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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 東京はタコが多い町、第17話。私みたいにほとんど東京を知らない人間には勉強になるアニメだなぁ。あれだろ、電車に乗ると毎日違う「今日の標語」がオリジナルアニメーションで流れる街だろ? いいとこだな!

 さて、前回までがサブキャラエピソードの充填回という位置取りだとすると、今回からいよいよ作品の主題たる高倉家の中へと食い込んでいくことになりそうだ。おかげで、今までは分かりにくい部分が多くてついていくだけでヘトヘトになる本作だったが、今回のシナリオは分かりやすい進行になっており、真っ直ぐに中身を楽しむことが出来る。まぁ、それでも相変わらず何がなんだか分からない部分もあるのだが……

 これまで描かれてきたのは、ゆりの内面や夏芽の内面など、実際には16年前の事件とは関係が薄い部分だった。そして、プリンセスの影も次第に薄くなり、ろくに生存戦略すら見られないというないがしろな状態。しかし、今回はようやくコール有りの生存戦略が施行され、その中では全裸陽鞠による完全アウトなサービスまで披露。視聴者が陽鞠のあられもない姿にうわーって叫んでいるその隙に、プリンセスが「お前には何とかすることが出来る」と冠葉に宣告するという重要な要素も描かれている。陽鞠が倒れたあの晩に、冠葉はプリンセスから直々に「お前ではもう陽鞠は救えない」と言われていたはずだったが、今回、プリンセスはそんな冠葉に救いの手を差し伸べている。相変わらずピングドラムがなんなのか教えてくれないプリンセスの言葉をどの程度信じていいのかも分からないが、これをきっかけに、冠葉はもう少し生産的な、前を見た行動が出来るようになるのだろうか。

 そして、今回最も大きな変革がもたらされたのは、なんとあの時籠ゆりの心境であった。これまではるかな高みから見下ろしていたかのようなゆりの振る舞いだったが、苹果との行動を繰り返すうちに、どうやら過去に色あせていた桃果との想い出も強烈に蘇ってきたようだ。彼女の生きる理念の1つとして、罰するべきは高倉の血筋である、という強い想いがあった。そして、そのたった1つの信念が、彼女を多蕗との結婚にまで至らせた原動力になっていたようである。実に直接的な手段で陽鞠を亡き者にしようと企てたゆり。その計画はすんでのところでもう1人の闖入者である夏芽に阻まれたが、彼女こそが、冠葉や晶馬が恐れていた「高倉を許さない者」であるのは間違い無い。生娘と年増のよく分からない日記争奪戦の結末は、どちらに転んでもあまり高倉家には幸せな結果にはならないようである。

 そして、そんなゆりの意志をどう受け止めているのだろう。未だ謎が残り続ける最後の登場人物、多蕗も動き出した。ゆりと2人で話し合っている時には「既に高倉の子供達には何の感情もない」と言っていた多蕗だったが、意外なところからゆりの計画に介入、そのまま苹果と陽鞠を自分の手元に置くことに。さぁ、彼の桃果に対する思いは、一体どこに着地するのだろうか。

 今回最も焦点が当たっているのは、間違い無くこの多蕗とゆりの桃果への想いということになるだろう。最も象徴的なのは、2人が語り合う夜の自室のシーン。2人が揺らすシャンパングラスの中には、光輝く東京タワーのシルエットが揺れている。彼らが手中に入れて揺らすこの東京タワーは、過去に桃果が「改変した」この世界の象徴ともいえるパーツである。彼らは今でも、桃果が産み出したこの世界を愛し、そして桃果を失ったことを悔やんでいる。あの時から別たれた2つの世界については、多蕗がついていたテーブルに置かれたグラスのシルエットも示唆的な図案を描いており、1つのグラスから同じように2つの影が伸び、「分かれた世界、有ったかもしれない世界」の存在を示唆している.桃果がいるからこそ得られたはずのこの世界に、既に桃果はいない。そんな理不尽を前にして、多蕗は一体どんな行動に移るのだろう。

 実際に昇ったことが無いからしらないが、彼が苹果たちを招待したあの巨大なエレベーターは、どうやら東京タワーのもののようにみえる。この「東京タワー攻防戦」が、まずはこの作品世界の行く末を決める1つ目の勝負になるのだろう。……なんか、CCさくらの1期みたいだな。

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 イカれちまったぜ! 第16話。いや、イカれてんのは知ってんだけどね。ここんところ、一週間にピングドラム1話と「ウテナ」2話を見なきゃいけない生活なので、もう何が正しいのか分からなくなってきてますよ。こえぇよ、この合法ドラッグ。

 前回の時籠ゆり編に続き、今回はまさかの夏芽回である。「ペルソナ4」と続けて放送されるおかげで、スーパー堀江タイムになってるよ、この時間帯。そして、高倉家、荻野目家、時籠家に続き、本作中では4件目の「親子関係に問題ありまくりの家庭」ですよ。ほんと、この作品では「親子」や「家族」っていう関係性が一切安らぎに繋がっておらず、各々のキャラクターの一番根深い問題を生み出すリソースにしかなってないのが恐ろしい。こんだけ問題がある家族しか出てこない理由は前回分析した通りだけど、それにしたって、ここまで歪んだ家族観を立て続けに産み出されると、脚本を作っている人間は大丈夫なのかと心配になってくるほどだ。

 加えて、これまでの時籠家、荻野目家の場合、真剣な家族の悩みをそれなりにシリアスも交えながら描いてくれていたのでまだ理解の範疇にはあったのだが(いや、荻野目家は海洋生物コントメインだからあれもひどいんだけど)、今回の夏芽家のエピソードは徹頭徹尾ギャグテイストで統一してあり、問題の根深さをどこか別の次元、別の概念レベルにまで転化させているので混乱の度合いが段違いである。でも、どうせ今回ギャグっぽく扱ったテーマも最終的には大きな問題に絡んでくるんだろ? どうせそういうことをやるアニメだよ!

