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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 後口すっきり、最終話。相変わらず見事に締めてくる岡田麿里の手腕には惚れ惚れしてしまう。それにしても、繭さんが最後に選んだ未来がまさかの無色とは……彼女が精霊龍になってプレインズウォークする可能性が微レ存?

 最終決戦場は「繭の世界」。ルリグのルールを破ったことを指摘されユキは虫の息。るう子に出会えたことに感謝し、自らの運命を受け入れようとしたユキだったが、そこに現れたのは、試練を乗り越え確固たる自己を手に入れたタマであった。元々繭という1つの存在から産みだされた「シロ」と「クロ」。タマは自分の成すべき事を理解しており、るう子の合図でユキとのフュージョンに成功する。「タマ」の「マ」と「ユキ」の「ユ」を1文字ずつ取ったその存在の名は、紛れもなく「マユ」である。このへんの設定のそつのなさがニクい。そして、CV的には当然マユは種ちゃんボイスでしゃべる。「まぁ、久野ちゃんと瀬戸ちゃんを足したら、音域としては大体種ちゃんくらいになる気もする」という微妙な説得力が。

 そして、ここで大々的に取り上げられたのが、本作のタイトルにも冠された「selector」というファクター。人生は常に選択の連続とはよく言ったものだが、繭という少女の生き様は、常に「選択」にあこがれ続けるものであった。この世の他人に全く影響を与えることも出来ず、自分から何一つ選べず、ただ朽ちていくだけの人生。彼女の怨嗟は少女達に「理不尽な選択」を迫るセレクターバトルとして表れ、此度の騒乱を生みだしていた。「選べる幸せ」を訴える繭であったが、それに対し、新たな人生を自ら選択し、名前を捨てて生まれ変わったユキと、最後に自らの手で壁を乗り越えたタマの集合体であるマユは、改めて繭に対して「選択すべき未来がある」ことを伝えるのである。死んでしまった事実は変わらず、彼女の人生が恵まれないものであったことは間違いない。しかし、それが他の少女達に理不尽を押しつける道理にはならず、繭の願いは打ち倒されるべきものである。その上で、るう子は1つの選択をした。繭を罰するのではなく、「救う」という選択を。

 余計な外野を排除し、最後の最後に繭が提示してきたラストゲームは、やはり彼女らしい理不尽な選択を迫るもの。WIXOSSに存在する色は白・黒・赤・青・緑の5つ。その中から、自分の提示した色を選べという。勝率1/5の理不尽かつ一方的なゲームだ。しかし、当然そんな状況でるう子が負けるわけがない。何しろ彼女は「最強のWIXOSSプレイヤー」なのだから。繭の願いを正確に読み解き、るう子は「バトル」に勝利する(そしてとばっちりでウリスは惨殺される)。ようやく本当の「繭」にたどり着くことが出来たるう子は、未来への希望を彼女に説き、「繭」を浄化し、最後に「マユ」にたどり着いた。生まれ変わったマユと執り行う最後の宣誓。夢限少女となったるう子の力により、世界は元の姿を取り戻した。

 改めて考えてみると、繭の不幸な生い立ちというのは一切フォローされていないし、彼女のだだっ子っぷりが解消する理由も特にないのであるが、一番大きかったのは「初めて対等に話が出来る人間が現れた」ということなのだろう。養育者(親?)にすら「アレ」やら「ソレ」やらしか呼ばれてこなかった繭さんは、とにかく自分という存在があることを外界にアピールしたいという一念から悪魔のごとき存在になったのであって、同等のイマジネーションを持ち、ユキやタマといった己の分身を従えるまでのカリスマを有したるう子が艱難辛苦を乗り越えて自分の目の前までやってきて話を聞いてくれた時点で、彼女の願いは満たされたのである。マユは宣誓の儀に至る際にるう子に「本当に子供みたい」と言っていたが、その実、一番子供っぽかったのは繭だったのである。子供のワガママで生まれた、いかにも子供らしい「俺ルール」が理不尽なカードゲーム。その無茶なルールのゲームに懇切丁寧に付き合い、最後に対話出来るまでに至った「子供っぽい対戦相手」がるう子。夢限少女って、そういう無邪気さが夢を叶えることの具現化なのかもしれません。

 こうして繭の呪いが解けて、全ての少女は元に戻った。最終回に欠かせない重要な要素といえば、何といっても「後日談」である。今作の場合は2クールの中でそこまで多くのキャラが出てきたわけではないが、全ての少女、全てのルリグの「その後」がさわやかに描かれているのがとても良い。また、「無色」を選んで外の世界への憧れを打ち明けながら消えていった繭の心象を表すように、ラストエピソードの画面は実に彩り豊かで、本当に美しく輝いている。これまで今作の背景描写、画面効果は「薄暗い灰色」で固定されていたわけだが、るう子の家のベランダの花々や、その他全ての画面において、フィルタが一枚剥ぎ取られたように色彩が強めに出されるようになっているのである。2クールかけて作られてた見事なハッピーエンドの演出である。

 ざっとラストシーンの少女達を追いかけてみると、当然遊月は元に戻って、野郎としては唯一全ての真実を知ることになった香月とは良い関係を築けている様子。ただ、流石に近親エンドにするわけにもいかないだろうから、おそらくそのうち花代さん(本体)がやってきて、2人とはしっかり膝を突き合わせた惚れた腫れたのお話になることだろう。幸せそうに歩く2人を黙って見送った花代さん、今はまだ流石に声はかけづらいだろうけど、きっと悪い関係にはならないはず。遊月だって「花代さんならいいかも」と思える気がするし。

 浦添伊緒奈さんは一足早く元の姿に戻っていたので、そのまま令嬢生活に戻っていたのは分かっていたが、まさかの蒼井晶との共演でちゃんと読モに戻っていた。我らがあきらっきー、あの惨状の後にどうなることかと心配していたが、おそらく「伊緒奈さんの見た目は大好き」なのは間違いないだろうし、本当の姿の伊緒奈に惚れ直し、改めてあきらぶりーモードに突入したのかもしれない。唯一彼女だけは伊緒奈の脇腹を突き刺した「現実世界での前科」持ちなのだが……まぁ、伊緒奈さんが被害届を出さなければなんとか……なるのかなぁ。

 そんな晶さんの最初のパートナーであったピルルクたんも無事現世に帰還。コミック版での顛末を考えると彼女は割と長いことルリグ生活を続けていたので、久しぶりの現世。自分の手で親友を殺してしまった咎は消えないのだが……まぁ、その辺りはコミックで補完かな。彼女と入れ違いでバスから降りてきたのはミルルンですね。彼女がどんな女の子だったのかは詳細不明。るう子の背中を追いかけて友達宣言を受け入れようと努力中なのは、引っ込み思案のちよりちゃん。タイミングを逃して声をかけられず落ち込む彼女にそっと目を向けるツインテールの少女は間違いなくエルドラさんでしょうね。やっぱり、ちよりちゃんのお友達第一号は彼女じゃなくちゃ。ふたせ文緒も元の身体へと舞い戻ったので、もう小説を書く義務から解放されたはず。電車移動中の一衣さんの元へやってきたのは、初めて少女らしい出で立ちを見せてくれた緑子さんである。最後まで一衣のことを思ってその身を削ってくれた緑子さんとの再会に、一衣さんも思わず涙。イイハナシダナー。

 そして残るルリグ、タマ、ユキそしてマユはどうだろうか。実体を持たない彼女たちが現世に現れることが出来るかどうかは誰にも分からない。マユはおそらく繭として天寿をまっとうしたのだから現れることはないだろうが、るう子の願った「全てのルリグを人間に」という願いが叶うならば、ちょっと無茶な希望だって、ひょっとしたら実現していたのかも。そんな「もしも」に期待しながら、るう子は今日も元気に日常生活を送っているのです。タマという名前の少女が、いつか自分の前でまたあの無邪気な笑顔を見せてくれる日を待ちながら。

