たほいや譜（19／10／12）

　文字通り、台風なんてどこ吹く風か。不要不急の外出はお控えくださいと言われたが、どうやらこれは必要必急の要件であったようだ。さぁ、メンタルヘルスの治療を始めよう。

 

 

Round１・「ながらう」（同音語・「≒ながらえる」以外の意味を問うもの）

１、（仏）「蛇法」の和読。

２、キセルの一種。特に羅宇の一尺を超える物をいう。

３、天皇の世が永遠に続く。

４、煙管の羅宇の長いもの。

５、飢えた獣がわずかな餌を分け合うこと。

６、二以上の動作を同時に行う。

　いきなり変則出題。「ながらう」は動詞として「長らえる（永らえる）」があり、それ以外の同音語を問うものです。　①「Naga law」。ちなみにMagicではナーガと蛇は別なクリーチャータイプとして扱われています。　②④ぼんやり知ってた「羅宇」という言葉を使ったらダイレクトにかぶった事例。そもそも「羅宇」が「ラオス産の竹を使った事から」の時点でダミーくさい。　⑤「な・餓狼」の表記あり。「どれだけ飢えても、餓狼のように醜く争うなよ」みたいなことなんだろうか。　⑥ながらうスマホは危険ですからやめましょう。

 

 

Round２・「なむおみどうふ」

１、民間経文の一。寺社本殿への拝覧を願い奉る。

２、（禅僧が多くの豆腐を食うことから、その念仏の声のナムオミドウと聞こえるのにかけた洒落言葉）豆腐の異称。

３、高僧の妾をいう語。白い柔肌の女が好まれたことから。

４、江戸時代、京の六角堂前で売られていた豆腐。

５、紅葉を乗せた豆腐。見るだけで舌が出るほど美味とされる。

６、琉球料理の一。木綿豆腐にミミガーを和えたもの。

　「これで答えが豆腐以外にあるんか？」と困惑に満ちる出題。当然ほぼ全てが豆腐で埋め尽くされる。　①これだけ例外「南無・御深堂府」とある。　②豆腐の異称に「とうふ」ってついてる時点でおかしいやろ。一応、「なむあみだぶつ」との音の響きの近似によるものとか。　③まぁ、そらそうよ。　⑤実際の様子がこちらになります。「喉から手が出るほど」ってのは聞いたことあるが。　⑥実に安易な沖縄観である。

 

 

Round３・「はいしじりゅう」

１、フェンシング・エペの流派。

２、→上意主義。

３、師の説を廃して自説を立てること。

４、些末な石と、砂土と。取るに足らぬものの喩え。

５、水に入れると灰は沈むが砂鉄は底に溜まるという虚無的な教え。

６、剣術の一流派。利き手に小刀を、他方の手に太刀を持ち戦う。

　②「はい、はい」と指示に従う流儀だから。　③「廃師・自流」だと思われてたんですが、今調べたら「背師自立」と書かれていました。　④「端石・地粒」。　⑤「何言ってるかさっぱりわからんぞ？？」と議論を呼んだが、最後に虚無的って言われてるんだからどうしようもないよな。ちなみに砂鉄は「磁粒」でよかったらしい。　

　出題としてはそこまでおかしなものではないのだが、この出題の際にちょっとした事件が起こったのがこの日１番の爆笑ポイントだった。出題者が「はいしじりゅうって知ってます？」とお題を確認した際、眠かったし滑舌も悪かったので「え？　何？」とみんなが聞き直し、２度目ははっきり、ゆっくりと「はい・し・じ・りゅうです」と発声したところ、突然出題者のスマホが反応し、「何かご用ですか？」と尋ねてきたのである。どうやら「ハイ！　Siri！」と認識したらしい。何その奇跡。その後もう一回スマホに向かって「はいしじりゅう」って言ったらやっぱりSiriが返事をした。もう、今後この単語の意味は「Siriを呼び出すための挨拶」が正解である。

 

 

Round４・「ひゃくふくちゃ」

１、（百服しても尿意が来ない事から）栴檀茶。抗利尿薬として用いられる。

２、（茶の字をくずすと八十八一八となり、数の多いを表す）多くの福。身に余る福。

３、マヨヒガの類型。

４、各々の祖父母がはとこ同士であるような親類。

５、（安藤百福が開発したことから）チキンラーメンのスープ。美味。

６、闘茶で、本茶・非茶を分けて茶を点じ、百服試みること。

　①多分薬とか以前にヤベェもん入ってるって。　②「仮に茶で数が多いことを表すとしても、それなら百福でよくない？」　④必死で家系図を作ろうとして空中に線を描く手の動きから、「秘伝・ひゃくふくちゃ拳」の型が誕生した。　⑤確かに「ひゃくふく」と言われたら安藤百福が出てくるの自然な流れである。流れではあるが、あれを茶というのは流石にいかがなものか。大して美味でもないわ。「広辞苑のスポンサーが日清だから忖度した表記になったんでしょうねぇ」（そのような事実は一切ありません）。　⑥「非茶」ってなんやねん、っていうのが最大の争点。かつて「りきゅうこうじゅう」で批判されていたような「茶に非ず」なんだろうか。なお正解はこちら。これだから京都人は。