 夏芽家のエピソードの幕を開けたのは、意外にも真砂子の従者である眼鏡メイドさん。中原麻衣ボイスの時点でただものじゃねぇな、ってのは分かったけど、なんと本邦4人目の生存戦略空間への招待客になるというサプライズが展開された。せっかく久し振りの生存戦略だったのに、高らかに宣言するプリンセスの声がなく、まさかの吹き出しスタート。そこから謎の575バトルを経ての着やせメイドサービスシーン撮影会へ。「撮影してるカメラマンのかっこの方がよっぽどエロいやないか」とか「祖父の代から務めてるメイドのくせに、なんでそんなにピッチピチなんだよ」とか、突っ込みどころしかないワンシーン。

 そして、そこからは夏芽の独り語りによる、祖父との関係性の回想。なんかよく分からない理由で別離している父親との関係性を取り戻すために、諸悪の根源たる祖父を亡き者にしようと思い悩む夏芽がひたすら繰り返して祖父の殺害を夢に見てしまうという天丼コントだが、連発するシュールなシーンのおかげで悲壮感も緊迫感もありゃしない。さりげなく発揮される祖父の変態性は、なんでそんなキャラにする必要があったんだよ、という意味の分からないクドさ。「夏芽家の男子たるものぉ〜」って言ってたけど、あんた1代で財を成したんだったら、先祖代々の謂われとか無いですやん。

 散々暴れ回り、愉快なテンションでウンコちゃん呼ばわりまでしていた祖父が、ギャグのテンションを維持したままにフグ毒で即死。めでたしめでたしかと思いきや、その情念は呪いとしてマリオへ。更にフグ毒攻勢で真砂子を追い立てた結果、姉は中毒、弟は犬神家。夢うつつで彷徨う夏芽は、あの苹果たちの運命を隔てた「黒電車」の中で冠葉を見とめるも、冠葉は声の届かぬ「扉の向こう」へと消えた。世界を変える、その選択へと。

 どこまでが回想? どこまでが夢? どこからが現実? 何が何だか分からないまま、夏芽は無事に生還した。マリオも無事だ。彼女は絶対に「あちら側」に行かないと心に誓った。渡瀬は、そんな彼女を見ても静かに笑っているだけであるが、「黒電車」の中では彼の隣にあの帽子を被ったマリオがいた。プリンセスオブクリスタルは、オープニング映像でも分かる通りに「渡瀬と同じラインに立つ者」である。同じ帽子を被ったマリオも、渡瀬と同じレベルを保つ存在であるかもしれない。必死で守ろうとする2人の兄を手玉に取る「妹」としての陽鞠、そして必死で守ろうとする姉を手玉に取る「弟」としてのマリオ。この符合が一体何を意味するのか。

 さっぱり分からないことはいつもの通り。毎回主観視点すら変わるのでエピソード感のブツ切り感も半端じゃない。それなのに、何故こんなに続きが気になるのだろう。怖い。そして、能登麻美子の歌がトラップとして使われ、あげく燃え上がるというその事実も、怖い。

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 晶馬の馬鹿野郎を早く磨り潰さないと、第15話。いやね、まぁ、前回の引きから、別に何事もないだろうことは分かっちゃいましたよ。結局傷物にはならないだろうってことはさ。でもさ、なにも隣にたまたまいなくてもいいじゃない。もう少し、濡れ場的なものをだね……奪って欲しかったなぁ、苹果の大切なもの。

 とまぁ、前回の引きからのテンションは下がってしまう展開になったわけですが、今回からオープニングも変化し、ますます世界は混迷の渦の中へ。オープニング映像については、前期分とイメージは同じにしながら、やくしまるえつこらしからぬ疾走感のあるメロディに合わせて、クライマックスに近付いた盛り上がりが感じ取れるものになっている。前のに比べると、なんかやたらとクマの数が増えたような気もしますね。基本的なモチーフは一緒なので、この作品がずっと一貫して同じテーマを扱っているのだろう、ということは確認出来ます。

 で、本編の方だが、今回はまるまる1話使って時籠ゆりさんの過去話。前回、桃果との衝撃の関係性が明らかになったゆりだったが、そこには更に、混沌が待ち構えていた。高倉家、荻野目家に続く、3つ目の「家庭環境に問題が有りすぎる子供」。もうこの世界にはまともな家族なんておらん。マッドな上にやたら厭世的という面倒な父親の庇護の下で育てられた幼少期のゆりは「美」について、「家族」について、歪んだ価値観をたたき込まれ、自分でも気づかぬうちにその命を失う危機に陥っていた。子供というのは無垢なもので、どれだけ間違った親に育てられていても、それが親の言うことであれば信じなければならない。まさに、白鳥の雛が自分をアヒルだと思い込んでいたように。そして、そんな歪んだ家庭に一筋の光明を与える役割を果たしたのが、ついに今回初お目見えとなった、荻野目桃果であったのだ。