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 まさかの一衣さん大活躍、第11話。モブ子さんなんていってごめんね。訂正しよう、一衣さんは便利な「負けても問題無い自動バトルフィールド発生装置」。

 脇役いじりはさておきつつ、実にまっとうなクライマックス。余計な脇役は次々に退場し、残されたのは本作のエッセンスとなるメンバーのみとなった。

 まず、最後の「残った要素」であった花代さんの処理からスタート。彼女は最近調子がおかしくなっており、「やっぱ他の女の子の人生を歩むのなんて無理に決まってるからね」と思って見ていたのだが、何と彼女の激白は「私も香月が好きになっちゃったからどうしていいか分かりません」というもの。Oh、そりゃ驚きだ。いやまぁ、元々花代さんは夢限少女になる時点で「香月とくっつこう」という意思は明確にあったのだから、決して彼のことを悪く思っていたわけではないのだろうが、その時点では「遊月の願いを叶えないと消えちゃうしな」という使命感や打算があったのも事実のはず。しかし、長いことカードの中でぼっち生活を続けていた彼女に、現実世界の三次元男子は刺激が強すぎたようだ。マジになってしまったことにより、「遊月である自分」と「本当の花代さん」の間に整合性が維持出来なくなり、彼女は混乱してしまったというわけだ。とはいえ、彼女はこの混乱について積極的に解消を求めたというわけではないだろう。一衣のところに伊緒奈についてのメールを送ったのは純粋に親切心からだろうし、わざわざ新規メアドで連絡したのは、「助けてほしいような、そうでもないような」という逡巡の表れ。もし遊月が彼女のことに気付かなければ、おそらく花代さんはこれまで通りにぎくしゃくしながらも香月との生活を続けていたに違いない。

 しかし、遊月は来てしまった。なんとこれが、遊月がルリグ化してからの初めての会談である。もちろん遊月にも思うところはあるに違いないが、彼女は以前、「花代さんの苦境も理解しているし、彼女が自分の願いに賛同し、協力してくれたことには感謝している」と述べていた。遊月側からは、決して花代さんを一方的になじるようなことはしない。花代さんもそのくらいの微妙な関係性は分かった上で、「ひょっとしたらくるかも」くらいのヒントで遊月を招いたのだろう。そして、いざ来てしまったからには自分の思いをぶちまけずにはいられない。「香月を好きになっちゃったせいで、なんかもう、罪悪感が半端無いんです」と。まぁ、気持ちは分からんではないが、既にいっぺん遊月を騙した上での現状だからなぁ。今更「遊月に申し訳なくて」とかいわれても、「いや、お前がいうなよ」というのが第三者としての第一印象である。しかしまぁ、彼女の懊悩も分からないわけではない。「ルリグとセレクターの入れ替わり」という大問題については、花代さんはカードの中でたっぷりと考える時間があった。それこそ罪悪感と格闘しただろうし、「入れ替わって全くの他人としての人生なんて歩めるの?」という問題も幾度となく自問自答し、悩み抜いた上で苦渋の決断をしたはずだ。だからこそ、心を鬼にして遊月を「騙す」ことになった。しかし、実生活を始めてからの香月との生活は、そうしたシミュレーションをするだけの時間的・精神的余裕が無い。気付けばどんどん自分の気持ちがコントロール出来ない方向へと暴走してしまい、彼女のキャパを超えてしまったのだろう。ちょいと大人びて見える花代さんではあるが、彼女もあくまで一介の女子中学生でしかなかったのだから。

 花代さんの苦悩は図らずも香月の耳に届いてしまい、全ては白日の下にさらされる。職務放棄を宣言して逃げ出した花代さんを待ち受けるのは、「願いを叶えられない夢限少女は消えるしかない」という、最近忘れかけていたペナルティ。イレギュラールリグばかりだったので実存するのかどうかも怪しかったルールなのだが、どうやら強制力はそれなりに強いらしく、花代さんは原因不明の昏倒からダイレクトICU。彼女が消えてしまうまでのカウントダウン待った無し。逼迫した状況下でるう子・一衣・遊月の3人は一計を案じ、ユキのアドバイスで「直接白窓の部屋へ殴り込み作戦」を決行。サンドバッグ一衣さんをボコボコにする八百長試合で強引にラスボスのお膝元へと乗り込むことに成功した。

 そして物語は二手に分かれる。一仕事終えて満足したかに思えた一衣だったが、どうにも様子がおかしい現世のるう子を見て、まだ問題が解決していないことを知る。なにもできないで手をこまねいているのは我慢ならぬと悩んでいると、ここで突然、途中参加の援軍である香月から「繭って本当に異空間にいるの?」という衝撃的なヒントが。「その発想は無かった」と考え直したところ、「そういえば、あの部屋って現世にもあるのでは」という、ある意味当たり前の事実に行き当たる。「繭が実在の少女である」ことは散々ユキの口から語られていたのだからこの発想はある意味当たり前ではあったのだが、どうもお話の現実味が薄く、仮にそんな少女がいたとしてもどうせはるか遠い世界のことだろう、と思っていたのがまさに盲点。よくよく考えてみれば、おそらくセレクターバトルが発生している事案数だけを考えれば、るう子たちの回り、この町の中にやたら集中している。たかだか読モレベルの晶や伊緒奈がセレクター界の広告塔になっているのだから、そのブームは局所的であろう。少なくとも「WIXOSS」はどう考えても日本国内の製品なんだから(だよね)、繭という少女がはるか異国の人間なはずがないのである。そんな当たり前のことにようやく気付いた一衣さん、突如として彼女の灰色の脳細胞はフル回転を始め、「そういえば、聞いたことがある」とここ一番の大活躍。なんと、白窓の部屋は私たちのすぐそばにあったのです。急行する一衣・香月という謎のタッグ。そして知らされる、繭の死。「わぁ、このアニメで男性キャラが2人以上しゃべったのっていつ以来だろう」とか考えながら、現実世界でのチェイスはここで終了する。

 他方、白窓の部屋にたどり着いたるう子とユキは早速繭の説得を試みるが、基本的に性根のくさった繭さんがそれに同意するはずが無い。「ぼっちだったお前が偉くなったもんよね」と元クロに悪態をつきつつ、あくまでタマは渡さない所存。あげく悪の枢軸たるウリスまでが出現し、ここでセレクターバトルの生みの親が、ついにデュエルディスクをその身にまとって現場に出撃してきたのである。ゲーム開発者とのガチ対決。突然野生のリチャードガーフィールドに戦いを挑まれたような状態で、そのゲームのプレイヤーならば垂涎のシチュエーションではあるのだが、るう子としては寝耳に水である。「ゲーム開発者って強いんじゃないの?」と困惑するも、冷静なユキは「いや、あいつ一人回ししかしたことないから、多分大したことない」と一蹴。まぁ、確かに一人回しって自分に都合のいいシチュエーションに偏っちゃうので、どうしてもスキルの上達に限界があるからね(経験者談)……。予想通り、ちょっとプレイスタイルを変えるだけでも「何それ? どういうこと? 手札のカウンターが無駄になるやんけ!」と繭さん大混乱。試合は優位に進むかと思われた。

 しかしここでトラブル発生。いわゆる開発者権限でもって、思い出したようにルールを盾にする繭。「そういえば浦添伊緒奈が自分自身に戻っちゃったってことは、クロはルリグの任務放棄ってことでよろしいですか?」とるう子サイドのルール違反を指摘し、クロは突然のICU。まぁ、確かにいわれてみりゃその通りなんだけど、数ターン前の誘発忘れを今更指摘するのってずるくない? ユキが倒れてしまったことで試合どころじゃなくなったるう子は、「とりあえず近所にタマがいるから、そっちとチェンジすれば!」と尻をまくって逃げ出す。あの空間、割と自由に席を立って移動出来るもんなんやな……。しかし、慣れぬ空間で迷子になるるう子に、改めて突きつけられる「繭は既に死んでいる」という事実。もう死んじゃってる人間の妄念がこのシステムであるというなら、それを打開するには何が必要なのか。ユキという手駒を失いかけている中、彼女の急務はタマを何としても引き込むこと。さぁ、次回はいよいよクライマックス! どうなるるう子、そしてどこに行ったあきらっきー!

