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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<多色>
 
Abrupt Decay 突然の衰微 (B)(G) R
インスタント
〜は呪文や能力によっては打ち消されない。
対象の、点数で見たマナコストが3以下の土地でないパーマネント1つを破壊する。
 
 出た瞬間に話題沸騰の、なんでも潰せる「燻し(WWK)」。レアになったとはいえ、マナコストが増えずに対象が一気に拡大し、しかもどさくさに紛れてカウンター防止までついたのだから驚きである。よくよく考えれば、一応コストのつじつまはあっている。黒は「クリーチャーが壊せる色」であり、緑は「クリーチャー以外が壊せる色」(かつカウンターされない色)なのだから、この2色が組み合わさればそりゃぁなんでも壊せる。「疫病沸かし(RAV)」や「破滅的な行為(APC)」などのマスデスカードがそれを示している。ただ、やっぱり2マナっていうのは早いし強い。これの対象となるカードが1枚も入っていないデッキというのはほぼ存在しないと言っていいだろうし、メインで詰んでおけば「燻し」4枚体制に加えてエンチャント・アーティファクトがナチュラルに対抗可能。何の因果か安いことが売りだった「ヴェールのリリアナ」や「群れの統率者アジャニ」といったプレインズウォーカーまで巻き込んでしまう。もう、世の中には「呪禁がなくばカードにあらず」という流れが固まってしまいそうである。他人事のように眺めているであろうトラフトさんがマジでムカつく。さぁ、トラフトさんのことを考えなければ、色さえ合えば必須のカードのように見えるが、今後の世界でゴルガリカラーはどのようなスタンスになるのだろう。意外に、ゴルガリの先鋒となりそうな「ロッテスのトロール」が再生持ちでこのカードを弾くっていうのは案外面白いメタ設定になるのかもしれない。
 
 
Archon of the Triumvirate 三巨頭の執政官 (5)(W)(U) R
クリーチャー・執政官
4/5 飛行
〜が攻撃するたび、最大2つまでの対象の、あなたの対戦相手がコントロールする土地でないパーマネントを留置する。
 
 毎度お馴染み(?)、相変わらず謎の種族である執政官のお出ましである。どう考えても職業名だと思うのだが、未だにそれ以外の種族タイプを持つカードが登場したことはない。本当に謎である。で、そんな執政官の新作だが、確かにアゾリウスなら執政官もいるよね、というフレーバー的な納得度は高い。そして、無闇に重たいこともあり、書いてあることは鬼畜以外のなにものでもない。殴った瞬間にブロッカーが2体完全に無効化されたり、空から殴っているのに次のターンの相手の地上アタッカーが動けなかったり、つまり一回殴ったら大体勝てる能力ということである。まぁ、7マナのレアですし。同職の「魅力的な執政官(RAV)」なら出ただけで相手が殴れなくなりましたし(そちらは9マナです)。
 
 
Armada Wurm 大軍のワーム (2)(G)(G)(W)(W) M
クリーチャー・ワーム
5/5 トランプル
〜が戦場に出たとき、5/5でトランプルを持つ、緑のワーム・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
 
 セレズニア、レア、ワームといえばなんと言っても史上第2位のコストを持つ「土着のワーム(RAV)」のネタ臭さが思い出されるのだが、色マナ部分だけが似たような設定のこのワームは、コストが半分以下、そして誠に残念なことに、ネタ臭さがほとんど無いのである。6マナ、トークン、ワームが2体といえば、入れ違いで環境を去るあの禍々しいアーティファクトと同じ設定。全体除去に対する耐性が無くなったので守備力は低下しているが、その分6マナで打点10というのは今まで実現し得なかった値。単体除去に対してはアドバンテージが得られるというのは相変わらずだし、神話が一番やっちゃいけないタイプの、「とりあえずデッキに入れてしまって問題無い」タイプの強さである。187能力なので今後ますます「修復の天使」が元気になってしまうだろうし、当然、この後の居住スペルが全て致死性を持つことになる。時代が変わってもワーム地獄の終わりは無い。このカラーリング、「スラーグ牙」→「ワーム」→「修復の天使」とか繋げられたら、ホントにどうしたらいいんだい?
 
 
Auger Spree 穴開け三昧 (1)(B)(R) C
インスタント
対象のクリーチャー1体は、ターン終了時まで+4/−4の修正を受ける。
 
 アナアケザンマイ! やったね! 今日も家族で穴開け三昧! ヒャッハー! 流石ラクドス様についてきた甲斐があったってもんだぜー! 一度で良いから嫌になるほど穴を開けてみたかったんだー! ……まぁ、何でそんなに穴が開けたいかはよく分かりませんが。フレーバーを見る限りでは、どうやら新しい武器を搭載するための穴みたいです。ちなみに「spree」という単語が登場した過去のカードは、同じくラヴニカ原産の「破壊放題/Shattering Spree(GPT)」のみ。あっちはイゼット製のカードでしたけどね。やっぱりラヴニカはどこか狂騒的な楽しさがあるよね。穴開け放題! 破壊三昧! で、そんだけ騒いだコモンカードはというと、普通の除去だ。「闇の掌握(SOM)」と大体一緒だ。ごく希にダメージを4点増やして命を奪う可能性もあるが、あんまり考えなくていい。通ならば「野生の抵抗」とか張って、これ1枚で+7/−1とかいうよく分からない楽しみ方をするのも良いぞ。なんと言っても三昧ですからな!
 
 
Azorius Charm アゾリウスの魔除け (W)(U) U
インスタント
次のうちから1つを選ぶ。「あなたのコントロールするクリーチャーはターン終了時まで絆魂を得る」「カードを1枚引く」「対象の攻撃クリーチャーかブロッククリーチャー1体を、そのオーナーのライブラリの一番上に置く」
 
 各ギルドに与えられたチャームサイクルのアゾリウス版。単色のチャームは割と「器用貧乏な隙間家具」のイメージになるのに、多色のチャームは大体の効果が強いから困る。このアゾリウス版もご多分に漏れず、2マナインスタントとは思えないポテンシャルを持っているのは間違いない。ただ、他のカードと違って、強い効果は主に最後の1つだけだ。1つ目は爆裂させると美味しい全体絆魂。タイミングが合えば莫大なライフをもたらすが、まぁ、ライフゲインスペルと考えるとそこまでじゃない。2番目に至っては純正キャントリップだから1マナインスタント以下の効果。ただ、現時点では奇跡がある関係でこれでも充分使えそうなのが困ったもの。そして3番目だけがやたらとオーバースペックであり、なんとアタッカー、ブロッカーに対する「破門(M11)」が2マナインスタントになった。元が3マナソーサリーだったのだから、その安売り感はかなりのもの。盤面に影響を与えた上にドローを遅らせてアドバンテージを維持する能力が白青に渡ってしまったというのは、なかなかゆゆしき事態。こんだけ軽いインスタントだと、例によって瞬唱さんが張り切るフラグにしか見えないのでゆゆゆゆゆしき事態。そこで私はあえてライブラリを削る道を選ぼう、よし、純正除去になるぞ。やったねミルちゃん!
 