 苹果と同じ顔立ちにピンクの髪。そして豊崎ボイスという抜群の存在感で登場した桃果。なんか桃果とゆりが会話していると、違う作品に見えてくる気がするね。今回登場したパーツを組み合わせると、豊崎・能登・温泉旅館……もう、どこかにホビロン板前が隠れてるんじゃなかろうか。

 冗談はさておき、登場した時には「思ったよりも普通の子」という印象を与えるくらいの荻野目桃果。ゆりに植え付けられたおかしな価値観にNOを突きつけた初めての人物であるが、やっていることは単なる社交的な小学生だ。その程度の障害なら、時籠父は更なる刷り込み効果で排除してしまい、愛娘を理想像に育て上げることも出来たであろう。しかし、桃果は違った。「乗り換え」と称する謎の秘術を秘めた、ピングドラムを持っていたのである。すっごく分かりやすく言うと、世界線が乗り換えられるというのが桃果のいうピングドラムの効果。それを使って、彼女は「親友」のゆりを救い出すという。そのための代償は「指に巻いた絆創膏」だと彼女は言うが、それだけだって、大して親しくもない友人のために被るリスクとしては嫌なものだ。そして、実際に「乗り換え」を試みた桃果は、その身体が燃え上がるほどの「代償」を支払ったという。街中から巨大建造物と1人の芸術家を消し去るためのリスクは、なかなか大きなものだったということである。

 桃果の言っていることが本当なのかどうかもよく分からないが、とにかくゆりの中では、桃果は真の意味でピングドラムを使いこなした人物であり、自らの全てを捧げてでも取り戻すべき恩人となった。苹果にちょっかいを出したりもしたが、そこにあるのは愛情を通り越した完全なる恩義であろう。16年前のあの事件で「消えた」桃果を助けたいと願う心は、多蕗の愛情よりもはるかに強く、苹果が持っていた歪んだ置換願望よりも熱烈であった。ピングドラムを巡る争奪戦は、ここにあらゆる方向からの強い意志を集めているのである。

 とりあえず、ゆりの人となりが分かっただけでも収穫の今回。間には陽鞠のちょっといい話やら謎の温泉卓球バトルなども交えながらではあるが、少しは方向性もまとまっただろうか。こんだけ訳の分からん話が新たに提供されたというのに、少し見晴らしが良くなったように思えるのは謎である。ようやく桃果が登場してくれたおかげでイメージしやすくなったおかげかしらね。

 今回気になった点は大きく2つ(1号と3号の謎コントとかはおいとくとして)。1つは、桃果が「代償」と言っていた指の絆創膏である。その後の世界線改変では人体発火にまで繋がっていたので、指の怪我程度は大した問題じゃないとも言えるが、この世界には、指に怪我をしている人間がもう一人いるのである。そう、多蕗だ。彼の幼少期の想い出を振り返ると、多蕗はなんと5本の指すべてに、まるで切断されたかのような傷跡が刻まれていた。あれは一体何だったのか。彼はピングドラムについて、何か知っているのか。渦中の人である桃果やゆりとこれだけ深い関係にあって、何も知らないとは思えないのであるが(そして石田彰が何も裏がないとは思えないのであるが)。

 さらに、もう1つの注意点としては、今回ゆりの回想を通じて描かれた「家族」というテーマがある。今回だけでも、実に端的に2つの「家族観」が描かれていたことは、注意すべきポイントだろう。1つ目は、ゆりの父親が語る「家族だけの絶対性」という思考。家族以外は決して愛せない、という彼の信念は、裏返せば「家族ならば絶対に愛せる」ということでもある。家族と言うだけで盲目的に父を信じたゆりの人生はそのものずばりであるし、「家族であること」が特別な意味を付与されるのは、むしろ一般的な考え方である。

 しかし、陽鞠と冠葉の仲を見守る渡瀬は、「家族の繋がり」を呪いであると形容した。家族であるというそれだけで、子供の人生は縛られてしまうのだと。親は子供を愛する権利と選択肢を擁するが、子供にはその自由が無い。生まれた時には親がおり、そこに「親子」という関係を結ぶことは義務的である。この強制力はまさに「呪い」であり、実際に、冠葉たち兄弟はこの「呪い」に苛まれた状態と言ってもいい。そんなものは必要無いんじゃないかと、渡瀬は冠葉に仄めかすのだ。

 個人的な希望だが、この作品は、最終的には高倉家の食卓に帰ってくるべきだと思っている。冠葉、晶馬、そして陽鞠がいて、3人揃ったところがこの作品のスタートであり、ゴールであるべきだ。そうなるなら、やはり「家族」という絆は欠かせないものである。しかし、ただ単に「家族だから」という理由だけでそこをゴールにすることは、ひょっとしたら怠慢であるのかもしれない。「家族愛」が度を過ぎてしまえば現在の冠葉のような危うい状態にもなるだろうし、荻野目家を見れば、家族の繋がりなど本当に儚いものだとも言える。あらゆる状態を描出し、並べることで、初めてその中から理想の「家族」というゴールが見えるのかもしれない。そうしたことをする上で、今回の「呪い」の話は必要なものである。高倉家も荻野目家も、まだまだこれから「描かれる側」であるから、そのための下準備として、今回は「時籠家」というサンプルケースが提示されただけなのだ。

 繰り返しになるが、ゆりさんの百合シーンが無かったのは残念至極。しかし、そんなアホな感想は他所に、お話は着実に進んでいく。そして、これだけ進んだというのに、「ピングドラムって何?」という疑問は、未だに解決をみないままだ。……ゴール、してもいいんだよ? どうなることやらな!

