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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 故にィ! 第7話! どこゆび勢も充分キャラが濃いところに真正面から立ちはだかる大先輩の姿。久しぶりにお会いしたはずなのに、あっという間に空気を持っていくそのたくましさたるや!!

 合宿回で、水着回で、銭湯回(?)。7話でサービス回という1クールアニメのお手本みたいな構成になっているはずなのに、主人公チームたるましゅましゅ勢は割と空気。まぁ、髪の毛のボリュームと水着姿のバランスがやたらおかしいヒメコさんとか、みていてほっこりする要素は多いんだけど、今回は本当に「息抜き」ってことで彼女たちにはお気楽に楽しんでもらうことに。

 さぁ、ヒロイン勢がプールでくつろぐ間、新進気鋭のどこゆび4人が無茶な冒険へと旅立った。そして待ち構えていたチーム・シンガン。いやぁ、この子ら、本当に何一つ変わってない……まさに実家のような安心感。かつて世界を揺るがす大問題の根幹に関わっていたとは思えないようないつも通りのお姿である。

 個人的には、最も頼りになるロム兄貴の勇姿を数年越しでみられたことが本当に嬉しい。しかもシンガンさんたちが現在どうなっているのか気になってたら、社会人のロム兄さんだけ出張でアラシュカに来てたっていう。なんやねんそれ。そして残りの3人の社会不適合者がなんとなく付いてきて、ほんで国外ライブをやるって目的だと。何いってるのか1つもわからんし、極寒の地でも腹筋全開のロム兄かっこよすぎんだろ。加えて全員がちゃんとお馬鹿っていう路線もブレていない。短い時間の中で「シンガンらしさ」を全て絞り出し、作品に大きな爪痕を残してくれた。

 幸いにして、こんな無茶苦茶な先輩レジェンドが登場してしまったにも関わらず、その背中を追うどこゆびのメンバーも決して個性では負けていない。まぁ、今回は流石にゲスト回ってことでメインは譲った感があるが、きっちり若々しさを炸裂させてシンガンについていくことができた。中でも参謀役(?)の双循については「悪がしこいのに馬鹿」という世界観からはみ出さない個性づけが的確すぎて笑ってしまう。いい後輩になったもんだな。まぁ、この2チームに一切の関係性はないが。そういやクリクリや霧幻庵の名前は出ていたけど、ほわんたちの話題にシンガンの名前は一度も出てきてなかったな。別に有名バンドにはなってないのかな(まぁ、そうじゃね?)。

 こうなってくると、まだ影も形も見えていない伝説のバンド、プラズマジカがどうなっているのかが気になるところだが……今後登場することはあるのかなぁ。今回のシンガンさんの扱いを見ると、どうしたって期待してしまうなぁ。

 

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 いいですワぞ〜〜、第6話。この展開こそSHOW BY ROCKですな。や、ヒメコの偏愛についてはすでにだいぶ前から描かれてたけど。おちゃらけなしできちんと2人の関係性を確立させる展開はやはり必須だったでしょうよ。

 無印や#とは制作体制も変わったしキャラクターも総とっかえになってしまっていたので、しばらくは様子見だなぁ、と思っていた今作。実際、どういう方向性に進むのかはしばらく読めなかったのだが、フィンガーズの連中が出てきたりして、基本的には無印のときと同じ流れが確立され、さらに明確な「敵キャラ」設定がなくなったのでふわふわ要素も強めになった。そして全編を通じて言えることは、やっぱりキャラが可愛いのよね。愛に溢れるキャラ造形になっているってのもあるだろうが、ケモ成分を含みながらもケモに傾倒しすぎず、女の子の愛らしさとちょっとした萌え要素の分配が非常に良いバランス。思い返せば「#」の時のオープニング映像に萌え殺されたこともありましたな……。ちなみにケモで言えば今回のコンテ切ってんのが小島正幸(メイドインアビスの監督)なんですが、これもまたケモ的な繋がりもあってのことかもしれませんな(キネマシトラスつながりだろうよ)。

 ここまで着実な地盤固めが進んでいた印象で、ほわんの人となりの描写から始まり、ルフユ・デルミンのコンビはしっかりと1話を費やしてその魅力を掘り下げた。ここまででもバンド結成の準備は整ったと言えるだろうが、さらにライバルバンドの登場からヒメコの内省へとつながって、これまで無条件でほわんに耽溺していたヒメコがちょいと冷静になり、過去の経験から一度はほわんを突き放してしまうという展開。まぁ、今までの愛情がさすがに行きすぎていたので、今回みたいにちょいクール目のヒメコになった方が正しい状態に戻ったといえるのかもしれないけど。

 悩ましいのは、そうしてヒメコがシリアスになってしまうと、本当に純朴一途なほわんはそれを受け止める手段が存在しないんじゃないか、という部分だった。前作の主人公であるシアンは「実は異世界転生(?)」というバックグラウンドがあったおかげで他の面々とのズレやすったもんだを彼女の内面で処理することができたが、ほわんの場合は内面も真っ白。本当にただ素直なだけの子なので、ヒメコがこじらせてしまうと、どうあがいても彼女の悩みを吸収することができない。だとすると手詰まりじゃないかと思われたが……力技で押し切りましたね。いわばワンピース的な「うるせえ!(ドン!)」みたいなもんですからね。どこまでもまっすぐに、どこまでも愛情を持って接するほわんの人の良さが、真正面からヒメコの厄介を打ち崩す展開。なんだか理不尽なようにも見えるが、このまっすぐさこそがほわんの最大の武器であることが確認できるので、見ている方としてはむしろホッとする結果かもしれない。「理屈じゃないんだな」と飲み込んだ後にお互いに絡め合う指のシーンは、有無を言わさぬ説得力に満ちておりました。