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 だから提クレバック劇場やめろやww、第10話。本編でギリギリまで張り詰めた空気を一切読まずにぶち壊す謎の10秒劇場。毎回楽しみにしてるせいで本編の内容が消し飛ぶんだよなぁ。

 この期に及んでまだまだ意外な展開が飛び出してくるのが今作のすごいところ。大して登場キャラが多いわけでもないのに、ここまで状況を引っかき回し、それなりに筋が通っているあたりが偉い。この辺りが、凡百の脚本家と岡田麿里の腕の違いだろう。鬱々としながらも、ちゃんと最後はハッピーなまとめを提供してくれるだろう、っていう安心感があるのもいいよね。

 さて、今回も様々な事件がまとめて起こっているので状況把握するだけでも結構大変。いくつかのトピックを分けて見ていかなければならないだろう。まず1つ目は、前回メインを務めたちより組の結末である。大方の予想通り、彼女の持つ「ルリグになりたい」という願いの逆流は、記憶の欠落として現れた。おそらく彼女はあの脳天気な性格もロストし、エルドラと出会う前の夢見がちで奥手な少女に戻ってしまったのだろう。初対面の状態で歩み寄った一衣に対しても、露骨な警戒心を表してすたこら逃げてしまった。ちより本人からしたら、一番の楽しみ、生き甲斐であったWIXOSSを失ってしまったのだから確かに不幸には違いない。ただ、これまたエルドラたちの予想通り、記憶を失うということは「不幸になったことすら覚えていない」わけで、これだけなら大したデメリットではあるまい。一衣のように外部にちよりを理解してくれる人は増えているわけで、きっと改めて友情を築き上げてくれるはずだ。何しろ、ほぼ同じ体験をしながら社会復帰に成功したぼっちマスターの一衣先輩がいるのである。多分、大丈夫。まぁ、どうやってちよりと改めて連絡取ればいいのか分からないけどさ(メアド知ってるだろうけど、不審がられてスパム扱いされそう)。ただ、以上の想定は「罰則が記憶の消去だけであった場合」にのみ成り立つものである。思い返してみれば、似たような状況だった一衣は、「WIXOSSを通じて知り合った友人との記憶の消去」にくわえ、「友人関係を築こうとすると身体的苦痛を伴う」というとんでもないペナルティも負ったのである。同様に考えるなら、ちよりは「カードゲームをやろうとすると身体的苦痛を伴う」くらいのペナルティがあって然るべきだが……まぁ、どうでもいいか。

 トピックの2つ目はクレイジーハッピーレズを通り越してついにサイコに覚醒することが出来たあきらっきーの晴れ舞台。この2シリーズを通じて最も感情が乱高下していた彼女のこと。愛に目覚めたり憎悪に燃えたり、悲しみに沈んだり歓喜に打ち震えたり、もう流石に彼女のメンタルも限界である。ウリスのことも好きなのか嫌いなのかすら訳が分からなくなり、蒼井晶としての全存在をかけたラストバトルは、常人では到底追いつけない次元の願いを胸に秘めての対決となった。結局、彼女はウリスへの思慕を捨てることはせず、最後に持った激情を死ぬまで抱え続けることで自我を保つことにしたようだ。「あんたの身体を、青井晶の愛が何度も何度も通過していく。ひっきりなしに循環する」。なんて素敵な台詞なんでしょう。やっぱりクレイジーレズたるもの、こういうネジの外れた思考が出来ないとね。男女の愛情と違い、物質的なつながりがどうしても弱くなるレズという関係性は、こうして精神的接合を求めてイカれていくのが至高です。ま、ぶっちゃけセレクターバトルに対する願いとしては「ウリスの傷を治してほしい」だけなので、大した内容じゃないんですけどね。これ、もし晶が勝ってたら夢限少女として具現化したミルルンが必死にウリスの傷の手当てをすることになってたんでしょうかね。もう大体直ってるっつーのに。

 トピックの3つ目は今回最大の山場となった、浦添伊緒奈の帰還である。システム面だけを簡単にまとめておくと、あれだけ気を吐いたにも関わらず、黒覚醒したタマに太刀打ち出来るはずもなく、晶はウリスにボコられて終了。そしてウリスは無事に願いを叶え、タマと契約して「ルリグになる」。しかし、この時タマは人間になり、浦添伊緒奈のボディを借り受けることを拒否。そのため、空っぽになった伊緒奈ボディには、現時点でルリグ業を強制されていたはずの「元祖伊緒奈」が収納されることになった。この事実と繭の台詞から分かることは、「タマもイオナ同様、なろうと思えば人間になれた」こと。そして「ルリグが望まなければ、たとえ夢限少女の契約が成立したとしても、顕現を拒否出来る」こと。まぁ、タマはルリグの中でも特別な存在なので、彼女にだけ認められた能力なのかもしれないけども。そもそもルリグがセレクターバトルを煽るのは「人間に戻りたい」っていう動機しかありえないので、普通は「復帰拒否」っていう選択肢はないからね。とにかく、タマというイレギュラーのおかげで、セレクターバトル始まって以来の珍事、「元の身体に復帰した少女」が誕生してしまったわけだ。

 元祖伊緒奈さんの様子を見る限り、彼女がセレクターバトルに勝ってイオナとチェンジしたのは、そんなに昔のことじゃない。やっぱりこのシステムが確立したのはここ最近のことなのだろう。彼女の願いは「浦添伊緒奈を辞めたい」という刹那的なものだったので、契約が成立した時点で伊緒奈とイオナはWin-Winの関係にあったはずなのだが、おかげで早速「別に人間に戻りたくないルリグ」というポンコツ在庫が出来上がってしまい、繭さんとしても困ったことに。常に人員が流動しているからこそセレクターシステムは意味があるのであって、窓の部屋で吹きだまられると、循環が停滞して残念なことに。今回のウリスのはっちゃけぶりのおかげでそれが無くなったのは良いことである。

 イオナを「ルリグ」と呼ぶ浦添伊緒奈さんは、話してみれば実に普通の子。財閥のご令嬢という重たい身分が面倒になってちょっと悪ぶってみたものの、やっぱり家を離れたら少し寂しかったという、普通の思春期のお嬢さんである。事情だけを話して、遊月の「もう二度とセレクターバトルに関わるんじゃないゾ」というある意味説得力満点の言葉を最後に、完全に舞台からはフェードアウトした。これでまた決着がついた人物が1人。なお、元祖伊緒奈さんのCVは能登麻美子。これにより、伊緒奈、タマ、繭、ミルルン、花代さんと、やたら大沢事務所の密度が濃い作品になってしまった。ここまで大沢が多いと、むしろ花澤がいないことに違和感があるレベル。

 さて、こうして伊緒奈の問題が片付き、改めてイオナは「ユキ」となって生まれ変わる。多分次回以降にエピローグが語られるだろうが、ウリスに負けた晶も事実上の退場と見ていいだろう。すると、のこされた人員は本当に一握り。チームるう子は、るう、ユキ、ユヅキの3名(とおまけの一衣さん)。対する繭陣営には繭本人と、悪の枢軸であるウリスの2名が残され、そこには囚われのお姫様であるタマが幽閉されている。タマは今回、一度は「黒タマ」となった自分を認めてしまう発言をしてしまい闇堕ちが危惧されたが、契約執行の土壇場で「他人の不幸」を拒否し、るう子への操を貫いたことでギリギリ「光の少女」に踏みとどまった。ただ、これが創造主たる繭の不興を買い、下手したらあとは永遠の幽閉状態である。「光の少女はやっぱり悪い子」という、ねじ曲がった繭さんなりの適当ジャッジは「この世界は彼女の気分一つでどうにでもなる」という絶対ルールがよく分かるものになっている。現在、対となる存在であるるう子の下にユキが確保されていることが切り札となるかどうか。