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 ……あ、すみません、取り乱しました、第14話。まさかこう来るとは思いませんでした。前回までの色々悩ましい展開が一旦保留されて、なんか違った方向の悩ましさが加速した気がします。ただ1つ言えることは、僕はもう、「世界一初恋」に文句を言いません、ということだ。

 今回なんだか気になったのは、なんで高倉家っていきなり情緒不安定になるんだろう、ってなことですかね。たまたまとはいえ、晶馬と陽鞠が突然ダウン状態になっちゃったんだよね。晶馬の方は、過去に抱えた大きな大きな傷跡が関わってくることとはいえ、互いに傷も含めた見られたくない部分まで見せ合った苹果に対し、あそこまでよそよそしくなるのはちょっと違和感がある。これまで苹果は「守られる側」であって、多蕗との問題が解決して面倒をみる必要が無くなったから冷たくなったのかな。苹果の気持ちはさておくとして、晶馬の中では苹果はどんな存在になっていたのか。確かに「親が姉を殺した直接の原因である」というのは非常に心苦しい事実ではあるのだろうが、これまでのような気遣いの出来る晶馬の性格ならば、許しを与えようとしている苹果の気持ちをくみ取っても良かったと思うのだが。それだけ晶馬の中で16年前の事件は根深いってことなのかなぁ。

 そして、時を同じくして突然テンションが下がっちゃった陽鞠。渡瀬とのコミュニケーションが主だったおかげであんまり心情までは読み込めなかったんだが、考えてみたらこれまでも「陽鞠の心境」ってあんまり語られる要素じゃなかったんだなぁ。彼女もあの事件の当事者である「高倉家の一員」であることは間違い無いわけで、苹果が事実を知った今、彼女の動向がどのように変化していくのか、というのも注目すべき点かもしれない。

 そして、謎のアンプル代を捻出するためになりふり構わない冠葉。いつも通りに謎の黒服軍団を介して資金調達しているが、流石にヤバい方法であることは間違い無いらしく、世界で最も冠葉のことを心配している女、夏芽が武力介入。ピング弾で黒服を一掃すると、残った弾丸で冠葉の「最愛の女」に待ったをかけるため警告を送る。禁忌であるはずのその関係に警鐘をならすのは、何も冠葉への感情が強いから、というだけではないだろう。しかし、冠葉はそんな夏芽の言葉に耳を貸す気配はないようだ。結局、こんだけ話が進んでるのに冠葉の身辺って一切が謎のままなんだよなぁ。

 しかし、そんな高倉家が鬱々としている中で、今回主役に踊り出たのは、意外や意外、サブタイトルの「嘘つき姫」、時籠ゆり嬢である。冒頭、舞台で共演した男役の誰かさんとのベッドシーンから始まり、「え? 朴璐美ボイスだけどそいつ男じゃねぇの?」という突っ込みを挟んでの女傑ぶりを遺憾なく発揮。いやぁ、全く個人的なお話になるんですが、最近「ウテナ」の再放送が始まり、ようやく噂の作品を1から観る機会を得たのですよ。んで、そのウテナを見ながらのこの「ピングドラム」で、しかも今回はかなりテイストの寄ったドラマティック百合劇場じゃないですか。……ニヤニヤしながら見ますよ。本当は格好良いはずの男装の麗人がくちゃくちゃの顔になってギャグるとこなんて、もう「ひどい」っていう言葉しか出てきませんよ。絶対運命黙示録ぅ!

 というわけで、ピングドラムこと桃果日記を奪った真犯人として名乗りをあげた時籠ゆり。これまでは苹果ストーリーのサブキャラクターだとしか思われていなかった脇役が、桃果との関係性を持ったことで一気にメインステージに上がり込んできた。あくまでもこの作品の中心はピングドラムであり、そのピングドラムを産み出したのは(現時点では)桃果なのである。その回りにいるのは、苹果、ゆり、そして多蕗。

 これまでは苹果、ゆり、多蕗という歪んだ三角関係があり、晶馬の尽力のおかげでようやくそのゴタゴタにも片が付いたと思われていたのに、その根源的恋愛感情に、更に桃果までプラス。多蕗とゆりは「幼馴染み」という関係があったわけだが、それに加えて「桃果に心酔する者」という共通点も産み出された。幸い、多蕗は「桃果本人」への思いをあの時代にきちんと置いてくることが出来たが、ゆりはそれを手放せず、気づけば16年が過ぎていた。桃果の写し鏡である苹果が立派に育つには充分な時間だ。ピングドラムに引き寄せられて、彼女は新たな桃果を産み出すために、苹果に決定的な「痕跡」を残すことを企む。

 さぁ、みなぎって参りました。もう、どうするんですか。何も知らない女子高生を相手に、百戦錬磨の百合戦士が「滅茶苦茶にしてあげる」って言ってるシチュエーションですよ。もう、どうするんですか。しかも能登ボイスですよ。もう、どうするんですか。そしてやたらめったら作画が艶めかしくて、色々と止まるところを知りませんよ。もう、どうするんですか! どんな阿漕なそっち向け作品よりもエロいな! たまらんな! 細かいストーリーとか、溜まりにたまった伏線とか、どうでもいいな! これで来週汗だくでぐったりした2人の朝チュンから始まったりしたら、冷静でいられない。あんだけ頑張って多蕗と既成事実を作ろうとしていた苹果が、まさか先に女性の毒牙にかかることになるとはねぇ……レッツファイッ!

