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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「GOD EATER」 5

 放送前から、製作の遅れの方が話題になっちゃった悲しい作品。でもなー、出来てないっていう理由で1話目トバした作品ってのは流石に昨今でも珍しい存在なので、こればっかりはしょうがない。途中で総集編とか、最後が近づいてきて力尽きるとかならまだ分かるが(分かっちゃいかんが)、1話目ってのは無いよな。1話目でオトしたってことは、これ以降もカッツカツでやってます、って白状するようなもんだし。どうしてこうなったのか。

 そして、1話目を見れば「なるほど、そうなった」ということがよく分かる。未だかつて見たことのないデザインによる斬新な動画デザインは、確かにひどく手間がかかりそうな作画スタイルである。「監獄学園」の陰影をつけたまま処理する技術も面白いと思ったが、今作は更にそれの延長線上。CGによる陰影のモデルを、その他のキャラクターモデルの全てと同じ次元に落とし込み、それを全て引っくるめて動画として取り込むという。これは大変そうだ。こうした努力のおかげで、明らかにCGモデルである武具やモンスターとの接点も非常にスムーズで、全てのオブジェクトが1つの世界観の中に溶け込んでいる。ここまでシームレスに接続するのは、かなりの難行だったはず。原作ゲームは全くやったことがないが、おそらくはゲームの雰囲気を維持し、アニメとして盛り立てるための手法なのだろう。

 今作の監督は、久しぶりに名前を見る気がする平尾隆之氏。ufotableの重鎮であり、「フタコイオルタナティブ」「まなびストレート」など、ufoの黎明期を彩る傑作秀作に名前を残す人物である。今回の独自のCGワークを見ていると、当時は本当にイロモノレベルで視聴者の度肝を抜いた「まなびストレート」のCG効果を思い出す。気付けばあれから7年以上。いまやCGアニメの技術力はここまで自然に、ここまで力強く出来上がったのであるよ。

 とはいえ……確かに見たことのない画面には感心もするし、その効果が大きいことは理解出来るのだが、いかんせん話がピンと来ない。すごく普通の1話目。設定は最近で言えば「進撃の巨人」なんかに近いが、まぁ、あれを引き合いに出さずとも、割とよくある「人類のピンチ」だ。淡々と主人公の訓練状況などが紹介されているが、モンスターの襲撃方法に何か目新しさがあるでなし、主人公のモチベーションにはまだついていけないし、「時間が無いからぺーぺーの主人公が出撃したよ!」っていう設定だったはずなのに、割と余裕で強そうなチームがまにあってるし。なんか、もっさりしてる筋立て。まー、ゲーム原作のアニメってのはえてしてこうなりがちではあるのだが……なんか助けに来た人の中にザップが混ざってましたね。ここはヘルサレムズロッドだった可能性が? まぁ、異界からの侵略っていう意味では当たらずとも遠からずであるが。

 来週以降、シナリオ面でもちゃんと盛り上がってくれるかしら。これだけの画作りが出来ているのだから、何とか最初の1手の汚名を返上して盛り返してほしいものだけども。それにしても、今期大原さやかの大活躍っぷりは目を見張るものがあるな。

 

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○「空戦魔導士候補生の教官」 3

 これはとても良い作品だ。なにせ、今期はあんまり初見で「あかんわ」っていう作品が無くて、ここまで20本以上新番チェックを書いてきたが、そのほとんどが5点か6点しかつけられていないのだ(まぁ、いつものことなので採点方式の方に問題があるとは思うが)。ここに来てようやく、「あ、これおもんなさそう」と言える作品に巡り会えた。差別化出来るってのは、それだけで貴重なのです。まー、いつぞやのように「ぐだぐだラノベ四天王+1」とかいって軒並み駄目ってのも困るんだけども。

