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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 これって略称はSROになるんでしょうかね。スロ。無いよぉ〜、お金無いよぉ!!(ネタバレや) まぁ、そんなわけで観に行きました。こないだのライダー映画と同じ劇場でやってたんだからまとめてみればいいやんけ、って思うんだけど、一気に観ちゃうと感想アウトプットする作業が本当に大変になるので。パンフがあれば後からでも情報が保管できるんだけど、ライダーのパンフが売り切れてて、一旦帰る以外に選択肢がなかったんや。まぁ、幸い会員クーポンがあるから一旦戻ってまた出てくると1作品500円引きで見られるし。松竹の会員になると映画3本分の値段で4本見られるからかなりお得ですね(回し者)。

 

 

 <以下、あんまり気にしないけど一応ネタバレ注意>

 




 

 

 まず、ぶっちゃけておくと、今回の映画はあんまり好みじゃなかったです。まぁ、1作目の印象がすごく強くて、あれの再来を期待したら肩透かしを食らったというのもあるのだろうけど……今回最大の問題は、多分テーマ設定そのものが私の精神をえぐりにくる一番苦手なタイプのやつだったことが挙げられると思う。どっかよそでも書いた気がするんだけど、私の人生は、徹底して「変化することを拒否する」逃げの人生なんですよ。できる限り今まで通り、自分だけは絶対に変わってやらない。変化すること、移ろうことは苦痛でしかない。そんな逃げと保留の人生を歩み続けている人間にこの映画がどれほどの負荷を与えるかは、視聴した人間なら分かっていただけるでしょう。

 まず、バランスを取るために良かった部分を先にピックアップしておくと、まぁ、とにかく外型が賑やかなこと。これは無印の時もあっけにとられるくらいに感心し通しだったんだけど、やっぱり海外アニメ、ディズニーピクサーの描く画面の情報量の多さと、それを美しく見せるCGワークは凄すぎる。例によって「国産アニメとはコストが違いすぎるから」とはいうものの、これまでいくつもの大作アニメを作り続けて蓄積しているノウハウは、単にコストレベルではなく技術として日本を突き放す文化になりつつある。今回は「オンライン」ということでゲームの世界からさらにネットへ飛び出すことが最大の見どころな訳だが、広大なネットの海を惜しげも無く注ぎ込んだ作画リソースで描いたあらゆるシーンが圧巻。アニメは捨象の文化だと常々言っているが、もうディズニーアニメは捨てるとか拾うとかいうせせこましいことは言わない。現実にあるものは全て拾うし、その上で現実に無いものを増し増しで盛り込む。それがアメリカナイズされたアニメーションの姿なのだ。この発想は、国内の生産体制ではもう追従できないだろうし、ついていくこともないのだろう。そういえば「犬ヶ島」でもその目を覆いたくなるほどの情報量には圧倒されたが、やはり基本的に海外のアニメーションっていうのはそういう方向性での作劇が主流なのかもしれない。

 もちろん、単に賑やかというだけではない。無印の時に「夢のようなゲームの世界を描く」という非常に魅力的なテーマをがっつり体現してくれたが、今回はさらに千変万化のネット世界をいかに戯画的に描いていくかというのが最大も焦点。初めてラルフが飛び出したネット空間に様々な大企業の名前が並んでいるシーンは壮観だし、その後も次々に「ネットを飛び交うあれこれ」が我々の目に触れる形で登場し、「今のネットってこんな感じなのかなぁ」という不思議な納得が得られる。「速度制限以下の人間は処罰の対象です」なんてのは、いかにもネット世界での取り決めである。あと、アメリカ人にとってのTwitterってやっぱりあのイメージなのかな。どうも自分の周りのクソみたいなTwitter文化だともっと陰惨なイメージになってしまうが……まぁ、各企業もスポンサーでしょうしね。そういえば、なんで作中で動画云々のくだりをやるところはYoutubeを使わなかったのだろう。作中で「Youtubeが」って言ってたから別に権利関係がダメだったわけでもないと思うのだが、TwitterFacebookなんかがそのまま使えていた割に動画サイトだけ名前が変えてあったのはちょっと不思議。

 さて、こうして非常に魅力的に構築された「ネット世界」の映像部分は文句なしに最強クラスであったが、ここからが問題だ。そんな世界で「何を描くか」である。今回のテーマ設定は本当にシンプルで、最初から最後までラルフとヴァネロペの関係性を見ていけば誰にでも伝わるようにできている。「変化すること」そのものが問題意識として取り上げらえれ、「変わりたい」ヴァネロペと「変わりたくない」ラルフの対立が、そのままドラマの縦軸になり、諍いになり、友情になる。うん、これもまぁよくあるテーマではあり、極端な話「リズと青い鳥」もそういう作品だったといえなくもない。ただ、個人的には今作におけるテーマの扱い方は、あまりにも直裁的で、視聴者側に考える余地を与えないものだった気がするのだ。

 「テーマの描写が非常に怜悧である」というのは、実は無印の感想の時にも触れていた部分である。これも国民性の違いにまとめ上げるのは暴論かもしれないが、日本のドラマづくりではそのあたりをもうちょっと叙情的に、持って回った描き方をするものだが、向こうのドラマづくりはそのあたりが容赦ない。冒頭からヴァネロペに「違ったっていいじゃない」とラルフとの違いを意識させ、徹底的にヴァネロペの主張の正しさを補強しようとする。とにかく伝えたいテーマを効率的に提示するために、ドラマが組み上げられているのだ。おかげでラルフは丸め込まれるようにして「自分はしつこいストーカーみたいだった。間違っていた」という結論に到達し、その挙句があの結末なのである。確かに発展的な決別ではあろうが、私のような人間からすると、ヴァネロペの言っていたことばかりが正しいように見せられる構図はなんだか釈然としない。

