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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<白>

 今回もリミテッドでの勢力図を基盤とするため、コモンのカードを中心に各色の可能性を探っていこう。1つ前のエキスパンションはややこしいカラーシンボルが飛び交ったために色ごとの評価が難しかったのだが、今回は幸い原点に戻った単色環境なので、非常に分かりやすく差分を取ることが可能である。

 で、まずは白。コモン18枚のうち、白がクリーチャーに割いているのは12体。これは5色の中でも最大の数である。マナカーブは1マナが1枚、2マナ、3マナが4枚に4マナが2枚、そして5マナが1枚。2マナ3マナにぐっと寄せた、非常に前のめりなセッティングである。

 これら12枚の中で白が特に期待すべきは、なんと言っても2マナで2/3フライヤーという恐ろしいスペックを誇る「コーの空漁師」だろう。パーマネントを戻すというデメリットはあるものの、この環境ならシナジー形成にも一役買えるし、序盤からプレイできたときのダメージ量は相当なものだ。この環境は装備品も多いので、土台としての運用にも期待が持てる。その他2マナ域には安定した戦力が多く、2/2で装備品を操る「コーの装具役」、山渡り持ちの「崖を縫う者」と、気兼ねなくパワー2をプレイできる。素で3マナ2/3で必要に応じて「解呪」が打てる「コーの奉納者」も、クリーチャー数を減らさずに対策を可能にした優良カード。このあたりの、特徴に乏しいがステータス面で安定した戦力を並べることが、白の基本コンセプトになるだろうか。

 ただ、残念ながら今回のクリーチャー陣は他の色に比べて特に優れているとは言い難い。他のコモンが3マナ1/2ヘボプリベンター「気高き面影」、5マナ1/5と全力後ろ向きの「隊商のハルダ」、2/4バニラの「柱平原の雄牛」など、正直あまりデッキに入れたくない面々が並んでいる。同盟者サイクル2体が防衛持ちとライフゲインで全く説得力がないのも、クリーチャー基盤を不安にさせる原因である。クリーチャーを回収する場合、残念ながらアンコモン以上に期待するしかないかもしれない。

 クリーチャー以外のコモン6枚は、ソーサリーが無くてエンチャントとインスタントが3枚ずつ。そんな中で、優良白除去である「未達への旅」は必須カード。今回「平和な心」系はこれ1枚なので、白ユーザはなんとしても押さえに行かねばならない。その他手軽にクリーチャーをフィニッシャーに変えられる「雨雲の翼」、臨機応変に増強量を使い分けられる「勇敢な防御」あたりはそれなりのパーツといえる。クリーチャー回収の「命拾い」もギリギリか。あとの2枚は……無かったことに。

 総じて見ると、今回18枚のコモンのうち「はずれ」に属するカードが5枚以上と、なかなか予断を許さない状態である。他の色と違って色独自の明確な指針がコモンで得られないので、白メインにしてしまった人は他の色への視野も失わない方が安全だろう。

 アンコモンまで選択肢を広げると、ようやく白の持つ暴虐さが現れ始める。クリーチャーなら優良同盟者の「カザンドゥの刃の達人」、2/2フライヤーという基本ステータスに決め技を内包する「コーの飛空士」などの2マナ域が集うし、除去も2枚の攻撃クリーチャー撃墜罠である「飛来する矢の罠」「落とし穴の罠」が手に入る。「精霊への挑戦」は攻守にわたって出し抜ける驚異の1マナトリックだし、「風をまとう突撃」が1枚あれば、2/2クラスの集団でも何とかなってしまうかもしれない。しかし、こうしてみるとやはり攻めというよりは相手の攻撃を柔軟に跳ね返してダメージを刻む、どちらかというと堅実派のイメージが強い今回の白。何せ平地の数の倍回復する「土地縛りの儀式」なんてスペルもあるくらいだし……これまでの環境通りに考えていると、足下を掬われてしまうだろう。土地を並べるのが目的のこの環境では、ウィザーズ社もいくらかスピードは落とし気味に設定しているようだ。