 そして、今作は、スタッフだけでいえばその「四天王+1」の「四天王」部分を務めた「聖剣使いの禁呪詠唱」のスタッフがベースになっているというのだから期待大である。別に、わたしゃ監督の稲垣さんを馬鹿にするつもりは無い。彼の作品には「脳コメ」みたいな明らかに馬鹿っぽくて楽しい作品だってある。ただ、残念ながら今作はそういう方向にはとても行きそうにないし、ネタ度合いで言ったら「聖剣使いの禁呪詠唱」とどっこいどっこい。いや、狙ってないのだとしたらこちらの方が病巣が深い可能性すらある。また、「禁呪詠唱」は致命的な作画によるヤシガニ演出という更に分かりやすいダメージ要素があったわけだが、こちらは1話目でそうした破綻が無いにも関わらず、にじみ出る「なんか駄目そう」感。もう、これこそが私の蔑称として定着している「ラノベ」のひな形と言っていい。

 ま、多分作者も分かっててネタでやってる部分はあるのだろう。流石に何の考えも無しに「トーストくわえて曲がり角」をやるとは思えないし、「ほーら、お約束のネタだよ」と、まるで2chのスラングを引用するかのようにして、伝統的な「ギャグ」を繰り返してみせたはずだ。しかし、これが別に何のアピールにもならないし、「結局そういう話作りしか出来ないのでは?」と思われるマイナス要素にしかならない。話の骨子は「電波教師」なんかと同じ。俺ツエー系主人公(松岡系主人公)がのらりくらりと文句を言いながら「俺強いからー、別に努力もしないし興味もないけど、なんか気付いたら後進育成してたわー、俺が教えたから落ちこぼれが一気に強くなったわー」っていうのをやるつもりなんだろう。ワンパターンが悪いというわけではないが、それにしたって集められた生徒達の設定がやっつけ仕事過ぎるし、あまり可愛くもないので応援したいという気にはならない。しいてあげるなら勘違い女王様の「問題児」とかじゃなくて完全に「もうあっち側の人」感は振り切れているので笑える部分もあるのだが、あんな人格破綻者を飼っている時点で教育機関としては無能以外のなにものでもないだろう。教官っていうか、どっちかっていうと療法士とかそういう仕事の人に頼んだ方がいいと思われる。

 筋立てが適当だし、それに合わせるようにしてアニメーションとしてもすこぶる低調。1枚絵の良し悪しでなしに、コンテ演出に工夫が見られず、単調な画面でもっさりした話が進む。分かりやすいところだと、廊下で男子生徒がヒロインに驚き叫んで後ずさるシーン、その角度から相手が来てるのに、顔も動かさずに突然視認して驚くのは明らかにおかしい。他にも理事長室みたいなところでだらだら返答する主人公に相方が肘を入れるシーン、主人公が台詞を一通り言い終わってからしばらく間があっての肘。とても動きがもっさりしている。普通、こういうタイプの会話でリズムを作りたいなら、相手の台詞を遮るように肘を入れて牽制するだろう。それをせずに1つ1つのアクションを別々に描いているので、やたらもっさりするのである。

 あんまり今後に期待を持つタイプの作品ではないのだが……まー、ヒロイン役ののじょさんに免じてもう少し見てみるけども。アブソリュートデュオでいいんじゃないかな。

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○「城下町のダンデライオン」 4

 OPがゆいかおりなのにEDが小倉唯のソロ曲っていう偏りはなかなかエグいものがあるなぁ。いや、別にいいんですけどね。

 ラノベ原作なのかと思ったらばきらら系の漫画原作とのこと。あんまりコミックスの既刊も多くないし、どれくらいの人気でアニメ化が決定したんだろうか(まぁ、きらら系は元々ストックが無い状態からでも平気でアニメ化するけども)。「狂乱家族日記」を彷彿させる「大家族もの」であり、各々の兄弟が特殊能力を持っているという部分も共通している。最大の違いは両親の立ち位置ということになる。

