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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 このたび、無事に「モダンマスターズ(Modern Masters)2015」(以下モダマス)のフルスポイラが公開された。結局、レア・神話レアはプレビュー時以上の盛り上がりは無くてがっかりした人も多かったようなんだけども、実はモダマスってのはリミテッドが面白いとかなんとか(経済的な理由からやったことないので知らないんだけど)。

 確かに、過去のセットからの再録カードのみで構成されているとはいえ、それぞれのカードの置かれている立場は当時とは全く異なるもの。そしてモダマスだけの特徴として、「複雑さ」という概念があげられる。公式記事でもそのあたりのことに触れられているが、現在のMagicは、セットの基本理念を固定するための「新世界秩序」を下敷きに動いている。知らない人のために簡単に説明しておくと、「新しいセットを出すとき、あんまり複雑過ぎたり、カードが直感的に動かなかったりすると初心者が参入しにくいから良くないよね」という取り決めのことである。代表的なところではダメージスタックがなくなり、バウンスされたクリーチャーが戦闘ダメージを与えなくなったことなどは、「新世界秩序」以降の改変の一例である。

 こうした「複雑さ」の制限はあらゆるセットに施されており、それ故にどうしてもゲームの制限も生まれる。しかし、この「モダマス」はある程度の熟練度を有したプレイヤーを前提に作られた「高級セット」であり、この「秩序」の縛りが緩い。おかげで様々なメカニズムが同居することを許し、複雑に絡み合ったシナジー、システム構築が可能になっている。今回のセットについても、全て再録メカニズムであるにも関わらず、「なるほど、この組み合わせは面白そうだ」と思わせるだけの可能性に満ちている。此度の機会で、私も何とかこの「モダマス」リミテッドを経験してみたいと思っているので、そのための導入として、今回のリミテッド環境についての概論をまとめて行きたいと思う。既に習熟しているプレイヤーにとっては「何を今更」みたいな記事になると思うけど、まぁ、そこはいつものスポイラと同じやで。

 




○2色テーマ

 前作の「モダマス2013」の時もそうだったが、このセットでは2色の組み合わせごと(つまりギルドごと)に固有のテーマを用意して、それを組み合わせることで様々なリミテッド戦略が作れるようになっている。前回の各ギルドのテーマは公式記事を参照してもらうと早いが、一応リストアップしておくと白青【アーティファクト】青黒【フェアリー】黒赤【ゴブリン】赤緑【待機/ストーム】緑白【トークン/サリッド】白黒【レベル】青赤【秘儀】黒緑【墓地/発掘】赤白【巨人】緑青【マナ加速/烈日】となっている。今回はどのようにテーマ設定されているか、個別のカードも確認しながらみていこう。なお、本記事ではリミテッドで出現率が極めて低い神話レアについては考察対象外とし、レアもアーキタイプと強く結びつくもののみを取り上げる。

 

・白青【金属術/親和】

 前回のモダマスと今回の大きな違いは、「ゼンディカー」「ミラディンの傷跡」の2つのブロックからもカードが収録されること。そしてモダンの花形といえばやはりアーティファクトってことで、今回も白青がアーティファクト業務を担当することになった。非常に特徴的なので分かりやすいラインアップになっており、「宮廷のホムンクルス」や「フェアリーの機械論者」、アンコに格上げされた当時のエース「ガラス塵の大男」といったエスパーの色つきアーティファクトも金属術と大きなシナジーを生むだろう。明確に「金属術」や「親和」と書かれたカードは白には2枚、青に5枚あり、アーティファクトにも「マイアの処罰者」を始め、「錆びた秘宝」がコモンに格下げされるなど、かなり骨太なラインナップが用意されいてる。これらのカードは他の戦略とは目的が被りにくい上に集めれば集めるほど強くなっていくので、「傷跡」当時の金属術に更に親和を加えた夢の共演は、決め打ちすればかなりの強度を維持出来るのではなかろうか。

 

