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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 矢野さぁぁぁぁぁん! 第18話。あのラストシーンはずるいわ。いや、来るの分かってたけどね。ピンチに来てくれるとは思ってたけどね! ベストタイミングすぎるんだよなぁ……まさか矢野さんの登場がこんなにもドラマティックなものになるとは思ってなかったよ。

 細かい問題を諸々処理して、今回からいよいよ「三女」制作の修羅場が幕を開ける。いくつもの要素が絡みに絡んで、様々な人の思惑が乱れ飛ぶ、これこそマルチタスクの極み、アニメ制作現場の本当の姿。しょせん「えくそだすっ」などチュートリアルステージでしかなかったのだ。宮森の本戦はここから幕を開ける。

 1つ目のシーン、アフレコ現場。こちらは宮森のタスクではなく、音響監督の稲浪さんのプッシュもあって抜擢された新人声優鈴木さんの戦いの場。そりゃま、無茶苦茶緊張するだろうし、まだまだキャリアが浅いので現場でのあれこれもさっぱり分からない状態だろう。がっちがっちに固まってしまっては、なかなか本来の実力も発揮出来ない。我々が初めて耳にする声優も、ひょっとしたらこうして大抜擢された結果、緊張しまくって実力が出せていなかったこともあるのかもしれませんね。そう思いながらあの人やあの人のデビュー作を聴けば、また趣きも違うのかもしれません。試しに「ゼーガペイン」を……あぁ、うん。試しに「夢喰いメリー」を……あぁ、うん。でも大丈夫、この三女のスタジオには、日本で一番優しい音響監督がいるのだから。新人声優の居残りなんてのは、聞けば割とよくある話。新人に限らず、台詞量が多かったり、なかなか作品の意図がくみ取りにくかったりすると、どうしたって時間はかかる。そこは役者と音響、制作側で頑張っていくしかない。今回は1話目の収録と言うこともあり、ムサニ側のスタッフが最後まで全員付き合ってくれているのだから心強いだろう。これ、木下監督のモデルは精二水島だけど、アフレコ現場で丁寧に食い下がって役者にオーダーを出す感じは努水島の方のイメージだ。まぁ、話作ってるのは努の方だからね。

 こうしてアフレコ現場の様子が事細かに描かれているお話を見ると、やっぱり声オタ的にはテンションがあがる。新人の鈴木さん役には初々しさが出せる声、ってことでひーちゃんが当てられており、多分監督には「イカ娘のときのアレを思い出して」って言われてたんじゃイカ、なんて妄想も捗る。いや、ひーちゃんはイカ娘の時点で2本目のメインヒロインだったけどね。どっちかっていうとイメージが被るのは宮森の中の人なのかも。「私これしか出演作無いから」って言って必死にスタッフの名前まで覚えて、なんとか自分のノルマをこなそうとしている。木村珠莉ちゃんも今作1話目ではこんな様子だったのだろうか。なお、回りにいるのは「えくそだすっ」に続いての伊藤静……伊藤鈴鹿さん。この世界では「木下作品声優」とか言われてるんだろうか。中の人同様に非常に軽いテンションが見どころで、新人の鈴木さんに対しても実にざっくばらん、監督やプロディーサーにも容赦無いのが楽しい。ちなみに、同じ現場にいる音響制作の中田恵理さんもとてもよく似た声ですね。稲浪さんとは同じチームなんだろうか。声優のアフレコ現場体験記は他の所でも聞く機会があるが、音響監督がどんな仕事をしているか、っていうのはあまりイメージが無いので、こうして生の活躍が疑似体験出来る映像は見ていてとても楽しいです。こうして新人を育てていくのだね。「1話目くらいはオールカラーでお願いしたかった」って、今のご時世だと色んな作品に言ってそうだよなぁ。声優陣が「色がついてたんですよ!」って感心する時代だからな。

 続いて2つ目のシーン、今度は宮森が背景を依頼するために新たな人捜し。背景主任の渥美さん(雲の人)が、どうしても書いてほしいと切望する「過去の有名人」らしい面倒臭いおっさんとのお話。居酒屋で飲んだくれる、現代の体制に不満をぶちまけ、のらりくらりと若い衆の話を煙に巻き、捨て鉢になっている、ってのはテンプレートな「実はすごい人」フラグである。「俺の時代は終わったんだ」とくだを巻いて酔いつぶれる様子は、どのくらいまでがフィクションなんだろう。デジタル化が進んでこの業界についていけなくなったベテランって、これだけ人数が多い業界だったら1人や2人じゃすまないんだろうなぁ。前半クールで登場した板野氏みたいに柔軟な発想で絵を対応させられる人は良いが、背景担当の人なんてのは特に「アニメ屋」ではなく「絵描き」としての側面が強そうだから、ひょっとしたら日本には同じような境遇でくすぶっている「すごい絵が描ける人」は少なくないのかもしれない。