 
Call of the Conclave 議事会の招集 (G)(W) U
ソーサリー
3/3で緑の、ケンタウルス・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
 
 旧ラヴニカでそこそこ活躍した「番狼」が、トークンになって生まれ変わった。トークンになるということは、クリーチャーとしては弱体化である。バウンスで死ぬ、ちらつきで死ぬ、コストがゼロだから「漸増爆弾」あたりで綺麗に飛ぶ。一応「本質の散乱」で打ち消されないとかいうメリットはあるが、逆に「否認」で打ち消されるからとんとんか。いや、現在の環境は「サリア」さんがいるかややデメリット寄りかも。そこまでしてトークンにしたということは、当然「居住して下さい」という開発側のメッセージ。これを2ターン目に唱えられれば、3ターン目以降の居住スペルが全てケンタウルスを呼び出す脅威のハイスペックになるわけで、あからさまに誘導されているようで気にくわないが、やっぱりこれは使うしかないのである。まぁ、やっぱり2マナで3/3っておかしいよねぇ。
 
 
Carnival Hellsteed 謝肉祭の地獄馬 (4)(B)(R) R
クリーチャー・ナイトメア、馬
5/4 先制攻撃 速攻 解鎖
 
 「地獄馬」ってなんやねん。お祭り騒ぎの時に訪れる霊的な馬っていうと……あれか、お盆の時に作るキュウリとなすのやつか。あれが鎖を解き放つと6/5速攻になるのか。恐るべし、ベジタブルパワー。ま、実際のカードを見ると頭2つに足6本という、なんだか落ち着かない奇形クリーチャーなのである。好物は砂糖漬けの手と甘い心臓なんですって。こんな見た目で甘党かよー、馬のくせに肉食かよー、飼育するの大変そうだなー、今のご時世、原材料費の高騰で手とか心臓も馬鹿にならないのよね−。 などとどうでもいい話でテキストを埋めるのは、能力がキーワードばっかであんまり書くことが無いからだ。えっと、「グリセルブランドの猟犬」の時はどんなこと書いてたかなぁ……あ、意外と長い。えーと、強いよね。でも、ここまで直球だったらもう解鎖とかいらなくないか?
 
 
Centaur Healer ケンタウルスの癒し手 (1)(G)(W) C
クリーチャー・ケンタウルス、クレリック
3/3
〜が戦場に出たとき、あなたは3点のライフを得る。
 
 3マナのセレズニアカラーで、パワー3を持ち3点のライフを提供してくれるケンタウルス、というクリーチャーは、実は旧ラヴニカにも存在していた。「ケンタウルスの護衛兵(RAV)」がそれである。まぁ、「同じコスト」というのはちょっとしたペテンではあるのだが、それを踏まえた上で、やはりこの性能差は圧倒的だ。タフネスがあがって耐久力が段違いになった他、ライフの供給が187タイミングなので、場に出た時点で一仕事が終わっている。3マナ3/3というナイスステータスも鑑みれば、この安心感は破格である。やっぱり多色環境はコモンも強い。あとはマナ基盤すなぁ。
 
 
Chemister’s Trick 薬術師の計略 (U)(R) C
インスタント
対象の、あなたがコントロールしていないクリーチャー1体は、ターン終了時まで−2/−0の修正を受けるとともに、可能ならばこのターン攻撃する。
超過(3)(U)(R)
 
 既に青単色のところにも登場していたパワーダウン系のトリックのイゼット版だが、これがマルチカラーになることによって、いつもの「どうせ使えねーよ」レベルから不思議な進化を遂げた。なるほど確かにパワーを下げるのは青の役割だし、攻撃を強制させるのは赤の役割だ。しかし、それを組み合わせるだけで、こんな奇妙な味が出ようとは。これを使えば、弱体化した情けないボディで相手はアタックに来なければいけない。当然、待ち受けているのはブロッカーたちによるフルボッコであり、青が単体ではなかなか実現出来なかった「パワーを下げたアタッカーなら殺せるだろ!」プランが、赤の強力によっていくらか現実味を帯びた形。ま、赤が使えるなら火力で除去れよ、とは思うが、とりあえず2マナのインスタントでそこそこの除去率を誇れるなら、充分満足出来るんじゃないだろうか。そして圧巻は超過モードの方である。5マナというと流石に重いのだが、パワーが下がった軍団が一気に殴ってくるのはなかなか壮観だろう。いざアタックが決定してしまえば相手にはほとんどいじりようが無いわけで、後はフルボッコモードを好きなように割り振ってもいいし、いっそ「どうせパワーが下がっているから」というのでダメージを本体に受けきってしまってもいいだろう。場には爆睡した状態の敵クリーチャーたちが残るのである。イゼットじるしってことで多少まだるっこしい部分はあるものの、普段なかなか使わない効果だけに、警戒しにくいのは間違いない。せっかくエキセントリック集団イゼットを使うんだったら、こういう予想外の方向からの攻めを使ってみるのも面白いんじゃなかろうか。
 
 
Collective Blessing 集団的祝福 (3)(G)(G)(W) R
エンチャント
あなたのコントロールするクリーチャーは、+3/+3の修正を受ける。
 