 「住宅街の一般家庭に王室が!」という切り出しは面白いと思うのだが、ぶっちゃけ、あまり設定は活きていない。王族である必要が無いし、その無茶な設定を説明するために余計な時間を使わなければ行けなくなってしまっている分だけ、据わりが悪い(そして実際は説明もろくにしてないから、単によく分からない世界である)。その他にも特殊能力設定とか各々の個性もあるのだろうが、1話目に登場するキャラが多すぎるので初見では把握出来ないし、あまり差別化を図れている感じがしない。「次期国王選挙」というオリジナル要素についても、作中で「ユルい」と言わせている通り、なんだか適当なイベントに見えて、王室である必要性が全く無い。おかげで、「設定を作るだけつくっておいてあまり活用する気がない作品」というのが第一印象になってしまっている。日常ものの延長でユルいファミリーものを描きたいのか、アツい人気投票レースが描きたいのか、能力バトルが描きたいのか、そのあたりの立ち位置がひどく半端なのだ。

 また、個々のキャラにもあまり突出した個性が感じられず、「この家族は面白そうだ」という掴みがない。「狂乱家族日記」ならば良くも悪くも「訳わかんねぇ!」というところから始まって凶華のキャラに引かれる部分はあったのだが、本作主人公の花澤キャラは「極度の人見知り」という設定しか与えられておらず、しかもそのキャラだけがまわりの兄弟や家族の普通さから浮いてしまっている。本当にただ1点だけ、やたら無理な性格設定にしてしまっており、興味を引かれる前に「よく分からん」というのが先に来てしまう。世界設定の訳のわからなさは他の要素に還元して「別にこの設定じゃなくてもいいのでは?」と思うようなものだが、主人公の性格は、「説明されてもよく分からん」というものになっているのだ。このアンバランスさのせいで、あんまり作中に埋没出来ないのである。

 映像の方はそこそこ。製作がアイムズというのは正直不安だが、流石に1話目では駄目だかどうかは分からない。ただ、そこまで魅力があるという画面にも見えず、よくても「何となく消化する」レベルのものになるんじゃなかろうか。設定が半端なので、これをアニメ的な見せ方で劇的にプラスに転じさせるのは難しいと思う。各人の特殊能力にしても、1話目でなおざりに殆ど見せてしまったのでこれから先に引っ張る要素もないしなぁ。どういう狙いの作品なのか、いまいち分かりません。

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○「監獄学園」 6

 「アゴなしゲンとオレ」やってるときには、この作家の作品がアニメになるなんて夢にも思わなかったよなぁ……世の中何が起こるか分からないもんである。

 水島努・横手久美子にJ.C.STAFFといういつも通りの組み合わせ。もちろんキャラクターデザインは谷口純一郎だ。大体「アザゼルさん」と同じくらいのもんだと想定しておけば間違いはなさそうだな。原作は何となく未読。「モンスター娘」と同じように1巻分くらいは読んだ気もするけど、特に追いかける意志もなかったので放っておいたパターンだ。そのために1話目の展開は何となく知ってる程度だが、アニメにしたおかげで色々と刺激は増している。

 1話目を見て度肝を抜かれたのは、何と言ってもキャラクターの陰影の付け方。元々「濃い」絵柄の漫画であり、暗い印象の絵柄が多くなる青年誌においても、ベタの量はトップクラスだろう。キャラの表情なども陰影による描き分けがはっきりした絵であり、これをアニメにする場合にはかなり繊細なデザイン調整が必要である。そこに思い切り影を残したまま、その影もデザインの一部とした非常にチャレンジングな描写を持ち込み、ものの見事にこれがアニメーションとして「動き」をもたらしている。このデザイン性は非常に面白いし、なによりこのクオリティでしっかり動いているというのが驚きである。「アザゼルさん」のときもそうだったけど、本当にアホなところへの力の入れ方が半端じゃない。作品が愛されている証拠なのだろうなぁ。まぁ、どう考えても水島さん好みの案件だしな。

 お話自体は「アザゼルさん」ほど尖りすぎていないが、あちらよりもストーリーものとしての流れが読めるだけにシリーズアニメにはしやすいだろう。1話目で大方のキャラ紹介を終え、ここからどういう方向性で盛り上げていくかは大体想像がつくようになっているが、そこを超えることが可能なスタッフである。はっちゃけた馬鹿作品としての爆発に期待したいところ。エロ要素についても上記のような「陰影の作画」が盛り込まれており、何とも不思議な肌の質感なんかが見どころになっている。湯気が入ってしまうのはしょうがないことだが、出来れば修正ありでも見られるくらいのレベルでの作劇に期待したいですな。「いや、BD買えよ」って言われそうだけども。アザゼルさんは買ったんやで。巻数が少なくてトータルの出費が少ない奴は買ってもいいのだがなぁ……。