・青黒【増殖・−1/−1カウンター】

 今回最も特徴的なのは、この青黒に配置された増殖ギミックかもしれない。増殖と書かれたカードは青に4枚、黒に2枚が配されているが、増殖はそれ単体でテーマとはなりづらく、他の組み合わせで用いられる様々なカウンターギミックを後押しする縁の下の力持ちの役割を果たす。上記の白青アーティファクトならば蓄積カウンターが増えるのはご存じの通りだし、それ以外のテーマ、「移植」「烈日」「狂喜」などが全て増殖の恩恵を受けることになる。青黒のみで構成する場合には、青は「移植」との接続があり、黒は「狂喜」と繋がるが、それ以外にも、黒に多く与えられた「鎌の切り裂き魔」などの「萎縮」とのギミックにより−1/−1カウンターを多数コントロールすることになる。特に「真夜中のバンシー」からのスタートならば増殖戦術はかなりのインパクトになるんじゃなかろうか。

 

・黒赤【狂喜】

 基本セットに再録実績もある狂喜は、今回赤黒固有ギミックになっている。クリーチャーサイズを動かすだけのメカニズムなのでそこまで複雑な動きにはならないが、前述の通りに黒なら増殖によって狂喜のカウンターを水増しすることが可能だし、何よりも「血のオーガ」や「血まみれ角のミノタウルス」など、当時暴れ回ったコモンクリーチャーの戦力が他のグループと比べても一段上に設定されているのが魅力。事実上0マナでトリガーを起動出来る「はらわた撃ち」などは比較的安く引ける可能性もあるので、シンプルなギミックでさっさとビートを刻む赤メインの戦略ならば割と有無を言わさず通れそう。枚数は黒2枚、赤4枚で赤に大きく偏っているので、火力と合わせて赤単気味でもいいかも。

 

・赤緑【5色(版図・烈日)】

 「5色」って言ってる時点で2色のギミックではないのだが、この2色にだけは「焦熱の落下」「森の報奨」という基本土地サイクリングがコモンで収録されているのが特徴。緑にはお馴染み「不屈の自然」があり、アーティファクトには「旅人のガラクタ」と「探検の地図」もある。赤緑ならば5つの基本土地を揃えるのはさほど難しくない。そうなれば、「マトカの暴動者」や「部族の炎」といった版図カードが火を噴くし、赤は「流魂の騎士」「世界心のフェニックス」という5色カードが安く手に入る。更にアーティファクトには「空に届くマンタ」「刻まれた巫女」などの強力な烈日カードもあり、5色を狙うメリットは非常に大きい。もちろん、色を広げればギミックなど関係無しにその他の強力な多色カードを使いたい放題になるわけで、割と無茶苦茶なデッキ構成も可能。誰も思いつかなかったような突発的謎コンボなども生まれるかもしれない。この色に収録されたアンコが「大竜巻」というのが実にエグくて良いな。

 

・緑白【トークン・召集】

 緑白のテーマは「数は力だよ!」。セレズニアに属していた「種のばら撒き」や、白のトークン戦術ではお馴染みの「急報」「幽体の行列」、それに「獣性の脅威」などで適当にトークンを並べれば、「補強」「鏡の生体」「圧倒」「圧倒する暴走」と各種揃えられている全体増強スペルで好きなようにゲームを終わらせることが出来る。とにかく数さえ足りればいいならエルドラージ絡みの落とし子トークンだって充分である。多色にも「セレズニアのギルド魔道士」や「萎れ葉のしもべ」といったテーマにそったキラーカードが満載。モダマスは除去の質も高いので多少無茶なクリーチャースペックでも走りきれないことがあるようだが、質ではなく量で勝負する戦術ならば対処する手段も大きく限定され、相手の思惑をスカすことが可能。モダンもスタンも、トークン花盛り。

 

・白黒【スピリット・秘儀】

 今回一番の「どないやねん」がこれじゃなかろうか。なんと、神河を中心としたスピリット関連のギミックが白黒テーマとして登録されている。具体的にはいわゆる「たたり」誘発の「黄昏の守護者、秘加理」や「蝋鬣の獏」、そして「希望の盗人」などに転生のアドバンテージを絡めていくという、何とも地味なものだ。このテーマの面白いところは「あ、お前もスピリットなんだな」という次元を超えた友情が見られるところで、たとえばレア枠で「オルゾヴァの幽霊議員」さんがスピリット。これ、「小走りの死神」で転生出来るんだぜ。あと「ブリン・アゴールの白鳥」がスピリットってのも面白いな。秘儀呪文は白に2枚、黒に3枚と決して多くはないし、限定的なので他のギミックと絡みにくいのが難点だが、やっぱり「遙か忘れられし御幣」を1引きしたら行きたくなりません? まさかのアンコモン格上げされた一撃必殺「貪る強欲」でのフィニッシュはまさにドリーム。多相クリーチャーもいるからなんとかなるよ!