 集団であることを信条とするセレズニアが、「もう、とにかくでっかくしたらいいよ」とばかりに適当に打ち出したひどいエンチャント。効果にして「栄光の頌歌」3枚分。なんと「敗残のレオニン(NPH)」2体で殴るとゲームが終わる。まぁ、6マナもかかるんだから何してもいいカードではあるのだが、かつて一世を風靡した「エルドラージの碑(ZEN)」と似たような、流石に洒落になっていない臭いを感じる。リミテッドで考えればイメージはしやすい。6ターン目だろうが7ターン目だろうが、1体に+3のオーラが張られるだけでもゲームはそこそこ動く。それが一気に全軍となれば、それって「オーバーランでとどめをさしに来たとき」のイメージなのだ。つまり、「終わる」だ。加えてこのカードを擁するのはトークン大好きセレズニア。鳥やケンタウルスが突如「巨大化」したら、そりゃジャッジも呼びたくなるだろう。構築レベルでは6マナというコストがネックになるが、ひたすらトークンを並べた後のデザートとしてのカロリーはかなり高い。1ターン目マナ加速から「未練ある魂」をフラッシュバックし、5ターン目にこれをおけばほら、終わる。個人的には突如現れる3体のボディビルダーのような屋根職人とかも見てみたい気がするし、5/5のトラフトを救援に現れる7/7の天使とかも吹く。異次元のゲームやで。
 
 
Common Bond 共有の絆 (1)(G)(W) C
インスタント
対象のクリーチャーの上に+1/+1カウンターを1つ置く。
対象のクリーチャーの上に+1/+1カウンターを1つ置く。
 
 旧ラヴニカで同じくセレズニアが提供した「力の種(RAV)」に登場し、物議を醸した書式が久しぶりに登場。やはり集団を基本理念としたセレズニアにはこの書式が似合う。「力の種」と比べると、コストが1つ重くなった割に対象が1つ減ってしまっているが、単なるプラス修正とカウンターを比較することは出来ないだろう。直近で比較すべきは効果だけ見た時に同じ結果が残る「旅の準備」だ。あちらはフラッシュバックという最大の強みがあるので流石に1枚でのパワーは見劣りするが、こちらはコンバットトリックで使えるといううまみがある。+1で戦闘結果を覆せるならカウンターを分散させてもいいだろうし、+2が必要なら一気にカウンターを乗せて打開を図ることが出来る。3マナのトリックとしてはボチボチの部類だ。また、このセット特有の使い方として、カウンターを1個相手に献上することにより、解鎖クリーチャーのブロックを封じることが出来るというのも忘れてはいけない。ゴルガリが必死に4マナも5マナもかけて乗せているカウンターを、楽々3マナインスタントで乗せるのがセレズニア流。「死体を使うなんて御下品ですわ」と見下しつつ、しゃきしゃき増強しよう。


Corpsejack Menace 屍体屋の脅威 (2)(B)(G) R
クリーチャー・ファンガス
4/4
あなたのコントロールするクリーチャーに+1/+1カウンターが1つ以上置かれる場合、代わりにその2倍の数の+1/+1カウンターを置く。
 
 ゴルガリはとにかく素ででかい。レアなので驚くに値することじゃないが、軽々と4マナ4/4が出てくるのである。そしてそこに内蔵されたのはちょっとした「倍増の季節(RAV)」、ギルド的には「活用応援システム」。これを出した状態で活用持ちのクリーチャーを使えば、倍の味わいが楽しめるというわけである。ただ、活用自体は小回りが効かない能力だし、そこまで起動回数が多いもんでもなさそうなので、このクリーチャーがゴルガリ的に有効利用出来るチャンスはそんなに多くない気もする。むしろ、出た瞬間にカウンターが乗せられるラクドス産解鎖クリーチャーの方がシナジーを形成する確率は高い。流石にコスト固定で+2される能力はデンジャラスでしょうさ。もちろん「旅の準備」を使ってもいいし、スタンダードならば不死とのコンビネーションが熱い。死んだと思った「絡み根の霊」が4/3になって戻ってきるんですもの。その他、「高まる残虐性」で夢のカウンター20個乗せとか、わきで寝ていた「まどろむドラゴン」の寝覚めが急に良くなったとか、ユーザーからは続々と驚きの報告が来ております(ご利用頂いたお客様個人の感想です。効果を保証するものではありません)
 
 
Counterflux 対抗変転 (U)(U)(R) R
インスタント
〜は呪文や能力によって打ち消されない。
対象の、あなたのコントロールしていない呪文1つを打ち消す。
超過(1)(U)(U)(R)
 
 多色環境名物、ボーナス付きカウンター呪文にして、イゼットが開発した「カウンターされない」サイクルとなった1枚。コストは「窒息の旋風(APC)」より軽い、「二重否定(ARB)」設定。これでおよそ2つのボーナスがついたのだから、確かにレアクラスの配慮はされている。1つ目は「カウンターされない」。これは過去にもあったカウンターへのおまけだが、「最後の言葉(DKS)」はこの能力だけで4マナだったんだから、比較したら強そうに見える。しかし、ただでさえ「カウンターされない」サイクルの登場でカウンターの肩身が狭く、更に「魂の洞窟」まである受難の時代に、カウンターそのものがカウンターを警戒してどうするんだよ、という気もする。一応今回「払拭」も再録されたし、「否認」とか「イゼットの魔除け」対策が出来るのはそれなり。「相手の呪文のみを対象とする」っていうのも1つの利点にはなっていて、対象変更なんかでいじりにくいっていうのも売りにはなりうるんだけど……誤差かも。そして最後の1つである超過は、スタック上にある呪文を確実にまとめて処理してくれる。とどのつまりは「二重否定」や「精神壊しの罠」のように、続唱・ストームなどを対策してくれるおまけってことだが、まぁ、スタンダードレベルだとあんまり関係無い。これでイゼットの能力が複製だったら完全に自家撞着を起こすところだったんだけどね。一応下の環境では意味があるけど、このコストだと果たして使われるのか、っていうのは怪しいところ。トータルすると、「使うかなぁ」であった。
 
 
Coursers’ Accord 狩猟者の協定 (4)(G)(W) C
ソーサリー
3/3で緑の、ケンタウルス・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。その後居住を行う。
 
 緑単色でサイが出てくる呪文があったが、それのちょっと廉価版。1回使えば最低でも3/3が2体ってことで、気分としては「獣群の呼び声(TSB)」を一気にフラッシュバックさせたときと同じくらいの効果である。3/3が2体というのが充分強いのは間違いないが、今回の緑はコモンでも7マナ6/7とかがいるので、このスペルが特別強いかというとそうでもない。6マナ出せる時点で3/3が出てきたところで突破力にならない可能性も当然あるわけだし、このスペルから出てくるのはほぼケンタウルスだけと見て良いので、居住がついているとはいってもあまり遊びがあるわけではない。デッキを組み立てる時点で、単なるファッティを出す「質」の面を優先するのか、それともとにかく「数」でたたみかけるのか、デッキの戦術を確認しておく必要があるだろう。
 
