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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 「テキストは長いに越したことはない」というコメントもいただいたので、そこはかとなく頑張ります。
 
 
○新規キーワード
・「履修/Learn
 英語だと「Learn」の一語だけ、日本語だと「履修を行う」の形で表示され、その効果は「あなたはゲーム外部からあなたがオーナーである講義・カードを1枚公開し手札に加えても良い。そうしないなら、あなたは手札を1枚捨て、カードを1枚引いても良い」というもの。いわゆる赤ルーターが確定でついてくるので、それだけでも割と便利な能力だが、やはり注目は「講義チューター」部分だろう。「講義」は今回新たに与えられたサブタイプで、今回着目されているソーサリーやインスタントについている。デッキに大量の履修効果を持つカードを入れておけば直接手札に加えられるので実質的なアドバンテージとなるし、選択肢が多ければ純粋に汎用性を高めることができる。実際のゲーム時は「ゲーム外のカード」=「サイドボード」なので、あとはどのくらいサイドボードの枠を割くかというのが問題となってくるだろう。まぁ、これだけの汎用性を与えられたってことは、そこまで爆裂効果の講義カードは登場しないと思うんだけどね。「デッキに必ず入っちゃう!」みたいなカードを作ると、Wizards社が否定したい「繰り返しの単一ゲームプレイ」に抵触してしまうのでね。……でもなぁ、最近の製作チームは信用できねぇからなぁ。ルールス作ってるチームだしなぁ……。
 
・「魔技/Magecragt
 「あなたがインスタントかソーサリーを唱えるたび」という、いわゆる「イゼットトリガー」(私が勝手に呼んでるだけだが)に、さらに「その手の呪文をコピーした時も」という余計なまでの気遣いを加えた誘発条件をまとめた能力語。インスタントやソーサリーというのは、標準的なデッキ構築ではそこまで枚数が割かれるジャンルではないため、この手の効果はそこまで制限されず、割と強い能力が与えられることが多かった。イゼットの申し子である「若き紅蓮術士」あたりはその代表と言えるだろう。今回はイゼットの殻を破って全ての色にこの能力が与えられている。そう考えると若干のカラーパイの「折れ」にも見えるが、インスタントやソーサリーが無い色ってのは存在しないのだから、例えば「テーロスだったらどの色もエンチャント多め」とかと同じような環境特性として考えられるんじゃなかろうか。(現時点では、おそらく通常セットよりもインスタント・ソーサリーの比率がどの色でも上がるんじゃないかと想定されるわけだ)
 
・「護法/Ward
 新たな常盤木能力として登録されたという「護法」。こちらはパーマネント「護法X」の形で与えられ、「このパーマネントが対戦相手のコントロールしている呪文や能力の対象になるたび、そのプレイヤーがXを支払わない限り打ち消す」というもの。過去にもたくさんあった能力をまとめたもので、製作チームの意図はこちらの記事に詳しい。ざっくりいうと「呪禁が強すぎてつまらんからバランス調整した能力を出すわ」というもの。Xにはマナコスト以外のものが入る可能性があり、例えば「現実を砕くもの」だったら「護法(手札1枚)」みたいな表記になるんじゃなかろうか。呪禁との明確な違いとして、唱えようと思えばいくらでも対象にとった呪文を唱えられるということがある。つまり、「打ち消されない」呪文だったら護法能力を無視できるし、強引にスペルカウントを稼ぐことは可能だ。まぁ、あんまり差はないけども。呪禁よりも緩い制限ってことは、今後はこれを持ったゴツいクリーチャーもガンガン作られることになるのだろう。恐ろしい話である。
 
・「マナ総量/Mana Value
 別に新規キーワードではないが、新しい用語なので一応触れておこう。これまで「点数で見たマナコスト/Converted Mana CostCMC)」と呼ばれていた用語を簡略化したもの。英語だとそこまで簡略化されたイメージでもないんだけど、日本語だと割とさっぱりするかな。これまで用語として統一されてなかったのが遅いくらいの話でね。
 
 
 