 リミテッドではあまり影響のないレア枠では構築レベルを見ていくが、こちらもあまり積極果敢な姿勢を見せてはいない。筆頭に来るのは当然「審判の日」だろうし、コントロール寄りを強く意識した「光輝王の昇天」に「世界を鎮めるもの」あたりは、強力なクリーチャーぞろいだが速攻ビートとはかみ合わない。そもそも神話に控えしが「フェリダーの君主」っていう時点で間違っているのだ。どうせなら、9マナまで待って「空の遺跡、エメリア」と「エメリアの盾、イオナ」というぶっ壊れレア2枚で世界を統べるのが正しいのかもしれない。



 <青>

 青のコモン18枚のうち、クリーチャーは白より3枚も少ない9体。当然のことながら、これは5色で最小の値である。マナカーブのうちわけが1,2,3マナが2体ずつで、4,5,6マナに1体ずつ。まぁ、バランスは取れている方か。

 数少ない青クリーチャーの中で人気が出そうなのは、やはりルーター業務を行う「無謀な識者」だろう。白の項でも述べた通り、どうやらそこまで早い環境にならなそうなこの世界では、ルーターによる質のアドバンテージは欠かせないものであるし、デッキの土地比率が増えそうな環境で、ルーターの効果は相対的に高まっている。

 クリーチャー本来の目的である攻撃要員としては、空飛ぶ同盟者「ウマーラの猛禽」と上陸増強フライヤー「風乗りの長魚」の2体が安定している。前者は青だけで運用とちょっと寂しいが、同名カードをかき集めるだけで訳の分からないサイズになる可能性がある。後者はコモンにしてはダメージ効率が高く、飛行対策を怠った相手をボコボコにしてくれる。ここにさらに2マナ2/1フライヤーである「天空のアジサシ」を加えた3大コモンフライヤーが青のメインウェポンとなる。今回空のライバルである白のクリーチャーがふるわないので、うまくいけば青の独壇場だろう。おかげでその間の地上の防御は完全に捨ててしまっている状態なのが難点だが、一応1マナで気休め程度に「クラーケンの幼子」を押さえておけば、まぁ、しばらくは保つはずだ。コモンクリーチャーの6割が飛行関係と、今回の青は非常に分かりやすい布陣で助かる。

 クリーチャー以外のカードは、エンチャントが3枚とソーサリー1枚、残りはインスタント。青の3大お家芸であるカウンター、バウンス、ドローの精度はどうなっているだろう。まずはカウンターだが、いい加減見飽きた「取り消し」様とクリーチャー以外をつぶせる「呪文貫き」の2枚がコモンに控えている。まぁ、無難なところか。そしてバウンスはハナマルスペックの「乱動への突入」と、ちょっと重いが相手の思惑をひっくり返せる「鞭打ちの罠」の2枚。ここは文句なしの豊作といえる。特に今回はクエスト系エンチャントが強力なので、エンチャントを戻せる「乱動への突入」はかなり価値の高い1枚だ。ただ、唯一ドロー部門だけは不作で、「アイオー廃墟の探検」はちょっとデッキに入れるのがためらわれる。他のパーツが優秀なので、このあたりは埋め合わせの効くところであるが。

 残ったカードでは、クリーチャーを抑える「麻痺の掌握」と、アタッカーを無効化する「無気力の罠」が戦闘面ではそこそこの安心感。特に「無気力の罠」は手軽に戦況をひっくり返せるので、このあたりの使い方が腕の見せ所だろう。残念ながら前述の通りに地上部隊はほぼ留守になることがほとんどなので、なかなか青単色で使いこなすのは難しいが。そして、青が特徴的なのは「罠探しの計略」をもっている点である。罠に滅法強いのは青らしいのだが、残念ながらコモンで罠をもっているのも青だけ。同型対決は泥沼の腹の探り合いだ。