 で、この限られたメンバーの中でどのように話をまとめてくるのかと思っていると……ここでまさかの花代さんである。そうかぁ、確かにまだ彼女も結末を迎えてはいないのだもんな。ラストをハッピーエンドにするには遊月のポジションにも決着をつけなきゃいけないし、ここで花代さんが登場するのもある意味必然か。香月との関係性も上手くいっていると思われていた花代さんだったが、やっぱりお仕着せの愛情には限界があったのか、それともセレクターバトルの様子を見て不安定になっただけなのか。花代さんの世界も、まだ完全に幕を閉じていなかったことが仄めかされていた。偶然にも伊緒奈のバトルを目撃したため、彼女はどうやらこっそりとその事実を一衣に伝えてあげたらしい。「shadow-prince@rocomo」って、どんだけ厨二アドレスなんすか。しかも一衣が「知らないアドレス」って言ってたってことは、わざわざ新規で取得したんだよな。幼き日の遊月の残念な思い出から「影の王子」なんてアドレスにするあたり、花代さんも随分病んでいるのか、それとも単に遊月には気付いて欲しかったのか。彼女のメンタリティもまた謎なのである。結局、他人と入れ替わって生活していくなんてルリグシステムがまともに機能するはずがないんだよなー。この世界の女の子は何故かそれで平然としてるけどさ。さて、一体どうやって決着をつけるつもりなんでしょうね。

 今後の問題として、ルリグに戻ったウリスは誰かに「使われないと」物語に絡んでこられないんだよね。あと残ってるキャラっていたっけ? 次回、「真の闇! るう子のばあちゃんとウリスの黒い関係」に、デュエルスタンバイ! (無い)

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 【悲報】一衣氏、ついにルリグとぼっち勝負で張り合う、第9話。「私も繭の気持ちが分かるから」って、あんたは自己責任やで。まぁ、1期当初に比べるとだいぶ前向きにはなりましたな。

 前回の衝撃の展開からは多少視点がズレた今回。そろそろ最終回に向けて風呂敷をたたみ始めたようで、繭、タマ、イオナの悲劇の物語はおいといて、サブキャラ・ちよりの処理である。唐突に現れ、適当極まりない接点から物語をかき回してくれたちよりだったが、正直、こんな風にまるまる1話使ってそのけじめをつけてくれるとは思っていなかった。これまでのハイテンションが嘘みたいな落ち込み方は流石にどうかと思ったが、持ち前の脳天気さとエルドラの押しもあって無事に復活、そこからバトルになだれ込むも、残念ながらそれはエルドラの優しさ故の罠でしたよ、っていうお話。ちょっと切ないのだけども、エルドラさんのどうにも憎めない人の良さはその声にも表れていたので、なんだか妙に納得出来てしまう結末である(まぁ、まだどうなったかは定かじゃないけど)。ちよりちゃん、この後また元の地味っ子に戻るんですかね。

 で、そんなサブキャラのエピソードの中でも、1つ本筋に関わる重要なポイントが見えてくる。それは、ルリグとなった少女達のモチベーションのお話。本編とは関係無いところで恐縮なのだが、現在ウルトラジャンプで連載している「WIXOSS」漫画では1つ面白い事実が語られていた。あのピルルクたんの物語である漫画版は、後のピルルクたんとなる少女が繭と割と長々と対話しており、その中で繭は「ルリグがセレクターシステムを話してはいけないというルールはあくまでも不文律であって、それを破ったところで特にペナルティは無い」と述べているのだ。つまり、本当にセレクターの身を思った場合、ルリグはセレクターに対してこの欺瞞に満ちたシステムのすべてを洗いざらいぶちまけることも可能だったのである。実際、遊月は一衣とるう子にすべてを話してしまったが、それによって不利益が生じている様子はない。

 となると、これまで多数のルリグが登場してきたこの世界の中で、各々がどういう考えで行動していたかを考え直す指針になる。今回久しぶりに回想で登場したのは緑子さん。彼女は最後の最後に、一衣に「戦っては駄目だ」と諭していた。おそらく彼女の中でも大きな葛藤があったのだろう、システムのすべてを話してしまうことは出来なかったが、それでも譲歩案として「一衣との関係性を維持しよう」という働きは見て取れた。つまり、「心通わせたルリグ」はこういう行動に出ることが可能だと言うことだ。他方、好対照を成すのは花代さんだろう。遊月の願いを真摯に受け止めていたはずの花代さんだったが、遊月の想いが募りすぎたためか、なまじバトルに勝てる強さを持っていたためか、結局彼女は遊月に何も言わず、夢限少女へと顕現してしまった。彼女の過去にどんな葛藤があったのかは定かでないが、ルリグとしての自我がセレクターとの関係性に勝ってしまった事例である。

 結局、セレクターに対して真実を打ち明けるかどうかは、ルリグの人柄次第だ。漫画版の中では、ピルルクたんは非常に冷徹に数々のセレクターたちを地獄送りにした様子が描かれているし、ウリスなんかはおそらくセレクターが勝って相手がどん底に送られようが、セレクターが負けてそいつが不幸になろうが知っちゃこっちゃないだろう。とにかく不幸な人間が増えれば楽しいのだから。あと、多分ウリスは素で強いので基本的に負けない。イオナもかつては「闇の少女」として同様にこの世界の暗部を垣間見せる存在だったのだろうが、現在はるう子との出会いでそのあたりが揺れている状態だ。ミルルンは……ワカンネ。

 そして、そのあたりの「自我と思いやり」の狭間での揺れ動き方が何とも男前だったのが、今回のエルドラさんということになる。彼女のお気楽テンションは、自分のセレクターがちよりという阿呆だったおかげで培われた部分もあるだろう。カードの中で孤独に思い悩んでいたところに、なんか軽そうだし、勝っても負けても問題無さそうな奴が出てきたのである。本来なら付きまとうはずの「ルールを明かさない罪悪感」についても、本人が「WIXOSSの世界に行きたい」とハナから言ってるなら問題無い。気付けば軽口ばかりで対話する不思議な友情が成立していた。案の定、ルールを明かされたあともちよりの態度はさして変わらなかったし、その関係性はずっと続くかと思われた。しかし、繭の真実、「孤独との対話」というバックグラウンドを知ってしまったことで、ちよりの態度にも変化が訪れる。流石に「流行のカードゲーム」ではなくて「1人の少女のどす黒い妄念」の世界と分かってしまっては、いくらちよりがお馬鹿とは言っても尻込みするのは仕方ないだろう。結局「勝っても地獄、負けても地獄」の世界には違いないのだ。いや、そうではなかった。ちよりの場合、「負けた場合のペナルティ」は決して不幸とはかぎらない。そのことにいち早く気付いたのはやはりエルドラ。結局彼女は、どれだけ露悪的に振る舞っていても、ルリグの中では情に厚い方だったらしい。わざと適当な言葉でちよりを煽り、彼女を敗北へと誘導する。それにより、彼女がこの邪悪なシステムと決別出来るように。ここで負けたからといって、ちよりは不幸になるわけではない。そしてエルドラ自身も、別に消滅するわけではなく、いつものように、次のセレクターのところへと渡り歩くだけである。敗れたからといって、特にマイナスの要因は無いのである。ただ1点、ちよりとエルドラが別れなければいけないという点を除いては。腐れ縁だった2人の関係性だが、エルドラにとってはかけがえの無いものになった。だからこそ、彼女は自分の手で、幸せなうちにそこに幕を引く気になったのだろう。これまで登場したルリグの中でも、最も優しい最後なのであった。