以下、個別カード
 
 



環境化学/Enviromental Sciences
 「講義」はわざわざサブタイプとして付与されたということはおそらくメリットの方が多い性質であるはず。今のところ、キーワード能力「履修」で手札に加えられることが分かっているので、かなり恣意的に運用を調整することができる。自分で時間割を組めってことなんだろうか。ただ、「履修」だとメインデッキからサーチできないので、本当に使いたいならメインで積みたいけど、履修でサーチしたいならデッキイン出来ないという珍妙な葛藤が生まれることになる。「軍団の天使」の2枚目が引けちゃったとき問題である。まぁ、多分最終的には「引けた履修呪文の枚数次第」だとは思うけども。さておき、2マナで土地1枚探せるってことは現環境の「世界樹への道」と同じ効率。それ以上の効果は大して無いが、カード損はないので潤滑油としては重宝しそう。多色を目指す俺のようなプレイヤーの精神安定剤。当然メインで入れる。
 
 
拡張解剖学/Expanded Anatomy
3マナで+2カウンターという普通のコモン。本職の緑でも「瀬戸際の勇気」がそこそこ近い性能だったのだから、無色でこれが出来るなら悪くない性能。ただ、この呪文が必ず必要なデッキがあるかと言われると微妙なので、シナジー構造がないなら優先度は下がりそう。まぁ、今回も緑メインのどっかに+1/+1カウンターがらみのアーキタイプはあるんじゃない?(適当)
 
 
殲滅学入門/Introducition to Annihilation
 そんな怖い入門講義いらないです。フレーバーを見る限り、授業失敗したが故の殲滅っぽくもあるのだが……。5マナとはいえ、無色であらゆるパーマネントを追放ってのはやりすぎ。「万能溶剤」がトータル8マナ、色付きの「現状保存」でも5マナだったのだ、そりゃ何かデメリットがないと許されない。というわけで相手がドロー。これにてアドバンテージロスではあるが、やはりあらゆる色で、あらゆるパーマネントに対策が打てるってのは魅力的な提案。履修を経由すればアドロスもトータルでチャラになるので、サイドボードで出番を待ち構えられれば、ベターである。素のコストの時点でそこそこ重いので、護法能力が蔓延するような環境なら向かい風。
 
 
予言学入門/Introduction to Prophecy
 フレーバーテキストがなかなか洒落てるが、果たしてそれは授業と言えるのか……。ほんとにちょっと、ちょっとだけのドロー呪文。効果はまんま「定業」なので、本職の青なら1マナの効果である(そして禁止される)。3マナの効果としては流石に物足りないので、本当に履修デッキの「特に欲しい講義がない」時枠だろう。サイドボードに積んでおけば絶対損しないマン。
 
 
熱心な一年生/Eager First-Year
 魔技能力を手軽に味わうためのコモン。ぶっちゃけこれって(一応、コピーで反応するので完全ではないが)「果敢の超下位互換」なのよね。白の果敢クリーチャーということで比較対象は1/3の「ジェスカイの学徒」あたりだろうか。タフネスが上がらず、どれだけ魔技を重ねたところで相打ちは相打ち。そういう意味ではどうあがいてもリミテッドの2マナ穴埋め枠を出ないクリーチャー。1年目から熱心で頑張ろうとする大学生なんてそんなもんよ(偏見)。
 
 
導きの声/Guiding Voice
 お手軽履修呪文の白バージョン。ソーサリーではあるが、1マナでカウンターを置きつつのアド保証は潤滑油としてそれなりの効能。クリーチャーが1体必要になるので1ターン目からいきなり履修、みたいな使い方はできないが、軽いのでサーチ後に持ってきた講義をそのまま使うのも簡単なはず。ただしフレーバーテキストは嘘である。名誉教授が2人揃っても口もきかないパターンもある。
 
