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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「スーパーカブ」 5→6

 けったいな作品であった。私は常々「やりたいことが分かるというのは評価に値する」という判断基準を唱えているのだが、今作の場合、「やりたいことが最後までわからない」という、実に優しくない作品だった。これをもってどう評するかは最後まで悩んだのだが、やはり唯一無二の存在感があったことは間違い無いので、その部分を評価することとした。

 最終的な印象で、何かに似ていると思ってたらようやく思い出せた。「聖教新聞のCM」だ。ほら、たまに流れてるやつで、「お、なんかすげぇ含蓄に富んだような深いこと言ってる気がするぞ……」って思って観てると、最後に「聖教新聞」って出て「お前かい!」ってなるやつ。今作も似たような流れがあり、「なんか、すごく深いことを描いている気がするぞ……」って思って観ていると、最後に「カブはすごい」ってなって「お前かい!」となるのである。果たしてこれがカブの売り上げを伸ばすことに貢献したかどうかはよく分からないが、ここまで徹底して「たった1つの企業が生み出したたった1つの商品」を売り出し続けるだけのアニメってのは、お目にかかったことがない。だからこそ初めての作品形態であり、「やりたいことがよく分からない」という感想になったのかも。だって、カブの宣伝をするにしても、この作品のやり方は明らかにおかしいのだから。

 最初の方から常々言っていたように、やっぱり今作はどこかホラー作品の作劇体制なのである。目の前にある突然の陥穽を描くような、常につきまとう不安感。突如襲いくる人間関係の不条理。障害には明確な手触りがなく、なんとなくまとわりついているものを、カブの持つ呪力で振り払っていく(時としてカブ自体が呪いをかける)という構造は、このままコンパクト化して「闇芝居」の一編として垂れ流してもバレない気がする。「これはぁ、とある女子高生の話なんだがぁ……」から始まって、常にカブのことしか考えない女子高生と、それに巻き込まれたかわいそうな自転車乗りの少女の話だ。おぉしまい〜。

 まぁ、とにかくそんなぬるっとしたお話が続き、中盤以降は「カブの呪力」があまりに強すぎて何を言ってるのかマジでわかんなくなる事態にもなったが、あの一件だけが明確な手触りを持つ「事件」の襲来だっただけに、今作の中では異質になってしまったのだろう。いっそ、椎ちゃんにも明確な危機など与えず、もっと早めに登場させて「気づいたら何故かカブの座席に座っていた」くらいにしちゃえば、もっと一貫性が出たかもしれない。「ホラーとしての」一貫性だけど。それくらいに、今作のカブは怖いし、カブに取り憑かれた女子高生も怖かった。そして、こんな「今まで抱いたことのない感情を抱かせる」アニメになったのだから、これはこれで成功だったんじゃなかろうか。

 礼子があれだけの脱ぎっぷりでいいキャラだったのに最後までエロスを感じさせないっていうこだわりもすごかった……そこはもっと媚びてもよかったんやで……。

 

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