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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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2014年度・俺的アニメグランプリ

 

 今年も書くんだ、これ。ブログ更新頻度制限とかかけてたのに、これは書くんだ。……しょうがない、こればっかりはね。自分のためにね。節目節目でしっかりまとめておかないと、ただでさえ「流し見る」堕落したアニメ視聴体制に傾いているのに歯止めが掛からなくなってしまうから。どれだけ不品行、不真面目な人生だったとしても、アニメと声優に対しては真摯であり続けたい。そんなことを考える、人生の崖っぷち。なお、昨年分はこちらを参照のこと。

 毎年のことなので一応断り書きしておくと、タイトル賞の選出は何故か毎年「仮装大賞」の賞に依っており、タイトル部門以外の賞は、基本的に3位まで取り上げてある。一度この形にしちゃったら、昨年までとフォーマットを一致させなきゃいけないからしょうがないのである。

 今期エントリーされたのは、「2014年4月期以降に終了した、もしくは現在放送中である」ことを条件としたある程度最後まで視聴していた以下の149作品。うむ、もう視聴本数については何も言うまい。こんなにアニメを作れる日本という国家そのものに驚嘆するわ。視聴体制が整わなくて切ったアニメって、今年は朝番組以外だと多分「山賊の娘ローニャ」だけだな(録画ミスってるのに気付かなくて2〜3話飛ばしてしまったので流石にリタイアした)。でもほら、東映公式Youtubeチャンネルで配信してたスーパー戦隊シリーズの本数が減ったから、その分は楽になってるはず(ライダー見始めてるけど)。

 年間149本というのは、無茶だ無茶だと言っていた昨年を更に上回る数である。もう娯楽のためのアニメなのか、アニメのための人生なのかもよく分からなくなってきた。確実に1本あたりに費やすエネルギー、情熱が減退してる気がするので良い傾向ではないのだよなぁ。もう少し絞って製作してよ(制作者サイドに責任をなすりつけるスタイル)。ちなみに詳細を確認すると、今期はショートアニメ枠が15本と割と多いし、分割クールものも6本ある。さらに「憑物語」もはずせば30分枠アニメだけでみれば133本だけだよ。「グランプリ」の認定をはじめた年からの過去8年間の推移を観ると767459679010393)→132(121)149(133)。毎クール40本ずつ見てると仮定すると、1日あたり5.7本のアニメ、つまり約3時間の拘束時間か……まぁ、首都圏の遠距離通勤してるお父さんがたの通勤時間に比べれば。

 他方、劇場作品は今年は6本のみとなり、去年よりさらに減ってしまった。劇場製作本数自体は業界全体で増えているとは思うのだが、やっぱりわざわざ足を運ぶ本数ってそこまで多くないわな。でもまぁ、7→4→6→12→8→6と推移してるので、大体平均したらこれくらいだと思う。ちなみに毎年のことだが、この評定枠に劇場作品は含まれていないのでご容赦願いたい。

 

○一応ある程度見ていたエントリー作品(アイウエオ順・ショートアニメは()で表示)