 
象徴学の教授/Professor of Symbology 
 履修を促すだけの先生。それって先生じゃなくて学生課の事務じゃねぇかって思うんだけど、まぁ、履修指導も先生がやってくれる学校なのかもしれん。サイドボードに講義カードが1枚でもあれば2マナ2/1でアド1枚というかなりのスペック。それだけでもリミテッドレベルなら一線級と言って問題ないだろう。講義カードの質がどうあろうと、アドはアドなのだ。別の講義カードでサイドボードから講義がなくなっちゃった場合にはルーター効果しか残らないが、それでも現環境の「イマースタームの略奪者」と同じスペックだとすれば別に悪くない。般教レベルの先生でも割と頼りになる。まぁ、全然白っぽくないってのは気になるんだけどさ。
 
 
 
光輝の学部長、シャイル/Shaile, Dean of Radiance
 & 暗影の学部長、エムブローズ/Embrose, Dean of Shadow
 今回の両面カードは、5つある大学の「二面性」を表すのに用いられるという。確かに、今回は対抗色の大学しかないので、相反する2つの性質を備えていることは納得できる。そして、対抗色のカードってのは作るのが難しいということは公式に言われていることで、「2色がまとまった能力」を探すのは大変だけど、両面カードにしちゃえば「相反する性質を1枚のカードにまとめる」というのは簡単になるわけだ。小狡い解決法な気はするが、これでエキサイティングなカードが作れるならOKである。こちらは白と黒、文字通りに光と影の学部長。光の方はセット名通りにフクロウの学部長となっており、身体のサイズはなんともミニマム。こんな学部長でええんかい、と思うが、能力を見ればなるほど納得だ。その手腕は後進の育成にこそ発揮され、教育者としてどれだけ優秀かがよくわかる。起動にマナがかからず、置いとくだけでプレッシャーになるのは大きな強みだ。そして面白いのは、このまっすぐな光の学部長が、裏面の影の学部長と奇妙な連携を構築しているという部分。どちらも+1/+1カウンターを置いて学生を育てることは共通している。光の方は純粋な優しさだが、影の方は若干の厳しさを伴い、もし育成に失敗したら学生を今後の糧にさせてもらうのである。闇の方が劇薬なので見返りはでかいな。展開するタイミング次第で美味しい選択肢が選びやすい、かなり骨太で面白い人材じゃなかろうか。
 
 
休憩時間/Study Break
 どうやら履修呪文は履修部分だけでそれなりに強いので、追加効果はそこまで大きくないようだ。こちらは「踏み外し」に履修をつけた純正上位種。最近だと「アーデンベイルの戦術家」の出来事(眩惑する急襲)と同じといえば思い出しやすいか。攻撃を無理やり通したり、相手の攻撃を1ターンしのいだついでに反撃のモーションにつなげたり、前のめりの白なら単体でもそこそこのニーズの呪文。速攻デッキなら、中盤に土地をルーティングできるってだけでも意外にいいサポートかも。
 
 
大魔導師の名誉教授/Archmage Emeritus
 名誉教授なのになんで半裸なのさ……。この世界の大学、自由すぎる可能性があるな? まぁ、フレーバーからするとフィールドワーク大好きな人みたいなので、多少ワイルドなのはしょうがないが……登校するときくらいは服着ろ。全てのインスタント・ソーサリーがキャントリップになるという特大ボーナスの大先生。緑がこれのクリーチャー版である「獣に囁く者」をすでに生み出しており、リミテッドでは1引きやむなしだったことが自明。まぁ、リミテッドのデッキだとデッキインされるクリーチャーの数とインスタントの数は違いすぎるので簡単には比較できないけども。それでもリミテならやっぱり強いとは思うが、構築で使うとしたらそれっぽい専門デッキを組むことになるだろう。マナを出す呪文なんかを駆使するイゼット系デッキがほとばしるかどうか。
 