 そして、今作のもう1つの見どころといえば、何と言ってもキャスト陣の揃え方だろう。「どSの集団」というセッティングにおいて、そりゃもう「大原・御前」の2人が揃うのは必定であろう。水島さんなら一も二もなくこの二人に声をかけてくれるだろうということは疑う余地が無い。一応「×××HOLiC」の二人、というつながりといえるが。まぁ、今後はM属性の男性諸氏にとってはたまらない展開が続くに違いない。更に「キレ芸好きの花澤」もセットで。

 いや、しかし本作で最も見どころになるのは、どちらかといえば男性キャスト陣なのだろうなぁ……もう、ホント楽しそう。特にこにたん。ぶっ飛ばしすぎである。小西、鈴村のこのおいしい役どころ。やりたい放題なんだろうなぁ。神谷兄ぃは立ち位置的にそこまで炸裂してはいないが、それでも要所要所で輝く「童貞臭」の巧みさである。アフレコスタジオは一体どんな雰囲気になってるのかなー。

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○「がっこうぐらし!」 5

 なんだこれ。

 

 

 

 えーと………………………………………………なんだこれ。

 すまん、実をいうと事前情報で「なんかある」っていうのは知ってしまったので、そこからはなるべく事前情報をシャットアウトするように努めていたのだが、「なんかある」と知った時点で既にアウトではあるな。おかげで視聴中、あらゆるところが引っかかって、本当の意味での視聴は叶わなかった。もう、細かいポイントポイントで「うん?」ってなってしまってね。

 それにしても……なんだこれ。何が起こった。上記のような視聴体制から入ったので、別に画面の全てを丸呑みしてたわけじゃないんだ。訝しみながら見ていたんだ。そのおかげで伏線部分は大体回収しながら見られたと思うのだが、そのせいで「ネタ知ってる人」とも「何も知らずに朗らかに見る人」とも言えない中途半端な視聴体制になってしまい、この1話目をどのように処理したら良いのかを決めあぐねている。2話目以降にどういう風に展開するか次第で改めて判断していこう。

 これだけ扱いに困る作品も珍しい。何しろ表と裏で解釈が全く違っており、そのせいで演出意図も裏返ってしまうためだ。いや、演出意図はたった1つ、「だまくらかしてやるぜ!」だと思うのだが、もちろんアンフェアになってしまってもまずいし、ある程度は2話目以降も意識しての作品作りを心がけていたはず。そのあたりのさじ加減をどっちサイドから見ればいいのかがよく分からなかった。「表」側ならば「キャラが可愛いなぁ」と思って見ればいいわけだが、「裏」の存在に気付いたらとてもじゃないが主人公の子を「可愛いなぁ」とは見ることが出来ないわけだし、その他の面々についても、どこまでが「表」なのかが定かじゃないのでキャラの立て方なども判断出来ない。まぁ、ある意味では「喰霊」の1話目だけ観ても何も言えないのと同じか。それにしても……怖い……。

 最大の怖さを引き出しているのは当然主人公の子。あの子がいなくて、残りの面々だけのお話ならば「陳腐だなぁ」で片付けられたと思うのだが、あの子がいるせいで世界に救いが無くなっている。そして、考えれば考えるほどに気持ちが沈んでいく。この胸くそ悪さが出せた時点で1話目は成功なのかもしれないが……やるせねぇな。ちなみに、「萌えアニメ」としてはそこまで引かれるものにはなってないんだよ。キャラを可愛く描こうとはしてるんだろうが、割とテンプレ気味の映像処理になっていて、そこまでキャラの魅力が前面に押し出されているわけではない。……いや、だからそこも虚像だからしょうがないんだよなぁ……あぁ! もう訳が分からん!

