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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「中二病でも恋がしたい!」 6→7

 良かったDEATH。最終的にどのくらいの評価にすべきかは割と悩んだところで、11話あたりの単発の破壊力を考えればもっと高い配点もあり得るし、最終話まで含めた1つの小さな流れとしてはそこまで手放しで褒められるわけじゃない部分があるのも事実。あげようか、維持しようかで悩んでいたら脳内で六花ちゃんが可憐に踊り出してしまったので、最終的に「Lite」の方も含めての評価ってことで加点させて頂いた。この得も言われぬ達成感こそが、京アニ厨たる由縁であるのかもしれない。

 今作は実に色々な見方が出来る作品だと思うのだが、1つの話題になっていたのは「シリアス部分の是非」というトピックだろう。7話で六花の生い立ちが判明するまでは、徹底的に中二病という題材を茶化して笑いや萌えに繋げるコミカルなテイストだったのだが、六花が中二病へ向かった原因が明らかになった後は、そうしたコミカルな要素はやや少なくなり、過去と戦う六花、それを守る勇太という2人のラブストーリー中心にシフトした。これを見て「余計なシリアス要素はいらない」と切って捨てている意見を少なからず見たことがある。そうした意見で言わんとすることは分かる。確かに、7話を見たときに戸惑ったのは事実だし、「中二病」という題材をそうした「物語作りの1パーツ」として埋め込んでしまうことで、本義を曲げ、笑うことすら出来なくなってしまうという懸念があった。何より、それまで楽しんできた笑いの要素が無くなってしまうという明らかな変化が、許容しにくい視聴者もいたことだろう。

 しかし、そういう見方っていうのはやはりちょっと勿体ないんじゃないか、とも思う。元々「恋がしたい」がタイトルなのだからラブロマンスに繋がるということは分かっていることだし、どうせ物語を作りならば、やはりそれは筋を通した「作品の中心」にあるべきだ。新しい形のラブストーリーを模索する中で、「中二病」というテーマを再解釈し、効果的なツールの1つとして使いたい、というシナリオラインの挑戦は、やはり評価すべき部分であろう。六花にとっては逃げ道でもあったが、それと同時に辛い時期を乗り越えるためのエネルギー源にもなった「若い力」としての中二病。これが近所に住む勇太の手から渡されたものであり、恋の架け橋として機能しつつも、2人が最初に乗り越えなければならない試練としての役割も果たしている。せっかく「誰もが患うかもしれない若さ故の症状」という身近なネタがあるのだから、そこに共感と理解を求めつつ、最大級のフィクションとして大きすぎる役割を付加して物語りを膨らませるというのは、脚本作りを考える上で至極真っ当な方向性だっただろう。「理解を深める」「試練を乗り越える」。どちらもラブストーリーならば必須の要素なわけで、今作は単にそこに「中二病」というファクターを合わせただけなのだから、シリアスだとかギャグだとかいう以前に、「有り得べき物語」だったという話なのだ。

 シナリオラインについて、ある程度制作者の方向性が理解出来れば、あとはいかにも堅実な筋運びである。まぁ、最終回の締め方については他にもやり方があったかもしれない、というのはあるのだが(特にくみん先輩のくだりね)、さりとてもっと効果的な代案がある、というわけでもない。12話という尺の中で収めるべき部分を収め、盛り上げるべき部分は盛り上げた。それだけで充分ではなかろうか。六花の心中は充分推察出来たし、勇太が置かれていた何とも珍妙なジレンマについても、不思議なことにきちんと理解出来るレベルまで感覚を共有出来ていた。こういう無茶な部分でもある程度牽引出来るのが、数々の「泣かせる」ドラマを組み上げてきた石原監督の手腕であるし、京アニ作画の強みである。

 大筋については、考える部分も多かったので「可」として見たとしても、その上にのっているキャラクターについては、もう「優」でいいだろう。実に阿漕に設定された4人のメインヒロインたち。気付けばまぁ、お互いに綺麗に補完し合いながら引き立っていたのが見事。個人的には、「序盤はずっと六花のターン、六花がドラマ部分に本腰を入れ始めてからはずっと凸守のターン」というイメージ。六花さんは本当に希有な、「正面から可愛がれるメインヒロイン」だった。やっぱり京アニ作画のくせに強さは、六花みたいにコロコロと丸いキャラで活きてくる。執拗に繰り出された下段攻撃のモーションの美しさたるや。同じことは後半の主役(?)である凸守にも顕著。彼女もコロコロしたアクションやダイナミックな表情の変化が見どころなので、画の際だちがダイレクトに魅力に繋がる。11話で風に揺られる凸守とか、すげぇ破壊力だった。森サマーは最初ひどいキャラだと思っていたら、本作には他に替えが利かない「抱擁するキャラ」であることが判明し、少しずつ魅力を上げていった。「クラスのアイドル」→「腹黒鬼畜」→「実はやっぱり素直で良い人!」という変転が小ずるくてよろしい。くみん先輩については…………えーと、畜生です。一色は幸せになるといいね。

 などなど、楽しい女の子について話をすれば、最後は当然中の人の話。こちらはメイン4人、一歩も譲らないデットヒートを繰り広げた。森サマーで新たな魅力を見せつけてくれた「永遠の織部やすな」こと赤崎千夏、代表役っていうと今までは雪歩くらいしか浮かばなかったがくみん先輩でぐいぐい押し出してきた浅倉杏美、どちらも期待通りの仕事だろう。また、最近ぐいぐいあげてきているといえば、なんと言っても上坂すみれ。まぁ、凸守の場合はキャラで得をしている部分も少なくないだろうが、それでも11話の演技を含めた「パーフェクトヒロイン凸守」が出来上がったのはすみぺの力があったのは間違いないだろう。流石に中二病への造詣の深さは一線級である。そして、そんな並み居る新鋭たちの中でも堂々の主役を勤め上げた内田真礼こそが、この作品の空気を決定づけた最大の功労者であろう。六花の2つのカラーを出すことが前提にありながら、結局「どちらの六花も六花なのだ」ということが分かるよう、根底に流れる小鳥遊六花を完成させた。よくもまぁ、これだけのキャリアで大役を果たしたものである。最近は若手でもガンガン来るからこういう大仕事も珍しくないのかもしれないが、今作のように1つ1つのキャラ作りが全体の空気を大きく左右する場合には、余計に際だって見えるのである。まあやは大きくなりそうな気がします。

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