 
Detention Sphere 拘留の宝球 (1)(W)(U) R
エンチャント
〜が戦場に出たとき、あなたは対象の、名前が〜ではなく土地でないパーマネント1つと、それと同名の全てのパーマネントを追放する。
〜が戦場を離れたとき、それらの追放されたカードを、そのオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
 
 青を足したら同名パーマネントを全部巻き込むようになった「忘却の輪」。このカード自体がリムーブされないというちょっとした差はあるものの、とにかく普通に構築クラスでとりあえず詰んどけレベルのカードが更に強さを増して追加されたわけだ。世の中、青が関わるととにかく強くなってしまう現象はなんとかならないもんだろうか。白が関わるデッキだと、これを4枚詰め込んで更に「忘却の輪」を入れられるわけで、緑が必死に「うちならノンクリーチャーパーマネント全部に対応できますから!」と売り込もうとしている脇で「うらやましいっすわー、うちら土地割れませんわー」とか白々しいことをいいながら悠々とクリーチャーをぶっ飛ばすわけだ。なんなのさこの汎用性は。ま、基本的に同名パーマネントがズラリと顔を連ねるなんてことはそうそう無くて、下手したら「自分もコントロールしてるから逆に使いにくい!」なんて状況にもなりかねないのだが、これがてきめんに効くのは今後幅をきかせる可能性のあるトークン絡みのデッキ。コレ1枚だせば特定種族のトークンが後腐れなく根絶やしにされてしまうのである。いいのか、青白にこんな楽な全体除去を増やしてしまって。これもレアかぁ。ひどいエキスパンションになりそうだぜ。ちなみに、「これなら対象に取らずにリムーブすることも出来るんだ! ということは、自分もトラフトを出しておけば相手のトラフトを追放……」まで考えてようやく気付いたのは秘密。
 
 
Dramatic Rescue 劇的な救出 (W)(U) C
インスタント
対象のクリーチャー1体を、そのオーナーの手札に戻す。あなたは2点のライフを得る。
 
 「救急戦隊ゴーゴーファイブ」を思い起こさせるドラマティックな名前のくせに、やっていることは単にライフゲイン出来る「送還」である。なんかちょっとがっかり。カラミティブレイカーとか撃ちたかったのに(その場合にはピンクマナや黄色マナを含む5色が必要だけど)。まぁ、バウンスはいつの時代だって求められる仕事なんだから、おまけがちょっとショボくても使われるスペルなのは間違いない。何しろ今回コモンで拾えるバウンスはこれを合わせて2枚しか存在していないので、アゾリウスを選択すればコモンで拾えるバウンスが増えるっていうのは、リミテッドの戦略上割と大事な部分。今回はゴルガリがカウンターをのせる活用、セレズニアが一番強いトークンをコピーする居住を操るわけで、いつも以上にバウンスのニーズは多いのだ。
 
 
Dreadbore 戦慄掘り (B)(R) R
ソーサリー
対象のクリーチャー1体かプレインズウォーカー1体を破壊する。
 
 ついに出た。プレインズウォーカーもクリーチャーも一緒くたに叩き潰す、新たな世界の「終止(ARB)」だ。プレインズウィーカー対策はこの世界ではあまりに重要なため、そのとばっちりとしてソーサリーになってしまったがこれは仕方ない。むしろ、こんだけの効果でレアってどうやねん、という方が気になる点ではあるが、それだけニーズがありそうなんだから仕方ない。これで今まで散々憎らしいおっさんどもに煮え湯を飲まされ続けていた人たちも安心である。まぁ、そもそも赤って火力があるからそこまでプレインズウォーカーを苦手にしてたわけじゃない気もするんだが。タイミングと色が制限されちゃうから、今まで「破滅の刃」やら「喉首狙い」を入れていた枠をコレに入れ替えるかどうかは微妙なとこだよね。
 
 
Dreg Mangler 屑肉の刻み獣 (1)(B)(G) U
クリーチャー・植物、ゾンビ
3/3 速攻 活用(3)(B)(G)
 
 3マナ3/3速攻の時点で色々とおかしいくせに、更にボーナスとして活用能力まで持っているという、アンコモンの中でも尋常じゃないスペックの中堅クリーチャー。同じ条件をクリアしたカードは過去に「ボガートの突撃隊(SHM)」だけであることを考えると、その超スペックはイメージしやすいだろう。色が合うビートデッキならば追加の「絡み根の霊」として突っ込んでおいて問題無いだろうし、中盤以降にひいたとしても、墓地を経由すれば「三人組の狩り(MOR)」のような底上げ要員にも使える。こいつぁイカしてるぜ。このコストのカードって「よろめく殻(RAV)」とか「黒檀のツリーフォーク(APC)」とか、スマートで愛らしいクリーチャーが多いな。名前だけ見ると小洒落た居酒屋メニューみたいにも見えるけどな。
 
 
Epic Experiment 世紀の実験 (X)(U)(R) M
ソーサリー
あなたのライブラリを上からX枚追放する。その中に含まれる、点数で見たマナコストがX以下の各ソーサリーとインスタント呪文について、あなたはマナコストを支払うことなく唱えても良い。その後、唱えられなかったカードをあなたの墓地に置く。
 
 カード名から漂ってくるニヴ様の無茶ぶり臭。効果を見れば、なるほど確かに一世一代の大勝負に出た感がある見事な実験。当然、実験成果はつぎ込んだ費用に比例し、予算さえ下りればマスコミにもてはやされるレベルの大成果が期待出来るし、国や組織が研究費をケチると、ちっちゃな学会でもシカトされるレベルのゴミ研究にしかならない。まぁ、ぶっちゃけるとスペル版の「起源の波(SOM)」というとあっという間に説明が終わってしまうだけのカードなのだが、ニヴ様主導の実験とあらば、是非参加してみたくなるのが人情だ。「起源の波」同様、小さなことをやっても仕方ないので最低でもX=5くらいは狙いたいところ。「起源の波」よりも1マナ軽いのでペイはそれなりにするのではなかろうか。ただし、土地が場に出ない分だけ当たりの確率は当然さがり、とにかくパーマネントだけぶち込めば良かった「起源の波」と比べても、運任せの要素が更に強くなっている。青いスペルではあるが、カウンターを詰んでもこのスペルの邪魔になるだけなので、メインとなるのは赤い方だろう。さながら燃えチャンドラの最終奥義のごとく、とにかく大量の火力を詰め込んで一気にそれらを解き放つ。そのときX火力なんかもハズレになってしまうので、極力コストが低くて使いやすいカードがいい。また、緑を加えて土地サーチスペルなんかも挟んでおくと、2発目の威力がより上がるので面白いかもしれない。傍らにソーサリーやインスタントに反応する「どぶ潜み」を控えさせておけば、それだけでもゲームに勝ててしまうかもしれない。ま、基本的には夢多きスペルでしかないが、「起源の波」だって構築に出てきたこともあったのだから、これだって何か爆弾が作れそうではないか。
 