 

・青赤【エレメンタル】

 立て続けに部族ギミックが続く。エレメンタルはローウィンの時に赤を中心にしてスポットが当たった部族だが、その中でも代表選手といえる「熟考漂い」さん、「霊気撃ち」さんなどと共に久しぶりのリベンジ。エレメンタルはどんな次元にも割と存在する部族なので、こちらも「そういやお前エレメンタルか」というアハ体験が。そして、レアだったロードの「白熱の魂炊き」がアンコで拾えるという露骨なアピールが甲斐甲斐しい。前作のモダマスも「狂い婆」がアンコになっており、ゴブリンが集まると半端無く強かったらしいので、今回もそれに期待してみるか。まぁ、誘致要因がそれ1点なのは不安要素だが……一応「煙束ね」がいるので、赤の5色ギミックと合わせて他の色のエレメンタルもガンガン強奪していくのが潔いピックか?

 

・黒緑【トークン/エルドラージ】

 緑を媒介しての「トークン」テーマはセレズニアと共有している。ただ、明確に異なるのはその用法で、緑白は横に並べて勝つのが目的。緑黒の場合、トークンを燃料として様々な決め技へと繋いでいく。ジャンド生まれの「骨の粉砕」なんかが分かりやすいが、黒が絡めばトークンは「サクる」もの。とにかく数さえ稼げれば「ゴミあさりのドレイク」が一瞬で化け物になるし、緑黒合わせて3体コモンで収録されたエルドラージ・ドローンからさっさと「ウラモグの破壊者」に繋いでしまうのは、懐かしのあの日から変わらぬ決め技である。サクりエンジンがあると、あの「陰極器」がついにマナソースとして大活躍し、偉大なエルドラージを招き入れる大役を任されることになるかもしれない。

 

・赤白【増強手段・二段攻撃】

 今回一番分かりにくいギミックがこのボロス。パッと見でははっきりと推されているメカニズムは存在していないのである。ただ、アンコモンに与えられたカードが「炉火のホブゴブリン」と「ボロスの速太刀」という2枚の二段攻撃持ちであることがこのギルドの性格を表している。他にも、白にはレアまで含めれば3体、赤もコモンに1体の二段攻撃持ちがおり、これらを各種増強手段で強くしてワンパンで決めるドリームが赤白の役割だと考えられる。「増強手段」というと漠然としているが、白からは「タージ=ナールの剣鍛冶」を筆頭とした装備品絡みのクリーチャーが数体おり、赤には「血まなこの練習生」「トゲ撃ちの古老」といったいかにもパワーを上げて欲しそうなカードが。各種生体武器に加えて「ダークスティールの斧」「銅の甲殻」と前のめりの装備品は多いので、一撃必殺ワンパン戦術もなかなかアツい。

 

・緑青【移植・+1/+1カウンター】

 最後のギルドであるシミックは、ちょいと懐かしい移植持ちのクリーチャーが多数収録された。その数は青緑合わせて8体とそれなりの数だし、更に+1/+1カウンター絡みのクリーチャーも合わせると結構な数になる。移植だけだと単にリソースが行き来するだけの地味なギミックなのだが、前述の通りこれに青の増殖を絡めることで大きく力が増すことになるし、めでたくアンコに移された「ノヴィジェンの賢者」や、1枚でゲームが決められる「ヘリウム噴出獣」を使いこなせればシミックらしい綺麗な横並びの戦術が構築できるかもしれない。

 

○各色ごとの組み合わせ

・白(金属術・スピリット・装備品・トークン)

 白が一番確実なのはアーティファクトとの共生を目指すことだ。青と組んだ際には金属術のカードが比較的集めやすそうだし、装備品で渡りを付けておけばサブカラーが赤になった場合にも増強戦術からの打開策が見込める。白青・白赤を中心として、アーティファクトの流れに探りを入れていくのが白メインの基本スタンスになるのではなかろうか。後は卓の様子を見てスピリット方向にいくのはそれなりに博打。白は多相カードが少ないのでお茶を濁しにくいのでね。