 バンド結成までが6話で描かれ、さぁ、残り半分でいよいよ出世街道を駆け上がるぞ! って思ったら、次回はフィンガーズメイン回っぽいな……まぁ、あいつらはあいつらで面白いから良いんだけど。この辺りもすげぇシンガンっぽい扱いだなぁ。

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 キリンこっち見んなwwwww最終話!!! もう、腹抱えて笑った。そんな目で見るな! 視聴者の方に向き直り、滔々と胸の内を語って聞かせるキリンさん。もう、愛おしくてしょうがないわ。テンション爆上げで盛り上がっちゃうキリンさんを誰が憎めようか! 分っかりまぁす!

 いやぁ笑った。このテンション芸はやっぱりスタドラに通じるものがあるな……そして脚本もさることながら、前回の「画が強い!」に引き続いて画面構成考えてる人もいちいちすげぇわ。なんやねん約束タワーブリッジって。未だかつてこんな東京タワーの使い方した人間おらんやろ。先週のラストでは絶望の象徴になっていたはずの「倒れた東京タワー」が、絵としてはそのままのはずなのに全く真逆の希望をつなぐ橋となる。いや、絶対なってないけども! おかしいけども! その説得力の塊みたいな画面に、もう納得するしかないじゃない。

 やっぱり今作はこうした「こけおどし」が本当にうまい。まぁ、大したことない要素でも大仰に見せる、っていうのはまさに舞台の真骨頂だと思うのだが、1つ1つのファクターにいちいち壮大に見える意味を重ね合わせ、ここまで積み上げてきたものを全て使って鈍器のごとく殴りかかってくるもんだから、いちいちダメージがでかくなるのである。クライマックスで改めて提示される「アタシ再生産」の文字ね。冷静に考えてみりゃ、冒頭から何度となく繰り返されてきたこのフレーズも、意味はよくわからんのだ。最初に華恋が使った時には「舞台少女として、改めて夢を抱いて戦っていく」という意思表示に見えたものだが、最終回となる今回では、ひかりの夢を知り、その妄念に打ちのめされてなお戦い続けるための「コンテニューの方便」として使われている。レヴューでは上掛け落とされたら負けって言ってんじゃん! って思うのに、そこで「でも、再生産だから」って言われたら「じゃぁしょうがねぇよ……」って納得するしかないじゃない。今になって思えば、キリンが連呼する「分かります」だってこけおどしの一環なんだよな。視聴者側から「ん? 分からんぞ」っていう印象が沸き起こったとしても、キリンが分かってるんだから多分わかるんだろう、って納得させられるっていう。「もしそれでも分からないならお前はキリン以下やぞ」っていわれたら、そら「じゃ、じゃぁ分かります……」っていうしかないやん。

 もちろん、こけおどしだけの作品だなんて噛みつく気は欠片も無くて、例えば今回たどり着いた「ひかりの想い」について、今回の1クールは実に周到に構えを作っている。今にして思えば、実はひかりの思いってのはバナナのエゴと似たり寄ったりの感情なのだよね。バナナは「99回が大好きだから」という理由でレヴューを私物化し、ひたすら繰り返すことで自己満足を極めていた。誰の迷惑にならずとも、それは明らかにバナナのエゴだった。そしてひかりの場合、「華恋が大好きだから」という理由で舞台(とオーディションそのもの)を私物化し、全てをうちに取り込んで自己満足に浸っていた。もちろんそこで抱える自己犠牲の精神は真似できるものではないし、尊い犠牲と見ることもできようが、最大の問題は、その行動に出るに際し華恋本人の意思を一切確認していないということである。実際、そんなひかりの歪んだ信念を知った華恋は単身で彼女の世界に殴り込んでストップをかけているわけで、極論すれば今回の彼女の行動もエゴの極みなのである。こうして舞台少女全てを一括りに抱え込み、変質させる(もしくは永遠に変質させない)ことを願う構図を繰り返すことで、ひかりの精神性が理解しやすいようになっており、最後のカタルシスへの接続が容易になっている。バナナの一件がなければ、突然レヴューがわけのわからない展開になってしまい、今回の顛末を笑って見守ることは出来なかっただろう。

 いや、もちろんだからと言って今回のレヴューが全て説明されたというわけでもないのだが……いいじゃないの。「私もスタァライトしたくなっちゃう」んだから。ほんと、「スタァライトする」ってなんなんだろな。分かります。えぇ、分かりますとも! クロディーヌさん、僕にもカニください!