 
抜き打ち試験/Pop Quiz 
 イラストだけ見たらどう見てもカウンター呪文っぽいのだけど、その実はドロー呪文。なんで抜き打ちテストで手札が増えるのかはよく分からんな。サイドボードに講義があればトータルでアド1枚。「予言」の機能変更版だが、デッキが限定されるおかげでインスタントになっているのがちょっとパワーアップした部分。これがコモンで拾えるのだから、是非とも講義カードは1枚くらいサイドに仕込んでおきたい。講義がない日には、「1枚引いた後、手札を捨てるとさらに1枚引ける」効果。ややこしいが、占術1の上位種みたいな効果か。アドが無いので3マナの呪文としては寂しいが、掘削力は最低限か。一応、手札を減らさずにインスタントカウントが増やせる部分が魔技関係に貢献できるので、青いプレイヤーならたしなみ程度に。
 
 
完全の学部長、ユヴィルダ/Uvilda, Dean of Perfection
 & 表現の学部長、ナサーリ/Nassari, Dean of Expression
 プリズマリの学部長はなんとジンとイフリートのコンビ。完全にロードス島戦記の2巻(炎の魔神)じゃん……。この巻はねぇ、ディードリットが精霊の修行をしてるシーンで半裸のイラスト(しかもカラー)が織り込まれてて、幼かった僕はちょっと興奮しながら読んでたのですよ。幼少期の貴重な性衝動の思い出。なんの話だ。そんな精霊を代表するお二人、まずは青のユヴィルダさんだが、なんとインスタント・ソーサリー限定で現代に待機能力を復活させた。一応コストはかかるが、4マナ軽くなるってんだからかなりお買い得には違いない。フレーバーとしては待機じゃなくて「洗練」とのことで、じっくり練習すればいつかはでかい魔法が使えるようになりますよ、って話なのだろう。ぶっちゃけ積極的な使い道はあんまり思いつかないけど面白い能力。「アールンドの天啓」あたりを待機させておくのがいいのかしら。他方、赤のイフリート、ナサーリさんはかなり自由でダイナミックな能力。毎ターン相手のライブラリから「衝動的ドロー」できちゃうという大雑把すぎるアド能力は割とやりすぎだし、パクった呪文を唱えれば自身のサイズまでアップしちゃうおまけ付き。一応予顕呪文とのシナジーも構築可能だ。ゆっくりと遠大な夢を持つジンと、ダイナミックで激しい力を持つイフリートのコンビ。どちらも使ってみたい魅力のある良いチームだ。とりあえず引いといていいんじゃなかろうか。
 
 
滝の曲芸師/Waterfall Aerialist
 「護法」のお目見えとなった基本フライヤー。4マナ3/1フライヤーはコモンの定番、そしてそこにちょっとした除去耐性。護法能力は呪文だけでなく能力に対してもちゃんと機能するので、1点ピンガーみたいなものに対しても耐久力があるのは良いところなのだが、赤を中心に「全体1点」みたいな呪文は常に存在しているので、結局巻き込まれることがあるってのは変わらぬ悩み。どっちかっていうと多色環境であることを想定すると、フライヤーが劇的に効くっていう対戦相手が想定しにくいんじゃないかなぁ。
 
 
過去対面法/Confront the Past 
 めちゃめちゃ大事なシーンを描いている、あまりにも身を切った講義内容である。オニキス教授! 過去に何があったっていうんですか! これ、カードの効果が「PWのリアニ」であることを考えると、どうしてもギデオンが復活しちゃうことを夢見てしまうが……多分そういうことじゃねぇな。かなり限定的な効果なのでメインからはあまり出番がないだろう。どっちの効果だとしても代用品はあるだろうしなぁ。講義なのでどさくさに紛れて手札に入れられればもしかしたら役にたつかも、くらいの感じ。
 
