忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[1] [2] [3] [4]
  数寄と戦と第6話。今までは「数寄者パート」と「戦国パート」っていう分化が行われていた気がするのだが、今回あたりからだんだんその区分すら無くなってきたような気がする。左介が絡んだら全部そうさ。

 前回は秀吉がメインみたいなところもあったわけだが、今回は左介が純然たる主役。「信長が天下統一するまであとわずかしか無いので、その間に武功を上げておかなければ大茶会も開けない」、と焦りを見せる。普通の武人ならば「主君のため」「お家のため」「自尊心のため」に武功をあげようと努めるわけだが、この男の場合、最終目標はあくまでも趣味の世界。何が動機でもそれが活力になるのなら問題無いとは思うが、戦のためのツールとしても器を持ち出してくるシンプル過ぎる思考パターンはいかがなものだろうか。

 武功をあげるための第一段階は、戦線を切り開くための小城の突破。窯元を訪れた時に思いついた作戦、偽井戸茶碗で突破。敵方との交渉役は既に対松永など何度も経験してきた左介だが、偽の茶碗で堂々と交渉を押し切ってしまう胆力は一体どこから来るものなのだろうか。相手が「見る目のない奴」だと基本的になめてかかるスタンスなのかね。そして、再びの武功チャンスは、残念ながらそんなに簡単にはいかず、命がけのチャレンジとなってしまった。数寄を競うライバルたる織田長益が先に武功を挙げたと聞き、「数寄では劣っても武勲で敗れるわけにはいかぬ」と、これまた意地の張り合いみたいな理由での決戦である。既に先んじて向かった交渉役が命を落としていることは知らされており、失敗が死に直結することは明らか。そんな状態でも、これ以上長益に劣る部分を見せるわけにいかず、更に事態が天下統一に向かっているとするなら、自分に残されたチャンスはあとわずか。命を賭しても、挑むべきミッションなのである。

 悲しきかな安易な偽物作戦は、器を焼いた窯元自身が「質では明らかに劣ります」と言っていたような代物。矢面の小城を任されたような下っ端武士ならだまくらかせても、位が上になればそうもいかない。城主仁科盛信の奥方だろうか。薙刀片手に勇ましく挑みかかる女性は、左介の持参した器を偽物であるとあっさり看過。失敗したかと思ったが「しょせん女は欲には勝てぬ」というよく分からない流れになり、そのまま痴女をスルーである。まぁ、あそこできちんとコトに及んでいたら更にどうなっていたか分からないが……ほんと、左介は肝心なところで使い物にならないものをお持ちで。

 そして最後、「出世への階段」となるべき天守への階段を上りきった左介を出迎えたものは、実に見事なケンカキックでありましたとさ。無様に落下していく左介を見て、今回のサブタイトルが「武田をぶっとばせ」であったことを思い出す。ぶっ飛んだのは、お前だ。やっぱり左介は格好悪い。偽物戦術も本当に安易な思いつきだし、それが一度うまくいっちゃったもんだから味を占めて繰り返すあたりも情けない。そして、何とか命がけの戦場に挑んではいるものの、その動機が何ともしょっぱいのも本当に彼らしい。しかし、本物だ。

 「戦と数寄」という2要素が絡んで分けられなくなったのは完全にこいつのせいなわけだが、2つの要素が実際面以外にも色々と絡み合った描写がなされているのがまた楽しい。左介の周りでいうなら、女性に迫られて「拙者のろくろさばきを……」と勢い込んで脱いだ左介が挑みかかる画から切り替わり、織田軍が進軍を始めるシーンなんかが印象的。織田の軍旗が次々と掲げられ、ホラ貝による号令が飛び交うシーンを見ると「おぉ、左介もきっと高々と自分のものを掲げあげ、さぞかし立派な戦果を上げたに違いない」と思わせるのだが、再び画面が切り替わって戻ってくると、なんと、自分のものを勃たせることすら叶わなかった様子。まぁ、命がけの戦場、しかも敵親玉の直前で欲情しろって言う方が無茶な相談だが……

