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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 CV麻美子は正義の証、第9話。ついでに言うとママンのCVかやのんも正義の証だし、それを言い出したらCV井口だって花澤だって正義の証だから、やっぱり大沢事務所は正義の証。

 いよいよ南極の地を踏むという節目のエピソード。そしていよいよ、南極行きを決意する最大の要因となった人物、小渕沢報瀬、そしてその母親・貴子に焦点が絞られていき、これまで孤高の存在だった観測隊隊長・藤堂吟のヴェールが剥がされる。

 きっかけとなったのはサブタイトルにもある「恋物語」要素なのだが、開始2秒で脈も無ければ意味もない恋愛事情だとわかるので、本当にとっかかりだけのお話。結局隊長の恋愛観が掘り下げられるわけもないし、この作品に男女の仲が介在する余地などないのである(偏見)。嫌な言い方をすれば、隊長は未だに貴子の亡霊に取り憑かれており、恋愛などというものにうつつを抜かしていられないと思っているのだろう。家庭を持つことは日本の地に根をおろすことを意味するような気がして、いつか「帰る」べき南極の地から遠ざかってしまうと言う遠慮もあったのかもしれない。彼女にとって、とにかく南極に舞い戻り、自らの過去の所業にけじめをつけること、それが人生の最大目標であるのだ。

 そしてその感情は、同じ最大目標を持つ報瀬とは完全な共有状態にある。母の一件で互いに軋轢を感じていた2人だが、その重圧の源泉は微妙に2人で認識が異なっていた。隊長は、シンプルに「自分が貴子を殺したようなものだから、きっと娘の報瀬は自分を憎んでいるのだろう」と言うので距離を置くようになっていた。しかし、実際に話した報瀬は「恨んではいない」とスパッとその辺りのことは否定している。ただ、「恨んでいないのなら、なんなのだ?」と言う部分が自分でも折り合いがついておらず、母親の喪失が未だに自分の中で消化しきれていないため、自然と隊長との関係性もややこしいものになり、煩悶から距離が遠のいていたということを告白するのである。もともと不器用が服着て歩いているような2人である。互いに近いところがあるはずなのに、なかなか言葉にもできず、態度にも現れず。なんとももどかしい関係性だったのである。しかし、今や最大目標である南極大陸はまさに「あと一歩」まで近づき、いよいよ2人は前へ進む時が来たのである。

 2人の関係性は、そうしてただ距離を置いていただけではなく、今回数多く挿入された回想シーンから、報瀬の人格形成には実は隊長が大いに関わっていたことが示されている。軽いタイプの貴子さんと違って口数少ない隊長の場合、あんまり幼子が一緒に時間を過ごすのには向かないタイプにも見えるのだが、ストイックに母親の仕事の知識を吸収しようとする娘にとっては、実は案外良い先生でもあった。専門家から南極知識を学び、観測隊の心得である不屈の精神も重ね重ね指導されている。彼女が「見た目通りに」上手にこなせる縄跳びも、実は隊長の目の前で幼い頃から黙々と続けていた蓄積の現れである。

 「諦めず続ければ、少しずつでも前に進めるし、夢はいつかは叶う」という非常にわかりやすいメッセージ性が、この縄跳びの描写と砕氷船の無骨な挙動で結び付けられている。少しずつでも飛び跳ねながら夢へと進み続けた報瀬、そして、どれだけ分厚い氷でも踏み抜いて少しずつ目的地を目指す砕氷船と、そのリーダー藤堂吟。2人は同じように、周りから押し付けられた偏見や不利益と戦い続けて来た。歴史上、弱い立場だった日本は世界から不自由な岸壁を押し付けられたという。力を持たぬ子供でしかなかった報瀬は、南極に行くなど世迷い言だと笑われたという。しかし、それでも一歩ずつ進む。踏み抜く。貫き通す。

 そうして最後にたどり着き、みんなで踏みしめた南極の地。真っ先に報瀬の口から漏れた言葉は「ざまあみろ」であった。「報瀬らしい」と三人から言われたその言葉は、もちろん過去に自分を軽んじたものへの返礼、快哉であろうが、過去の弱かった自分への鼓舞でもあったのだろう。そしてその気持ちは、「似た者同士」である隊長にも沸き起こるのである。広大な南極大陸、まだまだそのスタート地点に踏み入ったばかり。それでも、ここで叫んだ心からの「ざまあみろ」は、間違いなく力を与えてくれるものだ。

 次回、Cパートの流れからして結月回でしょうかね。これまで比較的影の薄かった結月だが、一体どんな困難が立ちはだかっているのだろうか。

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