 
Essence Backlash 本質の反発 (2)(U)(R) C
インスタント
対象のクリーチャー呪文1つを打ち消す。〜は、その呪文のパワーに等しい値のダメージをそのコントローラーに与える。
 
 おまけ付きの「本質の散乱」。最近は「霊奪い」とか「骨を灰に」とかクリーチャー専門のカウンターが多い傾向があるが、これもそんな新作の1つで、例によってコストは4マナ。基本形の「取り消し」が3マナなんだから範囲が狭まってマルチカラーなら別に3マナでもいいじゃねぇか、とは思うのだが、残念ながら4マナである。で、どんなおまけかというと、いわば場に出られなかったクリーチャーの怨念が「類電の反響(GPT)」のように襲いかかるというもの。もしくは名前のイメージからすると「反発/Backlash(INV)」の効果といった方が正しいか。呪文を打ち消しつつのダメージスペルということで、実際使われてみると効果は予想以上に大きい。クリーチャーが出せないだけでも結構悔しいのに、それが幾ばくかのダメージになって帰ってくるのだから。打ち消し部分のコストが(1)(U)だと考えれば、(1)(R)で与えられるであろう3〜4点以上が損得分岐点。相手次第の部分もあるが、1枚の呪文で出来る効果としては悪くない。残念なのは、解鎖クリーチャーに使ってもダメージが1点少ない、っていうことと、結局4マナなのでメインの戦術と言えるほど詰め込めないってこと。序盤を凌ぐ準備がきちんと出来るデッキでこそ輝けるカードであるから、使うとしたらマナカーブの調整を忘れずに。
 
 
Fall of the Gavel 閉廷宣言 (3)(W)(U) U
インスタント
対象の呪文1つを打ち消す。あなたは5点のライフを得る。
 
 同じ多色環境インベイジョンに鳴り物入りで登場したレアカウンター「吸収(INV)」がでっかくなった形。もちろん、それに見合ってコストもでっかくなった。「吸収」は、「対抗呪文」と比べてもそこまでコストが重たくなかったおかげで、当時のコントロールをいきなり一線級に引き上げる立役者となった由緒正しき呪文。そりゃ確かに、なんとか序盤を凌ぎたいと思うコントロールからしたら、相手の出鼻をくじき、更に延命用のライフまで転がりこむ呪文は渡りに船である。この呪文もきっと大活躍…………そういうわけにはいかないよね。だって5マナですもの。5マナて。過去に5マナ固定で活躍したカウンタースペルなんてきいたことがない(まぁ「Force of Will」とかあるけども、そういうことじゃない)。ついでの参考資料として、このスペルの親戚、いや、もうおとーさんと呼んでもいいくらいの近縁種に、1つ前の多色環境の「アーシャへの捧げ物(ARB)」っていうカードがあった。若干の差はあるものの、大体これと一緒で、4マナで4ライフが手に入る呪文だ。残念ながら、この呪文が構築環境で大活躍、という話も聞いたことがない。リミテッドで活躍した記憶もあんまり無い。やっぱり、重たいカウンターには生きる資格が無いのである。ま、あの当時はどこぞの続唱エルフさんのおかげでカウンター自体に生きる権利がなかったけども。
 
 
Firemind’s foresight 火想者の予見 (5)(U)(R) R
インスタント
あなたのライブラリから、点数で見たマナコストが3のインスタント・カードを探し、それを公開して手札に加える。その後、同じ行程を点数で見たマナコストが1と2のインスタント・カードについて行う。その後、あなたのライブラリを切り直す。
 
 ニヴ様がうーんと悩んで呪文をひねくり出す様子がチャーミングなレア。7マナインスタントってことでさぞかしすごいことが起こるだろうと思ったら、実に難しい効果で与えられてしまった。解決すると、手札が2枚増える。まぁ、7マナも使ったんだからそれくらいしてもらわないと困る。そして、手に入る3枚は自分で選んで良いのは素晴らしいのだが、中身は、1,2,3マナのインスタントだけだ。さて、これは何に使えばよいのか。このコスト域のインスタントだけを使ったスーパーコンボとかが存在しているのだろうか。1,2,3で思い出すのは、記憶もおぼろげな、はるか昔日の夢、「語られざるもの、忌話図(CHK)」である。夢の合体マシンを体現したスピリットの大将は、1マナインスタント「霧中の到達(CHK)」、2マナインスタント「深淵ののぞき見(CHK)」、3マナインスタント「砂のふるい分け(CHK)」を1ターンにまとめて唱えるとライブラリから直接召喚出来るという遊戯王もびっくりのクリーチャー。ニヴ様に相談すれば、この忌話図を楽々召喚出来てしまうのである。もちろん、「どこの環境でやりたいんだ」とか「そもそも7マナあるんだからもう少し何とか出来るだろ」とかいう突っ込み待ちなわけだが、未だにあの忌話図様の勇姿が忘れられない人間からするとちょっとしたドリームコンボである。ま、現実的な話をするなら、一番良いのはコストにXが含まれる呪文などだろうか。「スフィンクスの啓示」は3マナだし、「彗星の嵐(WWK)」は2マナ、「呪文の噴出(TSP)」は1マナのインスタント。そういう呪文を手に入れられれば、なにか意味のあることは出来るのかもしれない。出来ないのかもしれない。そもそも素で7マナの時点で、あまり夢は見ない方がいいのかもしれない。勇者求む。
 
 
Goblin Electromancer ゴブリンの電術師 (U)(R) C
クリーチャー・ゴブリン、ウィザード
2/2
あなたの唱えるインスタントとソーサリー呪文は、唱えるためのコストが(1)少なくなる。
 