 
血流の学部長、ヴァレティン/Valentin, Dean of the Vein
 & 樹根の学部長、リセッテ/Lisette, Dean of the Root
 ウェザーブルームの学部長は生命の流転を司る。黒の学部長は吸血鬼とのことで、相手の命を別な生命へと転じる。自身が1マナ1/1に2つのキーワード能力という面白いデザインで、単体でもライフゲイン系のデッキなら面白い先兵になりそう。誘発型能力はコストが重いのでこっちの方がおまけみたいな扱いかもしれない。裏面の緑のおねーちゃんはその手際があまりに雑。たった1マナの支払いで全軍にカウンターをばら撒き、おまけにトランプルでゲームエンドまで演出してくれるってんだから尋常じゃない。普通に考えたらこの緑のねーちゃん一択のカードだろう。とはいえ、こちらの御仁は「単体では特に何もしない」という難点もあり、他にライフゲインのカードを用意してこその無茶デザイン。構築レベルならもちろん2人の学部長が手を組んでハイパーなサイズ&ライフ生活を送るという狙いなのだろうが、リミテッドではそうもいかず、1引きできたならゴルガリ系からきっちりライフゲインのカードを狙っていきたい。構築レベルでも通用しかねないスペックではあるが、緑はライフゲインデッキのメインストリームに乗ってないんだよな。今後、黒緑とか緑白の新しいデッキが出てこないもんかな。
 
 
熱心な研究/Enthusiastic Study
 「凶暴な力」に履修を加えたら1マナ重くなった。こうしてみるとだいたい履修能力は+1マナ弱くらいでまとめられているようだが、条件付きとはいえアド能力がこれだけの差額で求められるのはお得。ただ、こうしたコンバットトリックは額面上のお得だけで割り切れるもんではないので悩ましい。やはり戦闘中に構える必要性を考えると軽ければ軽いに越したことはないためだ。タフネス修正が低くて中盤以降だと生き残りにまでつなげにくいのがネック。まぁ、履修デッキが組めるなら2223枚目くらいで採用できるか。しかし、勉強してるはずなのにすげぇアホっぽいフレーバーになってるのは赤という色の持ち味か……。
 
 
授業初日/First Day of Class
 単なる大学生の日常。「履修を行う」っていう文言がすげぇしっくり来るカード名ではあるのだが、なんで授業初日にクリーチャーのサイズが上がって速攻が得られるのかはよく分からんな。4月のやる気があるシーズンだから、学生たちのモチベーションも高いってことなんだろうか。どうせゴールデンウィークになったら全部が消えちまうんだけどな……そもそも最初の授業なんて大体ガイダンスで終わるし、やる気出してもしょうがないんだけどな……。さておき、2マナ使った上でクリーチャーを唱えるのは大変なのであまり利便性は高くない。複数のクリーチャーに同時にカウンターが置けるのが強みなので、一気にトークンをばらまく呪文と併用するのが吉か。今の環境だと「ドワーフの援軍」とか「マーンの戦慄の隆盛」、「シュタルンハイムの解放」みたいな呪文が候補だろうか、ビビアンとかリリアナみたいなPWと併用するのもあり。最悪でも赤ルーターになったり自由な講義に出られたりするので、「講義デッキ」が作れるなら単なるチューターとして手軽に使えるかも。講義デッキ、やな響きだな……。
 
 
混沌の学部長、プラーグ/Plargg, Dean of Chaos
 & 秩序の学部長、オーガスタ/Augusta, Dean of Order
 こちらはボロスカラー、ロアホールド在籍の2人の学部長である。こうして並べると赤の学長の方がデザインが堅実なのが面白いところで、2マナ2/2でマナがかからないルーターはレアっぽさはないけど普通に便利。リミテッドでも生かしておくわけにはいかない程度には強力だ。下の能力もおまけというには破天荒。序盤から終盤まで全くマナが無駄にならないデザインはウィザードらしい端正な出来だ。他方、白のオーガスタさんは秩序と言いながらもかなりトリッキーでアグレッシブな動きを見せる白の守護者。実はパワーとタフネスのどっちかが上がるというデザインは「ウォジェクの古参兵、アグルス・コス」やら「補強」やら、白がボロス的連携からよく使っている概念で、今回は1人でそれをやるために「攻撃時にタップ状態とアンタップ状態を使い分けられる」という斬新な能力を開発したわけだ。「どっちか片方しか強くならない」と思うと不満だが、「自由に選べる」ってのはかなり斬新。一応、状況に応じてアンタップしてタフネスアップ、みたいなトリックも使えるかも。3マナ1/3と自身はかなり虚弱なので仲間との連携は必須。インスタント・ソーサリーが優遇されるこの世界で、どれだけクリーチャーが並べられるかな?
 