 さて、これでちよりにも決着がつく。多分一衣さんも大きくスタンスが変わることもないだろう。となると、残るセレクターはわずかに3人、るう子・ウリス・そして晶。暴走した晶はもう止まらない。既に善悪も愛憎もめちゃくちゃにぶっ壊れてしまった彼女の世界で、彼女はウリスを求め、ウリスを憎悪する。撮影モデルの外面を被ったあきらっきーでもなく、ウリスの庇護下で愛に目覚めたあきらぶりーでもなく、ただひたすら自分だけの結末を模索する存在、蒼井晶として、彼女は最後の戦いに臨む。迎え撃つウリスもこれが最後となるだろうか。「貯金があるから」っていう理由はぶっちゃけよく分からんが、彼女はあと1勝で再び彼女の望むルリグ世界へと帰還するらしい。邪魔な晶をさっさと片付けて、彼女は再び輪廻の輪へと戻っていくのか。そして、その場合にタマはどうなってしまうのか。タマは過去の記憶が無いので定かじゃないが、ひょっとしたらまだ顕現したことが無いかもしれないわけで、ウリスとのチェンジが初の顕現になるのかも。「初めての人間の身体だ! なんか脇腹が全治一週間!」。可哀想。

 クレイジーレズから単なるクレイジーになってしまった晶さんに、どうか幸せな結末を。(幸せになってほしいとは言っていない)

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 一人でカードゲームするやつぁ寂しいみたいな風潮、やめてもらえませんかね、第8話。べ、別に遊び相手がいないわけじゃねーし、デッキの調整したいだけだし。

 今回は「答え合わせ編」ということで、およそ想像されていた通りの世界が、実際にそのようであるということが直接当事者たちから語られるお話。しかし、説明回になるとテンションは落ちがちなものだが、今回のエピソードは1つ1つのシーンに緊張感が充ち満ちており、シリーズ中でもなかなかレベルの高い話数になっていたのじゃなかろうか。ちなみにコンテ演出は後藤圭二の1人回である。たまにこういうところで存在感を出してくるよね。

 まずは、遠隔攻撃でひざをついてしまったイオナさんからあらましの説明。「タマとイオナは繭自身の分身であり、タマが光の象徴、イオナが闇の象徴である」「それは幽閉施設に贈られてきた遊び道具を、繭が1人で処理するために産みだされた代替人格がはじまりである」「遊び続けているうちに、ぼっちマスターの繭さんはどんどんレベルがあがり、タマとイオナの人格を完全に外界に置くだけでなく、更にカードゲームに余計なルールをつけて第3、第4の人格までもを引き連れてくるようになった」「それらの複数の『お友達』の人生を左右し、繭が悦にいるために開発されたのがセレクターバトルのルールである」「願いの高じた繭の妄念はいつしか世界を超え、気付けば実際の闇のゲームとして、セレクターバトルが始まった」「世界にばらまかれた多重人格であるルリグは少しずつ実際の少女達と入れ替わり、立ち消え、今となっては現存するオリジナルルリグはタマとイオナの2人だけ」。

 なるほど、おおよそ想像していた通りの成り立ちである。もちろん突っ込みどころは多数存在しており、まず誰もが思いつくのは「結局WIXOSSってゲームはどこかのおもちゃ会社が開発した既製品なのかよ」っていうこと。繭が一体どういう生い立ちの子供で、彼女が誰に養育されているのかは未だ定かじゃないが、彼女に色んなおもちゃを贈ってくるパトロンの1人が、WIXOSSという巷で人気のゲームを繭に送りつけたということ。いや、1人ぼっちの子供にTCG贈るのはやめてさしあげろ……トレーディングだけすりゃいいってもんじゃねぇよ。その辺の理解のない残念な大人だったのかしら。そして、そんな何の変哲もないカードゲームから、あれよあれよという間に闇のゲームを構築してしまった繭さんの生来のどす黒さ。彼女は「外界を知らない不幸な少女」であり、怨念を持つのは分からないではないが、それにしたって妄想する遊戯が凶悪すぎやしませんかね。普通、深窓の令嬢っていったら外の世界に憧れたら「私の知らない世界はきっと素晴らしいものなのでしょうね」ってキラキラするのがセオリーなのに、繭さんってば、「外に世界がある。私は知らないのに、知ってる同い年の女の子がたくさんいるらしい。よって死ね」という2ch住民みたいなネガティブ発想である。リア充爆発しろの精神である。世の中の喪男、喪女が全員繭さんのような能力を持ってたらエラいことになってたな。

 それにしたって、「試合に負ければ願いが裏返り、試合に勝っても願いを叶えるのはルリグであってお前じゃねぇよm9(^Д^)プギャー」っていうシステムはなかなか幼い女の子が思いつく設定じゃないよなぁ。「この世界は私物」らしいけど、こんだけの暗黒思考が出来る幼女はなかなかの大器である。将来が楽しみだね。ただ、残念ながら彼女にも誤算が1つ。元々「自身の分身」であったはずの「光の少女」と「闇の少女」が、あまりにも自律思考を先鋭化させてしまったために、制御の枠をはずれてしまったことだ。ルリグとセレクターの入れ替わりシステムのせいで、元来繭が有していたはずの所有権が次第に希薄になっていったという問題もあるのかもしれないが、いつしかタマは記憶を失い、イオナは別の意思を持つようになった。「どうせ戦うしかないなら、より強く、よりバトルを楽しめる方に努力しよう」というのがイオナの戦略。そのためにウリスとのコンビ時代はセレクターキラーとして暴れ回ったわけだが、るう子という「別な光」に出会ったことで創造主と袂を分かつ。それは記憶を失ったタマにしても同じことであり、現存するオリジナルルリグのうち2体ともが、繭の支配下を離れてるう子の傘下に配されることとなる。「るう子すげぇな」って一瞬思ったけど、そもそも繭だって年の頃の同じ女の子なのだから、同年代のるう子が同じくらいの制圧力を有していても不思議ではないんだよな。仕事一辺倒だった社畜のイオナが、あるきっかけでるう子という憧れの女性に出会ってしまい、人生が切り替わったみたいな状態である。こうなってしまうと、なかなか「生みの親」である繭でもコントロール出来ない。やきもきする繭さんは構築した世界の瓦解に焦りを見せるが、イオナの意思は固く、大ピンチ。

 しかし、そんな殺伐としたバトルフィールドにウリスさんが!! そう、彼女もまた、「有資格者の少女」である。繭の妄念、るう子の希望、そしてウリスの邪悪。それらはすべて並び立つほどに力を持ったものだった。実際、イオナは1期目の時点ではウリスという魔の存在に出会って影響を受けたのだから、彼女もるう子と並び立つほどの「世界の破壊者」である。光の少女であるタマを直接コントロールしてしまうという荒技をみせたウリスは、そのまま「クロタマ」を使ってイオナを蹂躙。この世界の変革を否定してみせた。繭とウリス、2つの巨悪を前に、イオナはるう子たちとともに立ち向かわねばならず、タマはなんとかして彼女の闇を打ち払い、るう子の下へと帰還しなければならないのである。……が、

 しかししかし、そんな殺伐とした修羅場にあきらぶりーが!! やっぱりやってくれましたね。前回の予定通りですが、まさかこんなに早くあきらっきーのターンが回ってくるとは思ってなかった。るう子、繭、ウリスと3者並び立つフィールドの中ではどう考えても雑魚でしかない晶であったが、彼女はウリスの作り出した闇の結果の1つでもある。元来闇であったはずのイオナが光に感化されてしまったこのタイミングで、新たな闇の化身として覚醒することが出来るかどうか。この後、ウリスは再び立ち上がることが出来るのか。そして晶自身はどのようにこの世界の変革に立ち会うことになるのか。……一番切実なのは、タマが誰の手でどこに行くかなんだよね。今更晶がバトルに出しゃばってきても、ウリスより強いとは思えないからなぁ……。