 総じて見ると、青はコモンレベルでそこそこ恵まれたカードプールであるように思われる。隣の白、黒あたりから除去などの対策カード支援を求めつつ、豊富なフライヤーで軸線をずらして勝利する。定番ながらも安定した飛行戦術が形成できるだろう。

 アンコモン以上になると、絡め手の印象はさらに強くなる。特に万能ブロッカー「ゴーマゾア」は強力だし、上陸でライブラリを狙う「面晶体のカニ」もどこまで掘れるか気になるところ。まぁ、今回の青はあまり持久戦に持ち込む必要はないのだけれど。そして「罠師の引き込み」という罠チューターが、コモンの2大罠とはまるかどうか。デッキの内実をきちんと記憶して、相手の動きに最適なリアクションを見せつけてやりたい。

 レア以上には、顧客のニーズに応えるひどいカード、良いカードが多い。筆頭になるのは優良アタッカー兼コントロール役の「ジュワー島のスフィンクス」と「失われた真実のスフィンクス」という2大怪物。ここに理不尽上陸「乱動の精霊」が加わり、青のフィニッシャー枠はもうおなかいっぱいだ。伝説のタコもいるらしいですし。クリーチャーによる制圧が青らしくないというなら、やはり奇妙な圧力「書庫の罠」や、何故か神話になっちゃった「精神壊しの罠」に注目。まぁ、後者はどっちかというとエクテン以下の環境向けだけどね。

 とにかくどこを見ても罠に目がいくのが今回の青。いやらしさを探求したければ、ひとまず青だ。

 

<黒>

 黒コモンで与えられたクリーチャーは白より1体少ない11体。この数は黒としては善戦している方である。そして、今回最もクリーチャーの集め方に勝負がかかっているのが黒だったりする。

 マナカーブのうちわけは1,2,3マナが2体ずつで、4マナがちょっと多い4体、そして5マナに1体と、これまでの2色よりも多少後ろに寄っている。

 これらのクリーチャーからトップを探すのは難しいのだが、個人的には逆「魂の管理人」である「血の求道者」を推したい。2マナ1/1と地味な割りには結構なライフを削ってくれるし、何よりも、吸血鬼なのだ。そう、今回の黒は、アンコモンまで行くと「血の饗宴」という要吸血鬼の除去がある。とりあえず吸血鬼を集めておくのが、黒の基本的な方向である。この視点から見ると、1マナ2/2という驚異的スペックで序盤からビートを刻む「吸血鬼の裂断者」、相手が疲労してくるとわずか1マナで3/2威嚇という大変身をとげる「グール・ドラズの吸血鬼」という2体の吸血鬼はかなり評価が高い。他にも序盤からダメージを刻めるカードとしては、上陸で威嚇を得る2マナ2/1「サラカーの匪賊」、シェイドと速攻で黒の攻めの基盤を築く「墓所の切り裂き魔」、地上防御を担当する「巨大蠍」と、地味ながらも決して悪くないクリーチャーが少なくない。中には「愚鈍な虚身」というあり得ないくらいにハズレ感漂うカードもあるが、決してクリーチャー不足という心配はないはずだ。2体いる同盟者もそこそこの性能なので、同盟者デッキでも黒を軸に敷くことが出来る。

 コモンでクリーチャー以外のカードは7枚あるわけだが、そのうち除去にカウントされるカードは3枚。基本除去として絶対的安心感を誇る「忌まわしい最期」をはじめとして、軽量で常に警戒させることが出来る「見栄え損ない」、迂遠だがどんなサイズ、どんな状況でも何とかなるかもしれない「ぬかるみの荒廃」と、トータルで見れば及第点である。ただ、今回は軽量クリーチャーもそこそこ使えるので、ピック中に除去と肉のどちらを選ぶかの判断は難しそうだ。