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 引き続き、重くて苦しい話が続いております第13話。一応2クールの半分を超えてエンディングがさし変わったりしているのですが、なかなかこの作品で「心機一転!」ってなことにはなりそうもないですね。

 今回も主な話題としては2つのパートがあるので、それを分けて見ていこう。まず、前回からの引きで行われた、冠葉と渡瀬の対話を中心とした陽鞠の復活劇。「復活劇」とは言ったものの、これまでのプリンセスのような劇的な登場は一切なく、静かに息を引き取ったと思われた陽鞠が、ゆっくりとバイタルを回復していく様子を描いたもの。そこに至るまでには、謎の図書館司書・渡瀬と、命がけの冠葉のどこかかみ合っていないような何とも据わりの悪い議論が展開されていく。

 渡瀬が持ち出したのは、トランクにいっぱいのリンゴと、そこから転化した謎の「新薬」。真っ赤なアンプルを注入することで、一時はマイナス(?!)に落ちていた陽鞠の生命状態はゆっくりと戻っていった。しかし、それはあくまで一時しのぎにしかなっておらず、晶馬が語る「メリーさんの羊」の寓話では、これは女神が「更に罰を与える」ために施したものであることが暗示されている。渡瀬はアンプルのことを「御伽話でいうところの王子様のキスのようなものだ」と言ったが、キスで目覚めた白雪姫が昏倒する原因となったのが毒リンゴであることも周知のこと。また、リンゴはアダムとイブが手にしてしまった知恵の木の実、禁断の果実としての含意もあるのだろう。今回は、トランクから姿を現した後も、至る所でリンゴが象徴的に用いられるようになっており、この作品における「リンゴ」の占める位置が少しずつ大きくなってきている。

 確認してみると、まずは真っ赤なアンプルになった生命の象徴たるリンゴ。倒れ伏した陽鞠の足下にも同じように置かれており、「命」が陽鞠に移ったことが語られている(息を吹き返した陽鞠の足下からはリンゴが消えている)。これは、後に3年前の回想シーンに入った時、ずっと高倉家の玄関に置かれた3つのリンゴとも符合するかもしれない。このタイミングにおいては、まだ高倉家で何も知らずに平和に暮らしていた3人の子供達がおり、その生命力が3つの真っ赤なリンゴの存在によって引き立っている。

 また、リンゴは渡瀬と電話で会話した夏芽の家にも見られた。こちらのリンゴは、ウサギ型に加工されており、小さくなっているおかげであまり「生命」というイメージは湧かない。むしろ、リンゴ型に加工された2対の剥きリンゴは、2羽のウサギとの対比が顕著で、夏芽と渡瀬の立ち位置の妙が現れているようにも見える。現時点では、渡瀬は夏芽よりも明らかに上におり、「実際に動く生命を宿したウサギ(時に人間に化ける)」の所有者である渡瀬と、「リンゴで作られた偽のウサギ」しか持たない夏芽の差別化が、リンゴで語られているようである。ちなみに、作中で最も目立つリンゴである荻野目苹果については、今回父親との関係を処理し、どこか浄化されたようにも見えた。彼女が一足先に受け入れた「運命」は、運命の観測者たる渡瀬の調査対象に入っていたのだろうか。

 渡瀬の存在は、現時点においてはやはりまだ謎が多い。途中、無限の図書館で独白した彼の言葉からすると、どうやら渡瀬はプリンセスと同じ次元に立つものであることだけは想像出来る。ピングドラムを探せと命じるプリンセスと、彼女に命じられた高倉兄弟に「一緒のピングドラムを探そう」と持ちかけた渡瀬。プリンセスは兄弟に「何者にもなれない」と宣告し、渡瀬は「運命は本当にあるのか」を探求している。「運命」に翻弄される高倉家は、プリンセスと渡瀬の、どちらにとって都合の良い存在となっているのだろうか。

 渡瀬を巡るあれこれと並行して際立つ2つ目の見せ場は、「犯罪者の子供」としての高倉兄弟の描写である。両親を待つ、ごくごく日常的な風景が突然破壊され、警察の介入によって両親と別れることになってしまった3兄弟。まだ幼い彼らに現実を受け入れられるはずもなく、子供達は必死に両親の無実を訴えるだけだ。しかし、作品の外殻を見る限りでは、どうも高倉夫妻が11年前の事件に荷担していたことは紛れもない事実であるようだ。「凶悪犯罪の主犯格の子供達の物語」というのは、少なくともこれまでのアニメ業界の中では見たことが無い視点の物語で、何ともやるせないスタンスや、それでも信じ続けたいという子供らしい純粋さが、視聴者の胸をギリギリと締め付ける。これまで3ヶ月にわたって、我々は幸せな高倉家の様子と、回想の中の優しそうな両親を見ている。つまり、冠葉や晶馬と同様に、「あの両親が犯罪に手を染めていたなんて」という、受け入れがたい残酷な真実を突きつけられる形になっているのだ。こうした作劇は今まで無かったものなので、新鮮である反面、なかなかに辛いものである。

 しかも、この「凶悪犯としての両親」が、もっと下世話に、近しく描かれていればどこかに落としどころもあるのだろうが、今回のエピソードにおいて、高倉夫妻は異様とも言えるくらいに「存在が無い」。回想シーンに優しかった両親が出てくるわけでもなし、実際に犯行に手を染めた後に必死に警察から逃げる描写があるわけでもなし。苹果がわざわざ多蕗に高倉夫妻のことを尋ねに行ったのだが、被害者の友人という「生々しさを持つ」はずの関係者の口からも、「現実感がなく、目の前に彼らが現れたとしても、怒りが湧くのかどうか」というぼんやりしたこたえ。そこには「凶悪犯としての人物像」が描かれていない。