「アイドルマスターシンデレラガールズ」(あいまいみー妄想カタストロフ)「アオハライド」「暁のヨナ」「アカメが斬る!」「悪魔のリドル」「暴れん坊力士松太郎」「アブソリュート・デュオ」「甘城ブリリアントパーク」「アルドノア・ゼロ」「アルドノア・ゼロ(2期目)」「暗殺教室」「一週間フレンズ」「ISUCA」(犬神さんと猫山さん)「異能バトルは日常系の中で」「失われた未来を求めて」「エスカ&ロジーのアトリエ」「M3 ソノ黒キ鋼」「オオカミ少女と黒王子」「俺、ツインテールになります。」「彼女がフラグをおられたら」「神々の悪戯」「神様はじめました◎」「牙狼-GARO-炎の刻印」(ガンダムさん)「艦これ-艦隊これくしょん-」「ガンダム Gのレコンギスタ」「ガンダムビルドファイターズトライ」(監督不行届)「寄生獣 セイの格率」「キャプテン・アース」「極黒のブリュンヒルデ」「金田一少年の事件簿R」「繰繰れ!コックリさん」「グラスリップ」「グリザイアの果実」「黒子のバスケ(第3期)」「黒執事 Book of Circus」「クロスアンジュ〜天使と竜の輪舞〜」(血液型くん!2)「月刊少女野崎くん」「健全ロボダイミダラー」「幸腹グラフィティ」「GO!プリンセスプリキュア」「ご注文はうさぎですか?」「PSYCHO-PASS2」「冴えない彼女の育てかた」「さばげぶっ」「残響のテロル」「四月は君の嘘」「シドニアの騎士」「銃皇無尽のファフニール」「純潔のマリア」「少年ハリウッド」「少年ハリウッド(第2期)」「ジョジョの奇妙な冒険SC」「ジョジョの奇妙な冒険SCエジプト編」「白金の意志アルジェヴォルン」「SHIROBAKO」「神撃のバハムートGENESIS」(真ストレンジプラス)「人生」「新妹魔王の契約者」「スペースダンディ(シーズン2)」「聖剣使いの禁呪詠唱」「星刻の竜騎士」「精霊使いの剣舞」「selector infected WIXOSS」「selector spread WIXOSS」「戦国BASARA Judge End」「戦国無双」「蒼穹のファフナーEXODUS」「ソウルイーターノット!」「ソードアート・オンラインⅡ」「天体のメソッド」「それでも世界は美しい」「大図書館の羊飼い」「ダイヤのA」「探偵歌劇ミルキィホームズTD」「憑物語」(てーきゅうベストセレクション)「デート・ア・ライブ(第2期)」「デス・パレード」「デュラララ!!×2 承」「テラフォーマーズ」「デンキ街の本屋さん」(ドアマイガーD)「東京ESP」「東京喰種トーキョーグール」「東京喰種√A」「DOG DAYS”」「DRAMAtical Murder」「トリニティセブン」「曇天に笑う」「七つの大罪」(なりヒロwww)「ニセコイ」「ノーゲーム・ノーライフ」「ノブナガ・ザ・フール」「ハイキュー!」(HisCool!セハガール)「幕末Rock」「ハピネスチャージプリキュア!」「ハナヤマタ」「ばらかもん」(ぱんきす!2次元)「ヒーローバンク」「棺姫のチャイカ」「棺姫のチャイカ AVENGING BATTLE」「美男高校地球防衛部LOVE」(ひめゴト)「ピンポン The ANIMATION」「風雲維新ダイショーグン」「Fate/stay night[UBW]」「普通の女子高生が【ろこどる】やってみた。」「Free! -Eternal Summer-」「ブラック・ブレット」「プリズマ☆イリヤ2wei!」「ブレイドアンドソウル」「ベイビーステップ」「ペルソナ4ザ・ゴールデン」「僕らはみんな河合荘」「まじっく快斗1412」「まじもじるるも」「魔弾の王と戦姫」「魔法科高校の劣等生」(魔法少女大戦)「漫画家さんとアシスタントさんと」(みりたり!)「蟲師続章」「メカクシティアクターズ」(召しませロードス島戦記それっておいしいの?)「モモキュンソード」「ヤマノススメセカンドシーズン」「結城友奈は勇者である」「ユリ熊嵐」「妖怪ウォッチ」「夜のヤッターマン」「弱虫ペダル」「弱虫ペダル GRANDE ROAD」「ラブライブ!(第2期)」「龍ヶ嬢七々々の埋蔵金」「リプライハマトラ」「RAIL WARS!」「ローリング☆ガールズ」「六畳間の侵略者!?」「ログホライズン2」「ワールドトリガー」

 

○今期視聴した劇場アニメ作品

「たまこラブストーリー」「聖闘士星矢Legend of Sanctuary」「K MSIISNG KINGS」「楽園追放 Expelled from Paradise」「PSYCHO-PASS」「蒼き鋼のアルペジオ ARS NOVA- DC

 




<タイトル部門>

技術賞

‘05「創世のアクエリオン」’06「がくえんゆーとぴあ まなびストレート」

‘07「モノノ怪」’08「キャシャーン Sins’09「化物語」‘10「デュラララ!」 

’11「輪るピングドラム」‘12「さんかれあ」‘13「蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-

‘14「ピンポン The ANIMATION

 技術力の高さを評する部門。もう、「技術力」って言葉が何を表しているのかもだんだん分からなくなってきているんだけど、そこは考えるんじゃない。感じるんだ。今年もアニメーション技術の果てない進歩を感じさせてくれる作品はたくさんございました。