 で、宮森は飲んだくれの親父相手でもいつも通りの対応、たまに出てくる宮森のクソ真面目さを見てると「もうちょっと上手くやれそうなもんだが」と思う時もあるが、まー、まだ大学出て間もない新米なんだよな。なかなか融通が利かないのはしょうがない。居酒屋での口約束と「契約」を一緒にしちゃうあたりはまだまだだ。渥美さんも連れてのお宅訪問は、酒の抜けた状態の大倉を相手に難航するものの、ここで登場したのは、まさかの社長のコネ。丸川の名前が出た途端に態度が変わる大倉。そして全てが彼の掌の上のことだったようなそぶりで観念することに。さて、2人の間には、過去にどんな関係があったというのだろう。これまでひたすら料理を作り続けているだけの社長だったが、どうやら単なる昼行灯というわけではなさそうだ。「どうかよろしく」っていう一言にどんな意味が込められていたのやら……。無事に依頼を受けた大倉はそのまま田舎までスケッチ旅行に出奔。おかげで連絡が取れない状況になるという。この辺りのマイペースさはやっぱり昔の人やな。でもまぁ、今作で「実は年寄りすごい」パターンは絶対遵守なので、きっとものすごい背景を届けてくれるはずだ。

 そしてシーンの3つ目、今回の騒動の中心地であるスタジオタイタニック編へと進んでいく。登場時から確実に爆心地になるであろうと分かりきっていた地雷原。宮森はようやくそこを確認したわけだが、出るわ出るわの出血大サービス。レイアウトチェックでは演出の不手際が続々出てきて、「あぁ、多分実際のスタッフが体験したことのあるひどい出来事を恨み節でぶっ込んできたんだろうなぁ」というのがよく分かる。流石の木下監督もこれには憤慨して責任者を呼び出すが、いざ出向してきた演出家がこれまた曲者である。ミスについて、「チェックしてなかった」とか「知らない、覚えてない」というなら「単なる駄目人間」で話は済むのだが、この男、自分のミスについて、たとえ認めて責められても大した問題ではないと高をくくって正面から放り投げに来ている。「ちゃんと仕事をした上のミスだ」とか「いいと思ってやったことだ」と開き直られると、実は責任を明確に問う手段はない。アニメは「製品」でこそあるが、個々のクリエイターの感性が影響する「作品」でもある。そのため、明確な「正しい姿」は存在しておらず、「これでいいと思ったのだ」と言われてしまえば、(たとえ誰がどう見ても嘘っぱちだったとしても)それは1つの答えとなる。オーダーと違うと文句を言ったところで「ミスしました」と言われたり「こちらの解釈と違っただけだ」と言われると、それ以上の言及が出来ない。それを分かった上で、あの演出家は居直っている。

 このような問題が起こっていることは、業界の2つの病巣を示す。1つは、広がりすぎる人手をコントロールするには限界があるということ。今回は新人デスクの宮森が逆境の中でやっている仕事なので一層酷く見えるが、おそらく「目が届かないから想定より下のものが出てくる」という状況は相当多いはず。ムサニは海外に発注していないだけまだマシで、海の外では言葉が通じず、意図が通じないなんてことも少なくないだろう。今の時代ならばいくらか意思疎通の手段は増えているだろうが、それでも、1つのスタジオで全ての枝葉末節まで管理するのは困難だ。アニメ制作の場合、短期間でこうした「広がりすぎた制作現場」をとりまとめられないという悩みはいかんともしがたい。そしてもう1つ、更に大きな問題として、こうした混乱に乗じて、それを利用して生きようとする人間がいるということがあげられる。今回登場した居直り演出家は、何故このような適当な態度であるにも関わらず「5本も掛け持ち」出来るのか。それは、どんなに適当でも形だけの「製品」を作れる人間を、どれだけ信頼がなくとも求めている業界のニーズがあるからだ。それを分かっているからこそ、あの男は適当な仕事で荒稼ぎをする方向に自分の生き方を定めたのだろう。普通、雑な仕事ばかりをしていればそのうち声がかからなくなるはずなのだが、ここまで拡散してしまったアニメ業界では、そうした「ゴロ」の生きるだけの余地が生まれてしまっている。世の中の全ての人間が善意や熱意では動かない。今回は大倉という1人の絵描きの仕事と、怪しげなスタジオの似非演出家という対比で、「仕事の質」についても問うているエピソードとなっている。

 結局、こうした「いい加減な仕事」のしわ寄せは全部デスクに回ってくる。ただでさえ出遅れた現場、新人だらけの制作部屋。宮森は必死にコントロールしようと試みるが、流石に土壇場での演出降板で「万策尽きる」のは目前。テンパッちゃうと「心の声」であるミムジーとロロだって切れそうにもなる。あまりに重すぎる肩の荷に、宮森もついに万策……

 矢野さん! もう、このシーンの格好良さね。単に女の子が1人机の前で悶々としているだけの絵面なのに、まるで最上級のサスペンス映画のクライマックスのように盛り上げるBGM,息を呑む緊張感、絶望的なピンチ。ここでかけつけられるのは、スーパーマンか、コブラか、矢野さんか。さぁ矢野さん。あんたの力を見せてくれ。可愛い後輩は出来ることは全てやったのだ。ここまで「人は信用出来ない」という辛い現実ばかり突きつけられた宮森に、「人は協力し合えばどんな困難にも立ち向かえる」という希望を見せてくれ。イッツ、ムサニ・スピリッツ。

 追伸:久乃木ちゃん、そんなんいいから仕事しろ。

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