 付け加えるなら、前述した「高倉家に存在していた3つのリンゴ」も象徴的であり、あの回想において、既に3年前の時点で、高倉家には冠葉たち3人しか存在していないかのように描写されており、両親の存在は徹底的に排除されている。これは単なる作画のミスなのかもしれないが、健気に両親を待つ3人の子供達がちゃぶ台を囲む位置取りが、明らかにおかしいのだ。たくさんの料理が置かれているのは、決して大きくないちゃぶ台である。両親が仕事から戻って「一緒に食事を摂る」ことが家訓であるなら、大人2人分、それなりのスペースがちゃぶ台に空いていないとおかしいはずなのだ。それなのに、子供達は何故か均等に90度ずつの角度で席に着いている。そこには「残り2人の家族」が着席できるようには見えず、既に「3人だけの高倉家」と同じロケーションになってしまっているのである。「消えた両親」は、これから先で何を語り、何を隠すための存在なのだろうか。

 現時点において、「多分、これって2クールですっきりすることは無いんだろうな」というある種の覚悟は出来つつあるのがこの作品。何が起こっても不思議じゃないが、何も起こらなくても不思議じゃない。これだけの重苦しさと「きつさ」を伴った作劇がこれからも続いて行くのだとしたら、もう、それだけで1つの完成品だ。

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 緊迫の転換点、第12話。さぁ、色々と波紋が広がりそうな、とんでもないことになってきましたよ……とりあえず最初に一番驚愕したことを書いておくと、「石田彰は……小学2年生もそのまんまやるんか……この43歳怖い……」。

 前回の時点で既に示唆されていたということを、視聴後にどこかで目にして初めて知ったのだが、この作品のモチーフの一つはあの地下鉄サリン事件だという。今回語られた高倉家の両親が荷担したという「地下鉄の事件」がそれだ。日付が完全に一致しており、舞台背景もそのまま。一応作中では「爆発事件」として処理されており、事件の内実は詳しく掘り下げられていないが、製作側としては地下鉄サリンとの関連性を積極的に否定する意思はないようで、そのつもりで見てしまえば、たしかにそのまんまであるかもしれない。

 何故、実際の事件をモチーフとして扱おうと思ったのかはよく分からない。現時点では「架空の何か」をでっち上げてしまってもシナリオ進行上問題はないように見えるし、当然危惧されるのは、被害者たちの心情に何らかの影響がある、という、広い意味での「モラルの議論」が出てくること。実際、これが単に面白半分での用途であるならば、不謹慎の誹りは免れないだろう。ただ、制作側(特に幾原監督)がそうした当然出るであろう議論のリスクを考えていないとは思えない。つまり、何らかの意志があって、わざわざ16年前の事件を引っ張り出してきたのであろう。そして、その意図というのが何かは、今後のこの作品を注意深く見守っていくことでしか分からない。個人的には「モラルの議論」はあまり興味がないし、もしこれによってアニメに新たな意義が生まれるなら、充分に価値のあることだと思う。

 そう言えば、あの才人(災人)山本寛が、どこかで「東日本大震災をテーマとしたアニメなども作られるべきである」というような議論をしているのを見かけた。彼の意図が十全に理解出来たとは思わないが、アニメの作り手側としては、ひたすら空想妄想の世界に逃げ込んで「甘受されるもの」だけを作り続けるアニメ作りという方向性には、どこかで風穴を開けたい、という思いがあるのだろう。そして、その端的な一助となるのが、たとえば現実の事件や人物などを扱い、メッセージを込めたアニメ作りというわけだ。どの程度受け入れられる思想なのかは分からないが、個人的には「とりあえずやれることはやってみて欲しい」というのが現時点での意見。この作品も、ヤマカンの言うような「新しい何か」を生み出すことになるのだろうか?

 話が逸れてしまったが、そんな事件を背景にしつつも、今回は「陽鞠の二度目の死」という大事件が起こり、番組の雰囲気としてもターニングポイントを迎えたことが伝わってくる。陽鞠が病室で息を引き取ってからの一連の作劇は、今回作画が良かったこともあり、息苦しいほどの緊迫感と、有無を言わさぬ迫力があった。面白おかしく飛び跳ねていたきらびやかな「生存戦略空間」は静止し、暗く寂しく沈んだ世界となっている。晶馬の語る「メリーさんの羊」の物語を背景にし、冠葉は自分に出来る精一杯をやりきろうと奮戦するが、どれもこれもが水の泡。彼の全ての願いを込めた再びの「充電」行為は、あふれ出るインモラルな雰囲気を噛みしめつつも、どこか崇高で、貴い行為に見えてくる。最後には、あのペンギン帽子が力なく床に倒れ、目に光を失うことで、本作では幾度めかになる、「人の死」を実感させるのだ。あまりに残酷で理不尽な女神の采配に、冠葉でなくとも「運命という言葉が嫌いだ」というあのフレーズが口をつく。

 高倉家を代表とする「日常の風景」に、ピクトグラムを多用した「広く無機質な現実世界」、動き続けた暗黒の電車、無機質に配管がむき出しになった寒々しい病院、生命の途絶を感じさせる生存戦略空間に、「メリーさんの羊」が語られた御伽話フィールド。よくぞここまで、と溜息が漏れるほどに、多種多様な世界が短い時間に圧縮されて繰り出される脅威の画面構成。これを1つのシリーズとして組み上げていく作業は、一体どれほどの労力とセンスを必要とするのだろう。アニメを見ていて、言葉にならぬ息苦しさに嗚咽を漏らしたのは久し振りのことである。何が作り上げられ、何が伝えられようとしているんだろう。全て抜かりなく、とまではいかずとも、この作品を正面から受け止められるだけの視聴者でいたいものである。

