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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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  夏の映画ラッシュもようやく終わり。しばらく忙しくてひょっとしたら上映期間が終わってしまうのではないかと危惧していたのだが、流石のヱヴァ、2ヶ月過ぎても鑑賞余裕でした。放映してた館が割り引きデーだったこともあって、日に1回の上映回は満員御礼。「サマーウォーズ」に比べると、若干「似たタイプのお客さん」が多かったのは、まぁ、予定通りってことで。それにしても根強い支持だ。

 で、ようやく観た感想だが……もう、これはずるい。ほんとずるい。これだけの仕込みで、あのスタッフ、あの名声、あのコンセプト、あの持って行きかた……面白くないわけがないんだ。この夏観た劇場作品をたとえるなら、「ホッタラケの島」は「感心」、「サマーウォーズ」は「感動」、そしてこの「ヱヴァ」は……「絶句」。上映時間は「序」の時よりも長くて2時間近くあったらしいのだが、これほどあっという間に過ぎた2時間はそうそう体験できるものではない。エヴァの原作(1期放映分)にはほとんど思い入れはなく、どちらかというと「小難しげなことを言ってれば何をやってもいいと思っている怠慢アニメ」だと思っていたのだが、この年になって改めてこれを見せられたら、黙ってシャッポを脱ぐしかない。あぁ、面白かったよ。凄かったよ。もう1回観ろって言われたら喜んで行くよ。

 流石に夏も終わってすっかり秋になった現在、どのような中身なのかは噂に漏れ聞いて大体知っていたのだが、実際に観たことによる衝撃は半端じゃない。アバンから飛ばしに飛ばしたマリのアクションは、新キャラ登場シーンとしてはあまりにバカにしたような頓狂な出だし。作中では「マリ」という名前すら出ていないくらいに唐突に出てきたキャラクターで、普通根強いファンを持つ作品ならばアンチも出てきそうなものだが、マリのあの登場シーンと、人を食ったような使徒征伐を見せられたら、なんだかずっと昔から「エヴァ」の中にいたような気になってしまう。

 そして、そんな新キャラも含めて原作エピソードを喚起させながらも少しずつずらして焦らす嫌らしい演出。トウジとアイスの棒のネタとか、様々な「聴いたことがある」名台詞の数々は、「これがヱヴァか〜!」と見入ってしまうに充分な持っていきかた。本来なら限られた時間の中でしか描けないので様々な人物の心理描写などはかなりはしょって不足している部分があるはずなのだが、原作を下敷きにしていることを前提としているので、不足部分は勝手に視聴者が補完してしまうし、ズレた部分はズレとしてはっきりと前景化して見せられる。旧作があることを全くデメリットとせず、完全に「喰った」仕上がりになっているのは恐ろしい。

 続くはサハクィエル(によく似た第8の使徒)戦での、エヴァ3体の大疾走シーン。今回勧善懲悪で使徒を気持ちよくぶっ壊したシーンはここだけなのだが、ふざけていると言ってもいいようなエヴァの陸上競技アクションと、あまりにド派手にブラッシュアップされた新型使徒のエキセントリックな形状に、理屈抜きで画面にはまり込んでしまう。

 続くバルディエル(を思い出させる近いイメージの第9の使徒)戦は、エヴァでは避けて通れない残虐シーンに、あまりに意地の悪いBGMの組み合わせで鳥肌が止まらない。世界中で、ここまで悪意を込められた「今日の日はさようなら」があっただろうか。歌詞は全て知っているのに、画面で行われている惨劇に一つ一つ歌詞がまとわりつき、視聴者を絶望の底の底までたたき落とす。原作でも辛いシーンだったが、たった1曲の歌を流すだけで、ここまで致命的なものに変質するというのは、およそ我々の想像の範疇を超える。

 そして最後はゼルエル(のことが急に気になりだす感じの第10の使徒)による、単体ネルフ無双の惨劇。エヴァの恐ろしいところは、本当に敵が問答無用で強いところと、その強さが画面上できっちり余すところなく表現されるところ。一発光るだけでビル群がぶっ飛ぶくらいの直感的な表現ならばまだ耐えられるのだが、その後2号機、2号機裏モード、そして零号機のN2爆雷突貫という全ての武力を正面から打ち砕き、最終的に「あの形状」である。もう、何がどう頑張っても人類は終わる。……にも関わらず、それをあっさりひっくり返す初号機暴走モード。もう、このあたりになると「小難しい言葉で人を煙に巻くお利口オタ向けアニメ」でも「ロボットが格好いいSFアクションアニメ」でもなく、単なる「怪獣大暴れ特撮アニメ」である。そして、これが面白いのである。綾波とシンジの心の交流を描くラストシーンも、「頑張れ男の子」の非常に分かりやすいシーンなのに、そこまでの流れが凄すぎて何もかもOKになってしまう。そして最後の最後で全部持って行くカヲル。もう、何か凄いことだけ分かったからどうでもいいや! 小難しい分析とかは他の人がやってくれ!

 とにかく問答無用、観れば肌に来て、聴けば脳にくる日本のアニメの1つの終着点。「アニメはエヴァで止まっている」と言われても文句は言えない。だって、この期に及んで残った鉱脈を掘り尽くしているのが、この作品なのだから。さぁ、ここまでのものを作ってしまったら、後にかかるプレッシャーも相当なものだぞ。「Q」で何が起こるのか。それはもう、庵野のみが知るところだ!

 最後に蛇足ながらも、一応キャストの話はしておかないと。今回ビリビリ来たのは、マリ役の坂本真綾。役者としては特に関心があるわけではなかったのだが、「365歩のテーマ」に始まる歌唱はもちろん、第3使徒戦やビーストモード時のハイテンションは魂の籠もった文句のない出来。「SOUL EATER」のクロナの時も思ったが、この人は理性でしゃべるよりもテンションで乗り切った方が良い物が出てくるのかもしれない。

 勿論他のキャスト、緒方恵美に立木文彦、山寺宏一なんかは、流石に一言しゃべるだけで空気を持って行くだけのものがある。ただ、流石に現場を離れているせいか、宮村優子は明らかに発声の質が落ちていたのが気になる。身体壊していたみたいだから、流石に並み居るビッグネームの中では目立ってしまったかな。あと、目立ったと言えば名も無きオペレーターの声。色んなところで「あぁ、大川さんじゃん。なんでモブとかやってるのよw」とか気になって仕方なかった。

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