 ま、そんなこんなで「結論が出た」ところでもう一波乱がお約束。ラストバトルまで、まだまだ気の抜けない展開でございます。ちなみに余談にはなるが、今回のお話は中の人ファンにとってもかなり満足度の高いお話になっている。特に頭一つ抜けているのが種田梨沙、そして瀬戸麻沙美。種ちゃんの1人上手劇場での狂気を孕んだ楽しさ、そしてそれを冷静にさばいていく瀬戸ちゃんのコンビネーション。これに、「どっから声出してんねん」でお馴染みの久野ちゃんの悲鳴が重なり、全体を厳しく締め上げるのは最年長のベテラン、釘宮理恵。この4人のコラボが今回最大の見せ場となったバトルシーンを1段も2段もレベルの高いものにしている。久野ちゃんの「きゅーーーー」みたいな悲鳴、癖になるよね。あの声で「何かが中に入ってくりゅー」とか言われると犯罪の匂いしかしません。

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 今期赤﨑キャラが壊れレズしかいない件、第7話。あきらっきーも愛されれば愛されるほど脱ぎ始めるキャラだったらウリスから見捨てられなかったかもしれないのに。

 今回の主役はウリスさん。今までの鬱憤を晴らすかのように、自分語りでしゃべることしゃべること。ほぼAパートは釘宮劇場オンリーという展開。くぎゅボイスで悪逆非道なことを語ってくれるため、たっぷりと罵られたいK病患者には久しぶりに良いお薬になる展開。これまで特に語られて来なかった「ウリス個人のパーソナリティ」についての説明であるが、まぁ、単なるキチである。気付けばこの世界の女子中学生はおかしな連中ばかりではあるが、そんな中で最もシンプルに殺伐ポイントが高い存在だったのが生前のウリスさん。スケバン(死語)たちの常識である「顔はやめておきな、ボディを狙え」を遵守する昔気質の立派なクズであり、加虐を至上の喜びとしていた単なるあかん人。しかし繭さんは女子中学生の切なる願いならばそれがいかなる内容であろうとも駆けつけてくれるらしい。「そんなに何かをボコりたいなら、ゲームの中で徹底的にやればいいよ」ってんでウリスをセレクターへご招待。彼女はめでたくセレクターバトルにハマり、「もうずっとここにいたいからルリグ人生を満喫するよ」と晴れやかな表情。なんかこの世界、当初の思惑を無視してルリグになりたい奴が多すぎませんかね。

 そんな真性だったウリスさんが、「黒い少女」改め「闇の少女」である伊緒奈と組まされたのは必然だったのか、繭の思惑だったのか。「オレより強い奴に会いに行く」が目標の伊緒奈、「オレより強い奴をボコボコにしたらそいつは一体どんな顔で泣き叫ぶんだろう」が目標のウリス。2人の快進撃は一時セレクター業界を牛耳るまでになっており、連戦連勝でもウリスがルリグから解放されないなどのボーナスがついていたわけだが、そこにやってきたのが史上最強の存在であるるう子だった。伊緒奈は「強い子素敵! あの子のルリグになればもっとビンビン来る試合が出来るわ!」と発情し、ウリスの方は「うわぁ、最強のチートキャラとかきゃんきゃん言わせてぇ」と欲情した。結果的には2人のバトルではるう子の勝利。つまり伊緒奈の願いだけが叶い、ウリスは願いに反して一次的にルリグの座を追い落とされ、伊緒奈として顕現することになった。でも大丈夫、ウリスさんはまた連戦連勝で場を荒らして、満足したらルリグ界に帰ればいいだけだから。ただ、問題はそこに遣わされたルリグがタマだったことなんだけども。これ、もしルール通りに契約が執行されたら、タマが新しい伊緒奈として顕現してしまうことになっていたのでは……。

 まぁ、今となってはベースとなるセレクターバトルのルールなんてどうでもいいんだけどね。キチガイルリグのウリス、最強バトル少女るう子、そして「光の少女」タマに「闇の少女」イオナ。もう、イレギュラーしかおらんもん。誰がどこでどう勝ち進んだら、世界がどうなるのか、もうさっぱり分からない状態。とりあえず「るう子がタマをルリグにした状態で願いを叶えれば、ルリグの呪いが解放される」っていうのは間違いなさそうなので、最終的にはそこを目指すことになるのだろうが……はて、契約途中でのルリグの変更って認められるのだろうか。まぁ、キン肉マンなら試合途中でタッグパートナーを入れ替えても怒られないから大丈夫ちゃうかな。どっちにしろ繭さんの気分次第だろうしな。

 繭は最近露骨にゲームにちょっかいを出すようになってきていかんな。開発者は大人しくユーザーの反応を見守るくらいにしておきなさいよ。伊緒奈は彼女のことを「母」と称したわけだが、まぁ、回想シーンの映像から見るに、「現世にいた頃の繭の思念が結実したのがセレクターシステム」ということになるのだろうか。人とのつながりを求めた孤独な少女の怨念がカードの形で具現化し、ルリグという分身と少女たちの願いを結びつける。強力な情念は数多の少女を巻き込む不幸の連鎖を引き起こして、現在に至ると。その発端となった繭の情念が「光」と「闇」に分かれ、別個に意思を持ったのがタマと伊緒奈ってことになるんだろう。タマは純心の表れ、伊緒奈は狡知の表れだろうか。ただ、そんな「闇の少女」がるう子という別な存在と出会って変質しちゃったから、メーカー側である繭がちょっとお怒りですよ、という。当社商品の勝手な改変は保証対象外ですのでおやめ下さい。もしそのことが判明したら、ゲーム途中でも伊緒奈の心臓を握りつぶしちゃうよ、と。やりたい放題やな。どこまでいっても繭の掌の上だとするなら、タマがどれだけマジモードになっても夢は叶わないということになってしまうのだが……多分、るう子の存在はそのうち繭を越えることになるんだろうなぁ。

 ついに実現したるう子とタマのマジバトル。悲痛なタマの声をオーディエンスたちも固唾を飲んで見守って……ないやつもいるな。あきらっきーが完璧に壊れてしまった。仕方ない、拠り所となっていたウリスさんが確信犯的に彼女のメンタルをぶっ壊しに来てるんだから。「顔に怪我とかさせて、みっともない」って、いちいち本人に面と向かって言わずに間接的にいじめるあたりが流石のウリスさん。これ、どう考えても最終的に刃物を持ち出したあきらっきーにウリスが刺される未来しか見えないのだが。

 少女に腹パンかます作品は、良い作品。

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 モブ子のこと一衣っていうのやめろよ! 第6話。一衣VSあきらっきーの、「喫茶店バイトの同僚対決」再びである。なお、かやのんは「新手の戦姫」→「一衣」→「あるぴん」で今期アニメシャワー3連戦。アニメシャワーではまれによくある事態である。

 ふたせ文緒絡みの因縁はひとまずまとまった。結局、彼女は「よくあるルリグ出戻り組」の1人でしかなく、そこまで大きな情報が得られたわけではない。大きく分けて確認できた事象は2つ。1つは、「黒い少女」「白い少女」という何ともあやふやなキーワード。前回この言葉が出たとき、上位存在であると思われるタマが「白い少女」という特別な言葉で語られるのはまだ分かるが、一介の女子中学生だったはずの伊緒奈さんが「黒い少女」って呼ばれてるのはどやねん、という疑問が持ち上がった。ただ、どうやら繭さんの言動からこの設定は間違いないようであるし、伊緒奈自身も悪夢にうなされ、ルリグのくせに体調不良まで訴え始めたので、どうやらこの2人を巡る物語が最終的な目標地点になるのは間違いないようだ。つまり、「伊緒奈さんは単なる女子中学生」という前提自体が怪しいということになってくる。現時点で彼女に自覚は無いようだが、繭との特別な関係を考えると、彼女には「単なる女子中学生」以前の経歴も何かあるのかもしれない。シンプルに考えるなら「人間→ルリグ」ではなく「ルリグ→人間→ルリグ」というルートを辿っているという展開がありそうだが、ただ、その場合にはやっぱり前回疑問として現れた「ルリグのオリジンってどこなの?」という問題にぶち当たることになる。とりあえず、伊緒奈さんになんとか自分の出自を思い出してもらわないことにはどうしようもない。まぁ、単に「めっちゃ執着が強くてゲームも強いセレクターだったおかげで、タマという絶対存在と対を成す『黒い少女』として伊緒奈が醸成された」とも考えられるわけだけども。