 中の人の話にしようじゃないか。主人公の子は、ホントにパワフル、水瀬いのり。完全に流れに乗り、自分の声を全て自分のものとしている。強い。他のキャラはまだ前に出てくるほどのことをしていないが、注目すべきはやはりここでも高橋李依。今期は3作品同時にメイン、そしてそのどれもが絶妙に違うアピールをするという、本当に良い配役に恵まれている。こりゃ今後が楽しみだ。

 今作も、2話目がどうなるのかが本当に楽しみだ。

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○「のんのんびより りぴーと」 6

 まさかのほたるん欠席?! 凄い始まり方ではあるが……。

 でもなんにも変わってないのん。これが出来るからこその「のんのん」である。1期の時には「まー、日常系だなー」っていいながら見始めたのに、終わる頃には「にゃにゃにゃにゃんぱすー」という毒素に染まりきり、放送終了後、気付けばコミックを全巻買っていたという。1巻はぶっちゃけ中古で買ったんだけど、「アニメからは想像もできない原作絵!」って度肝を抜かれた後に、気付いたら全巻そろえてたんだよな。変な話だけど、アニメはアニメ、原作は原作でまた別な魅力があるんだ。原作を読んでから今回の1話を見ると、改めてアニメでどういう風に工夫しているのかがよく分かって面白い。動かしやすい絵になっているのは間違いないのだが、それでも背景やプロップのこだわりは執念に近いものを感じるよ。

 そして何と言ってもアニメを特徴付けるのは、暴虐とすらいえる思い切った間尺の取り方。前クールでは例えば「レーカン!」を見て「何か拍が半歩遅い、微妙にもっさりしてて肩透かしをくらってしまう」と不満を漏らしていたわけだが、この作品の「間」に関して言えば「レーカン」なんかの比じゃない。他の作品だったら間違いなくしゃべらなきゃいけないタイミング、間違いなく動かさなきゃいけないタイミングで、動かないし、しゃべらないし、何もしない。いや、「何もしない」はおかしいか。「あえて動かさない」である。今回一番良く分かるのは、ひか姉が携帯忘れてそのまま電車で連れ去られるシーン。彼女が乗った電車が山の向こうへ消えて見えなくなった後に、ほんの数秒ではあるが、何も見えなくなった田舎の遠景をそのまま映し続けるカットがある。他のアニメでやったら間違いなく違和感だらけだろう。怠慢と誹られる可能性すらある「何も無い」カットだ。しかし、今作の場合はそこに意味があるのだ。「動かない」ことで田舎の時間感覚が表現され、そこに何とも言えない余韻が残る。この尺の取り方は狙っていなければ出来ないが、ひょっとしたら「狙っていても出来ない」部類のものかもしれない。全編にわたってこの独特の「田舎時間」が通底していることこそ、今作スタッフの、そして川面監督のディレクションの確かさが窺える部分である。

 これだけ大量のアニメを処理していると、どうしても1クールに数本の「ながら」処理をするアニメというのは出てくるもので、このアニメなんかも、いかにも「ながら」処理しやすそうな作品。何しろ他の作品よりも時間の流れが緩やかなので、多少目を離しても何の問題も無いように見えるからだ。しかし、実際にはそんなことは出来ない。「のんのんびより」と向き合うためには、この別次元の「時間」を共有するために、他の雑事を全て忘れて、画面に向き合い、完全に作中世界に没入することが求められるだろう。なんとありがたい世界だろうか。今期も頑張ってほしいですのん。

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○「干物妹!うまるちゃん」 6

 おう、可愛いやんけ。安定すぎる太田雅彦作品。

 太田雅彦・あおしまたかし・動画工房のコンビネーションから想定される通りのものが出てきている、コロコロと賑やか、楽しい、そして可愛い。もう、とにかくそれだけ。そして、それがよい。唯一にして最大の懸念材料は、「ところでこれ、1クールも必要か?」っていう部分なんだけど、原作も連載は続いているようだし、それなりにネタはあるってことなんだろう。基本的に青年誌は読まないので原作はノータッチなんだけど、なんか読んだことがある気になっていた。その割にうまるがあんな設定だってことすら知らなかった。もう、アニメの視聴前には一切余計な予備知識は入れない方針。