 最終的にヴァネロペの主張が通った理由は端的に1つ。それは、ラルフがうっかりヴァネロペの奪還のためにウィルスに手を染めてしまったためだ。あそこで「悪い」手段を使ったせいでラルフはヴァネロペに対して負い目が出来てしまい、さらにウィルスの暴走で世界がぐちゃぐちゃになったおかげで、ラルフは前作同様の「悪役」の烙印を押されるに至った。ただ、前作の「悪役」はもっと前向きな意味を持った言葉だったが、今回のラルフは本当に短慮の末に失敗し、世界を滅ぼしかけたダメなやつなのである。そりゃ、こんな事態になったら「自分が悪かった」と謝るしかない。

 しかし、どうにもそこに至るシナリオが乱雑だ。お互いの夢が違っていて、なんだかうまくいかなくなってしまう部分までは分かる。その時点でヴァネロペはまだ「ラルフが言ってることも分かるけど、自分は耐えられないかも」と思っている程度で、お互いの主張の折衷案を探している。そして、ラルフに約束をしておきながら待ち合わせをすっぽかし、勝手に遊びまわってしまったのはヴァネロペの方なのである。約束を違えたという意味では、最初に負い目を感じるのはヴァネロペ側であったはずだ。しかし、それまでなんとか互いを尊重しあっていた2人の関係にヒビが入ってしまったことで、ラルフがものすごく端的に「悪い」ことに手を染めてしまう。それまでそんなそぶりを見せていなかったラルフが、だ。彼もゲームの中の人間なのだし、これまでの経験で「ウィルスはヤバいものだ」ということは知っているはず。そんな彼が、なぜ突然アンダーグラウンドに向かってしまったのか。そこがなんだかスッキリしない。また、特に悪人要素もなかったはずのスパムリーがいきなりラルフの相談を受けて「じゃ、ウィルス紹介しようか?」となってしまうのも釈然としない。今作は明確な「悪者」が存在しない世界なのだが、突然そこに悪意の塊みたいな存在が入り込んでしまうシナリオが性急すぎるのだ。

 そうして、いつの間にか「ラルフの主張は悪いことだ」という価値観を押し付けられ、あげくラスボスにまでなってしまうラルフ。群体ラルフの造形が本当にキモいのも勘弁して欲しかったところで、シリーズ2作目の主人公はもうちょっと扱いが良くてもいいんじゃないかと同情してしまう。今回の騒動を経て、ラルフにとって嬉しいことが何一つないってのがどうにも切なすぎるのだ。こちとらNTR属性があるために「憧れのあの子が、気づけば外の世界のもっと魅力的なコンテンツに持っていかれてしまう」なんてストーリーは何十何百と見ているが、お互いが発展的だと思っており、ヴァネロペの方に悪意がないだけに、かなり精神的ダメージ効率の高い、エグいNTRになってると思いますよ。お子さんたちはこれを見て何を感じ取るんだろう。

 あと、個人的に気になったのは話題性の高かったディズニープリンセスたちの扱いだ。まぁ、そういうネタが前提の作品なので登場してわちゃわちゃやるシーンがあるのは構わないし、面白かったのだが、ラストシーンで活躍を盛り込む必要はなかった気がするんだ。あくまで本作は「シュガーラッシュ」であって、問題解決を担うのはその中の世界のキャラであるべきだ(今回初登場したシャンクやイエスでも良い)。ちょっとしたおまけとはいえ、ラストを飾ったのが賑やかしポジションのプリンセス集団だったのはなんか違う気がする。そういうのは、いっそのこと「平成プリンセスズFOREVER」みたいな記念作品を作ってやればいいんじゃないかと。ディズニーがスマブラ作ればそれなりにウケるだろうと。まぁ、ぶっちゃけ俺があんまり知らないせいで盛り上がれなかっただけかもしれないんだけどさ。あの救出シーンはライダーキック20連発並みのカロリーを持ってたんでしょうかね(実際に知ってる作品のキャラが活躍すると嬉しいんだよな。モアナが強引にYour Welcomeってセリフぶち込んできたのはちょっと笑ったし)。まぁ、あそこでプリンセスがだめ押しすることでヴァネロペの「進歩」が促進されることになるわけで、固定観念の打破っていう役割をおふざけプリンセス軍団に任せたってことなんだろうなぁ。

 そろそろまとめよう。結局、ヴァネロペとラルフの関係性が「ああなってしまった」ことが個人的に辛すぎるので受け入れがたい、というのが私のわがままです。そして、それはこのシュガーラッシュの世界で描く必要のあるテーマだったのかとも思うんですよ。なんとか気持ちを収めるためには、やっぱりシュガーラッシュ3を作ってもらって、ヴァネロペの大ピンチにラルフが颯爽と駆けつけるシーンが必要なのではないかと。そうしてお互いが立派に成長した姿を見て初めて、この作品は完結するような気がします。

 ヴァネロペは平成プリンセスズFOREVERが作られたらどんな扱いになるんだろうな……(通りすがりのプリンセスじゃなかろうな)。

 

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