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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「たまこまーけっと」 5→6

 いい作品だったよね。特に何かものすごいことが起こるような作品では無かったけど、毎週ダラダラ見てる分には何の不満も出てこないし、「ダラダラしている」と言ってみたものの、実はそこまで余計な部分があったというわけでもなく、毎回やりたいシナリオのためのパーツが実はかなりの密度で詰め込まれていた。登場人物の数だけで見れば1クールものとしてはかなり多い方だったわけで、それらのキャラクターの人間性や関係性をしっかりと維持しながら、ごちゃごちゃした感じを出さずにすっきりと「ダラダラして」いたのである。

 もちろん、こういう性格の作品なので、なかなか目的意識が見えないことにイライラする向きもあることだろう。そういう人がいることは間違いないだろうし、そういう人が間違っているとも思わない。アニメを見るモチベーションなんてものは人それぞれなのだから、「何か大きな『お話』が見たいんだよ」という人にはあまり向いていない作品だったのは事実だろう。「けいおん」などのいわゆる「日常もの」もそうした反発は大きいものだが、今作の場合、本当に「ただの日常」の占める割合が高く、イベントといっても商店街が最大規模というレベルなので、かなり純度の高い「日常もの」になっていた。おかげで合わない人には本当に合わなかったんじゃないかと思う。かくいう私はそこまで明確なスタンスがあるわけではないが、「けいおんが楽しかったんだからコレが楽しくないわけがない」というぐらいの楽しみ方。そこまで大きく評価が上がらなかったのはやっぱり「どこを褒めるという明確なポイントが見つけづらい」という悩みからだが、決して「褒めにくい」ことと「褒めたくない」ことは同じではないのである。まぁ、適当に「女の子が可愛い」とか「ロリっ子が可愛い」とか「主人公の妹が可愛い」とか「あんこちゃんが可愛い」とか、色んな言い方を探せばいいと思うよ。

 本作で面白かったのは、どこまでを「リアル」と見るかという、真剣に議論すれば色々と盛り上がりそうなアニメ世界の議題の1つ。どこかで見聞きした「たまこまーけっとはあまりに非現実的な「夢の世界」の規模を大きくしすぎてしまった」という批判(?)があった。「けいおん」と比較したときに、主人公を取り巻く世界が現実離れしており、どこまでも緩く、ぬるく、あり得ないという部分は一緒だが、「けいおん」の場合にはせいぜい軽音部部室程度がその「あり得ない」空間であり、その外側にある社会には現実が適用できるという可能性があった。しかし、今作の場合、商店街全てが同じような「あり得ない」世界になってしまっているために、流石に夢見がちな視聴者もフォローしきれないくらいに現実感を失ってしまった、という論評だ。なるほど確かに、ここまで「ふわふわ」が広がってしまった世界というのは、もうリアルがどうこう言うのも馬鹿げているのは間違いない。たとえば銭湯のおねーちゃんが結婚する話なんかはそれが分かりやすくて、突然商店街の看板娘が結婚することになったのに、周りの人間はそれを誰も知らない状態であり、そのままお姉ちゃんが「結婚する」という事象だけがぽっかりと浮いたような状態で、夢うつつのままに処理された。多少なりとも「リアル」を考えるなら、やはりあのエピソードは不自然である。そうした違和感を、「リアル」を求める人が欠点としてあげつらうのは理解出来る部分だ。

 しかし、お説の通りに「夢の世界」が広がりきってしまったというなら、もういっそのこと全てがファンタジーと受け止めてしまった方が話は早いだろう。個人的に一番好きなフィールドはレコードがかかった喫茶店のカウンターで、あの席で女子高生がコーヒーを飲んだり、やさぐれた親父さんが一人愚痴を言ったりするのもこの上なくファンタジーであり、それをぼんやりとした存在感のマスターが鮮明化させることなくぼんやりとしたまま包み込んでしまう。その他の商店街の店だって、言ってしまえば似たような「ぼんやりと包むファンタジーの要素」でしかないのだろう。少しだけ垣間見えた学校での恋愛要素も、みどりちゃんが陥った創作が出来ないというスランプも、たまこが巻き込まれた王家のお后捜しも、全てがそれっぽく見せておきながらも、結局は現実と接続などしない夢の世界のファンタジーでしかないのである。そうしてみれば、こんなにぼんやりと見られる「妙な形のファンタジー」もなかなか味わえないものだったのじゃなかろうか。もっとうさぎ山商店街が産みだすファンタジーを色々と楽しみたいもんですよね。

 当然中の人には触れるが、今作はほとんどが若手新人を起用しており、流石に京アニが連れてくる若手は物が良い。たまこ役の洲崎綾は、今作がこれ以上無いくらいのステップアップになっただろう。年齢を見ればあまり若手といえるレベルではないのかもしれないが、ここから一気にキャリアを積んで、良い方向に伸びて欲しいものだ。他にも、クラスメイト役の金子有希、長妻樹里、山下百合恵といった面々も、キャラが良い具合に立っていたおかげで良いアピールチャンスになったのではなかろうか。個人的にはかんなちゃんが好きだったので、中の人がこれから良い仕事が出来ると嬉しい。そういやチョイちゃん役の山岡ゆりも、ようやくここで1つネームバリューをあげられたな、という感じか。あとはまぁ、すげぇ面子ばっかりだったからな……ぴかしゃが、準アイドル路線(芸人路線?)から早くも上手い具合に路線を変えて長生きしそうな方向に進んでいるのがなかなか面白い。元々何やらせても達者だから、いざ定着するとやっぱり強いわな。


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