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 画が強い、流れが強い、第11話。なんやこのアニメ。

 もう筋立ての分からなさはどうでもいい。とにかく画に強さがある。見せ方にしたたかさがある。どうも私の周りの環境を見るに、今作を過度に楽しんでいる人間が多くて若干引き気味だったのだが、改めて思い直す、今作は強い。

 引き気味だったので、割とメインシナリオには懐疑的なんですよ。というか、わざと粗探ししようとすら思ってたんですよ。先週までの感想もそうだし。今週だって、「ハァ? なんでひかりさん消えてしまうん? 訳わからんやん」と思っていた。いや、多分今も思っている。結局今作において、現実世界での「舞台演劇」と、華恋達が挑み続けた「オーディション」の関係性は完全に整合性をもって説明できる存在ではないので、オーディションを中心とした筋立ては、「訳がわからない」と言ってしまえばそれまでなのだ。いくらでも「意味付け」はできるが、視聴者の数だけその意味づけに微差があるだろうし、「正解に近い何か」であっても、それが真実かどうかは誰にも分からない。どこまで行っても具象化不可能なシナリオなのである。

 しかし、そうしてせせこましい考えを純粋にアニメ的な要素で殴り倒してくるのが今作である。「ひかりはどこへ消えたのか!?」という疑問に対して、「彼女はオーディションに勝ち抜き、望むものを手に入れた。しかし、星に手を伸ばしたことで彼女は償いをするために地下深くに眠るオーディション会場に幽閉され続けているのである」という答えが提示された。うむ、訳が分からない。でも、それがこの世界の真実なのだ。その唯一無二にして不可侵の真実に、愛城華恋だけがたどり着いたのだ。もう、その時点で説明は不要になる。この世界には、「それ」があるのだから。

 こうして謎が明かされると、冒頭部分で華恋が警察に相談しに行ったことも壮大なネタ振りであったことが理解できる。「え? マジで警察行くの? っていうかこの世界にちゃんとした警察とか有って、行方不明の女子高生の捜索に乗り出してくれんの?」という疑問は誰でももったことだろう。今まで散々無茶してきて、突然そこで普通のことするなよ、っていう(その直前の退学届にわざわざキリンが押印してることとのギャップがすごい)。しかし、そうして作られたギャップも、後半に控える「そんなバカな!」というとんでもない画のための予備動作でしかないのだ。

 ひかりが消えた、オーディションが終わった。全ては元どおり、普通の学生生活に戻り、もう間も無く開催されるであろう、100回目のスタァライトのための準備が着々と進む。そんな「普通の学園祭の準備」みたいな光景が、確実に積み重ねられていく。それはまるで、神楽ひかりという存在が、これまで展開されてきた非現実を全て抱えて持って行ったかのような様相である。

 そして、実際にこの直感は当たっている。ひかりは全てを持って消えたのである。それは彼女が望んだことではあるが、どうしようもないレヴューの流れの中で生まれた自己犠牲の精神。舞台という魔力に魅入られ、一度は自分を失った少女の、精一杯の罪滅ぼし。それは1人の女の子が背負いこむにはあまりにも重すぎるものだ。途中、バナナと純那の「こんな寒さ初めてじゃろ」みたいな会話で彼女達が初めて「新しい冬」を経験していることを強調するくだりが出てくるが、かつてのバナナの「抱え込んだ罪」はひたすらに繰り返される時間を生み出すことだった。「繰り返し」については、バナナは何かを失ったりせず、ただ悠然と己が権利を謳歌するだけだったが、「前に進む」という権利を行使するために、ひかりはなんと大きなものを背負いこまされたものか。

 しかし、そこまでして全てをなげうったひかりの独りよがりな自己犠牲は、ついに華恋によって看破された。半年もの間彼女の影を追い続けた華恋。この2人の繋がりがなければ、ひかりの沈み込んだ深淵に光が差すことは決してなかったであろう。それでも、華恋は気づいたのだ。見つけたのだ。彼女がバールのようなもの(バールだ)を振りかざして壁をぶち破るシーケンスは3話でひかりがやったのと全く同じである。互いを思い、なりふり構わずに目の前の壁をぶち壊す行為。かつてのひかりの信念が、今になって彼女自身に光をもたらす。

 かつては2人で高みに登ろうと誓った華恋とひかり。今や、華恋はひかりの姿を求めて下へ下へと降りてゆく。そこに付き添うのは7人の仲間達。一歩ずつ「舞台」へ向かいながら、少しずつ降りて行く中で彼女達とのこれまでの熱戦がフラッシュバックして行く。そこはまるでこれまでのレヴューの大道具を全て収納している倉庫のようであり、これまでの2年弱の記憶を詰め込んだ思い出の表れでもある。7人と華恋の繋がり。そして7人とひかりの繋がり。一歩ずつ降りて行く過程を見てみれば、最後に付き添ったのが天堂さんである。ご丁寧にクロちゃんは直前で立ち止まって上から声をかけているので、おそらくあの長い長い階段の「下」は舞台という世界の深み、これまでは逆説的に「上」と言われていたものを示している。かつてはその上下を巡って争いあった者たちが、最後には皆が揃って、全てを無かったことにしたひかりを待ちわびている。華恋の想いは、いよいよ舞台の中心・ポジションゼロ(USBコンセントつき)にたどり着いた。

 そしてCパート。広漠と広がる荒野。砂地に吹きすさぶ嵐に翻弄される上掛け。一糸纏わぬ姿で全てを断ち切るかのように伏す神楽ひかり。そして横たわる東京タワー。

 もう一回言わせて。画が強い! 