 そして、ふたせ文緒という人物そのものの存在から間接的に与えられた2つ目の情報は「セレクターの呪い」という、ある意味当たり前の事実。ルリグと本人が入れ替わることによって代償行為として解決されるはずの「願い」と、延々繰り返される夢幻少女のループ。一度ルリグから抜け出した少女はその頸木から逃れることが出来るはずなのだが、そこに待ち受けるのは、本来の存在であるはずの自己と、乗っ取り入れ替わった少女の願いという束縛。願いを叶えなければいけないという制約はその後も長きに渡り人生を縛り付けるため、結局その呪縛から逃れることは出来ないという。確かに、言われてみれば「願いを叶える」ということは、「2人分の人生を同時に歩まされる」ことと同義なわけで、普通のメンタルならばこれに耐えることは出来ないだろう。ルリグとセレクターの間にどれだけ友情物語が成立したとしてもしょせん他人は他人。その想いと人生をまるまる背負い込めるはずがないのである。現時点では花代さんはまだ頑張っているようであるが、フタセの場合にはあまりの重さに壊れかけてしまっている。そして、新たな切望が、再びセレクターとしての道を歩ませるのである。もう、今のフタセにはプラスの意味での「願い」など存在しないのだろう。第一の目標は「文緒に会う」ことなのだろうが、それよりもむしろ、再びルリグと入れ替わることによって、「2人分の人生を背負う」という重圧から解放されたいだけなのかもしれない。

 こうして、夢幻少女の謎を探るるう子たちの探索は幕を閉じるも、「黒い少女」というキーワードに触れてしまったためか、伊緒奈は謎の昏倒。慌てるるう子たちの突拍子も無い発想は「この子ら、アホやったんやな」と改めて彼女達の年齢を思い出させてくれるハートフルな(?)お話である。「風邪かもしれない!」「お薬持ってくる!」「お腹痛くない?!」などの発言は、一歩間違ったらお馬鹿っていうかちょっと危ない人だ。いや、そりゃルリグだってカードの中でちょっと体調悪くすることくらいあるかもしれないけども。お腹空かないし寝ないしトイレにもいかない連中にそんなこと心配せんでも。最後に残った案が「布団かける」ってなぁ。まぁ、確かにルリグってみんな寒そうな格好してるからね!

 伊緒奈の調子が悪いタイミングで、狙ったかのように動き出すあきらっきーとウリスの悪人同盟。もうすっかり犬と化したあきらっきーであるが、憎み、怒っている時の彼女がやっぱり輝いている。コロコロ表情が変わるあきらぶりー劇場は一衣さん1人に楽しませるには勿体ない代物。しかし、セレクターバトル関係無しでステゴロでぶつかっても一衣はやっぱり負けるんやな。同い年くらいの女子とはいえ、夜道で襲撃して、そのまま拉致監禁するのってすげぇ大変だと思うんだけど、よく誰にも目撃されず学校まで移送出来たよな。あきらっきーが犯罪慣れしてるんでしょうか、それとも一衣が規格外の虚弱なんでしょうか。多分どっちもだろうな。あきらっきー、アイドルのくせして廃工場の隠れ家とか、夜の学校に侵入する手口にやたら通じている。実に立派な地下世界の人間ですね。さぁ、ウリスさんによる悪だくみ劇場、はじまるよー。もう、彼女にとって伊緒奈ってどうでもいい存在なのかねぇ。

今週の提クレバック:守りたい、この笑顔。

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 あきらっきーが出てこないと提クレバック劇場がないのな、第5話。コメディリリーフがちよりしかいないのはちょっと力不足か……(晶さんは笑わせる要員ではありません)。

 ふたせ文緒の人生でまるまる1話。まぁ、セレクターバトルに関与しちゃった人の人生模様なんて大体こんなもんよね、っていうお話である。特にこれまで登場したキャラクターと比べても特殊な点は無かったよな。一応確認しておくと、現在の「ふたせ文緒」名義で活動している作家の方は、元々ルリグだった少女、「フタセ」である。彼女がそれ以前にどういう存在だったのかは不明だが、自分の名前を尋ねられても答えられなかったことを考えると、ひょっとしたら「それ以前の人生」は無いのかもしれない。基本的にルリグと夢幻少女、セレクターの関係性は脈々と受け継がれる無限ループであるが、どこかで必ず「始祖」となる存在がいなければならず、その始まりは、遙か昔に遡るというわけでもないだろう。そもそもWIXOSS発売後じゃないといけないわけだからね。いや、この世界のWIXOSSがいつ発売したのかは知らんけども。フタセたちのお話は現在からやや昔のことだと思うが、その時点で既にクラスでブームになっていたのだから、そこそこ息の長いゲームであることは間違いないはず。

 とにかく、フタセのスタート地点はルリグとしての存在から。そして、作家ワナビー少女である「文緒」に取り憑き、例によって二人三脚でのセレクター人生が始まるわけだ。元々「夢は自分で叶えなきゃ意味が無い」というまっとうな理念を持つ文緒はバトルに積極的ではなかったが、出版社に蹴られ、現実に突き放され、だんだん嫌気がさしてドラッグに手を伸ばすようにしてバトルに打ち込み始めてしまう。そしてなお悪いことに、作家としての才能はあまり無かったが、デュエリストとしては優秀だったらしく、常勝無敗のまま闇の儀式へ。そのまま理不尽な宣誓を経て、あとは常のごとく。今も、文緒さんはどこかで誰かのルリグとして恨み節をひねり出しているに違いない。

 そんな文緒を見ていたフタセの心情は微妙なもの。花代さんの時と大体同じだが、少女と友情関係を結んでおきながら、ルリグは現世への帰還を何よりも望んでしまうために、最終的には友人を裏切ることになってしまう。伊緒奈やちおりのような例外もいるが、セレクターシステムが基本的に悲劇しか生み出さないことはご存じの通りである。文緒に憐憫の情を抱いていたであろうフタセだったが、結局ルリグの運命には抗えず現世に帰還。そのまま自分の体験談をネット小説として書き散らし、無事に夢を叶えることが出来たわけだ。

 さぁ、ここでなんだかやるせないのはこの「夢」の質である。一衣の「友達がほしい」や結月の「弟といちゃいちゃしたい」については、ルリグがその気になれば叶えられる願いだったというのは分かる。「ルリグが請け負えると思える願いじゃなければ誓約は成立しない」とのことだったのだから、花代さんも緑子さんも、「私なら出来る」と思ったことなのであり、そもそもセレクターの抱えている願いの質は「やる気になれば何とかなるようなもんだよ」と繭さんも言っていたのである。ただ、今回の文緒さんの「作家になりたいな」は、そこまで簡単なことじゃない。実際文緒さんは何度か新人賞に応募しては失敗していたようだし、頑張ったからって限界もあるはずなのだ。しかし誓約が成立したってことは、フタセさんは「私だったら作家ぐらいなれるわー、俺才能あるわー」って思ってた……ってことなんですかね? でないと宣誓出来ないんだよね? うーむ、なんか切ない。もしくは、「馬鹿正直に新人賞なんかに応募しないで、とりあえずネット小説から始めるっていうアイディアがあるで。それなら部数はどうあれ、なんとか作家っぽいことは出来るんじゃね?」というアイディアをフタセが持っていたのに、文緒には黙っていたとか。なんか、こうして考えるとやっぱりルリグって黒いよな。文緒さんの涙ながらの台詞、「夢の1つくらい叶わないと、私の人生は割に合わない」ってのはなんだかとっても残念な考え方である。夢ってそういうもんなのかねぇ。