 「うまる可愛いやんけ」の一言で終わる作品ではあるのだが、もちろんいつも通りの太田演出は健在。個人的に1話で一番のお気に入りはカウチポテトを決め込むお話で、ポテチで伝説を作った夜神月さんに迫る勢い(?)の素晴らしい食べっぷりである。そうなんだよ、「楽しいコンテンツを消費している時」、そして「おいしいものを食べている時」。これこそが生を感じる最大の瞬間である。ぼくも、有能な社畜の兄に飼い殺されたいです。あー、でもその場合には努力もせずに文武両道で万能にならなきゃいけないのか。人生厳しいっすな。

 そのうち飽きてくる可能性もあるのだが、「ゆるゆり」にしろ「みなみけ」にしろ、大体そんな感じでしたので。これで問題ありません。中の人については、うまる役の田中あいみを始め、ほとんどが事実上の新人で固められているのも興味深い。田中あいみはいかにもな「アニメ声」でもってうまるの両サイドの属性を愛らしく演じてくれている。いいきっかけになるかしらね。

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○「OVERLORD」 6

 (´・ω・`)またネトゲから出られなくなってる…………。もう、危ないからネトゲ禁止した方が良いよ。そのうち国民の死亡理由が交通事故を超える日が来るよ。

 「またこれか」というのが正直なところで、いくら時勢の流れとはいえ、「SAO」「ログホラ」と長期シリーズが多い中、ネトゲ関連で新しいものを出すのは無理だろ、と思っていたが、なんか斜め上から攻めてきた。正直、笑った。なるほど、コンセプトとしては上記のようなネトゲ云々の話に、「まおゆう」とか「はまおう」みたいな魔王系のテイストを合わせた感じになるんだろうか。「SAO」「ログホラ」との共通部分は主人公が相変わらずゲーム内最強ステータスを持った「俺ツエー」の権化であるというところだが、今作の面白いところは、マジでツエー過ぎちゃって敵も全くおらず、なんかしょんぼりしちゃってるところ。日野ちゃまのキャラ作りにも助けられて、主人公のモモンガさんがとても良いキャラになっているのである。

 監督の名前は見たことがなかったが、来歴を確認するとそうそうたる仕事ぶりでびびる。まだまだ認識してないクリエイターっていっぱいいるもんで。マッドハウスとのつながりは強く、いわばホームグラウンドでの製作ということに。ここ最近のマッドは非常に安定感があり、今作もCG作画を含めて非常に「らしい」仕上がり。ネトゲ世界の嘘臭さを押さえつつも、きちんと「魔王らしい」おどろおどろしさをディティールを描き込むことによって表現出来ている。そして、エロいところはエロい。こういう「悪い人だけどとても良い人」設定って無条件で心を許してしまうからずるいな。いや、正確には別に「悪い」人ではないのかもしれないけど。単なるギルマスだし。とにかく、このまま「何となく世界の支配者をやる普通の人」のお話になるとしたら、なかなか新鮮な設定なので楽しい展開が色々見られそうである。

 唯一の懸念材料は、本当に世界設定が何一つ分からないこと。「SAO」の場合は単に人為的な災害だったし、「ログホラ」も割とゲーム準拠の部分が多くて「ルール解釈」はスムーズに行えたが、今作の場合、まずもってまわりに敵もいなけりゃ情報共有する仲間もいない。完全孤立型で途方に暮れてるモモンガさんが勝手に解釈するだけなので、どこまでが「正しい」世界解釈なのかが分からず、提示された解答にも保証が与えられないためにひっくり返し放題なのである。「ログホラ」が世界設定とその歪みを上手いことシナリオの軸に据えて話を盛り上げていたが、本作ではそのあたりの「ネトゲらしさ」をどういった方法でシナリオの面白さに繋げてくるのか。そのあたりはとても気になるところ。

