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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 必殺技で例えるなら、「スカーレットニードル」みたいな作品でしたね……。絶対分からない人の方が多いだろうから解説しますと、スカーレットニードルはさそり座の聖闘士の技。針のような鋭い一撃を人体急所に見舞うために激痛を与えるんだけど、死には至らない程度の痛み。さそり座の聖闘士は慈悲深く、この苦痛に耐えられずに改心する悪人は容赦するんですね。ただ、何発も撃ち込み続けて、それでもまだ屈しない相手には、最後の15発目、アンタレスを心臓に撃ち込んでトドメを刺す。そういう技。今回の劇場版は、まさにこのスカーレットニードルのような展開でした。ただ、最大の問題は、ラスト20分くらいでアンタレスを連打してくるんですよ。いや、死んでるから、もう死んでるから。

 

 

<以下、一応ネタバレを伴うので未視聴注意>

 




 

 例によって書くべきことが多すぎるのでダイジェストにせざるを得ないとは思うんですが、正直いうと、アンタレスを食らう前までは割と耐えられてたんだよね。今回は、ユーフォシリーズとしては初めて「原作をちゃんと読んだ状態で観る」作品だったので、これまでのような大きな衝撃があるわけでもないし、原作を読んだ時の印象と比較しながらなのでかなり冷静に観られたと思う。そうすると、やはりわずか100分に押し込められたのは勿体無いな、という気持ちはあるわけですよ。いや、正確にはこれと「リズ」で原作1作分だから200分なんだけど、まぁ、それでもやっぱり忙しいですわな。さっちゃんみっちゃん問題なんかはかなりライトな扱いだし、求(モトム)に至ってはほぼカットという状態。まぁ、やつに関してはさふぁいあ先輩に尻尾振ってる様子が見られればそれで良いって話ではあるんだが、とにかくいろんなところで「まぁ、これくらいの尺にしないと入らないもんなぁ」という勿体無い感はある。テレビシリーズでできなかったもんかとも思うのだが、そうするとリズがリズでなくなっちゃったわけだし、どっちにしても痛し痒し。「これがベストとは言えないけどベターなのかな」という判断である。

 おかげで、今回はあんまり泣きませんでしたね。せいぜい3〜4回くらいですかね。冒頭、吹部が新歓で演奏してるシーンを見て「うわぁ、北宇治の階段だ……」っていうだけで泣きそうになった人間からしたら、ほぼノーカンみたいなもんですよ。もちろんしっかり見せる部分は作り込んでるのでグッとくるけど、間をつなぐパートは作業感が強いな、という印象でしたかね。

 ……最後の演奏まではな。あかんわ。ごめんやっぱ駄目。泣く。結局さ、今作は「リズ」と足してその2作分の集大成っていう時点でずるいんだよね。いや、希美もみぞれも一言もしゃべってないけどさ、でもやっぱりオーボエが聞こえてきたらさ、もう無理だよ。それに応えるクラリネットがさ、本当にさ、どうしたらいいのさ? 僕らはね、そういうものを見せられてるんだよ。ほんと、満員御礼の劇場で演奏シーンに入ったらそこかしこからすすり泣きが聞こえてきて、「あぁ、ここにいるのはみんな山田尚子に殺された人間なのだな」って本当にどうしようもない気持ちになった。山田尚子に殺された人たちの巡礼の列が、粛々と石原監督によって埋葬されていく、そういう空間だったんですよ。そしてその後のシーンの全て切なすぎてな……。やっぱりがっつり「部活もの」として仕上がってるなぁ。安心して見られる石原さんのディレクションが効いてるのがわかって本当によかった。

 結局、原作読んだ状態で見られたのは良かったんじゃないかと思いますな。これ、原作知らずに「この後どうなる?!」が気になってたら全然情報が入ってこなかった。くるとわかってるからこそ耐えられる情報もいっぱいあった。その上で、来ると思ってなかった情報に殺されたりもした。ふっと脳裏をよぎる田中あすかがいちいち致死ダメージ放ってくるのはどうにかしてほしい。というわけで、ここからは断片的にキャラに分けて印象に残った部分をピックアップ。ほんまに書ききれない。

 黄前相談所。今回の主人公は当然久美子なわけだが、彼女の成長が一番よくわかりますね。陰ではいちいちおっきなため息ついて「めんどくさ〜い」って言ってるはずなのに、いつのまにやら後輩からの信頼を一身に集め、最終的には部長にまで上り詰める我らがメインヒロイン。秀一との関係も程よいアクセントになっていますが(ひどい扱いだな)、個人的にお気に入りなのは、ラストのバスの中、奏に「悔しかった?」ってわざわざ聞くシーン。もう、奏の全部をわかった上で、彼女の今後を考えたらあそこであれを言わせるのがベストなのだ。それが分かっていて、久美子はあえてやっている。あの田中あすかから「性格が悪い」と太鼓判を押された最高の女である。

 加部ちゃん先輩。加部ちゃん先輩を含む3年生チームの描写はかなりあっさりだったんだけど、そん中でも加部ちゃん先輩については割と伝わってくる部分が多かった気がしますね。ちなみにCVを聞いて「あれ?いいのか?」ってなったけど、もしかしてテレビ版の時にそういう声の当て方してたのか。