 その他のカードは墓地から回収するカードが2枚に、重すぎる土地破壊、1マナで+3のパワー増強というラインナップ。墓地回収スペルが豊富なので、序盤から積極果敢な攻めが展開できるのはうれしい。

 アンコモン以上になると、今回一番強烈なのは黒だ。前述の通りに吸血鬼の力を借りて何でも除去できる「血の饗宴」に、場に出たついでに布告を告げる吸血鬼「マラキールの門番」、相手全軍にマイナス修正をたたき込む「湿地での被災」にあらゆるカウンターを強奪する「吸血鬼の呪詛術士」と除去部門だけでもよりどりみどりだし、あり得ないスペックを実現させた「吸血鬼の夜鷲」、1マナ5/5の「墓所王の探索」など、構築も見える人材にあふれている。

 神話やレアに到ってもこの波は衰えを知らず、1マナの意味が分からない、最もデンジャラスな昇天である「血の長の昇天」、世界が待ち望んだ悪斬キラー「マラキールの血魔女」、吸い過ぎでか過ぎ「オブ・ニクシリス」、そして期待の新星「ソリン・マルコフ」と、環境を揺るがす可能性の高いカードが黒に密集している。ようやく、ニコル・ボーラスの復讐が始まるのか。

 

<赤>

 赤のコモンに与えられたクリーチャーは10体で黒と青の間。そのマナ分配は1マナが1体、2マナ、3マナが3体、4マナ2体に5マナ1体という布陣。2,3マナに集まっているので比較的扱いやすい部類だろうか。

 そんな赤クリーチャーの中で優先的に取りに行きたいのは、なんと言っても2マナで3/3先制の可能性を持つ「板金鎧の土百足」だろう。上陸条件なのでいくらかデッキの調整は必要だが、最速で出せればしばらくは向かうところ敵無しだ。2体、3体と集めればさらにスピードは加速する。そうしてある程度ダメージを刻んでおけば、3/2威嚇の「刃牙の猪」がさらにダメージを刻む。4マナ4/3バニラの「髑髏砕きの巨人」も決して侮れないスペックだし、5マナ3/3速攻で転がり出す「タクタクの唸り屋」も中盤で厳しくなった相手のライフに圧力をかける。その他3マナ5/2と破格のパワーを持つ「破滅的なミノタウロス」、ブロッカーを1体封じる「ゴブリンの近道抜け」、全軍のパワーを1あげる「ゴブリンの奇襲隊」など、赤はいつも通りにかなり前のめりな攻め方が要求される。クリーチャーではないのだが、同じくコモンには上陸3回で「ボール・ライトニング」が召喚できるようになる「ゼクター祭殿の探検」があり、ダメージレースでは優位に立ちやすい。また、前述の「タクタクの唸り屋」に加えて2マナパワー2の「高地の狂戦士」もいるので、同盟者を目指すときにも基盤にしていい色である。

 クリーチャー以外のカードでは、当然気になるのは火力だろう。今回コモンで与えられた火力は、キッカーで倍加するショックである「噴出の稲妻」、何故か追加で土地が必要な「マグマの裂け目」、山の数だけダメージを与える「尖塔の連射」、そしてインスタント微震の「地鳴りの揺るぎ」の4枚。このうち「地鳴りの揺るぎ」はちょっとスタンスが違うが、「噴出の稲妻」と「尖塔の連射」は両方とも本体も狙えるしコストパフォーマンスも悪くない優良除去カード。コンバットトリック兼火力として使える「殺戮の叫び」も充分使えるレベルなので、今回の赤にはハズレとなるカードはほとんど無い。適当なゴブリンで数を合わせて、うまいこと削れたら本体を火力で削ってしまうプランすら不可能ではないだろう。