 こうして生まれた謎の新人作家、ふたせ文緒。彼女はひとまず「文緒」の願いを叶えているのだから、あとはWIXOSSから離れて静かな余生を過ごせば良かったものを、何故か再びセレクターバトルの渦中に飛び込んでいる。そして、今回大事な設定として「本当の意味での願いを持つ少女のところにしか、ルリグは現れない」という話が出てきた。つまり、改めて「ふたせ文緒」となったフタセさんは、叶えたい願いが出てきたと言うことだ。そして、ルリグシステムが理不尽の固まりであることを理解しながらも、小説に釣られてホイホイやってきたセレクターを返り討ちにしているという。文緒じゃなくなったのに相変わらず強いのはずるいよな。出戻り組のセレクターというと他にもウリスさんなんかもいるわけだが、こんなシステムのくせしてリピーターを容認しているせいで、だんだん消費する人間が限定的になってきているのである。彼女はこんな閉塞的な世界で、一体何を望んでいるんだろう。……ありそうな線は「文緒との再会、謝罪」とかかなぁ。

 そんな「経験者」だった文緒は、当然リピーターの強みを活かして()るう子をボコボコにするのだが、珍しく語気を荒げて説教する伊緒奈さんに渇を入れられ、るう子が久しぶりに覚醒して覇王モードに突入。理不尽極まりないチートを披露して文緒たちを瞬殺する。どゆことやねん、レベル5て。ルリグカードのレベルって4が限界ってことは、単にレベル5なんてカードは印刷されてないってことやろ。「初めて見た」って、そりゃリーガルフォーマットに登録されてないカードを使ったらそらアカンやろ。単なる反則やんけ。まぁ、この世界でゲームのルールに突っ込んでもしょうがないけども。このチート発動は相変わらず無敵のるう子さんの力なのかと思いきや、なんと、ふたせ文緒からは「伊緒奈が黒い少女なんじゃないか」というよく分からない疑問が投げかけられた。また知らない言葉が出てきたぞ。「白い少女」はタマのことだよねぇ。そしてタマは「ルリグ解放というるう子の願いを叶えられるかもしれない」ポテンシャルを持ち、繭が執着を続ける特殊存在である。他方、伊緒奈さんはつい最近まで読者モデルをやっていた普通の女子中学生である(ちょっと老けてるけど気にするな)。そんなところにぽっと出の「黒の少女」なんて名前をつけられても困ってしまうだけだ。しかも、繭さんの独白を聞いている限りその適当な設定も割と的を射てるっぽいし。もう、放っておいてもるう子の回りにはキーパーソンしか集まってこないんだな。タマが「白い少女」、伊緒奈が「黒い少女」。……じゃぁるう子は何者? 結局、るう子自身がイレギュラーでないことにはこの事態に説明がつかないぞ。そもそも「願いを持つ少女のところにしかルリグは訪れない」っていう設定についても、るう子はイレギュラーだしなぁ。どう落とし前つけてくれるんでしょうかね。

 よし、我々も統率者なんて厳つい名前をやめて、そろそろMagicでもルリグシステムを採用しよう。ボクのルリグ、「スラクジムンダール」は、統率者戦で勝ち続けると僕の代わりに現世で願いを叶えてくれるよ。……地を赤く染めるだけやんけ……。

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 せっかく緊張感を醸し出しているのに、ラストの提クレバックですべてぶっ壊してくる第4話。スタッフはそろそろあきらぶりーで遊ぶのやめたげてよ。

 今回は予定調和で特に大きな山場は用意されてなかった回かな。一応タマとるう子の再会という大イベントではあるのだが、どうせ2人して相思相愛なのは分かってることだし、ウリスがタマを返してくれるはずがないのも分かっていたので、全体的に「まぁ、そうよね」っていう確認事項が多かった。新キャラふたせ文緒の活躍は次回以降だろうし。白い部屋 大きな窓 繭 繭 繭 繭 白い部屋。

 表面的には大きな動きはないが、割と意外な心情の動きが確認されたので、そのあたりを妄想混じりで確認していこう。なんといっても驚いたのは、互いに意思疎通を図っていない伊緒奈とウリスの関係性である。これまで、「ウリスは夢限少女として伊緒奈の願いを叶えるために動いている」という前提で話を見てきたわけだが、今回、ウリスの動きは伊緒奈にとっても想定外だったことがうかがえる。タマを持ち出してきたこと自体は「るう子にバトルする動機を作り出す」という意味では伊緒奈の願いに即したものであるが、結局バトルに至らなかったし、伊緒奈もタマの復活を見てどちらかというと訝しげな様子である。既に関係性が切れてしまっている二人の間では直接的な意思疎通は図れないため、2人の思惑に齟齬が生じてもおかしくないのだが、どうもウリスはウリスで別な何かを企んでいるようにも見えるのだ。今回、伊緒奈さんはバトル観覧中は「ほうら、あの女、口では何と言ってても身体は正直じゃない。結局淫乱ビッチだからあなたじゃなくて誰でも良かったのよ。さぁ、あんな昔の女は放っておいて私といい事しましょう」と盛り上がっていたのだが、残念ながらタマの方は身体も正直に拒否っていたせいで、お約束のNTRテンプレートはいまいち機能しなかった。そのせいか次第に不機嫌になっていき、最終的には一衣と結月を見て「気持ち悪い」を連呼するひがみっぽいヤツに。これまで泰然自若として余裕を見せていた伊緒奈にしては珍しい態度である。

 伊緒奈が不機嫌になったのはタマの復活が契機であるが、その一大イベントでずっとニヤニヤしっぱなしだったのがウリスさん。今回伊緒奈の口から「伊緒奈の願い」は「半分叶ったようなもの」という言葉が出ており、必死に願いのためにロールプレイを続けている花代さんなんかとは違い、ウリスは現世において行動制約が緩いようである。そして、「ウリスの自由意思」でもって何をしているかというと、これがまだ分からないわけだ。タマを受け取って再びセレクターとして現場復帰したが、願いを抱えているのかどうかも謎(そもそも願いを持っていても、それが幸せな形で叶わないと知っている出戻り組にはあまり意味が無い)。そして、タマをわざわざ譲渡されたことを考えると、彼女は繭とも何らかの接触があったとも考えられる。繭は「嫌らしい遊び」をするためにるう子の近くに「敵キャラ」としてのタマを送り込んできたわけだが、その際に所持者となるウリスに接触した可能性は充分あるだろう。繭の底意地の悪さが、ウリスの何らかの思惑と結託して現状が作られたのだと仮定するなら、ウリスを打倒することがそのまま繭への足がかりとなることに。多少、今後の展開の目鼻はついてきたかな? そして、ウリスと繭が何らかの形で結託して「るう子とタマをいじる」存在になったとすると、もうウリスにとって伊緒奈は特に重要な存在ではない。このまま伊緒奈さんが孤立していったらちょっと可哀想である。孤独なレズほど寂しい存在はないよ。

 繭の目的はまだはっきり分かっていないし、彼女の控えている「ホワイトガーデン」も相変わらず謎の存在。このまま現世とホワイトガーデンが隔絶したままでは、どうあがいてもるう子たちに打開策は無いはずだったのだが、ここに来てまさかの展開、なんとあの「小説版WIXOSS」が重要な伏線として機能し始めた。確かに1期の頃から「この世界のWIXOSS小説って誰が書いてるねん」とは思っていたが、まさかの関係者である。次回予告を見る限り、ふたせ文緒もセレクター経験者と見て間違い無いようだ(性別不詳のいでたちだったけど、女性ってことでいいんだよね?)。ちょっとイカれてしまった感はあるものの、ホワイトガーデンの知識があるということは、セレクター→ルリグ→夢限少女という一連の過程をクリアした経験者ってことかな。まぁ、仮にそういう実績があったとしても、どうやってホワイトガーデンに肉薄したらいいのかは見当もつかないが。

 ……もう、全部あきらっきーに頼めばいいんじゃないかな。あいつ「なんでもする」らしいから。とりあえずルリグになって向こうに飛んでもらおう。カード化したところでウリスにビリビリに破かれそうな気もするけども。色んなところでエロ漫画の定番展開が出てきて薄い本が急がしそうな世界であるなぁ。

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