 
火花の学者、ローアン/Rowan, Scholar of Sparks
 & 霜の学者、ウィル/Will, Scholar of Frost
 双子のPWが両面カードとして登場。これもまぁ「二面性の表現」の一部と言えるだろうか。汎用性があるせいか両面とも割とピーキーな出来になっており、これが活躍できるかどうかを判断するのがかなり難しい。
 おもて面はせっかち気味のおねーちゃんローアン。3マナと手軽に出せるが、プラス能力がかなり適当であまり実用性がない。狙うとしたらなんとか奥義を目指して恒常性のあるラルさんみたいな運用を目指すか、忠誠度能力をおまけと割り切って常在型能力を頼みに、インスタント・ソーサリーデッキのキーパーツとして運用するか。「秘儀の打ち合い」や「ジェイスの聖域」よりも軽いため、なんらかのコンボが目当てであれば採用可能性はあるか。
 他方、弟は5マナで忠誠度4という割とノーマルなPWのデザイン。プラス能力が(部分的)除去で、アドをとるマイナス、そしてよく分からない奥義というセット。おねーちゃんよりもぐっと対応力が高いので、おそらく常在型能力しか求めていない場合をのぞき、普通は弟がメインで採用されることになりそうだ。ぶっちゃけ、あんまり両面カードっぽい面白みはない気もするのだが……「必要に応じてどっちかを使う」っていう使い方じゃなくて、片面を目的にデッキインする青赤以外の構築の方が多くなりそうな気がするな。
 
 
嵐窯の芸術家/Storm-Kiln Artist 
 この次元にもドワーフがいて宝物を作ってくれるのでマグダさんのパートナーが増えたと言えないこともない。まぁ、ドワーフデッキが出てくるかどうかは知らんが。魔技でマナを増やし、宝物が増えれば自身のパワーも増える。強そうな気もするが、タフネスは上がらないのであんまり殴り役ではないか。今をときめく「黄金架のドラゴン」との相性は抜群だが、あいつスタンドアローンで完結してるからなぁ……。
 
 
龍護りの精鋭/Dragonsguard Elite
 コモンの魔技持ちはせいぜい+1/+0だってのに、こちらはホイホイカウンターが乗る。在りし日のミラクルグロウみたいな爆裂成長術を狙うこともできるし、試合後半になればそれが一気にミラクルすら凌駕する成長を見せるという、インスタントとソーサリーに色目を使ってるくせに緑の精神を忘れないクリーチャーである。トランプルすら持っていないので本当に脳筋な仕事しか出来ず、環境を揺るがすレアにはならないんじゃないかという気はするのだが、2マナから続けて並べられるので雑多に筋力を見せるデッキは案外成立しそう。追加の筋肉とソーサリー・インスタントを兼ねられる出来事クリーチャーが環境を席巻しているのも追い風で、「恋煩いの獣」あたりとは自然にシナジー形成が可能なのも面白そう。
 
 
現地調査/Field Trip
 緑の基本となる土地サーチ呪文。3マナソーサリーでタップインってことで最近のスタンダードな仕上がりなのだが、そこにダイレクトなアド能力である履修を積み込もうとした結果、サーチできるのが基本の森だけになってしまった。「森カード」だったら色々と抜け道はあったのだが「基本の森」と書かれちゃ逃げ道はない。現環境なら氷雪森は選べるっていうのが救いか。残念ながら多色サポートが出来ないので用途は限定されるが、緑単色か2色程度なら3マナからのマナ加速+アドは「耕作」に並ぶ案外良い選択肢。サポートに回る講義次第では実は構築で出てきてもおかしくなかったりする。最近じゃマナ加速は色々と制限される時代ですからねぇ。主にシミックカラーのあれこれのせいなんですけどねぇ。
 