 この映像を作っただけでも、もう今作には畏怖しかない。

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 「選択希望舞台少女」とかいうパワーワード、第10話。つまりあれは完全にドラフト会議だったわけだが、もし希望が被ってたらやっぱりくじびきだったんでしょうか。いつぞやの真中監督みたいに喜んだら勝ち、みたいなルールだったら笑える。「頑張りましょう、はずれ1位の可憐さん」。

 さぁ、準決勝。もう、展開が確実にディアボロスVSジョンドウズである。キリンさん曰くレヴューの日程調整によるものらしいが、別に本番まで日にちはあるんだろうし、1日くらい伸ばせなかったもんだろうか。多分、舞台少女たちじゃなくてキリンさんの方のスケジュールがケツカッチンだったんでしょうね。世界中で舞台少女を煽って戦わせるお仕事してますもんね。もう、ここで敢えてタッグマッチをやらせるあたり、プロレス魂を完全に理解した有能すぎるプロモーターである。もしかしたら、上位4名がこの面子で残っていたからこそ、キリンさんはこっちの方が面白いと判断してスケジュールをいじった可能性すらあるな。

 あとはもう、史上初のタッグレヴューというマッチメイクを楽しむだけ。私はこの手の作品を見ているといっつも「早くこれの格ゲーでねぇかなぁ」って思う。古くは「舞-HiME」の時からで、その後も「なのは」シリーズとか「シンフォギア」とか、キャラ特性を妄想して格ゲーのキャラとしてぶつかり合う様を想像するのがとても楽しい。特に今回の舞台少女たちはしっかりと得物が違うし、9人の中でキャラ特性を設定しやすいのでゲームバランスも良さそうだ。挙句にタッグマッチまで実現し、タンデムコンボも自由自在ときている。そりゃぁ今回みたいに鉄板のカップリングでぶつけ合うのが大前提だが、訳のわからないコンビを組ませて「これ、原作にない技やーん!」みたいな楽しみ方もしたいのだ。まひる&双葉のタッグとか、どんなスパコンが発動するんでしょうね。

 閑話休題、そんなわけで、私は基本的に今作を「バトルもの」として楽しんでいるので、2対2の目新しい戦闘シーンはそれだけでも満足いく映像である。ただ、欲を言えばもうちょっと事前に天道さんのキャラを掘り下げておいて欲しかったってのはある。クロちゃんはそれなりに心情部分が掘り下げられていたし、今回の「天堂真矢は負けていない!」のくだりなんかもビシッと決まっていたのだけど、天堂さんって結局これまでほとんど喋ってすらいなかったせいで、単なる「強さのアイコン」でしかなかったのよね。おかげでバトルシーンも「とにかく強キャラ」っていうことしかわからないので今ひとつ特徴が出てない。ことここに及んで全員使ってる武器が似通っているので差が出しにくいってのも、これまでのバトルとちょっと違うところだし。まぁ、多分タイプで行ったら天堂さんもクロちゃんも基本パラメーターがめっちゃ高いことが前提で、さらに天堂さんがいくらかテクニック寄り、クロちゃんがパワー寄りのキャラになると思われる。上から思い切り落下して舞台かち割るクロちゃんがかっこよかった。

 しかし、レヴューには必ず決着がついてしまうもの。あれだけ強キャラオーラを出していた天堂さんも、主人公補正にはやはり勝てなかったのか。肝心のシーンで勝敗を分けたものがなんだったのかよくわからないのはもやっとするが、まぁ、ここは負けるのが常道である。いつの間にそんなに強くなったんだ、華恋よ。もう、記憶を取り戻してひかりと繋がっていれば無敵状態か。今回描かれた「子供の時の約束」シーンがかなり強かったのでこれも摂理かという気もする。強引に理屈をつけるなら、天堂×クロペアの関係性は入学後からの一年ちょい。それに対して華恋・ひかりの関係性は心のつながりも含めれば十年来。試合がシングルマッチだったらそれぞれ天堂さんやクロちゃんが上回っていたかもしれないが、タッグの力は10倍にも100倍にもなるということなのだろう。あー、でもそんなこと言ったらクロちゃんに怒られそうだよなぁ。最強に最強を足したら、やっぱり最強でいて欲しかったなぁ……。どうしても、クロちゃん(の中の人)をたっぷり堪能した後に観てしまったせいでクロちゃん贔屓が強くなってしまう……。

 兎にも角にも頂点には二人。しかし、それは許されぬとキリンは宣う。最後に残るのはただ1人。そして悲劇のレヴューが幕を開け、そこでは覚悟の違いが表れる。一度は涙を飲んでレヴューを乗り越えたひかり。彼女が見る頂上の景色とは、一体どんなものなのか。いよいよ大詰めですな。

 

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 「嫉妬」って言われて「あ、私ですかね」みたいに顔あげるまひるさんがツボ、第9話。去年の時点で嫉妬の女神に選ばれてるあたり、配役センスあるやんけ。