 他にも、間抜けさが際立つ左介とは対照的に、既に秀吉の心中を知っている利休が様々な場所に手を回し始める描写でも、彼は常に天下の趨勢を「茶の湯の話」として語る。「今焼き」の是非を問う細川藤孝に対しては「信長への忠誠心が揺らいでいるのか?」と揺さぶりをかけている。その直前で、城の見物料を徴収から取り立てるという、一国の大将とはとても思えない信長の破天荒な振る舞いが、その見方に拍車をかけているだろう。これは「今焼き」という昨今の流れを、新しいもの、エキセントリックなものに目がない信長と対比させての物言いであり、自然に「信長の振るまいは自分の目指す道とはそぐわないものである」ことを藤孝に伝えている。更にその手は明智家にも及ぶようであり、秀吉の働きと合わせて、少しずつ包囲を固めている印象だ。

 視聴者は、この利休の策が最終的に本能寺の変という形で成されることを知っている。そして、利休は現時点での情勢をほぼ完璧に把握している。いわば全てを理解した上での、「数寄」の追究という状態。対して、主人公の左介は完全に世の趨勢を見誤っており、「間もなく信長が天下を統一する」と焦るばかり。見ている方向が全く同じであり、挑む精神も本物の2人であるが、かたや黒幕、かたや道化。この2方向の書き分けが実に見事な対比を産んでおり、相変わらずの利休の黒さを浮き彫りにし、同様に悪い笑みを浮かべてみる左介に、どこか憎めない印象を与えているのである。「目で語る作劇」という言葉を何度も使っているのだが、何を考えているか分からない利休の細目と、ことが起こるたびにドギマギと泳ぎ回る左介の目は、本当にこの作品の両極を表しているようではないか。本当にこの男、大成するのか?

拍手

PR
  オープニング変わった、第5話。先週あたりに、この作品のオープニングを担当していたアーティストが麻薬所持でしょっ引かれたというニュースを見て、「あちゃぁ、まだまだ始まったばっかだってのに災難だな」と思っていたら、予想以上に対応が早くて驚いた。天下のNHKはこういうことの処理は容赦ねぇな。流石に替えの映像や楽曲があったわけではないので、画面はそのまま、作中で使われる音楽にSEを入れただけのその場凌ぎのものでしかないが、それでもなんとなくやれているだけでも頑張った感は出ていますよ。

 で、そんな世事とは一切関係なく、作中でも時代は進んでいく。前回、利休との会談で否が応でも自らの内にある野心を意識してしまった秀吉が今回の主人公。「信長討つべし」の利休の案は、忠臣としての地位を確立した秀吉には聞き入れるわけにはいかないものである。しかし、その気持ちは常に己が内にあったもの。利休の進言をその場で正すことも出来ず、熟考した後に斬って捨てることも出来ず。自分の業の深さに呆れながらも、秀吉は止まれぬ坂道を転がり始める。そして、その矛先が向いたのは信長自身ではなく、事前に不和の気配を感じさせていた光秀の方。猿が猿知恵を回し、忠臣の中の忠臣を揺さぶりにかかる。秀吉自身の手による横腹の小さな傷は、比べものにならない傷を光秀の心に残し、それが、この後で信長を焼き焦がすことになるわけだ。まことに、秀吉という人物は恐ろしい。

 腹の探り合い、謀略、野心、そして忠義。様々な思惑が交錯する人間模様を見ていると、やはり戦国時代なのだな、ということを改めて思い出させてくれる。自らの立ち位置を心に決めた秀吉は、利休との密談の証拠を消すために、いとも容易く門番2人を斬って捨てた。後にその野心を海の外にまで広げることになる関白殿の冷淡な行動力が、遺憾なく見せ付けられる場面であった。