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 カエル万能説、第11話。なんで苹果の持ってるおまじない情報はあんなにカエル依存度が高いんだよ。そして、なんで効くんだよ。すげぇぞ、16年に1度しか生まれないカエル。

 本日の第1試合、冠葉VS夏芽。夏芽の望む通りに敵の本拠地に乗り込む冠葉。過去の因縁を抜きにして日記を返せと迫る冠葉に対し、「愛の狩人」夏芽は自分も同じだと説き伏せにかかる。冠葉が今は何とか立ち回っているが、いつかは足下を掬われる「崖っぷちのペンギン」であると諭す。夏芽も冠葉も「ペンギン」であることは同じということ。陽鞠にしろ、マリオにしろ、生存戦略を必要とする、大群の中の1羽でしかない。はたして、それを後ろで押そうそしているのは何者だというのか。結局、夏芽の狙い、能力はよく分からないまま。

 本日の第2試合、晶馬VS苹果その1。あれだけのことがあったというのに、苹果の多蕗に対する思いはまだ終わっていなかった。日記もないし、桃果の意志を遵守する意味も無いと晶馬は諭すが、それで終わるくらいなら、こんな面倒にはなっていなかったのだ。引き留める晶馬を張り倒し、苹果は再び、あの誤った道を進み始める。

 本日の第3試合、苹果VSヒメホマレガエル。すげぇな苹果、ちゃんとレアなカエルでも捕まえてこられたんだ……晶馬には押しつけてたくせに、自分でやるのはやっぱり嫌。それでも貫き通した意志の力に、苹果の力強さを久し振りに感じました。

 本日の第4試合、苹果VS多蕗。カエルの魔力は圧倒的だ。一晩限定とはいえ、多蕗は完全にキャラを忘れて暴走モード突入。ほんと、ゆりと苹果がしゃべってた時に延々多蕗が扉越しになんて言ってたのかが全部聞きたい。しかし、この試合結果が今回最大のターニングポイント。いざ多蕗に迫られる段になって、なんと苹果は折れてしまったのだ。デスティニーとすら言い切っていた生涯目標が達成されそうなその時に、彼女の意志はイエスとは言えなかった。結局、彼女にとっては、デスティニーはまがい物だったということか。しかし、彼女自身にもその答えは出ていない。ゆりが乱入した修羅場展開の中でも、彼女は必死に「多蕗を渡せ」と虚勢を張っていた。直前に自分の意志で拒否していたにもかかわらず、である。これまで長年描き続けてきた夢の形と、自分の心に新たに芽生えてしまった認めがたい可能性、そのせめぎ合いの中で、彼女も混乱しているのだ。その本質を、ゆりは既に見破っているようだった。

 本日の第5試合、晶馬VS苹果その2。鍋一杯のロールキャベツをぶちまけるという、実に勿体無い裏切りを見せた苹果だったが、その本心は大きく揺れたまま。そして、そんな不安定な状態はプリンセスにも伝わった。「生存戦略」の号令とともに、始まったのはまさかの暴露大会。「95」の数字が乱舞する謎の電車の中、苹果は桃果の真実を語る。自分のデスティニーの重要性を訴えるために、姉との真実を語る。しかし、予想外にも、そのエピソードに対する晶馬の反応は、同情でも哀悼でもなく、まさかの告白であった。「冠葉と晶馬のせいで、桃果は死んだ」。16年前の真実とは一体何なのか。一向に収束する気配の謎の大混戦は、そのまま次回へ。

 今回も相変わらず、アイコン群のくせの強さが際立つ演出。無機質なピクトグラムが目立つ中で、久し振りに炸裂した苹果の妄想劇場の彩りが目立っていて良かったです。大気圏を越えて高速で飛来するキューピッドの矢が無駄に大迫力なのがやたら面白かった。あとは、ラストシーンになる暗色の電車内部かな。「95」ってのは、桃果が死んだ16年前が1995年であることを表すものなんでしょうかね。まぁ、このお話が現代劇なのは異論の余地はないけど。わざわざ「95」っていう数字をことさらに強調する意味がよく分からなかった。電車の速度ってそれくらい出るかも? 

 普段は原色多めで派手に彩られていた電車のシーンが、赤と黒を基調としたサイバーで沈んだ空気になったのもなんだか新鮮。それだけに、ここまでのストーリーでは語られなかったようなとんでもない過去の事実が掘り出されるんじゃないか、っていう緊張感があります。ま、何があってもこの作品は驚かずともいい気がするんだけどね。

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 流石に水銀は無理だったらしい、第10話。悪食ってレベルじゃねぇぞ。食欲の2号、色欲の1号。どちらも探求心に限りがないから、最終的に後悔してしまうんだよ。ほどほどのところで止めておけばさぁ……ちなみに、一般人には見えないはずだから、あの病院の下着泥棒は晶馬の仕業。

 さて、2週前に発生した晶馬の交通事故。わざわざ1週ブランクを置いてどんな状態になっているかと思ったら、怪我自体は思ったほど大したもんじゃなかったらしい。冠葉君も一安心である。だが、そんなことで安心していられない高倉家と苹果ちゃん、敵の攻勢は一切緩むことなく、残された半分の日記を巡り、動くこともままならない晶馬を誘拐しての強攻策。