 バナナ編完全決着。前回の対ひかり戦で決着がついたものだと思っていたが、1度の敗北で脱落はしないのがオーディションのルール。訳のわからない新参者に負けただけではバナナも納得いっておらず、完全に心をへし折られるまでにはもう1戦を必要とした。そして、そもそもひかりというイレギュラーが現れて全てが変わってしまった原因が華恋であると読み解き、全てを賭けて自分のレヴューを取り戻すために挑んだ一戦だった。結果完敗してしまった訳だが、ここで彼女が敗れる理由はやはり「停滞」を選択したことだったのだろうか。これまでのループでは天堂さんを楽々屠ってきたバナナが劣等生だった華恋にこうもあっさり敗れてしまうというのは釈然としない部分もあるのだが、華恋・ひかりの相乗効果というのはそれだけ影響力が大きいということなのだろう。

 そして、こうした新たな変化を導き出していたのが、結局はバナナ本人の意思によるものであったのだろう、という結論が何かしら救いを感じさせてくれるものになっている。停滞を望み、殻に閉じこもっているかのような印象のバナナだったが、その実、「99回」というレヴューの思い出に拘ってこそいたものの、ちゃんと毎度の舞台で少しずつ脚本を改良したり、決して進歩的な面がないわけではない。むしろ、99回というただ1つのレヴューをとにかく磨き上げて良いものにしていこうという貪欲さは、純那が言っていた通りに誰よりも舞台少女らしいものである。それこそ、100回公演を目指して切磋琢磨する周りの仲間たちと同じ志だ。そんなバナナの向上心は、無限とも思われるループの中でも微細な変化を生み出し続け、最終的にはひかりと華恋という特大のイレギュラーを生み出し、皮肉にもそれがループ脱出の引き金になってしまったということなのだろう。もしかしたら心のどこかでは自分の停滞を後ろめたく思ったり、その行為の正しさに疑念を抱く心もあったのかもしれない。そうした己が内面を純那に諭され、無事にバナナも浄化されたのである。彼女が大切に持っていた99回の脚本、なぜか表紙にカエルが描かれていたのは、彼女の特性である「帰る」「還る」を表している……かどうかは定かでない。最終的に、彼女も自分自身を「変える」ことになったわけだが(うまいこと言うた)。

 そして、今回はこれまで何となく描かれるだけだった「スタァライト」という舞台の具体的な中身も明かされることになった。まぁ、今回のお話だけでは大枠しかわからないが、おそらくアニメを見る上では今回のあらすじだけを理解していれば充分なのだろう。キーワードになるのはやはり「2人の少女」という部分で、ゴールするのはたった1人のトップスタァではなく、互いを信じ合う「舞台少女たち」であるべきということだ。そんなスタァライトを夢見ているからこそ、華恋は迷わずに「ひかりと2人で舞台に立つ」ことを夢見ることができるのだろう。そして物語に登場する「大小2つの星」というのもなかなか意味深であり、どちらを掴むのか、はたまたどちらも掴むのか。そのあたりの結末に華恋とひかりの運命も変わってきそうである。ただ、二人のヘアピンを見る限り、ひかり1人で「2つの星」を担っていて、華恋の象徴は王冠なんだよね。あの王冠、毎回オーディションのたびに鋳つぶされてるけど……どういう意味があるんだろう。

 あと個人的に気に入った小ネタとしては、「塔」を象徴するスタァライトのアイコン(台本の表紙に書かれたデザイン)がオーディション中にバナナを示すものとして舞台上に投射されているが、この図式から華恋が一歩脇に避けることで「私は99回へは戻らない」と示すところがお気に入り。上に登るための塔のデザインなんだけど、あのシーンだけは「99th」という文字へ至るバナナの道程を示し、そこから華恋が脇に避けたように見えるんだよね。高みへ登る図式か、はたまた先細りの道行きか。どちらとも解釈できる面白い描かれ方。

 あと、冒頭で衣装の変更をクロちゃんに褒められた時の香子のドヤ顔がすごい好き。香子にはこのままブレずに調子に乗り続けて欲しい。

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 キリンさん、めっちゃユーザーフレンドリー、第8話。すげぇ、2ヶ国語対応(応対は最初ランダムになります)、さらになんとサポートセンターへの電話番号まであり、連絡すればすぐにスタッフが現場に駆けつけて対応してくれるという。すげぇぜキリン、そりゃもうわかります! ちょっと契約内容が聞いてない話だったことくらい大した問題じゃないな!

 というわけでキリンさんの繁盛記……ではなくてようやく一人称視点から語られることになったひかりさんメイン回である。今回もまたまた驚くべき事実がたくさん出てきたが、前回で「もうこの世界は何があっても不思議じゃねぇな」と腹をくくったので(1話目でくくれよ)、ひかりの過去話くらい大した問題じゃねぇや。いや、どうだろ、やっぱ慌てるけど……。