 パッと見て連想するのは、現在も剥かれ続けているアヴァシンパックから登場する「秘儀の打ち合い」だろう。あれは個人的に何とか使いたいなぁ、と思って、フラッシュバックを絡めたナイスデッキを組み、「意外と使えるかもよ!」とか1人でテンションがあがってたのに、その時点でようやく効果が相手にも現れることに気付いてすごくしょんぼりしたカードだ。5マナも払ったんだからせめて自分だけにしてくれよ! という私の願いが届いた結果かどうかは分からないが、研究者集団イゼットさんたちが、大幅なコストカットと範囲縮小を実現させた。軽くなるのは1マナだが、それだって3ターン目以降の呪文次第では充分一線級の効果といえるだろう。過去にも青のコスト削減カードでは「サファイアの大メダル(TMP)」が活躍した記録があるし、小刻みにスペルを使うデッキならば、単なるマナソース以上の力を発揮出来るはず。イゼット特産の超過カードが活躍するようになれば、この効果は更に意味を持つだろう。この効果をメダルじゃなくてゴブリンに詰め込んじゃうあたりがイゼットの困ったところだが、頭でっかち集団の割には、なんと2マナ2/2の熊ステータスを維持している。色合いが難しいが、上手いことデッキが組めれば、2ターン目に相応しい肉を追加しつつディスカウントが味わえる。ゴブリン絡みのクロックパーミッションとかが組めれば面白いんだけどなぁ。
 
 
Golgari Charm ゴルガリの魔除け (B)(G) U
インスタント
次のうちから1つを選ぶ。「全てのクリーチャーは、ターン終了時まで−1/−1の修正を受ける」「対象のエンチャント1つを破壊する」「あなたがコントロールする各クリーチャーを再生する」
 
 チャームサイクルで発表が最後になったのがこのゴルガリのチャーム。効果は黒担当が「吐き気(8ED)」、緑担当は何故か「啓蒙」、そして共通部分は「活力の覆い(FUT)」というラインナップ。最初のモードは鳥やゴブリンなどのトークンの撃退用。どちらかというと今後も続々出てくるおそれがある「未練ある魂」が撃退出来る構築でこそ意味がある能力だろうか。2番目は言わずもがな。「忘却の輪」が割れるので、あればあるだけで安心の効果。そして注目すべきは3番目。再生付与だが、これが自軍全員というのが案外珍しい。大規模な戦闘が発生したらかなりのアドバンテージが期待出来るし、何よりも全体除去をたったの2マナでくぐり抜けられてしまうというのは大きい。打ち消せない「至高の評決」だって、今の世の中じゃ「再生出来ない」とは書けなかったのだ。どうしてもそこまでスピードが出ない状態でクリーチャーを展開しなければならないゴルガリにとって、このカードは生命線となりうるだろう。まぁ、死を循環の一部と考えているゴルガリが死なないのはどうやねん、とは思うが。
 
 
Grisly Salvage 忌まわしい回収 (B)(G) C
インスタント
あなたのライブラリを上から5枚公開する。あなたはその中からクリーチャーか土地・カードを1枚手札に加えても良い。その後、残りのカードを墓地に置く。
 
 緑名物の上からチョイスの新作。ここ最近は安定してこのタイプの呪文が収録されていて、個人的にはアーティファクト選び放題の「古きものの活性(ROE)」と爆裂アドバンテージの「暴走の先導(MBS)」がお気に入り。今回は「巣穴の探査」と同じように選べるのが土地とクリーチャー1枚になり、その分インスタントになった。どんな状態の手札からでも幅広い選択肢があり、2ターン目にとにかく打てば決して損をすることはないというのはなかなか強い。特に「引いたもん勝ち」なところがあるリミテッドの場合、こういう発掘スペルはそれだけで価値があるだろう。そして、ゴルガリ的にはあらゆる要素が噛み合っているのでシナジーも期待出来るのが嬉しい。色事故が怖い多色環境ならば土地を選べるのはありがたいし、残ったカードが墓地に行くので活用能力もフル回転出来る。純度の高いゴルガリが組めたのならば、リミテッドではキーカードになりうるスペックである。「根囲い」のような発掘仕事にニーズがあれば、構築も見えるかもしれない。
 
 
Havoc Festival 騒乱の大祭 (4)(B)(R)
エンチャント
プレイヤーはライフを得ることが出来ない。
各プレイヤーにアップキープの開始時に、そのプレイヤーはライフの半分(端数切り上げ)を失う。
 
 この効果はライフゲインなんてちゃんちゃらおかしいと思っている黒と赤に配属されるもの。オリジンは「絶望の荒野(MIR)」まで遡り、これが赤にシフトすると「硫黄の渦(SCG)」になり、赤黒が協力したカードならば「恒久の拷問(SHM)」になる。あくまで敵対色へのアンチカードの役割が主になるので、大体の先輩カードは3マナ程度のものなのだが、このカードはそんな対策役割にエグい効果を加えたもので、コストは一気に倍に。そりゃそうだ、張るだけで5ターンで(彼我ともに)ライフが無くなるカードなのだ。これで軽かったら色々と世界が変わっちゃうだろう。でもまぁ、重たいからって強いかと言われると……どういうデッキで使えばいいんだろうな。相手のライフが多い方が効果もでかくなるんだからこのカードでゲームを決めたいならあまり他のダメージソースは必要としないはずなのだが、結局張った時点で相手のライフの方が多ければ負けが確定する。じゃぁやっぱりライフは削らなきゃいけないけど、最後の数点を削る役には全く向いていない。じゃぁ単にアンチカードとして使うしかないわけで、それなら過去のカードみたいに軽い方がいい……あれ? いらなくない?
 
