家へと逃げ出す。姉の亜須加も面倒な義則の相手をするのが嫌なのか、友達の家を遊び歩く。家に残されるのは、逃げようの無い兄妹と、すでにネジの外れた義則だけ。幼い亜里奈が襲われる事態になり、ついに亜希良も自ら地獄通信にアクセスするも、最後の最後、「代償」を負う決心がつかない。

 壊れかけだった義則が完全に「コワレ」てしまうのにそれほど時間はかからなかった。些細なきっかけから爆発した義則は、勢いのまま亜希良を拘束、何も出来ない亜希良の見ている前で、妹の亜里奈を傷物にする。すでにこの家には救いは残されていなかった。絶望した亜希良はすぐさま地獄通信へアクセスして藁人形を手にする。

 糸を引くべく、河川敷でうなだれる亜希良に声をかけたのは、亜須加のいじめの被害者、三上だった。実は、亜希良に取り引きを持ち出された時点で、すでに三上は藁人形を持っていたという。踏ん切りがつかなかった2人だったが、「他の善良な人間が生きるために、そして何よりも自分たちが今後の人生を生きるために」という誓いを立て、揃って糸を引いた。義則と亜須加がこの世から消え去った。

 世の中の見通しが少しだけよくなった。しかし、これで全てが解決するわけではない。結局、出ていった両親が家に戻ってくることは無かった。それでも亜希良は、あの日の決心を揺るがすことはない。少しでも生きやすい「今」を作り、亜里奈のような被害者を減らすこと。それが新しい彼の人生だ。同じ志を持つ三上とともに、彼は包丁と糸鋸をカバンから取り出した。目の前には、三上をいじめていたグループの1人が拘束されている。「死体さえ見つからなければ、殺人罪には問われないそうです」。

 藁人形が無くとも、その手で世間は変えられる。

 

 

<解説>

 冒頭からとにかくクズクズ&クズという、ある意味で非常に「らしい」エピソードである。ぶっちゃけ今回も作画状態は芳しくなく、割と人物の顔なんかはグダグダの出来なのだが、こんだけ胸くそ悪い連中を精緻に描かれてもそれはそれで救われないし、まぁ、このくらいで薄目を開けてみるくらいが丁度いいのかもしれない。

 今回のテーマは「代償」である。地獄通信とは「システム」である。これは過去何作にも渡って確認されてきた事実であり、そこに思考も情も求められない。第2期ではあいが初めてこのシステムに逆らったことで地獄少女が成立しなくなり、第3期では改めて復活したあいが、「後輩」のゆずきにこの「システム」の絶対性を解いた。おそらく、もうあいの中でこの「システム」が揺らぐことはないだろう。では改めてこのシステムとは何かを確認すると、「憎い相手を、相応の代償を支払うことでこの世から消し去る」という恨みのシステムだ。となれば、「代償」という要素は地獄少女を成立させる上で非常に重要な要素ということになる。そりゃそうだ。何のリスクもなしにバシバシ人を消せるんだったら、味も素っ気もありゃしない。

 「人を呪わば穴二つ。相手を地獄に流したら、あなたの魂も永遠に地獄をさまようことになる。死んだ後の話だけれど」というのがあいの口上である。この「代償」は、果たして大きいのか小さいのか。もちろん、普通に考えれば「大きい」のだろうが、なかなかイメージしにくいのも事実。普通は「代償とかどうとか言ってる場合じゃねぇ!」ってくらいに追い詰められて糸を引く人が多いのであまり問題にならない部分なのだが、思いっきり軽く扱っている事例も割とあったりする。代表的なところでは「地獄への暴走(2期5話)」や「真夏のグラフ(3期12話)」あたりだろうか。人間、目の前の嫌なことのために遠くの代償を支払うことにはさほど抵抗がないのである。

 しかし、今回の主人公である長田亜希良君は、まだ若い割にはその辺が冷静である。代償を回避するために「憎らしく思っている人間を調査、集結させてまとめて地獄流しをさせる」という「地獄流し教唆」はシリーズでも例を見ない試み。何故彼がこうした発想を得られたかといえば、おそらく目の前で母親が地獄流しを実行するシーンを確認出来たおかげだろう。普通、確実性に疑問が残る方法を他人に教唆してまで行わせようという試みは実行しづらいはずだ。今回は「亜希良の中で地獄通信は絶対的に存在する」という前提を設けることで、このような試みが可能になった。