 ざっくり言ってしまえば、なんとひかりさんは「2度目」だったという。去年までは異国の地で華恋との舞台を胸に抱きながらレッスンに励んでいたひかりさん。彼女はかの地ですでにオーディションの荒波に揉まれた後だった。例によっていきなり引きずり込まれて成り行き任せで参加していたオーディションだったが、あちらの国にも天堂さんのような強キャラはいるわけで、惜しくも決勝で敗れたひかりさんは2位に甘んじ、その結果舞台の上で何かがぽっかりと失われていたことに気づいた。推定130gの「何か」には、「きらめき」という名前がつけられている。正確にそれが何かは分からない。ひかりは舞台の上で多大な喪失感を味わっていたが、それだって「トップを取られてしまった」という状況から結果的に生まれたものであり、それがキリンのせいなのかどうかもよく分からないし、そもそもどんな効果効能がある代物なのかと問われたら、誰も答えられないものだろう。それでも確実に、彼女の中から「きらめき」は失われ、キリンもそれについては「スタァを作るためにはエネルギーがいるでしょ」と悪びれもせずに言ってのけたのだから、「奪った」のは事実なのだろう。

 しかし、華恋に一方的に願いを押し付けたという責任感のなせる技か、ギリギリで踏みとどまったひかりにはきらめきの欠片でも残っていたのだろう。ユーザーサポートに問い合わせをした結果、キリンは改めてオーディションが行われることを告げ、「全ての手続きを片付けて」ひかりを日本へ送り込むのである。……やっぱすげぇぜキリン……。

 こうして、いわば「敗者復活戦」というか、経験値を蓄えた状態での戦いに挑むことになったひかり。かつての自分の不甲斐なさも懸案材料ではあるが、何よりも残酷な現実として、「レヴューで勝ってトップスタァになるのは1人だけ」という制約が重くのしかかる。バナナが勝ってるうちはそれもこれもひっくるめてのリセットだったので影響は出なかったようだが(?)、オーディション後に時間が進めば、2位以下になってしまった舞台少女は、かつてのひかりのように「何か」が奪われてしまうかもしれない。ひかりが勝ち残れば華恋から、華恋がトップに立てばひかりから。オーディション会場のランキングボードを見れば、「トップに2人」などという状況はあり得ない。

 幼い頃、あの東京タワーの見える公園で、4話と同じような構図で手を取り合った二人。かつては背中を追いかけてきた華恋の手をひかりが取り上げ、先日は滑り台側でためらうひかりの手を華恋が引き上げた。滑り台の上ならば、二人でてっぺんに立つこともできよう。互いに遥か高みを同じ目線で見上げることもできよう。しかし、それは舞台の上では叶わぬことか。ポジションゼロには、たった1人しか立てない。そのことを理解しつつも、今はただ、ひかりは目の前のライバルと戦い、勝ち続けるのみ。その後に訪れる試練も、きっと二人なら乗り越えられると信じて。

 前回暴勇とさえ言える圧倒的な力をふるったバナナ。彼女がいよいよイレギュラーであるひかりを迎え撃ち、新たな自分の「舞台」に引き込もうとした一戦、孤独のレヴュー。圧倒的な実力で他者を打ちのめさんとするバナナの獲物は鋭利な技巧に優れた日本刀。それだけでも充分強かろうが、なんと左手には小太刀まで携えての二刀流。彼女の手数の多さは、彼女の経験の多さの現れか。それに対するひかりのダガーはなんとも頼りない。一度は失った「きらめき」の損失がそこには現れている。しかし、一度敗れて立ち上がったものの強みか。何度もトップを取り続けてきたバナナを打ち倒すのが、辛酸を舐め「先の未来」を見てきたひかりだったというのも実に示唆的なものである。きらめきを取り戻したダガーはワイヤー機構が取り付けられており、ワイヤーアクションといえばこれまた舞台の「花形」でもある。一本の綱、か細い運命の撚り糸。そんなものをただ一心に掴み、すがりつき、ひかりは頂上への最大の障害を突破するのである。

 結局バナナの存在ってなんだったんだよ、って話だが、「ルール無用のクソやばいチートキャラ」でも粉砕するほどの信念が、「出戻り組」であるひかりの持つパワーだ、ということを示すことが目的だろうか。いうたらエスポワールにおける船井みたいなもんで、負けたからこそ得られるアドバンテージもあるということ。ただ、それは技巧的な部分ではなく、負けに対する恐怖心とか、2度とあそこに落ちたくないというがむしゃらさに表れるものだろうが。

 そんなひかりのジャイアントキリングに呼応するように、華恋も着実に勝ち上がって舞台を盛り上げる。残すところクロちゃんと天堂さんを上に見るのみ。ぶっちゃけ、クロちゃんは序盤から割と負けシーンが多いので強敵って感じもしないのだけど。どこかで天堂さんぶち抜いててっぺんとってほしいなぁ。

 

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 なんだこれ、第7話。急に違うアニメになったぞ。そりゃまぁ、放送時期が8月なんだからエンドレスになるのも自然な成り行き……な訳ない。

 前回の香×双回で完全にパターンに入ったと思った今作だったが、そうは問屋が卸さない。ここまでで構築してきた定型を全てぶち壊し、視聴者を更なる混乱の中へと叩き落としていく。一体何者なのだ、大場なな。

 つまり、今回のお話だけで簡単にまとめると、「実際は舞台の才能が頭抜けてトップなんだけど、高みを目指しててっぺんを取りたいというモチベーションが一切無いのでレヴューでは表に出てこない。それどころか途中からB組に抜けてサポートに回ろうとか言い出す(これはひかりが来た影響か)。しかし、レヴューに勝てば好きな舞台が作れるとキリンに説得された結果、一番の憧れであった『1年生の時の舞台』を再び完全な形で再現するため、トップの舞台構成権利をタイムリープのために費やしている究極の現状維持体質」。なんだそれ。意味わからんぞ。

