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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 サブタイトルだけで「ねぇ、キャンディ買って、キャンディ」って延々言い続ける凄惨なショーをイメージする人間は世界に存在しなくていいよ、第6話。俺がキャンディを山ほど買ってやる(故人)。

 冗談はさておき、今回も「攻めるなぁ」という実に濃いお話。前回のめぐっちゃんの感情も、一歩間違えれば本当に後味が悪くなってしまいそうな感情の塊をダイレクトにぶつけてくるものになっていたが、それが絶妙なブレーキングできっちり共感を呼ぶ青春劇として活きていた。前回のテーマは長い長い付き合いであるが故の友情のあり方。そして今回は、つい最近会ったばかりのコミュ障同士の、なんとも不器用で頑なな友情形成である。

 今回のお話を見て久しぶりに思い出したが、そういえば日向って学校をドロップアウトした人間だったんだね。なんとなく「そういう設定にでもしないと南極旅行なんて遠大なプロジェクトに参加できる女子高生なんてなかなかいないしなー」くらいに考えていたが、よくよく一人の人間として日向を見てみると、これって結構不思議である。常にあれだけハイテンションで、キマリとの関係性も良好。すぐに報瀬とも打ち解けてガンガン突っ込みながら南極まで同行しちゃうようなスーパーアルバイター。そんな彼女が、何故高校に行かなくなってしまったのか。そんな話を、今回はメンバーの中でもひときわ面倒臭い報瀬との関係性を通じて掘り下げていく。

 本作を観る上で本当に何度も確認しなければいけないのは、「南極に行く」というだけでもとんでもないプロジェクトであるということ。そして、それを女子高生チームがやるとなれば、さらなる労苦を伴う、人生を賭けた一大事になるということ。アニメだからというのでその辺の「非現実感」はさらりと流しても良いのだろうが、今作の場合、4人が全員そんな「とんでもない行動」に出てしまってもおかしくない人物として描かれている。一番わかりやすいのは人生を全て南極に賭ける覚悟の報瀬だろうが、彼女に引っ張られ、人生が一変したキマリも「主人公気質の天然バカ」という属性でこれをきっちり満たしている。キマリの天衣無縫な突き抜け方は、前回のめぐっちゃんとのエピソードでもその偉大さ、甚大さが確認できた部分だ。また、女子高生といっても「芸能人としての仕事」に徹している結月は別枠で考えるべきだろう。

 となると、やはりこの計画に一番似つかわしくないのは日向だったのだ。彼女が何を思って高校に行かなくなり、そのくせ南極旅行なんてとんでもない計画に加担することになったのか。その彼女の複雑なメンタリティが、今回の騒動では垣間見えるのである。一番わかりやすい彼女の主張は「気を遣うな」というもの。相手の好意であれ、気後れであれ、遠慮であれ、とにかく「相手が気を遣っている」という状態が、日向には耐えられないものであるという。おそらく彼女のいう「気遣い」というのは、他者が自分のためになんらかの不利益を伴いながらも、それを飲み込んで取り繕っている状態のことだ。自分の存在が他者にとってマイナスになっている、その状態が、とにかく日向は耐えられない。人間関係を構築する上で、どれだけ頑張ったとしてもこうした「気遣い」は不可欠なものであり、これをゼロにすることは不可能だといって良い。だからこそ、日向は高校生活という集団行動をあきらめ、「一人で」生きて行く道を選んだのだという。

 これはこれで大いに問題がある決断なのだが、こうした「気遣われたくない」という感情も分からないものではない。気遣いによって帰って傷ついてしまうシーンというのは、日常生活でも案外多いもの。そして幸いにして、これまでの4人の関係性を見ていると、裏表なんて作りようもない阿呆のキマリ、そして他人の隠し事は絶対許さないし、仕事は仕事と割りきるくせに自分が嫌だと思ったことははっきりと拒否する結月という「ストレートしか投げない」2人は非常に付き合いやすい相手だったと言える。今回パスポートを無くしたことが発覚した後の2人の行動も、純粋に「じゃぁ、飛行機遅らせるだけだな」という即断即決で、そこには配慮や遠慮があったわけではない(キマリは脇でやいやい言ってただけだが)。しかし、報瀬だけはさすがにそうもいかなかった。だからこそ、今回はこの2人だった。

 終わってみれば、結局は我(が)のぶつかり合いである。いっぱしに気遣いしてみせようと頑張った元祖コミュ障の報瀬さんと、それがダメなんだよ、と言ってしまう更に厄介な日向さん。互いが嫌いなわけじゃない。むしろ理解しあったからこその対応だ。でも、まだお互いの信念を理解するまでには至っていない。そんな関係の中で報瀬がちょっと自分を押し込めたことで、日向は傷ついてしまう。普通に考えたら日向の方にも咎はあるのだからなんとも不遜な態度ではあるのだが、結局「仲間とつながる」ことに慣れていないという意味では日向の方がより子供っぽかったのだ。

 最初に我(が)を通して相手をねじ伏せたのは日向の方。しかし、そんな一方的な物言いに負けてられない報瀬さん。ウルセェ黙れと面倒なコミュ障をねじ伏せ、「気遣えないなら気遣わない」というストレートをきっちり身につけてみせる。遠慮配慮も大事だが、いらないと相手が言っているならそれはそれでいいのだ。なかなか日本の一般的な女子高生ではなし得ないような関係構築の豪腕。報瀬が空港窓口で啖呵を切るシーンは、前回のめぐっちゃんにも負けていない名シーンではなかろうか。

 まぁ、そのあとのオチがなければだけどね……。モゥ、結月アイに嘘は通じませんのにねぇ。4者4様、遠慮のいらない殴り合いが出来る最高の関係性が、赤道を越える前にさっさとできてしまったみたいですね。

 ちなみに、毎回言ってるからいい加減申し訳ないけどまじで最後にするから言わせて。やっぱり、4人のキャストの熱量が凄すぎるんだわ。今回はゆかちと花澤パワー。特に難しいのは日向で、「気遣い無用と言ってる人間が一番気遣ってるやんけ!」っていうなんとも複雑な葛藤を掘り下げなきゃいけないのに、あくまでも明るく、前向きに全てを見ていることをきっちり表さなきゃいけないんだ。なんだろう、あの不思議な「なんとかなる」みたいなパワーは。全然関係ないけど、7年前、あの震災を受けてのラジオの口火を切った時の井口を思い出した。自分にできることを精一杯やるんだ、っていう意志。格好いい。

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