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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 あ゛〜〜〜! このラストカット! あ゛あ゛〜〜〜最終話! 本気を出して仕掛けに来た小糸侑、強すぎやしませんかね? その直前にドヤ顔の沙弥香さんが描写されてただけになぁ……ここまでくると、もういっそ沙弥香さんを全力応援したくなりません? これももしかしてNTR属性の一環なのだろうか?

 最終作戦。いよいよもって、七海燈子という牙城は崩れ、一番首を取らんとする猛将たちが名乗りをあげる。今回は2人の名将による攻めの手管が対比的に描かれていくお話だが、残念ながらこの作品は恋愛漫画である。勝者が、いるのである。それがまさかこんなにもダイレクトな形で描かれることになろうとは……強すぎるやろが。

 Aパート、「終着駅まで」。最後の最後で今作の焦点を絞るために効果的に用いられたのは、例の喫茶店という舞台設定。まずは侑が特に他意は無しにこよみとの脚本打ち合わせで利用する。あの小さいテーブルで2人してエビドリア食いながら原稿広げるのは大変やろ、とは思ったが、侑はすでにおよそ台本を頭に入れてるっぽいんだよな。どこまでもさらっと優秀。そして侑の手のひらの上で詰められて行く脚本は、まるで七海燈子包囲戦の前哨戦のようである。こよみさんは、侑の狙いについてどれくらい察しているんでしょうか。以前の「七海先輩は見たまんまの人だよ」とか言ってお茶を濁していた時とは明らかに食いつき具合が違っているのだが……多分「自分の作品がより良くなるため」という部分に目がいっちゃってる作家先生はその辺の細かいことは気にしてないんだろうなぁ。

 続いて、同じお店を利用したのは燈子&沙弥香コンビ。お互いに事情を知っている店長と沙弥香の牽制っぷりがちょっと面白い。別に店長はからかうつもりもないのだろうが、なんとなく「あ、連れて来てる」くらいの感じで突っついちゃったんだろうね。そして、いざ恋人と男の話を持ち出されると気が気じゃない店長を見て思わずニヤリの沙弥香さん。お互いになんだかんだで楽しんでるよな。今回は店長と先生のカップルもダイレクトにニヤニヤさせる描写が盛り込まれていて色々と美味しい。コーヒーとタバコ、ほんとは相性が悪いはずなんだけどね。お互いの感覚の違いをはっきり示しながら、視聴者にもその匂いに訴える感覚的な描写が興味深い。

 そして、この喫茶店で展開されたのは沙弥香の突入作戦であった。これまで「踏み込まない」ことを良しとして来た沙弥香だったが、合宿での一件もあり、いよいよ本丸に攻め上がる好機だと判断。「お姉さんはどんな人?」という核心に踏み込んだ。ここでどんな答えが返ってくるかはあまり問題ではない。燈子にとって明らかに呪縛となっている姉の話を、「自分が聞き出した」という事実が重要なのだ。「沙弥香相手に打ち明ける燈子」という既成事実があれば良いのだ。多少躊躇いがちだった燈子に対し、沙弥香はそっと手を差し出す。今までだったら、そっと肩をたたく程度の関係性。それが「踏み込まない」ことのサインであり、背後から軽くタッチするところまでが、領分を守った沙弥香なりの距離感。しかし、今回は思い切って踏み込んだ。真横からの構図だとよくわかるが、より燈子の「内側」に切り込んだ沙弥香の手は、食い込むようにして燈子の手に重なる。「追従」から「並列」への遷移。これこそが、沙弥香と燈子の関係性のレベルアップを端的に表すものだ。こうしてあれこれと姉のことを聞き出すことに成功したのだろう。沙弥香さんはそんな大きな一歩に、思わずご自宅でニンマリである。「自分は特別な存在だ」と勝ち鬨を上げるのである。

 だがしかし、あぁだがしかし。事態は沙弥香さんの思わぬところで大きく進展していたのだ。帰りがけの駅では、おそらく沙弥香に話したことで、より自分の内側で姉の存在が大きくなってしまった燈子さんが思い悩んでいた。生徒会劇を成功させれば、亡き姉の無念が晴らせる。姉の到達しなかった「終着駅」が見えて、ついに自分の人生の目標が達せられる。しかし、そのあとはどうなってしまうというのか。姉の人生という台本は途切れる。その先は白紙だ。七海燈子の路線図は、その先に何もルートがない。終着駅「まで」。だったら、終着駅「から」は? その答えを求めて途方にくれる燈子に、ここしかないタイミングで、LINEが届くんだ。

 水族館デート。サブタイトルは「灯台」。これもなんだか不思議なタイトルで、灯台とは船からしたら「終着駅」に近いニュアンスを持つもの。ただし決定的に違っているのは、灯台は明らかに、照らし、導く。これまでの燈子の人生は、姉という標を頼りにがむしゃらな航海を続けて来た人生だったのだ。また新たな「灯台」が生まれたというなら、これは大きな変化である。象徴的なのはその位置どりだ。喫茶店では、沙弥香が「肩を取ろうとしたが、それでは物足りないと思い直して手を取る」という描写がある。肩を触るよりも、手を握る方が関係性が近くなったことになる。それでは、侑さんは一体どんな接触を試みるのか。

 これがいとも簡単に肩を取る。しかし、沙弥香のように「端から寄り添って」ではない「正面から迫って」である。沙弥香がこれまでひたすら守り続けてきた「追従」と「並列」。その一線を易々と超えて、侑は「対面」からの「干渉」を選ぶ。両肩を掴み、燈子を自らに引き寄せる。そして立て続けに今度は手を握り、あからさまに導き出すのである。これまで燈子の前を歩いていたのは姉だけだった。それがいつのまにか、自分の手を引く存在として侑が前を歩いている。彼女が新たな、灯台なのだ。

 劇にかこつけて、侑は燈子に言いたいことをいう。「過去にあった人生など知らない。自分が見ているのは今の七海燈子だ。そのことになんの負い目があるのだ」と。七海燈子の人生は、すでに1つの終着駅を迎えた。そのことは喜ぶべきことだろう。尊敬する姉を追いかけ、もしかしたら追い越せたかもしれない。そうして彼女は、これまでの人生の1つを終わらせたのだ。そして、次の一歩を踏み出す時が来たのだ。

「先輩、そろそろ乗り換えですよ」

 

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