 いや、意味は分かるんだ。ここまで、例えば香子の怠惰な様子やまひるの引っ込み思案な体質など、9人のプレイヤーの中でも「弱い」キャラの側面はいちいち掘り下げられてきた。今回スポットが当たったバナナの場合、それが「現状への依存」という形で現れているというお話。私のような人間は必要以上によく分かるが、現状への強烈な依存心は「ずっと今という時に甘んじていたい」という停滞への欲求となり、変化に対して激しい抵抗を感じるようになってしまう。もちろん、それが悪いことだと断じることはできないが、少なくとも常に上を目指し、成長を続けていく舞台少女にとって、このバナナの欲求は全くもって不適当な精神である。

 まぁ、それだけならお話としてはそこまで特別なものでは無い。華恋との関係性を壊されたくないと必死に抗ったまひるの精神性だって共通する部分はあるのだし、「成長・変化を拒む」という要素はキャラクターのドラマとしていくらでも描きようがあるものだ。しかし、このバナナが「依存」を描くために用いている手法があまりに斜め上すぎる。「成長したくない、させたくない」という願望を実現させるために、なんと手近にはタイムマッスィーンがあるという。そして、それを行使できるのはトップスタァに輝いた1人だけだと分かると、それを奪うために隠された強キャラ設定が発動するという。……エエエエェェ、だってお前、今までそんな様子おくびにも出さなかったじゃん……っつうか、個人的には中の人のスキルも相まって、「実はバナナが天堂さんすら片手で捻り潰す最強キャラでした」って言われても納得いかんよ……びっくりするネタではあるが、それはさすがにびっくりさせることを目的に無茶しすぎじゃないですかね? せめてもう少し伏線があればしっくり来たんだろうけども……。いや、それを隠せるからこそトップなのか? 今までなんとなくで納得してきた「オーディションで勝つのは舞台上でのスキルが高い人間」っていう今作の根幹をなす設定が、今回のバナナの暴虐で大きく揺さぶられることになってしまった。

 さらに今回、突然「トップスタァになったら舞台を好きなように作れるで」という謎設定が明かされた。今までそんなこと言及してたっけ? いや、そもそもなんで戦ってるのかすら作中では明示されてないんだけども。なんとなく、「オーディションで勝てば今年の舞台で主演やで」っていうことだけで暗黙の了解があったはず。しかし、バナナだけはそこに「勝ったら超常的なパワーで舞台どころか世界まで好きに作り変えていいよ」という権利が示され、ものの見事にそれを使いこなしているという。他の連中は「自分が主演の舞台」が理想の舞台だから、たまたま「主演=オーディションの勝者」っていう構図が自然に当てはまってただけだったってことか。

 何度も繰り返す2017年。その中でバナナは、最初に自分が体験した「1度目の舞台」を目指してエンドレスなセブンティーンを繰り返しているという。……ヤバすぎるやろ。普通の神経だったら、1周目で「自分は何かやっちゃいけないことをやっている」っていうことに気づきそうなもんだ。そもそも、エンドレスエイトだろうがシュタインズゲートだろうがまどマギだろうが、ループものってループ自体がなんらかのペナルティ扱いされることがほとんどなのだ。同じ時を繰り返すという状況は、普通の神経を持つ人間にとっては苦痛以外の何物でもないはずなのだから。

 しかし、大場ななという人間は、それをすすんでやりにいく。満足いくループが出来るまで、ただひたすら繰り返す。いや、彼女にとってすでに「2年目の舞台」は不必要なわけで、再び満足いく舞台が見られたとしても、このループを抜け出す気がない可能性すらある。他の面々の意識には上らないだろうが、彼女は自分を、クラスメイトを、そして世界をも自分の安寧という牢獄に閉じ込め、飼い殺してしまっているのである。なんだコイツ。完全にイカれてるやんけ。こいつに比べたらまひるさんのハードレズなんて赤ん坊みたいなもんや。

 こうして「バナナ・ザ・ワールド」だったことが明かされてしまった学院の舞台。その呪縛は(形式上)トップに君臨している天堂さんにすら打ち破ることができず、このまま無限の円環を描き続けるものかと思われた。しかし、流石にそれではまずいと誰が思ったのか(キリンだろうか)、新たな世界に投じられた一石の名前は神楽ひかり。彼女が入って9人になるA組。バナナはここからどんな舞台を望むというのだろうか。そして、ひかりはこのバナナ帝国を打ち崩すことが出来るのだろうか。

 なんのアニメだこれ。わかります(わかりません)。

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 惜しい、京都駅は登場せずに終わった、第6話。「史上最もアニメの中で登場する回数が多い駅」記録(俺調べ)を持つ京都駅だが、今作ではそこに到着する前に終わってしまったので東京駅止まりであった。それにしても羨ましいくらいにガラガラの新幹線ホームだったな。ナチュラルにグリーン車乗ろうとしてるあたりがどこまでも香子。