 葉月。今回も裏方に回らなきゃいけないので辛いポジションの葉月ではあるが、そんな彼女の存在があるからこそ、オーディションに勝ち抜いた人間たちの戦いがより鮮明になるんだよな。今回はさっちゃんみっちゃん問題の中心で活躍したほか、加部ちゃん引退の報を受け、「持たざる者」の代表として涙を流すシーンがなんとも切ない。

 田中あすか。原作の時から「たいがいにせぇよお前ら」と思っていた対中瀬古関係。例のあれ、アニメではあまり強調されなかったけど、ちゃんとあった。描写されてた。しっかり原作からあの要素を残しておくのは当たり前の判断だが、やっぱり「たいがいにせぇよ」と思う。久美子の表情、あれは気づいてたんでしょうかね、どうなんですかね。

 残る人物は大切なことなのでベスト3形式で、第3位、久石奏。まぁ、今回のお話はヒーロー側が久美子でメインヒロインが奏なんですよね。1年生組の中でも一番入念に描写が追加されていって、あのシーンへとたどり着くのが今回の映画の最大目標の1つだったのは間違いないだろう。最初の方の本当に不遜な態度なんかを見てると、この子に雨宮天をキャスティングしたスタッフは天才かと思ってしまう。不敵に笑う奏の口元、絶妙なイラっとする感じがたまらないし、案外長身の久美子との身長の対比なんかでいちいち「小悪魔」感が出ている並びが憎らしい。そして、クライマックスとなるあのシーン、原作では指定されていなかった追加の致命傷要素として、奏VS夏紀パイセンの口論の場所が、「例のあそこ」なのである。なんやお前ら、1年生と3年生がぶつかる時は必ずそこに行かなきゃならん決まりでもあるんか? そこにいくとお互いに本音が炸裂する魔力でもかかってるんか? 久美子さん、絶対にあの日の自分を思い出しながら2人のやりとり見てましたよね? こういう設定で視聴者をぶん殴ってくるアニメスタッフまじで汚い。人の心がない。

 第2位、吉川優子(&中川夏紀)。正直いうとね、今作で一番不満なのは大天使・吉川優子の出番が原作比で大幅カットなところなんですよ。まぁ、3年生組は「リズ」でも出てたからその分今回出番を減らされるのは致しかたないんだけど、必死で先輩の背中を追いかけようとして届かず、それでも必死にもがき戦う吉川優子の姿が今回の映画ではほとんど盛り込まれなかった。そうなると、当然そんな優子を気遣ってあれこれとイケメンムーブしてる夏紀パイセンの描写も減ってしまい、あの2人の活躍が見たかった身としてはちょっと不満なんですよ。冒頭の金賞を目標に掲げるシーンとか最高に格好いいし、中瀬古登場にすぐに昔のテンションに戻れるかわいこ吉川などを見ていて「ちくしょう、せいぜい100点満点の300点くらいだ」と悔しがっていたんですが、最後の最後でそんな不満がぶっ飛んだ。全国出場校が発表され、みんなが打ちひしがれるシーン、そこにほんの一瞬のワンカットが挟まれたんですね。誰にも見えない舞台の陰で、泣き崩れる優子と、そこに寄り添う夏紀の姿が。もうね、そのワンカットだけで3万点です。そうだよな、当たり前だよな。部長が一番悔しいに決まってるもんな。原作だと、あそこで優子が何をしてたかは描かれてなくて、結果発表後に全員の前で活を入れるシーンまで飛ぶんだよ。「部長は強いな」っていうのがそれだけでも伝わってくるんだけど、やっぱり、その前に一番大泣きしてるのは間違いなく優子のはずなんだよ。悔しくて悔しくて、本当に辛くて苦しいのに、それを一切部員の前では出さずに、きちんと切り替えた状態で部長の仕事を全うした吉川優子。本当に格好いい。そして、そんな優子が泣き崩れたことをただ1人知る中川夏紀。彼女の頑張りも、改めて賞賛したい。

 第1位、圧巻の高坂麗奈。まぁ、基本的にぼくはれいくみ推しなので当然といえば当然なんですが、もう、問答無用すぎてむしろ笑ってしまった。「距離近くないですか?」って聞かれてたのはいいとして、秀一にハンドソープ投げてるとことか、お祭りに誘われてるかどうか確認するとことか、今回の麗奈はいちいち可愛い。そして当然のようにクライマックスを生み出してしまう大吉山。もう、伝統芸能やん。約束されし勝利のムーブやん。久美子と秀一が乳繰り合ってちょっとだけ微妙な空気になり、久美子が本気で秀一のことを考えようとしたその刹那、当然のように奏でられるトランペット。もう、誰がどう聞いても流れを変えるその一音。「お遊びはここまでだ!」とばかりに繰り出される本気の一撃。麗奈さん、もうちょっと容赦を。そして「何か吹いてよ」の一言からさも当然のように展開する「リズ」。ダメだ、やはり高坂麗奈に敵はない。大吉山にこそ、理想郷は存在する。

 私からは以上です。(番外1位:ふしぎなおどりを踊るみぞ先輩)

 

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