 
物質の学部長、キアン/Kianne, Dean of Substance
 & 理論の学部長、イムブラハム/Imbraham, Dean of Theory
 緑青、クアンドリクスの学部長はクセがすごい。そもそも「数学こそ魔法」とか言ってる連中をカードで表すってどういうことだよ、ってのがハードルなんだよな。緑の学部長はエルフのおばちゃん。土地を引っ張りだすだけならいかにも緑らしくエルフらしい能力なのだが、それだけだと「緑探しのドライアド」とだいたい同じなのでアンコモンレベル。そこで、このおばちゃんは「ハズレだった時には、そのカードを未来の生物の糧にしましょう」ってんで異次元に追放してしまう。そして育成方法は「異なるマナ総量」という、「アゾールの門口」あたりが好きそうな基準でサイズを確定するという。土地がカウントされないので、正直そこまで大きくならないような気が……。青の学部長はこちらもフクロウで、3/3フライヤーとそれなりのボディに、やろうと思えば3マナで毎ターン1ドロー。もしマナに余裕があるなら、その時はマナを注ぎ込んでドローの質を向上させることも可能。まぁレアらしいといえばレアらしい能力だ。どちらも堅実にアドが刻めるのでもちろん弱いわけがないのだが……なんかこう、他に組み合わせるカードもなく、単に自分のやりたいことをやってるだけなのが気になる。もうちょい他の人を信じてくれないもんだろうか。
 
 
ロアホールドの初学者/Lorehold Apprentice
 「初学者」は各大学のサイクルで、共通要素は2マナ2/2の魔技持ちって部分なので、ギルドメイジに近い存在なのかもしれない。こちらはボロスのギルドメイジってことになるが、アグレッシブの塊だった先輩に比べるとだいぶまどろっこしい魔技使い。条件として「1、それなりの数のスピリットを並べている」「2、そいつらはアタックできないか、パワーが0」「3、インスタントかソーサリーを唱える」という3つの条件が満たされないと意味をなさない能力。まぁ、2色アンコモンで与えられてるってことはロアホールドがそれなりの数のスピリットを生み出せるっていう前提なのだろうけど、やっぱりタップ能力でプレイヤー限定の1点ってのは魅力に欠ける気が。一応、全対戦相手に飛ばせるので多人数戦向け?
 
 
害獣召喚学/Pest Summoning
 可愛い……かもしれない。いや、やっぱキモいか。じわりと優しいトークンが2体もらえる講義。講義で生き物を生み出したらその後のお世話が大変な気がするけど、毎年やってる授業なんだろうか。そこまで求められる効果でもないので、多分サクりデッキみたいに頭数を稼ぎたいデッキ用。上で取り上げた「授業初日」を使えば、5マナで2/2速攻が2体もらえる。……それなり。
 
 
プリズマリの初学者/Prismari Apprentice
 初学者サイクルのプリズマリ版はアンブロッカブル。2マナの先兵としては手堅い性能だが、やはりこのサイクルは全体的に地味だな。一応5マナ以上の呪文でサイズアップも見込めるが、別にそれを狙って5マナ以上のカードを詰め込むわけでもないし。あんまり大学の校風を体現してる風じゃないのがなー、まぁ「初学者」だからなー。
 
 
クアンドリクスの初学者/Quandric Apprentice
 初学者サイクルのクアンドリクスの能力は「ネシアンの放浪者」とほぼ同じだが、何故か最近主流だった「無作為に下に置く」の部分が「望む順で置く」になっている。「ネシアンの放浪者」は文句なしで便利なクリーチャーだったが、こちらも誘発手段が豊富なら充分なアドソース。のびのびと土地を増やして豊かな魔技ライフを。
 
 
エクスタスの隆盛/Rise of Extus
 6マナとかなり重いが完全除去+履修という悪くないパッケージ。ついでに墓地から1枚インスタントかソーサリーを掃除してくれるけど、その部分が重要かどうかはよく分からない。ハイブリッドマナなので受けが広く、4つの大学で自由にピックできる。そんなに慌ててとる必要もなかろうが、マナカーブの最後に1枚仕込んでおくといざという時に安心。イラストが大量のボンドルド卿みたいに見えてトラウマ。
 