 

 

Round５・「かくしだぬき」

１、複数人で借りをする際に獲物をくすねること。またその獲物。

２、童話。タヌキから大きな空箱と小さな空箱を選ばされる。下方はアリの空箱。もう一つははずれの空箱である。

３、狸に化かされないためには眉を隠せばよいという民間伝承。

４、児戯の一。各々が綴じ言葉を用意し、他者がその言葉を口にするように仕向ける。

５、狂言の一。太郎冠者が主に隠れて釣った狸を売りにゆくが、主に見つかる。

６、陰部を隠した狸。都狸。︎↔︎顕狸。

　やっぱり狸好きな人が来たら出題しないと。　①「狸親父」などの言葉の印象から小狡いイメージもある狸ですが、確かに取った食料をどこかに隠しておくことはあるのだが、「自分でも隠した場所を忘れてそのままになる」なんてこともあるようだ。可愛い。　②これは力作。多分、今回これを書くために眠い頭を使い切ったのだろう。一見すると意味はわからないが、文章のほぼ全ての「タ」が抜かれているためにこんな表記になっている。実際は「タヌキから大きな宝箱と小さな宝箱を選ばされる。片方はアタリの宝箱。もう一つははずれの宝箱である」。広辞苑で遊ぶな（戒め）。　④たまに声優のラジオで見るやつ。あのゲームの正式名称とかってあるんですかね。「ＮＧワードゲーム」が一般的なんかな。　⑤狸は「釣る」ものらしい。　⑥我々のよく知る信楽焼は全て顕狸（あらわだぬき）ですね。もっと節度を持った狸はいないかと探したところ、ちゃんといました。なお、今回の記事作成に当たってタヌキ関係をいろいろ検索してましたが、やっぱりタヌキ可愛いよね。

 

 

Round６・「なっく」（同音語、「すらすらと、素早く」以外の意味を問うもの）

１、集合知。

２、詩堂に句を納めること。またその句。

３、なじむ、こなれる。

４、重火力発電法。

５、小型の携行用背負い袋。

６、ナトリウムとカリウムからなる合金。

　最終問題にして、この試合唯一の全外し。最終的なポイントで言えば「虐殺」と形容する以外にない結果となり、わざわざ台風を押してやってきた某ニキをこれ以上ない形で設定する有能な我々の忖度スキルが存分に発揮された形。そもそも、「なっく」という項目が２つあり、そのうち１つが上述のような副詞であるという事実の時点で知らん。　①Non-Autherized Knowledge → Wikipediaとのこと。最近じゃすっかり集合恥ではあるけど。　④「重火力」の時点で議論が紛糾する。「重工業とかはわかるけど重火力って何？」「軽火力とかあるんか？」「重工業ならHeavy Industryだけど、重火力発電は？」「そもそも火力発電って英語でなんだ？」「えーと……ファイヤー発電……」　TOEICマスターや海外勤務経験持ちや教職員が集まっていてもこの程度である。ちなみにこの答えを作った人間に意味を聞くと「まず、ＦＦ５を知っている前提が必要なんですが……」といきなりの無茶振りである。ＦＦ５の地名カルナック（城）は、いわゆる「ＲＰＧの中でタイムリミットが設けられた時限式ステージ」としてちょっとは知られた存在だが、そこは火力（火のクリスタル）によって大きなエネルギーを得ている国。そのカルナックから「かる」がなくなったので、「じゃぁ、重火力だな、って」。なお、私はカルナックイベントは怖かったので一切宝箱などを開けずに全力で逃げたタイプの子どもである。　⑤「ナップサック」。「よりによって『プサッ』を抜くのは難度が高すぎないか？」　⑥読み上げの時点で騒然となった物質。誰が何の目的で混ぜたのか、どうやったら混ざるのか。我々が誇る知の精鋭たちがイオン化傾向・電子配列などを様々に検討した結果得られた答えは「合金として可能は可能だけど、作る意味ある？」。この日見た合金の意味を、僕たちはまだ知らない。