 アンコモンでは、出てくるついでに土地が割れる「ゴブリンの廃墟飛ばし」が構築レベルでも期待が持てる。他にも「ムラーサの紅蓮術士」が手に入れば、そこから無理矢理でも同盟者デッキを狙いに行く大きな動機となるだろう。絆魂許すまじと気を吐く「罰する火」に、殴られたら殴り返す「業火の罠」、カードばっか引いてんじゃねぇよと文句を言う「ルーン炎の罠」など、各種火力も気になる仕上がりだ。

 レアまで行けば、もうスピード勝負は勝ったも同然。1マナ重くなったがパワーも上がった新世代のライトニング「精霊の嘆願」、1マナのくせに2/2で速攻まである「ゴブリンの先達」、あり得ないアドバンテージが期待できる史上最大の罠「溶岩の玉の罠」、「2倍ラッキー」の愛称で一躍スターになる可能性を秘めた「巣穴の煽動者」などなど。早い、痛いを合い言葉に、今後も赤は前しか見えない。

 

<緑>

 緑のコモンで与えられたクリーチャーは、なんと白より1体少ない11体。肉王国を自負する緑が、コモンのクリーチャー数で他の色に劣るのは珍しい。

 ま、1体くらいは誤差の範囲ということで気にせずマナカーブを見ていくと、1マナが1体、2マナ3マナが2体ずつで、4マナが3体、5マナ2体の6マナ1体という布陣。やはり他の色に比べると随分後ろに寄っているが、こればかりは性格なので仕方ないところだろう。当然のことながら、マナレシオで見れば緑はダントツである。

 これら緑のクリーチャーの中でピックアップすべきものというと、筆頭にくるのは「大木口の幼生」だろうか。緑単色デッキならばなんと5ターン目に7/7で殴りに行けるというオーバーパワー。このサイズこそが緑の真骨頂だ。同様にサイズで優れるのは1マナ3/2の「鎌虎」。リスクは小さくないが、緑の芳醇なマナを活かせば何とかなるかもしれない。他にも2マナ2/3の「ニッサに選ばれし者」、6マナ5/6「巨森を喰らうもの」5マナ4/4でサイズアップする「領地のベイロス」と、安定したステータスで、同マナ域では負けないだけのサイズを維持している。まぁ、その代わりどれもこれも体力馬鹿なんだけど。

 体力馬鹿ばっかで嫌な人には、キッカーで万能対策になる「カビのシャンブラー」を早めにキープすることをお勧めしたい。キッカー込みだと6マナと重たいが、どうせ今回緑が与えられたエンチャント・アーティファクト破壊は5マナと重たい「秘宝の破壊」だけだ。最初から6マナのカードと割り切ってしまえば、実に柔軟な運用が可能な優秀なクリーチャーだ。今回は青を完全にメタの対象とした「緑除去」の「オラン=リーフの出家蜘蛛」も緑には珍しくアドバンテージを稼ぎやすいカード。他のクリーチャーも特に弱くて使えないカードはないので、何が出ても、何を引いてもそこそこ使えるのが緑生物の強みといえる。また、2マナで増強を持つ同盟者「オラン=リーフの生き残り」がいるし、どうしても色が広がりがちになるので、同盟者デッキを組むならば是非緑を採用したい。

 クリーチャー以外のカードでは、まず土地関係。この部門では燦然と輝く「砕土」を何枚引けるかが勝負。3マナインスタントで実質1マナしか使わず、高効率の圧縮になった上で上陸を2回も誘発するという必殺スペル。緑をやるなら、どんなクリーチャーより優先させてもいいカード。もう1種の「カルニの心臓の探検」は使えるときと駄目な時の差が激しいので、デッキ構築には注意が必要なカード。他にも、巨大化系カードは被覆とセットで+4出来る「巨森の蔦」が信じられないほど使いやすい。カウンターとしても使えるし、とどめの一撃に出来るくらいのサイズアップが見込める。このあたりのカードをおさえて、少しお馬鹿な緑ライフを何とか賢いものにしてみたい。