 
シャドリクス・シルバークイル/Shadrix Silverquill
 なんやこいつ。よくわからない平等性を背負おうとしているシルバークイルの古参ドラゴン。2/5二段攻撃というステータスは神話レアとしてはぼちぼちレベルだが、議論を呼ぶのはその下の能力だろう。「割と強いトークン」「カード1枚」「全軍増強」のどれかをもらえるのだが、その時は相手プレイヤーにも必ずなにか1つを渡さなきゃいけない。比較すると明らかに強い能力も弱い能力もなく、毎回選ぶのは頭を抱えそう。簡単な対処としては、相手クリーチャーを殲滅すれば3つ目のモードが意味をなさないので気持ちよく渡せるし、こいつ自身に絆魂やトランプルでもつけてやればかなりダメージ効率が上がるので自分が3つ目を使って相手にトークンを渡してやっても困らないかもしれない。常に選択権は自分にあるのだから、「悪ふざけの名人、ランクル」のように身勝手な活躍ができる可能性はあるか。
 
 
シルバークイルの初学者/Silverquill Apprentice
 初学者サイクルの白黒版だが……地味だなヲイ。あんまりシナジーっぽい印象もないのだが……一応このカラーリングがアグレッシブな色ってことが現れてるのかしら? あらゆるインスタントがコンバットトリックになるのは面白い。言葉の魔力でパワーが上がるって、単なるテンション芸なのでは?
 
 
ウィザーブルームの初学者/Witherbloom Apprentice
 初学者サイクルの黒緑、ウィザーブルーム版。こちらも能力は最低限だが、何かのついでにやってくれる効果としては悪くない。戦闘に参加せずとも仕事ができるので、なんかの間違いで2枚3枚と並ぶと人が死ぬ可能性もある。まぁ、アンコモンだから並ばないんだけど。
 
 
凍沸の交錯/Frostboil Snarl
怒静の交錯/Furycalm Snarl
屍花の交錯/Necroblossome Snarl
光影の交錯/Shineshadow Snarl
蔦明の交錯/Vineglimmer Snarl
 「イニストラードを覆う影」で友好色版の5枚が開発された「基本土地チラ見せ土地」の対抗色版が満を辞して登場。こういう「絶対くるとわかってるカード」が焦らして焦らしてようやく出てくるのは悔しいけど嬉しいものである。今回は対抗色がテーマになっているので登場シーンとしてはベストだろう。惜しい点があるとすれば共通している「交錯/Snarl」っていう名称があんまり土地っぽくないことだろうか。イニ影土地は「港町」とかバリバリに土地っぽい名前だったので、今後何かの機会に10枚同時再録とかする場合、ちょっと違和感が出てしまう。まぁ、そんなチャンスもないんだろうけども。実用性はすでに証明済みなので、新たなマナベースの広がりを提供してくれる文句なしの強力カード。今後の環境にどの程度の影響を及ぼすのだろうか。
 
 
 
以下、統率者デッキ
 
大衆扇動者、ブリーナ
 圧倒的に統率者戦用だ……これ、2人戦だとマジで単なるバニラなのか……。
 
雷の指揮者、ザファイ
 マナ総量10以上のインスタントかソーサリーとは??? 一応確認したら、現在のスタン環境だと「一斉噴火」がありました。あとはX呪文でどうにかするか……いや、そんなドリームいらんやろ。
 
本質の予見者、ウィロウダスク
 ダイナミックなクリーチャー増強術。自身は増強されないが大雑把すぎる性能は魅力。どんなデッキが目されてるんだろ。
 
再構築者、オスギル
 これ、下の能力エグくない? 「黄金の卵」みたいなドロー系のアーティファクトと絡むとお手軽なアドエンジンになりそう。
 
双子唱者、アドリックスとネヴ
 マローが大好き、「倍増の季節」系カードの新作。これは統率者戦では人気が出そう。この次元でもマーフォークは青緑なんだなー。
 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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