 そして、そんな猿の思惑に完全に踊らされる形となりそうなのが、忠臣・明智光秀である。主君の振る舞いには多少の不満はあるものの、そこはあくまで主従の関係。信長の器は認める以外に無いものであるし、自分の気持ちや、家臣からの不満などは二の次であったはず。しかし、そこに突然現れたのは、自分と同じような立場に思い悩み、涙を流した秀吉の姿。あの気丈で飄々とした信長の側近が、自分の前で情けない泣き顔を見せた。これは、男として見過ごせる事態ではない。何が自分のため、家臣のため、そして国のためになるのか。光秀はしばし思い悩むことになる。

 秀吉と光秀。2人の英傑の感情の揺れや決意が、今回も見事な止め画と「目」の演出で見せ付けられる。また、雨の中、家臣を切り捨てて修羅の道を歩み始めた秀吉の後ろ姿や、庭木をいじる平穏な日々を送っていたところに、予期せぬ涙を見せられた光秀の困惑など、1つ1つの感情が、言葉ではなく表情や仕草で見えてくる。相変わらずの重厚さである。秀吉の悪そうな顔が、単なる悪役ではなく、こもごもの思いを秘めた天下人の風貌に見えるように描かれているのが本当に気持ちいい。

 で、そんな重苦しい雰囲気などどこ吹く風なのが、我らが主人公、左介さんである。決意に揺れる秀吉がひたすら自問を続けている間も、信長に送られた名馬を見て飛びつかんばかりに喜び跳ねているだけだし、高山右近にもらった「良からぬ気を起こさぬお守り」としての十字架も、名物の馬を見れば心がよろけて意味が無いし、何事も無かったかのように秀吉に渡った名品をかすめ取る小悪党っぷりは磨きがかかる。上司が「天下を取るために主君を裏切るどうか」で悩んでいるにもかかわらず、その間、部下は必死で偽の杓をこさえたり、ムラムラしちゃったからかみさんを呼び出したり。ほんと、武士としては最低の男である。しかし、だからこそ利休も秀吉も「面白き男」と評しているわけだが。「神を信じるか」って聞かれて、「3つの茶入れ」って答える時点で人として駄目だよなぁ。

拍手

  利休でかすぎワロタ第4話。街中で他の商人たちと並んでると、頭一つ以上抜け出てるじゃねぇか。当時の人間が小さいとはいえ、一体何㎝あるんだよ。

 4話になっても一向にテンションが落ちない作劇に唖然。今期一番の緊張感を持ったアニメは、文句無しでこの作品でしょう。舞台設定が戦国時代という最近のアニメではしょっちゅう見かけている内容なのに、やってることが見たこともない内容なのが良い刺激になる。殺し合い、奪い合いを見るよりも、こうした虚栄と矜持の物語を見た方が、人間の業の深さがよく分かる気がします。

 今回は、乱世のファッションショーのような趣で自分の意匠を得意げに見せる左介から始まり、信長の絶頂期と、それをねめつける光秀の怪しさ。我が道を突き進む利休の隠された傲慢さと、それに異変を感じ、次第に繋がりつつある秀吉との関係などが描かれ、ビィートレイン演出のしっかりした間を維持しながらも、かなり密度の濃い物語となっている。正直、この演出技法の時点で中身の充足はある程度犠牲になるものとばかり思っていたのだが、この作品の場合、ちゃんとシナリオラインも流れており、歴史を知っていても充分楽しめるように出来ているのが本当に見事。

