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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 のみこがすげぇ! 第7話。視聴後そのままのテンションでお送りしているのでエンディングテーマの印象ばかりがやたら強いのです。のみこっていうと「しちゃいましょう」のイメージしかなかったのだが……こりゃアルバム買おうか。

 せっかくの導入なのでテーマソングの話をもう1つ書いておくと、今回からオープニングが栗林みな実からARI PROへとシフトしており、画面もよりシリアスで、クライマックスを意識した構成になっている。特に否定姫・右衛門左衛門などのキャラクターにスポットが当たっている部分が強烈で、今後嫌でも盛り上がるんだろうことを感じさせるなかなかの出来。アリプロの歌の方は、かなり「ギリギリ張り詰めたアリプロ」な曲なので、相変わらず高カロリーでヘヴィーな楽曲である。もちろんメインテーマとしての迫力は充分なので、これはこれでぴったりと言えるかもしれない。残り4回のエンディング歌唱が誰になるのか楽しみですね。

 と、ここまで書いてようやく本編の話。今回描かれたファクターは大きく3つ。そのうち1つは当然、「七花ととがめの関係性の終着点」。ここのところ少しずつおおっぴらにいちゃつき出すようになった2人であったが、今回のエピソードではその度合いが加速しており、冒頭で七花が家の外装を散々笑い飛ばした時にはとがめも不機嫌になったが、そこから先は基本的にべったりの関係性。お互いがお互いのことをこれっぽちも疑わず、信頼という便利な言葉で繋がりを強めている。そして、その中心には、前回七花が打ち勝った鑢七実の存在が潜んでいるわけだ。七花が七実を倒すことが出来たのはとがめのおかげ。七実は「刀としての純度が下がって随分なまくらになってしまった」と七花を酷評していたが、七花自身はとがめの刀としての半年間の生活は自分を強くする要因であったと信じることができ、結果的に2人のコンビネーションでもって七実を打倒した。血を分けた姉を殺害したことによって「血の通った刀」である七花が完成を見たのである。

 そして、そんな「自分の有るべき姿」を手に入れた七花と対峙するのは、「動きはするが血の通わぬ刀」であるところの、微刀・釵である。もう設定とか仕組みとかは面倒なので突っ込まないが、とにかくオートプログラムで侵入者の撃墜をするだけのキリングマシーン。これを「誰かのために戦うこと」という七花の手に入れた大義名分と対比させることにより、刀集めの激闘と、七花の人間としての成長を同時に描いてしまおうという魂胆である。相変わらず抜け目ない脚本だ。

 戦闘機械との対決、という素材そのものについては、今回のアニメーションはほぼパーフェクトと言っていいレベルの出来である。久し振りにバトルシーン自体もけれん味溢れる大回転が満足できるものだったし、戦いに挑む七花がとがめと心通わせる様子なども、シンプルな描写なのにじんわりと染みこんでくる安定感があった。

 敢えてちょっと不思議に思った点をあげておくと、演出方針として1つだけ分からなかった「日和号の流した涙」がある。「血の通った刀」である七花と、キリングマシーンである日和号を対比させるには、徹頭徹尾、日和号には「心を持たぬ機械」であった方が都合が良いのだが、最後の最後で、日和号は一瞬だけ人形から「人間」になる。七花が空から落ちてきた日和号を受け止めた時の姿勢が、その前にとがめを抱きかかえたお姫様だっこと全く同じというのも、「人間扱い」というキーワードを表す端的な描写になっているだろう。

 不思議と言えば不思議なのだが、あのシーンを見ただけでも思わずウッと唸ってしまったので、これは見ているこちらの負け。おそらく、日和号はあくまで機械であり続けたが、それを受け止める七花の方が「機械にも人として接する心を持つ」という意味だったと解釈するのが正しいんだろう。「雨粒が涙になる」という演出が、実は「ソーラーエネルギーで動く日和号を叩くためにとがめが曇天の日を選んで対決に臨んでいる」というネタの伏線回収になっているのは流石の一言。また、そんな日和号の顔が四季崎記紀の愛した人の顔である、というエピソードを挟むことによって、今後絡んでくる可能性がある刀匠四季崎記紀のキャラクター性を表す伏線になっている可能性もある。色々と考えさせられる演出だった。