 「地獄通信の顕在化」は特に2期終盤では重要な要素となったが、今期の世界ではそこそこ有名ながらも流石に顕在化には至っていない。今回亜希良が依頼した人間も、「聞いたことがあるわ」という程度の認識だったが、それでも亜希良の証言であっさりと信じてしまうあたりは流石に順応性が高すぎるか。まぁ、「1話で3つの地獄流し」というヘヴィーな構成なので、今回はディティールを犠牲にして話を進めている部分は多いのだが。他にも「亜希良はなんで藁人形を見ただけで母親の行動と地獄通信を結びつけられたのか」っていう部分も謎なんだよね。自分で実際にアクセスして人形をもらったあとならまだしも(まぁ、「地獄通信にアクセスすると特性藁人形がもらえるよ」っていう部分までが都市伝説として語られているということにしておこう)。

 とにかく、亜希良の乾坤一擲のアイディアは、やはり「代償が重い」という常識的な障壁によって阻まれてしまう。これでもし上手く行った場合にあい達が亜希良をどう見るのか、っていうのも興味深かったんだけどね。亜希良がこれで味をしめてガンガン他人に教唆するエージェントになり、その使い方は違う、ってんであい達が怒鳴り込んでくるようなシナリオもありだったとは思うのだが、今回はそこまでいかず、あくまでも1つの思いつき程度で頓挫。結局いつも通りに「糸を引かなきゃどうしようもない」という状況まで追い込まれて糸を引くという結末を迎えている。一応、「代償」についての考え方が「実行後の世界」というフレーズで掘り下げられているのが今回の特徴で、同じ罪を一緒に抱える三上という「仲間」を加え、2人で「どうせ地獄に堕ちるなら、めいっぱいやれるだけのことをやろう」というポジティブな解釈で処理しているところが、救われてるんだか、救われないんだか。こうしてみると、「悪いことをすると地獄に堕ちるよ」という道徳的な訓話って、やっぱり日本人の心の中では安全弁として機能してるんだな、ってことが分かりますね。まぁ、あそこまで極端な状況に追い込まれなかったらなかなか壊れるもんではないけども。後味の悪さという意味ではいつも通りだが、「将来地獄に堕ちる」とか「妹はこれっぽっちも救われてない」とか最悪の状況の割に、亜希良の中では存外ハッピーエンドになっているあたりがこの作品の恐ろしいところである。

 ちなみに、今回のような「多重地獄流し」を最大のテーマとしていた過去のエピソードといえば何と言っても「滲んだ頁(3期11話)」だろう。今回の「2人同時に糸を解く」シーンもかつての「3人同時に糸を引く」シーンと対比的に描かれている。こういうお仕事の時は、必ず四藁が分担して仕事するんだよな。あと、同時に糸を解くことで地獄コントも同じフィールドで行われるというのも「滲んだ頁」の時と同じ。ただ、あの時は一応3人が別々に処理されていたはずなのだが、今回はターゲットの亜須加と義則が肩を並べてぶっ殺されている。こうして「2人以上がまとめて1画面で地獄流し」ってのは、多分シリーズ初なのではなかろうか。

 今回は中の人要素にあんまりいじる点が無いので更にどうでもいいポイントを補足しておくと、作画はメタメタなのだが、そんな中でも「嫌なヤツを嫌なヤツとして描く」というこだわりはなかなかのもので、例えば長田一家の大部分がクチャラーになってるところとか、細かいポイントだが「育ちの悪さ」みたいなものが肌で感じられて実に不快だ(褒めてるよ)。あと、冒頭の食事シーンの献立、全員にステーキ1枚と白飯って、この母親は栄養バランスとか味のバランスとか考える気が一切無いことが伝わってきて本当にイラッと来る。そりゃ姑さんも怒るだろうが……味付けがどうこういうレベルじゃねぇよ。付け合わせの野菜とかも無いんだぜ。そりゃ旦那だって浮気するわ。

 今回もミチルは……何にもしてないな……。これ、メインストーリーとかあと3話で何か起きるんですかね?

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コメント
無題
「地獄流し教唆」って確か過去に何かなかったかなと思って調べてみたら、2期の8話目「偽地獄通信」がそんな感じでした。
【2017/08/01 22:31】 NAME[Mei] WEBLINK[] EDIT[]
Re:無題
せやった。
どこかで類例があったような……って思って確認せずに執筆してしまったけど、流石に「例を見ない」は言い過ぎだったか。
一応補足しておくと、あっちの例だと「恨みを抱かせる」ところからの仕込みだったので、教唆というよりも「強制」と言った方が正しいかもしれない。今回は調査のみで代理人を見つけ出したところがエポックメイキング。あいからの邪魔も入らなかったし、もし交渉が成立していたら狙い通りになっていたのかどうかは興味深い。
【2017/08/02 02:02】


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