  夏芽のこの恐ろしいまでの行動力は、一体どこから出てくるものなんだろうか。それなりに恵まれたおうちのお嬢のように見えるのに、強襲作戦ですら自らの手で行う行動力と手際の良さは素人とは思えないものがある。強気で日記を守り抜こうとした冠葉を完全に出し抜いて精神的に徹底的に攻め立て、その上で目標であった日記もちゃっかり手にしてしまっている。一体何者なのか……と思っていたら、どうやら、過去の冠葉との因縁はエラいシンプルなようにも見えるんだ。何気ない陽鞠の質問に調子に乗った冠葉が並べ立てた「重い贈り物」の履歴を着実に思い出させる夏芽は、「凝った切り込みのウィンナーと凝った巻き寿司の入った弁当」「てっぺんに二人の人形が乗ったケーキ」と重ね、最終的には「名前の入った手編みのセーター」で冠葉にとどめを刺す。ここまでやられてしまっては、普段はタフな冠葉も抵抗の余地無し。最終的に、夏芽が狙っていたのは冠葉の唇であった(エスメラルダも狙っていた……)。もう、一体何がなんやら。

 前回の陽鞠に続いて、今回は夏芽の手で強引に冠葉が謎の「ピングドラム空間」に巻き込まれた。ひたすらペンギンマークが乱舞する偏執的な空間は、たとえセーターが無くとも冠葉のメンタルをぶっ壊すのには充分だったような気もする。他にも、すっかりトレードマークとなったペンギンバレット入りのスリングショットや、謎の音楽を奏でるオルゴールなど、夏芽と冠葉の間にはまだまだ語られていないなにかがあるようだ。そして、それがピングドラムとどう関係しているのか、もう、分かるはずがない。いっそボーッと見てたほうが気が楽です。

 そして、混迷極まる人間関係にとどめを刺すように表れた謎の存在、「マリオ」。せいぞーーーん、せんりゃくーーーー…… 声が荒波和沙や! もう、そのぐらいしか確定情報がないわ! 次週もお楽しみに!

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 分からん殺し、第10話。Magic世界のとかゲームの専門用語ですかね、何が何だか分からないうちに1話終わっていて、どこをどう見たものかと頭を捻っておりました。その他にも、放送中ずっと「ねぇ晶馬は? 晶馬は?!」と気が気でなかったり、偶々テレビ近辺に不穏な影(G?)が見えた気がしたり、色々と集中力を削ぐ要因が重なってしまい、今回はほとほと困ってしまいます。結局Gだったのか、それとも見間違いだったのか、分からずじまい……こういう時って、大体どっかに潜んでるんだよなぁ……今日も寝られないかなぁ……

 さておき、そんなこんなで不安と戸惑いしか残らなかった今回。一応メインの内容は「陽鞠の過去話」である。謎の夢図書館を舞台にした「想い出探し」のスタイルはとっているものの、その実態は他者の口を借りての回想。しかも最終的には夢オチとして処理されたのだから、細かい部分は全て「陽鞠が勝手に思ったこと」として処理してしまってもいいだろう。実際、起きた後に陽鞠は夢のことを何も覚えていなかったわけだし、虚実が入り交じった内容だったとしても、誰も文句は言えないのである。でもまぁ、流石にそんなことはするはずがない。今回の内容は、一応全て真実だったと見た方がいいんだろう。

 今回新たに得られた情報は大きく2つ。1つは、陽鞠とそのお友達2人、ダブルHの存在。小学生の頃からガンガンオーディションに応募しまくってアイドルを目指す子供ってのは今ひとつ理解しづらいところはあるのだが、友達通しのコミュニケーションを見ていると、どうやら2人とも良い子なのは間違い無いようだ。陽鞠もそんな2人に対して全幅の信頼を置いているために、自分一人をおいてデビューした2人組についても、忌憚なく応援しているという。まさか、あの電車内広告の標語コンビが陽鞠の元同級生だったとは。

 そしてもう1つの情報は、陽鞠とその母親との関係性。これまでほとんど語られることがなかった、高倉家の母親の存在。陽鞠は幼い日のわがままのせいで母親を傷つけてしまったことを悔いており、それが大きな心の痛みとして残っている。最終的に彼女が「トリプルH」としてアイドルにならなかったことは、当然身体が弱かったことも問題として上げられるのだろうが、自分のわがままで母親を傷つけてしまったことへの後ろめたさもあるのかもしれない。結果として、現在高倉家に母親はおらず、陽鞠もアイドルではなく、奇妙なプリンセスとしての生活を強要される日々。一体何がどこに繋がり、どこへ向かおうとしているのか、正直、今回のお話だけでは読み取ることは出来なかった。

 また、あくまで夢オチではあるものの、ラストシーンでは陽鞠が読みたいと言っていた「カエル君〜」の本がきちんとベッドの上に置かれている。あの奇妙な夢の図書館を生み出したのは、明らかにプリンセスの力であり、その夢には、ピングドラムを巡る一連の騒動に関わってくる何らかの「意味」があるということだ。図書館として張り巡らされた数々のモチーフや、サンちゃんによって連れてこられた61階という謎のロケーション、「本」「カエル」「リンゴ」などの数々のキーワード。これら全て、今後の物語を牽引するためのパーツとなっていくのだろうか。こればっかりは、いくら考えても仕方のないところです。我々は、ただ黙って生存戦略を見守るしかない傍観者なのだから。
 さて、晶馬無事?

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