 2つ目のファクターは、これまでよく分からない存在だった右衛門左衛門の存在。今回は否定姫がかなり出張ってきたので彼にも自然にスポットが当たるようになったわけだが、七花が気にしていたことからも分かる通り、少しずつその存在感を増し、オープニング映像を見る限り「お前がラスボスなのかよ」というポジションに到達。そして、そんな陰のキャラクターの存在感をアピールするのに格好の素材が、噛ませ犬の代表である真庭忍軍だったわけだ。CVが関俊彦ということで実力が期待された真庭海亀だったが、全く良いところを見せることもなく惨敗。しかも持ち技が単なるフェンシングって、これまでの噛ませ連中と比べてもかなり扱いが悪い。無念。

 そして最後の1つのファクターというのが、右衛門左衛門の主である、否定姫その人である。これまでもちょいちょい登場していた彼女だったが、がっつりとがめに絡んだのは今回が初めて。いかにも西尾維新らしい、完璧に固まった阿漕なキャラクター設定は、そのエキセントリックな風貌も相まって実に面白い画面を生み出す。とがめとの「あいさつ」のくだりはいつにも増して台詞の数が多くて不自然極まりない、たたみかけるようなマシンガントークパート。今回は、こうした「ただ台詞を垂れ流すだけのパート」で「止まる」ことが一切無く、しかも演出の不自然さを一切感じさせずに「普通の画面」に落とし込んだコンテ回しになっていたのが白眉である。スタッフロールを見れば今回のコンテは小林智樹氏。むー、流石にうまい。

 今回のコンテでもう1つ触れておくと、日和号の初登場シーンからガシャンガシャンと歩く描写についても、どこか奇妙な「異物感」みたいなものが秀逸だった。何故か思い出したのは過去の名作ゲーム「MIST」における様々な機械やアイテムたちで、そこに現れるのはこれ以上無いくらいの「異世界を見る」視点。瓦礫の山を寂しげに歩く日和号には、最大級の「現実感の無さ」と一緒に、「どこか奇妙な存在感」を感じさせるものに仕上がっていた。

 で、否定姫絡みでは、他に気になったのが天井裏の右衛門左衛門との会話のスタイルがある。右衛門左衛門はいつも通りに淡々とした口調でしゃべりつづけているのであるが、画面に現れるのは彼の大写しの口元のアップのみ。そして、この口元が若干笑みを浮かべているようにも見えるのである。否定姫が御機嫌で笑っているのは分かる。テンションが高くてノリノリの彼女の表情は、それだけでも充分なインパクトがあるのだが、声音だけを聞くとひどく冷静な右衛門左衛門のビジュアルも、どこか奇妙な笑みが見て取れるのだ。この2人の関係性も、まだ色々と面白い部分がありそうではないか。

 毎回毎回、「台詞が馬鹿みたいに多くて頭でっかちなこの作品をどういう風に料理するのか」という点が楽しみなのだが、2話のような力業、7話のような変化球と来て、今回のコンテ演出は王道中の王道。言い方は悪いが、まるで「刀語では無いような」、凄く見やすい画面であった。こういうのもたまにはいいものである。小林智樹氏は3話でもコンテを担当していたのだが、あちらは脚本がイマイチだったので消化不良の部分があった。今回久し振りに堪能できたので、今月分は満足です。

 最後はやっぱり中の人の話。今回の対戦相手である日和号だが、中の人は何故かわざわざ遠藤綾を使っている。……加工音声にされてましたがな。ちょっと勿体ない。あとは前述の通り、海亀役の関俊彦が痛々しくてたまりませんでしたね。

 しかし、なんと言っても捨て置けないのは、毎回楽しませてもらっている否定姫役の戸松遥である。やっぱり戸松は一言で空気をもっていくだけの天性のパワーがありますよ。あのクソ憎たらしい否定姫のキャラクターがここまで天晴れな現れ方になっているのは、ひとえに戸松の豪腕があってこそだと思う。また、戸松VS田村ゆかりという新旧(?)アイドル対決も見どころの1つ。2人とも「一言で空気を変えることが出来る」という意味では実に見応えのあるマッチメイク。今回のクライマックスは、画的には日和号VS七花だったかもしれないが、トータルで見たら冒頭の否定姫VSとがめだったのではなかろうか。「10歳、いえ20歳は若く見えるわ〜」とちんちくりんのとがめを馬鹿にする否定姫の中の人は現在二十歳。馬鹿にされるとがめの中の人は、若作りの限界に挑むことには定評がある現役アイドル34歳。名勝負数え歌。

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