 

・青(金属術・増殖・エレメンタル・移植)

 青も金属術狙いでアーティファクトをフォローしていくのが一番丸いが、カウンター絡みのギミックである増殖を中心に据える戦い方も面白い。緑とつないで移植、黒と繋げば萎縮。どちらも多数集められそうな移植カードを上手く使うことが出来るギミックである。その性格上、どうしてもスピードは遅くなりがちなので、カウンターや除去などを上手く確保出来るかどうかも重要なポイント。エレメンタルに移行するかどうかは、青というよりは完全に赤頼みになり、「白熱の魂炊き」と「煙束ね」の流れ方次第。どうせ「熟考漂い」はどんなデッキだって入るカードなので、早めにキープしておいていざというときに備えるべきか。

 

・黒(スピリット・増殖・狂喜・エルドラージ)

 今回一番立ち位置が難しいのが黒である。というのも、黒をメインとして、黒側から積極的に進められるテーマが乏しいためである。2つのギミックをフォロー出来るのは増殖から狂喜に繋ぐパターンだが、強力な狂喜クリーチャーは赤に多く、赤の攻め傾向のプレイヤーと被るリスクがある。エルドラージ関係にしても、トークンやマナが多く出るのは緑なのでそちらのサポートに回る性格が強い。そうなると、黒が積極的に進めるのは意外にもスピリット戦術ということになるのか。今回「希望の盗人」というキーカードがコモンで手に入るようになった。相手の動向など無視してこれを2枚3枚と並べていくだけでも圧倒的ライフ差をつけることが可能で、あとは「貪る強欲」に繋いでしまえば黒だけでもスピリット戦術(というか盗人戦術)が通用してしまいそう。白に「月明かりの徘徊者」、黒に「小走りの死神」と、「盗人」を回収出来る転生持ちがコモンに多いのも追い風だ。とりあえず「盗人」の枚数次第なのでこれまた博打であるが、生け贄装置などでトークン方向に渡りを付けつつ、スピリットに夢を見ていくのが面白いピックになるか?

 

・赤(二段攻撃・エレメンタル・狂喜・版図)

 赤にも選択肢は大きく2つ。1つはとにかく前のめりに二段攻撃-狂喜ラインで骨太に攻めるパターン。別に白の力を借りずとも装備品さえ引ければおよそ増強の用は足りるし、狂喜は単体でもダメージ増量の基盤としては充分。焼く焼く殴る殴るのアホみたいなクリーチャーデッキが圧殺するパターンはどんな場合でも有効だろう。そして第2のルートは、色を広げに行く版図方向。こちらもアーティファクトにサポートがあるので意外と緑は必須要素ではなく、早めに「流魂の騎士」や「世界心のフェニックス」をかき集めておき、一気に5色で爆発させるのは赤ならではの楽しみ方。マナソースを確保しに行くタイミングが大きな鍵を握るだろう。そして、「白熱の魂炊き」次第でワンチャンスあるのがエレメンタルということになる。エレメンタルも一応5色戦術と繋がる部分はあるので、版図を意識しながら「魂炊き」「煙束ね」待ち、っていうのが2つ目の選択肢になるのかね。

 

・緑(トークン・移植・エルドラージ・版図)

 緑はまずマナを集めるか、数を集めるかだ。どちらの用も成すことが出来るエルドラージ・ドローンの価値は高く、そこから親和クラスのエルドラージにたまたま出会っちゃったらそちらにいくかもしれないし、駄目ならさっさと白に切り替えてトークン横並びパンチを目指す。あとは赤の空き具合を見て版図戦術に切り替えた方が良いようならば、ある程度攻めのトークン戦術をキープしつつ、5種類の土地を並べることを意識すればいいだろう。ワクワクしたいのは誰もが同じだが、エルドラージは「ウラモグの破壊者」がコモンに1枚、「コジレックの職工」がアンコに1枚なので、確保出来るかどうかはやっぱり運次第なのである。まぁ、「職工」がグルグル流れてればやっぱり行きたくなっちゃうけどねぇ。

 

以上、現時点でのリミテッドの青写真を簡単にまとめてみた。あー、いっそこれで神話レアなんかでなくてもいいから半額で取引されるようになれば、もう少しリミテッドが楽しめるんだけどなぁ。安くなるといいなぁ……。

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