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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 よくも、よくも、第29話。事ここに及んでこの衝撃。やっぱり油断出来ない「へうげもの」。

 まず先に軽い方から片づけていこう。数寄者の回りには数寄者が集まる。北条を制圧し、関東にその覇権を伸ばした豊臣の築城計画に荷担する織部さん。いつの間にやらその名前は諸処に響いていたようで、石垣山城の下見の際に、小堀作介との面会を果たし、なーんか気持ち悪い出会いとなってしまった。数寄者って、こんな連中ばっかりなんだろうか。声が勝杏里でこの気持ち悪さ、なんか、嫌なのに癖になるな。

 その他、東の龍こと伊達政宗もよく分からん奴だし、この世界の武人たちはどっか間違ってる連中が多い。そして、そんな中でも一番間違っちゃってるのはやっぱり織部なんだな。前回「死んでたまるか」と力強く心に誓っただけあって、戦場に出たときにはチキンと誹られても一向に構わないようで、ひたすらに自分の身を守る謎の板ブロックを徹底。もう、戦国BASARAの小早川もびっくりのディフェンスっぷりである。結局、今回戦場を離れたシーンでもず〜っとあの板を背負ったままだったしね。どんだけ死にたくないねん。っていうか、その板でどんだけ守れると思ってるやら。一時は戦場で刀を振るって必死に戦ってたこともあったのにねぇ。人間、未練が出来るとみっともなさは増しますね。いや、命あっての物種とは言うけどさ。

 さて、今回の主人公は、なんといってもそんな大事な大事な命を途絶えさせてしまった山上宗二であった。山の庵で利休と感動の再会を果たした宗二。自らの浅はかさを利休に詫びると、既に解脱を果たしていた利休に逆に頭を下げられることに。互いの若さ、堅さを過去のこととして笑いあうことで、二人の間にあった亀裂は、いつの間にかすっかり取り払われていた。離ればなれで過ごした日々のおかげで、二人は改めて、お互いの持つ価値を確認することが出来たようだ。

 残された問題は、宗二の現在の立場である。秀吉の派手好きに嫌気がさし、喧嘩別れして北条についた宗二。あくまで謀反者である宗二が再び利休と手を取り、未来の茶席を作っていくには、どうしたって秀吉の許可が必要である。秀吉に頭を下げ、帰順を認められなければならない。あの激情家の秀吉に許しを求めるのは並大抵のことではない。とはいえ、一度は微妙だった利休と秀吉の関係も、一連の事件の中で和解を見ている。「自分が進言すれば秀吉も許してくれるだろう」と利休は自信ありげだ。

 しかし、彼らはあの石田三成のことを忘れていた。利休が進言し、宗二の帰順を問う形の査問会。宗二の詫びの言葉もスルスルと出てきたまでは良かったが、割って入った三成が取りいだしたるは、宗二が書き連ねた過去の見聞録。そこには、義憤に任せた彼の「本当の思い」が綴られていた。結局、その思いを秀吉の前で曲げることが叶わず、宗二は、最後の最期まで秀吉に苦言を呈することを抑えられなかった。たとえ命がかかっていようとも、自らの数寄は、自らの信念は曲げられぬ。それが、山上宗二という男であった。彼に与えられたものは、秀吉の「やれ」という無情の一言のみ。竹林で名竹を物色していた利休の下に、三成によって届けられた宗二の首印。破局の幕開けが、そこに込められていた。

 今回はもう、この宗二殺害の一連の流れがたまらない回になった。冷酷な三成の重々しい宣告から始まり、息苦しくなるような主義信条のせめぎ合い。そして、闇夜に展開される衝撃の宣告まで。今回もBGMの使い方が絶妙なことに加え、いつも通りに光と闇のコントラストで見せるカット割りと演出がたまらない。特にインパクトがでかかったのは、利休に首印を届けた三成の描写だ。利休の煽り視点で見あげた三成の目が灯明の火を映して明々と燃え、彼がこれまでずっと秘めていた利休への敵愾心をむき出しにして投げ捨てた木箱。この作品において、「木箱」というツールは大抵の場合には中に名品を収めた状態で出てくるために、「乱雑に投げ捨てる」というシチュエーションはなかなかお目にかかれない(一回織部のいる船にぶん投げたことはあったけどさ)。そうした状況下で、三成は立派な木箱を唾棄するようにふいと投げつけるのである。これ以上ないくらいに、三成の「数寄への反発」「利休への嫌悪」を映し出した行動といえるだろう。

 そして、いざ箱を開けた後の利休のリアクション。これまで、なかなか本当の感情を見せることが無かった不気味な老人、利休が、身も世もなく慌てふためき、自分の本心をさらけ出して憎しみを露わにする。それでも、絶叫するでもなく、のたうち回るでもなく、白目を剥き、ぽつりぽつりと呪詛の言葉を漏らしながら、竹筒を握りつぶすのである。このシーンの想いの籠もり方と漏れ方が、本当に怖い。何が怖いって、よりにもよって漏らした台詞が「よくも我が親友を」とかじゃなくて「よくも真の侘び好きの目を」なのだ。どこまで行っても、この人の業の深さってのは底が見えない。

 さて、せっかく穏便に進んでいたこのお話、これでまた動乱の中へ……

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