 恥も外聞も無い徹底した香子×双葉回。個人的には9人の九九組の中で一番のお気に入りが香子なのでちょっと楽しみだった。なんでお気に入りかっていうと、多分中の人に馴染みがある上に一番演技が安定しているから、っていうのが大きいとは思うのだが、それに加えてこれまでのエピソードの中でも一切空気を読まずにムードメーカーになってくれていた立ち位置が大きいだろう。分かりやすいって大事。そして今回のお話を見て気づいたもう1つの安心要因としては、この2人に関しては、他の連中に比べて圧倒的に「相思相愛である」ことが分かりやすいんだ。今回だってちょっとぶつかってはみたものの、誰が見たって香子には双葉しかいないんだし、双葉には香子しかいない。作品を代表するカップリングは華恋×ひかりなのかもしれないが、あの2人の関係性はまだまだ掘り下げないと真の姿が見えないものであるのに対し、この2人の場合、今回のエピソードだけで全部分かっちゃうくらいにどうしようもなくラブラブなのである。物語には不安要素はつきものだが、こうしてビクともしない不動の関係性があった方が落ち着くじゃないですか。ベタでもなんでもいいのよ。

 それにしても……香子は想像以上にひでぇ奴だった……確かに、「朝起こしてもらう」「寝てる状態でバイクに担ぎ上げられてそのまま輸送されてくる」なんてシーンはこれまでのお話でも描かれていたわけだが、まさかほんとに生活のあらゆる部分、精神的な成長に至るまで、すべて「従者」たる双葉におんぶにだっこの状態だとは思ってなかった。そして、満を辞してのオーディションに到るまでほぼ成長しない子供っぽすぎる精神構造も、目の前にいたら張り倒したくなること請け合い。結局、今回のエピソードでも彼女がわがままを言って暴れたことの始末はつけられていないはずなのだ。何故ハッピーエンドっぽくまとめられたかというと、それはただひとえに、双葉の無償の献身があるからに他ならない。

 普通、こうしたエピソードの場合には双葉サイドの視点も混ぜ込んで「アタシが小さかった頃に、あんたは本当にキラキラしててアタシの憧れだったんだよ」みたいな説得が入るものなのだが、今回、双葉はそうした「持ち上げる」美辞麗句を一切使っていない。ただ1点、「約束しただろうが」と迫るだけであり、もし香子が本当に「自信をなくした」ことが原因で学院を去ろうとしていたのなら、双葉はそれを繫ぎ止めるような行動は何一つしていない。「約束しただろうが」という双葉の主張が表すものはただ1つ、「自分だけの花柳香子を見せてみろ」という要求だけである。

 しかし、結局香子が一番求めていたものはそれだった。オーディションがどうこうじゃなくて、結局双葉が自分から離れていくことが耐えられなかった、それだけのこと。面倒な痴話喧嘩でしかなかったってことだ。双葉だってそれが分かってるから、「ばっか、ちゃんと見てるからよ」と言ってあげることで丸く収まる。もう、そういうバカップルってことでいいじゃない。まぁ、実際に香子は一番馬鹿だと思うし。こんだけムカつくことやってるのに最終的に憎まれ役になってないのは人格という他ないなぁ。

 今回2人が経験したオーディションは「約束のレヴュー」。オーディションの私物化、わかりません。まぁ、前回だって「愛の告白」で私物化されてたからいいんでしょうね(キリンは寛容なのである)。香子の武器は「京都の名家」ってことで薙刀なのは必然だろうが、面白いのはそれと対をなす双葉の武器がハルバードだったこと。用途も形状も全然違うのに、2人して似たような長柄の武器を振り回してるあたり、やっぱり通じ合う部分があるのだろう。お互いのレンジが大体同じなので、正面からバチバチにぶつかり合う殺陣の見栄えも引き立って良いマッチメイクである(どうでもいいけど純那さんの弓術はスキルが高くなりすぎだよね)。他にも、今回は徹底して香子のイメージに合わせているので舞台は和風の装いで、「ミュージカル」というよりも「歌舞伎」なんかの伝統芸に近い趣。クライマックスでババンと場面転換する方式も日本古来の「どんでん返し」をモチーフにしたものだろう。龍虎相見える屏風絵の見せ方なんかも自然にバトルに溶け込んでいて、香子の薙刀は龍が如く天から見下ろすように構えられ、双葉の長槍は虎が如く地に伏すように構えられている。こういう1枚1枚の画を切り取った時に文字通り「絵になる」構図が切り出せるのは、やはり「ミュージカルアニメ」を意識してるが故の恩恵だろう。回を増すごとに「これ、実際の舞台で見たら面白いだろうなぁ」という気持ちが高まっている。ちなみに蛇足ついでに触れておくと、今回のコンテは佐伯昭志氏である。ほんと、気合入ってる作品だよなぁ。

 終わってみれば「鉄板カップルが公認を得てますますイチャイチャするようになった」というだけのお話なのだが、こうして1人ずつ補強エピソードでクラスメイトの構図を固めていくのはやはり王道展開である。「ラブライブ」は1期だけでは9人全員を描くのに時間が足りなかったけど、今作はペアリングで処理する部分も多いので充分間に合いそう。個人的にはもっとクロちゃんが輝く姿が見たい。あと、もっと振り切れた香子も見てみたい。そうか2クールやればええんやな。あんじょうよろしゅう。

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