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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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TRIGUN STAMPEDE」 6→5

 渋い作品でしたね。結論は「ともよ・ゆみりの兄弟に宇宙をあーだこーだされたら、そりゃただじゃすまねぇだろ」です。今期は「メガトン級ムサシ」もあったので、この2人に宇宙をいいようにされることが多かった気がしますね(そうか?)。

 期待してたところからはやや評価を下げてしまった理由は大きく2つある。1つは純粋に筋立ての渋さ。ドラマとして何一つ間違ったことはやっちゃいないと思うのだが、ある意味穏当な筋運びにあんまりツッコミどころもなく、おおよその流れは「そうなれば……そうなるかぁ」くらいで飲み込んでしまい、そこからワッと感情が盛り上がる要素があまり無かった。贅沢な注文だとは思うのだが、私は「オレンジ作品なんだから面白くなるに決まってるやん!」というよく分からん偏見からスタートしてしまったせいで、「考えてみたら、俺が好きなのはオレンジ云々よりもまず『宝石の国』と『BEASTARS』そのものだったのでは?」ということに気づいてしまったのである。今作だってもちろんオレンジの技術力をフルに注ぎ込んではいるのだが……なんか、「そういう処理をするのが自然な作品」でしかなかったのよね。原作ファンはこのアニメ化はどう評価してるんだろう。悪い印象もないけど、なんか俺が事前に持ってた原作の売りからはややズレてるような感覚があるんだが。

 もう1つの要素はまさにその「オレンジの技術力」の部分なのだが、作品全体がやたらとアメリカナイズされている部分がどうしても気になったこと。これはもう、上か下かではなくて完全に好みの問題だと思うのでそこをネガティブに捉えてしまったのは本当に申し訳ないのだが、むしろ今後のアニメテクノロジーの広がりを考える上で有意義だと思うのでここで議論の俎上に上げさせてもらう。まず、今作におけるキャラクターのモーションは、いわゆる「海外のアニメ」を絶対に意識している。それはまとめると「ディズニー・ピクサーあたり」と言い換えてしまっていいと思うのだが(私自身、そちらの系列にあまり造詣が深くないのでこれまた感覚でしかないが)、少なくとも過去のオレンジ作品にはみられなかったモーションの「クセ」みたいなものが組み込まれているのは間違いない。1話目時点でそのことははっきり示されており、新番チェックでは「あんまり見ない演出だし、愉快ですね」と好意的に捉えていたはずだ。もちろん、このシャキシャキ動く独特のモーションについて「楽しい」「手がかかっている」とポジティブに捉える人も多いんじゃなかろうか。

 じゃぁなんで私がそこを多少なりともネガティブに受け取ってしまったかというと、「その動きで描きたい全体像はなんだろう?」というのが私の中でまとまらなかったせいだ。CG作画におけるモーション作画ってのは、リアルを突き詰めていくと、極論すれば全部モーションキャプチャーとかで本物の動きをトレスしてしまうのが一番手っ取り早い。一昔前なら「予算が」「技術が」とハードルは高かっただろうが、おそらく今の技術であれば、本気でそういう制作体制も取れるはずだ。だが普通はそんなことをせずに「作画」という作業を行うわけで、そこには「アニメならではの嘘」が必要だという意識が働いている。実写で全部足りるならアニメなんて必要ない。そこに「リアルで描けないもの」があるからこそのアニメ文化である。そして、いわゆる「ディズニー的な動き」はそうした「アニメの嘘」の真髄の1つであり、数多の名作が独自の魅力を発信してきた。

 今作ではそうした「既存のモーション」を模倣している部分があるのだが、さて、今の時代、日本のCGアニメというのはいったいどこへ向かっているのだろう。作画コストの削減などの理由はあるだろうが、やはり日本のアニメにおけるCG使用の最大の動機は「リアリティの創出」なのではなかろうか。最近になってサンジゲンの「ジャパニメーション的CGデザイン」などでその辺りの認識にも改革は起こっているが、少なくとも私のように頭の硬い人間は「リアルに寄せたい場合にCGを駆使してきたよね」という歴史的な変遷が脳にこびりついている。然して今作の場合はどうかというと、キャラの作画やメカニック・背景など、オレンジの技術の粋を集めてリアルで繊細な世界を創出しているのは間違いない。それこそが最大の魅力なのは疑いようもなかろう。そして、そこに息づくキャラクターのモーションもまるでキャプチャーしているかのように細かく設定され、本当にリアルだ。過去には生きた宝石や二足歩行の獣人など、「ありえないもの」を人間のように動かすことで、オレンジは圧倒的な描写力を誇示してきた。

 しかし、ここに来てこの作品。今回はまごうことなく人間が主人公であり、人間を人間らしく動かせばいい。話は早い。しかし、そんな「リアルに寄せた作品世界」で、キャラがアメリカンアニメチックなモーションを見せる。それは確実に、「現実離れした動き」だ。この2つの目的意識に、どうにも齟齬を覚えてしまったのである。フィクションを現実たらんとさせる力、フィクションをフィクションに固定しようとする力、その2つがバッティングしているような、そんな感覚だ。こればかりは本当に「感覚」なので、私が感じた違和感はおそらく純粋な嗜好の問題でしかなく、あの動きを「新たなオレンジ的演出」として評価する人も多いだろうとは思う。そして、その方向性も正しいであろうという感覚もあるのだ。だから、ちょっと困っている。

 まぁ、長々と書いてしまったが、要するに「やっぱり慣れないものを見ると戸惑っちゃうよね」程度の話なのかもしれない。続編の制作も決定してるようだし、続く物語を見せてもらう頃には、この作劇が完璧にマッチしていると思えている可能性もあるだろう。とりあえず、オレンジにはこのまま我が道を突き進んでチャレンジを続けて欲しいです。

 

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