 
Hellhole Flailer ヘルホールのフレイル使い (1)(B)(R) U
クリーチャー・オーガ、戦士
3/2 解鎖
(2)(B)(R)、〜を生け贄に捧げる:〜は、対象のプレイヤーに自身のパワーに等しい値のダメージを与える。
 
 やはりでかいぞ解鎖クリーチャー。3マナ3/2は赤だろうと黒だろうと褒められるステータスだが、これに更に解鎖がついた。3ターン目に出てくる4/3は圧倒的。リミテッドなら相当のライフを削る期待が持てるはずだ。そして、そんな大きなパワーを骨までしゃぶるもう1つの能力も実にラクドス風味。ブロックが出来ない解鎖クリーチャーは、相手に高タフネスの壁が立ちはだかると本当に役立たずになってしまう可能性があるのだが、こいつは自爆することで最後の一撃を見舞うことが出来る。どうしても敵陣突破が無理そうだったら、こいつに向かってガンガン活用を使って特大本体火力にしてしまうなんて荒技も可能。なんにせよ3マナのクリーチャーのスペックでないことは確かだ。これでクリーチャーにも飛んだら200点だったのだが、流石にそこまでいうのは期待しすぎかな。是非とも使う時には「テンペストスレッド!」と叫んでイラストの物まねを実演して欲しい。
 
 
Heroes’ Reunion 勇士の再会 (G)(W) U(インベイジョンから再録)
インスタント
対象のプレイヤー1人は7点のライフを得る。
 
 ラヴニカだっつってんのに、何故かインベイジョンから再録されやがったよく分からん呪文。そりゃ、7点は弱くなかろうが、結局13年前に「へぇ、確かに7点は大きいね」とか言われてもほとんど使われなかったんだから、わざわざ再録せんでもいい気がするんだが。インベイジョンの時はジェラードとエラダムリーという主役クラスの2人が再会を喜ぶシーンを切り取っていたからまだ分かったけど、今回の2人は誰やねん。セレズニアのお偉いさんか?
 
 
Hussar Patrol 軽騎兵の巡視部隊 (2)(W)(U) C
クリーチャー・人間、騎士
2/4 瞬速 警戒
 
 警戒を得たおかげで、ちらつき能力とパワーと飛行を奪われた「修復の天使」。……だって、事実じゃない。リミテッドだとコンバットトリックにも使えるフツーのクリーチャーとしてそこそこ。このサイズの警戒持ちは尋常じゃなくうざいって、「刃の歩哨(MBS)」が言ってた。今回白に4マナ2/5警戒っつうのもいるんだけどな……うぜぇ!
 
 
Hypersonic Dragon 超音速のドラゴン (3)(U)(R) R
クリーチャー・ドラゴン
4/4 飛行 速攻
あなたは、ソーサリー呪文をそれらが瞬速を持つかのように唱えても良い。
 
 マッハを超えてGOGOGO! wikiによると「超音速」、マッハ越えってのは時速1200キロ程度、一般的な戦闘機の速度とのことです。確かに、これまで登場したドラゴンに比べると明らかに空気抵抗を意識した機能的なデザインを有しており、頑張ればある程度の速度は出そうである。……でもさ、結局飛ぶとしたら羽で羽ばたいて飛ぶわけでしょ? 流石にマッハは厳しくないかなぁ……とにかく、そんなマッハ感は本体の速攻と、与えられた能力に見て取れる。5マナ4/4速攻の時点で「刃の翼、タロックス(FUT)」さんを超えており、これだけでも神話になっちゃうくらいの速さ。そして、イゼットの企業努力は当然クリーチャー以外のスペルへと向けられており、こいつがお届けするソーサリーは全て「急かし(GPT)」仕様に。そういや「急かし」もイゼットが開発した呪文だったっけ。どんだけ気の短い集団だよ。好きな時に「忌むべき者のかがり火」で相手を焼き払ったり、好きな時に「思案」で手札を調節したり、好きな時に「審判の日」でこいつもろともなぎ払ったり出来る。結局、5マナのクリーチャーを前提にデッキは組めないのでそこまで恩恵を強く受けるデッキは出来ないだろうが、色々と悪さが考えられるのは楽しそう。とりあえず、「はらわた撃ち」をスタックしてからの「世界火」が熱い。さぁ、デッキを作ってみよう。
 
 
Isperia, Supreme Judge 至高の審判者、イスペリア (2)(W)(W)(U)(U) M
伝説のクリーチャー、スフィンクス
6/4 飛行
クリーチャーが1体あなたかあなたのコントロールするプレインズウォーカーを攻撃するたび、あなたはカードを1枚引いても良い。
 
 ギルドリーダーさんのご登場です。こちらは前回に引き続いての出番となるイスペリアさん。ちなみに前回のカードの印象は、「顔のバランス悪くね?」である。なんかコラっぽいイラストだよな。そして、印象がそれくらいしかないということで、実に地味なリーダーだった。重たいカードが多かった指導者たちは、ぶっちゃけほとんど活躍した奴なんざいないのであるが、このカードの場合はリミテッドですらそこまで魅力がないという体たらくであり、最終エキスパンション登場だったこともあり、下手したら10体の中で一番影が薄かったかもしれない。そんなイスペリア様が今回はリベンジにチャレンジしたわけだが……なんかなぁ……努力の方向を間違ってる気がするなぁ。まず、パワーはあがった。おかげでマナレシオを考えれば文句は無いステータスなのだが、どう見ても能力は「血気盛んに殴りに行く」っていう感じじゃないのに、以前の数少ない持ち味だった鉄板タフネスを失っちゃったのはどうかと。なんとまさかの「いかづち」圏内タフネスは、耐久力の低さがコントロールカードとしては不安だらけだ。以前のステータスなら死なずに済んだ4点火力で死に、パワーがあがったせいで「セレズニアの魔除け」やら「剛胆な勇士」にも殺されるという。このコストでその不用心さはどうなのよ。能力はまぁ、悪くはないんだろうけど……これって「聖別されたスフィンクス」で駄目なの? あっちならステータスは旧イスペリアとほとんど同じだし、マナ拘束も圧倒的に軽いし。いや、スタンダード落ちするけども……こいつに声をかける積極的な理由があまり見つかりませんよ。
 
 
Izzet Charm イゼットの魔除け (U)(R) U
インスタント
次のうちから1つを選ぶ。「対象の、クリーチャーでない呪文を、そのコントローラーが(2)を支払わない限り打ち消す」「対象のクリーチャー1体に2点のダメージを与える」「カードを2枚引き、その後、手札を2枚捨てる」
 
 ギルドチャームサイクルのイゼット版。1つ目の効果であるカウンターは「呪文貫き(ZEN)」だから1マナ相当だし、火力は「死亡(PLC)」なのだからやっぱり1マナ。最後のルーターだけは1マナソーサリーなのでやや重たいくらいか。そう考えると、わざわざこのカードを進んで使う必要もないように見えるが、3つ使えるっていうのがやっぱりでかいわけで。「呪文貫き」も軽めの火力も、使えるタイミングってのは非常に限られており、どうしたって手札に余っちゃうことってのはある。その場合にルーター能力で回せるっていうだけでもかなり便利なのだ。アドバンテージロスなんて、その後に瞬唱さんが出撃すれば何の問題も無いわけだし。色の合うデッキならば、序盤のやり合いを上手いこと調整するための安定剤として、常に選択肢にあがるカードだろう。
 