 そして、今回はサブタイトルにもある「ブラック」の巧さがそこかしこに確認出来る。なんと言っても本作で「黒」の体現者と言えば利休だ。最初に店の軒先に現れる利休は、極端とも言えるほどの真っ黒な影の中からぬっと姿を現し、京の往来に何とも言えぬ異物感を醸し出す。窯の前で茶碗の完成に打ち震える利休も、ずっと光源を背負っているせいで顔色が暗いままであるし、秀吉と二人で密談する時にも、明かりを正面に受ける秀吉とは対照的に、利休の顔はずっと影を帯び、暗いままになっている。彼の口から語られる「黒」への固執が、ずっと作中に尾を引いているのだ。そして、これに真下演出の真骨頂とも言える「目」の要素が絡んで実に面白い画面の色彩を引き出す。影の中に細い眼を光らせる利休のただならぬ風貌もそうだが、ラストシーンでは、黒い背景の中、かっと目を見開いた秀吉の表情でブラックアウトしていく。このカットの中で際立つのは、生来の大きな目を見開いた秀吉の目の白さである。この後の時代で利休の受け皿となる秀吉であるが、後々の彼らの関係性を思えば、この「黒に浮かぶ大きな白」という対比、対立が、何とも言えない歯がゆさと不安定さを醸し出す。「表情で止める」という演出は真下演出では定番のものだが、改めて見ると、こういう色彩の妙までも味わうことが出来るのだから、流石としか言いようがない。

 他にも、信長と光秀の会話の間に挟まれ、望遠の視点で全景に散る桜の花びらが、後のシーンで秀吉の茶室の花瓶に繋がったり、1枚1枚の絵の色彩の配置が実に見事。画面の動きが少ないだけに、演出家の意図が1つ1つ丁寧に拾っていける構成は、ファンからするとありがたい限りである。

 是非とも、正座しながら1つ1つの画面を吟味して味わいたい佳作。このまま3クールもやられるんだとしたら、いつまでこの身が持つか自信が無いわ。

拍手

  アボンとぶっ飛ぶ第3話。今期は制作本数が多いせいでやたら地味な印象があるこの作品ですが、実はかなり面白いんじゃないかと思っとります。

 原作未読の状態で視聴していて、古田織部のキャラクター性を全然知らないというのも大きいのだろうが、とにかくキャラクターが活き活きしていて、いちいちぶっ飛んだことをしでかしてくれるので見ていて飽きが来ない。扱っているものが珍品名品、茶の席に侘び寂び、風流ということで、どうしても画面はゆっくり、変化に乏しいものになるのだが、そのテンポが予想以上に真下演出にマッチングしている。人間模様を描くためのツールである真下演出だが、こうした「得も言われぬ空気感」を描出するのに使われると、こうも破壊力があがるとは思ってもみなかった。

 3話で具体的に挙げるなら、たとえば利休の茶室で「茶碗を寄越せ」と要求された左介が、しばらく悩んだ後にニヤリと笑って差し出すことを了承する場面。利休の思惑を計るためにしばし黙考する左介の口元のアップが数秒間写しこまれるわけだが、それまでの大仰な左介のモノローグと、一向に顔色を変える気配のない利休の対比のおかげで、左介が唇をかんで必死に悩んでいる懊悩ぶりが容易に想像出来る。そして、その結果として「笑う」という行為が、数寄者どうしのどうしようもない繋がりと業の深さを表している。「この人は人としても俗物として次元が違う」とあきれ果てる左介の心境がよく分かるシーンである。

 他にも、信長の居室で究極の2択を迫られた左介のあり得ない表情や、光秀の話を聞いた時の秀吉の含み笑いなど、目元、口元のアップのカットで見せる演出がいちいち効果的に働いている。数寄者の連中も、理解の範疇を超えた度し難い煩悩が見え隠れし、武人たちは腹の内に押し込めた出世欲をひた隠しにしようとしてこぼれ出てくる。2種類の「本音」の錯綜する姿が、濃いキャラクターたちに絡み合って、絶妙な刺激になっているのである。いやぁ、いいなぁ。

 中の人たちも実に渋い。利休役が田中信夫っていうだけでお腹いっぱいになるが、秀吉役の江原正士、そして光秀役には田中秀幸である。ある意味今期一番豪華な面々なんじゃないでしょうか。今後あんまり感想は書かないだろうけど、じっくり見てもらいたい1本です。放送が終わったら原作買い込もうかな(3クールあるけどな……)。

拍手



忍者ブログ [PR]
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
26 27
28 29 30
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[04/25 な]
[04/19 NONAME]
[04/17 NONAME]
[04/17 NONAME]
[04/13 NONAME]
バーコード