 アンコモンでは、なんと言っても帰ってきた蛇、「リバー・ボア」が目を引く。この環境にはマイナス修正の「見栄え損ない」があるのでそこまで安全とは言えないが、運悪くはまっちゃったときの青の悲劇は筆舌尽くしがたい。さらに手軽な条件で+4カウンターがもらえちゃう「輝刃の探索」や、突然あり得ないサイズに化ける「原初の怒声」、突如4体ものトークンが現れる「コブラの罠」などは要注意カード。

 レア以上では、問答無用のクリーチャー部門に「土を踏み付けるもの」、チート神話の「水連のコブラ」がいる。コブラは……きっと高いよなぁ。そして相手を出し抜くカードとしては「召喚の罠」や「硬鎧の群れ」が面白そう。赤や黒などの派手さは無いが、独自の価値基準でじっくり戦線を固めていきたい。ちなみに、レアレベルまでいってもそこまで安定したマナソースがあるわけではない。「緑だからマナは出るだろ」という安易な考えは、この世界では死亡フラグになりかねないので注意。

 

<アーティファクト・土地>

 今回セットに含まれるアーティファクトは全部で15枚。ここ数年のラージエキスパンションでは、ローウィンの12枚が一番近い。その他ラブニカや時のらせんは20枚程度が収録されていることから、ややアーティファクトが少ないエキスパンションといえるだろう。ただし、その上で実に妙な特徴があり、なんと、15枚のアーティファクトのうち、半数以上の8枚が装備品なのだ。冒険と財宝のファンタジーがテーマのゼンディカー。その危険の多い土地を探索するために用意された数々のアイテムは、コモンレベルでもなかなか有用なものが取りそろえられている。

 コモンで一番気になるのは、殴るだけで土地が増えるかもしれない万能眼鏡、「探検者の望遠鏡」だ。コストも安価だし、これ1枚で稼げるアドバンテージを考えるなら、かなり高性能なカードだと思われる。その他にも「蜘蛛糸の網」は緑などの空が苦手なデッキには必須レベルだし、アンコモンの「信頼おける山刀」はシンプルであるが故に、リミテッドでは強力な後押しになるだろう。レア以上では「血の長の刃」が吸血鬼に勝てといっているようなものだし、謎のライフ還元装置である「永遠の器」や無敵軍団を生み出す「エルドラージの碑」は、リミテッドで置かれた場合には基本的に対処法がない。この世界で、コモンレベルでアーティファクトを壊せるカードは、白の「コーの奉納者」、赤の「破砕」、緑の「カビのシャンブラー」と「秘宝の破壊」の4種。きっちり押さえておかなければいけないぞ。

 一方、土地はコモンに「ちょっとおまけ土地」サイクル、アンコに「1ライフゲイン2色ランド」、レアに各色のトンデモ土地とフェッチのサイクルで、総勢20枚。土地セットとはいうものの、そこまで多くのプールが割かれているわけではない。

 これらの土地のうち、フェッチの有用性は説明する必要も無いだろうが、実はリミテッドの場合はよくお世話になる「1ライフゲイン2色ランド」の方が重要。フェッチよりもこちらの方が当然登場する確率は高いわけで、2色デッキの場合には一応友好色の方が組みやすいということになる。逆に言えば、この世界には友好色でデッキを組む理由はこうした土地の出現比率くらいしか見あたらない。特にこだわらないなら、敵対2色で組んでしまっても構わないだろう。もちろん、単色で行けるなら、それはそれで強力である。

 レア土地軍団の中では、「エメリア」「ヴァラクート」の2枚が突出してヤバく、ついで「オラン=リーフ」が堅実派。いくらかスローな環境になりそうなので上記2枚が機能し始める試合も少なくないだろうし、「オラン=リーフ」はそこから緑に行くまである、非常に使いやすいサポートになる。他の2色は……まぁ、パックから出てきたらがっかりする要員。

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コメント
頭狂人
とてもナイスなblog発見
【2009/10/03 11:14】 NAME[nakedeye] WEBLINK[] EDIT[]


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