 
Izzet Staticaster イゼットの静電術師 (1)(U)(R) U
クリーチャー・人間、ウィザード
0/3 瞬速 速攻
(T):〜は対象のクリーチャー1体と、それと同じ名前を持つ全てのクリーチャーに1点のダメージを与える。
 
 今回のティム、には間違いないが、残念ながらプレイヤーに飛ばない時点であんまりティムとは名乗れない。ただ、そんな大きな残念を覆すだけのものを、こいつはもっておる。まず、3マナというティムの基本コストを維持したままで瞬速と速攻という2つのキーワード能力を得た。この二つがあることによってティムを「インスタント火力」として撃てるようになり、オーラを張るところに対応して撃つとか、居住しようとしたところを狙い撃つとか、そういう非常に柔軟な運用が可能になったのだ。そして、ついでに同じ名前のパーマネントなら全て波及するというおまけ付き。普通の試合ではそこまで意味は無いが、トークンを相手にすると無類の強さ。今回は1点で死ぬトークンはそこまで多くないかもしれないが、やはり一斉攻撃の選択肢があるというのは大きなことだ。そして、ティムのくせに地味にしぶといタフネス3っていうのも結構なセールスポイントだったりする、2/2程度が止められるティムって、結構新鮮ですよ。……そういや旧ラヴニカのティムは「ヴィーアシーノの牙尾(RAV)」だったっけな。ティムの太い次元である。
 
 
Jarad, Golgari Lich Lord ゴルガリの死者の王、ジャラド (B)(B)(G)(G) M
伝説のクリーチャー・ゾンビ、エルフ
2/2
〜はあなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚につき+1/+1の修正を受ける。
(1)(B)(G)、他のクリーチャーを1体生け贄に捧げる:各対戦相手は、生け贄に捧げられたクリーチャーのパワーに等しい値のライフを失う。
沼と森を1枚生け贄に捧げる:〜をあなたの墓地から手札に戻す。
 
 10体いるギルドボスの中でも一番最初に紹介され、この新たなラヴニカの門出を飾った記念すべきカード。ゴルガリのボスといえば旧ラヴニカでは「石の死の姉妹(RAV)」という、リミテッドで出ても使うかどうか微妙な可哀想な3人組だったわけだが、今回は最小コストの小気味よいエルフがヘッドを張っているらしい。4マナだから大したこと無いじゃん、とか思ったら、なんとパワータフネスが「裂け木の恐怖」形式で増える。ってことは、発掘系のデッキにすれば4マナでも充分トップを張れるレベルに膨れあがるわけだ。そして、起動型能力は相手プレイヤーを直に殴るという非常に刹那的な能力だし、場にあるものはクリーチャーだけじゃなくて土地でもなんでも使い切ってやろうという貪欲さが復活能力として与えられる。色々とゴルガリらしさが詰め込まれており、活用持ちのクリーチャーをサクれば、次のクリーチャーのパワーがあがり、更にそれをサクってダメージを増していくなんて自家発電も可能。まぁ、何マナかかるんだよ、って話だけども。とりあえず色々出来そうだからいいじゃない!
 
 
Jarad’s Orders ジャラドの命令 (2)(B)(G) R
ソーサリー
あなたのライブラリから最大2枚までのクリーチャー・カードを探し、それらを公開する。そのうち1枚をあなたの手札に加え、残りを墓地に置く。その後、あなたのライブラリを切り直す。
 
 ゴルガリのリーダー、ジャラドさんが命令を下すと、人足がえいさこらさとライブラリを探し、必要な人材を召集してきてくれる。ただ、ゴルガリ団はお茶目さんの集まりなので、2体持ってきたつもりが1体は墓地に放り込んでしまう。「墓地も手札も大してかわらねぇですよ、大将」。うん、確かにその通りだ。イニストラードのおかげもあって、現在は墓地に置きたいクリーチャーは文字通り腐るほど揃っている。このカードは「エラダムリーの呼び声(PLS)」と「納墓(ODY)」(限定版)の複合カードであり、コスト面などはおとなしめに調整されているが、書かれていることはそりゃ強い。形はどうあれ、一気に2枚ものカードが可視領域にチューターされるってんだから、規模としては「けちな贈り物」と肩を並べたっておかしくないのだ。まぁ、流石にソーサリーだし、用途が特定されているのでそこまでの汎用性はないだろうが、今後の環境の速度次第では、様々なシナジーが期待出来る受けの広い1枚には違いない。ところで、これで「ナルコメーバ(5DN)」をサーチした時って、墓地に置くことを選んだらそのまま場に出せるんだろうか。まぁ、出せたからどうってこともないんだけど。
 
 
Korozda Guildmage コロズダのギルド魔道士 (B)(G) U
クリーチャー・エルフ、シャーマン
2/2
(1)(B)(G):対象のクリーチャー1体は、ターン終了時まで+1/+1の修正を受けるとともに威嚇を得る。
(2)(B)(G)、トークンでないクリーチャーを1体生け贄に捧げる:1/1で緑の、苗木・クリーチャー・トークンをX体戦場に出す。Xは、生け贄に捧げたクリーチャーのタフネスの値である。
 
 旧ラヴニカで各ギルドにハイブリットで与えられたのが「ギルド魔道士」サイクル。今回も同じようなサイクルが登場するわけだが、単色でも使えた先輩集団とは違い、今回はシンプルなマルチカラーなので、使うとしたらゴルガリギルドに身を預けることが必要条件となる。使いにくい分だけ、起動出来たらそりゃナイス。上の能力はいつ使っても嫌がられる能力で、最悪3ターン目に自分に使って突っ込んだってそれなりのもの。多色環境だと威嚇の効果は下がってしまうが、それを差し引いてもパンプだけでも使える能力。そして、戦闘で敵わない相手陣営が出てきてしまったなら、適当なチャンプブロッカーあたりから新たな生命を産みだすことでイライラを加速させること能力が役に立つ。ギルド特性の活用能力と相性が良いのは言わずもがなだし、かつてはこれの効果だけを使った「安楽死(SHM)」なんてカードもあったくらい。多少コストがだぶつくのは仕方ないのである。ほら、先輩ゴルガリ魔道士なんてどっちの能力も5マナだったくせにやたら強かったんだから。いまんところ今回のギルドメイジの中では最強候補。

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