 中の人は、とにかく日野ちゃまが愉快なキャラ設定を見事にこなしており、一般人風味溢れるモノローグから、なんとか威厳を出そうと虚勢を張っている魔王スタイルまで幅広い。彼の独り相撲を見ているだけでもかなり楽しい。そしてサブキャラも非常に賑々しく、中でもビッチから阿呆にジョブチェンジしてしまったらしいアルベドさんの中の人、原由実が楽しげ。またネトゲ世界から出られなくなったのか……。あとはダークエルフの双子がえみりん、ゆーみんというのも非常においしいセッティング。ゆーみんのおどおどショタキャラも新しい。今後も色々と増えていくことに期待したいのだけども……この世界のNPCって結局どういう意志で動いてるんだろう。そのあたりが分からない状態でキャラを観てると、何か空虚な感もあってちょっと怖いな。

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○「青春×機関銃」 5

 何の予備知識も無い状態で視聴。オープニングが流れ、歌唱が「前野×松岡×みかこし」というトリオであることが分かる。「んー、女1の男2ってことはそういうラブコメかしら? ってことはちょっと苦手なタイプかなー」とか思っていたが、冒頭、主人公の立花が襲い掛かる不良を思いきり返り討ちにするシーンで割と引かれた。いい動きしてる。意外に、悪くないかも。

 原作はGファンタジー連載ということで、ここからどっち方向に進んでいくのかは正直想像がつかない。今、Gファンってどういう層が主な読者になってるんだろう。どうしてもCMのおかげで「黒執事」あたりのイメージが強いので、やっぱり私はメインターゲット層から外れてるんだろうな、っていうイメージではあるのだが、もともと「ぱにぽに」の雑誌やしなぁ。予断は禁物か。1話目では、主人公の男勝り女子がまさかのホストにほだされるというところからスタートする。「サバゲが趣味のホスト」っていう時点でキャラとして色々と謎ではあるが、確かにそういうホストがいたっておかしくないよな。ボクの持ってる「チャラくて信用出来ない」ホスト像なんてあくまでも妄想の産物でしかないわけで、私なんかよりもよっぽどコミュニケーション能力が高く、むしろコミュニケーションの化け物といえるのがホスト。だったらその人がコミュニケーションゲームとしてサバゲーを嗜んでいてもおかしくない。純粋に銃が好きなのだって、男の子の証である。なんだ、すごく普通の設定じゃないか。どっちかっていうとメインヒロインの男勝りな人物像の方がよっぽどファンタジーである。そういう目で見ると、だんだん立花が異物に見えてくるな。

 ここ最近、立て続けに「サバゲ」が主題のアニメが作られていたが、「C3部」「さばげぶっ」に共通するのは、どちらも女の子だけの「萌えサバゲー」であったこと(まぁ、どちらも萌え要素からはほど遠い結果になったが……)。それに対して、今作は参加者の中にたくさんの男性が含まれているだろうし、純粋な身体能力でもってサバゲに挑もうとしている部分が逆に新鮮。もちろん、そこに男2女1のラブ要素も絡んでくると思われるが、立花がホストに籠絡される様は正直あまり見たいと思える要素ではないので、出来たらサバゲを延々やるアニメになれば楽しめる……うーん、ムリダナ。ギャグ方向になにか吹っ切れてくれればいいんだけど。

 ひとまず、1話目のバトルシーンは大雑把に勢いがあってなかなか楽しいものになっている。流石に立花のスペックが無茶過ぎる気がするが、多分今後のサバゲ展開で彼女の身体能力が活かされるお話になるのだろうし、男と対等に戦っていく上では必要な描写なの……かな? 個人的に、「強いと自負していた男勝りな女の子が結局男の策略に負けて屈辱的な命令を出される」という設定の時点でもう汚れた心がどうにもならないので、新堂エルあたりに助けてもらわないと平静な心で今作を見られない気がするよ。ほら、だってCVみかこしの時点でかなりのチョロインなわけで……。これから一体どんなひどい目に遭うのでしょうね。ホスト相手に対等に戦いたいなら、藤岡ハルヒさんくらいの強い芯を持った女性でないとなぁ。

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