 まず、「技術」といってパッと浮かぶのはやっぱり昨今競争の激しいCG部門だろう。昨年この部門では「アルペジオ」を選出していることからも分かる通り、やっぱり「CGもここまできたのかぁ」と思わせる作品はそれだけで評価が上がる。そういう視点での最右翼は何と言っても「神撃のバハムートGENSIS」ということになるだろう。一時期はアクエリオンなんかで「パチンコマネーってすげぇなぁ」と感心していたわけだが、時代は移り、「ソシャゲマネーすげぇなぁ」ということになった。もちろん、金がかかってる云々を抜きにしても、さとう監督の持つスケール感のよく出た世界構築そのものが充分な技術だったわけだが。同様にCGワークと端正な演出で魅せてくれた作品といえば、あおきえいが務めた「アルドノア・ゼロ」シリーズ。お話としては割と分かりやすいものになっているが、やっぱりロボ作画のバリバリCG感を維持しつつも、きちんと人間側のドラマも描き分けてくれるメリハリって大事だ。同じロボットものでは「蒼穹のファフナーEXODUS」も戦闘シーンやフェストゥムの造形などで見せてくれている。こちらは戦闘シーンでも手描きのアクションが活きているのが魅力だ。そしてメカ以外でもCG演出が溶け込みすぎるのは「蟲師 続章」。やっぱりあの世界観はすごいわね。

 そしてロボを見せるなら特別なCGばっかりでもねぇぞ、と気を吐くのは、今年最初の問題作「健全ロボダイミダラー」。技術はかっこういいものを描くためだけにあるのではない。クソダサいものを際だたせるためにも存在しているのだ。シャープさなどに縁はなくとも、誰も「ガンダム Gのレコンギスタ」の戦闘をへたくそとは言うまい。「ラブライブ!」と「Gレコ」が並び立つ現在のサンライズ体勢は、ちょっとした博物館のようである。

 CGやメカ作画のような表現の技術ではなく、独特の美術センスが光る世界観を見せてくれる作品群。例えば「ノーゲーム・ノーライフ」のいしづかあつこデザインなんかも、ファンになれば「ずっと見ていたい」と思わせるだけの魅力がある。同じことは「ローリング☆ガールズ」の出合監督演出にもいえる。女性の監督は色々と見慣れないものが出てくるので面白いね。もちろん、男だからって画一化されるはずもなく、「プリズマイリヤ2Wei!」で花開いた神保昌登監督の独特の演出センス、「結城友奈は勇者である」で岸誠二が見せた不可思議な異世界演出なんかも、一品ものの美術品として眺めていたいと思わせる魅力があるだろう。これが突き抜けると、「ユリ熊嵐」のイクニワールドになったり、「スペース☆ダンディ」のやりたい放題空間になったり……個性万歳。個人的には純二ワールド爆裂だった「グラスリップ」もここに名前を残しておきたい作品の1つ。あれが再評価されるのはいったいいつになることやら。

 そして、こうして居並ぶ個性の塊のようなクリエイターの中でも、飛び抜けた個性といえば、やはり湯浅政明の名前を避けて通るわけにはいかないだろう。「ピンポン The ANIMATION」で見せつけた湯浅節は、単なるエキセントリックな演出では終わらず、熱血スポーツものの原作を、最大限の熱量で持って「動かす」ことを可能にした。正直、この作品を「技術」という1タームのみで評するのは全くもって言葉足らずであるし、非常に一面的な見方でしかないのである。心苦しい部分はあるが、とにかくそんだけすげぇものがぼんぼん出てくるんだぞ、ってことを、ここで改めて叫んでおきたい。

 

努力賞 

‘05「蟲師」’06「ひぐらしのなく頃に」‘07true tears」  

’08「かんなぎ」’09「けいおん!」‘10「世紀末オカルト学院」 

’11「ブラック★ロックシューター」‘12TARI TARI‘13「聖闘士星矢Ω」

‘14「ばらかもん」

 何となく「頑張ったね!」と評する賞。というか、最近は「他の部門で計りにくい尺度ですげぇ作品」って雰囲気になりつつある枠だ。

 「計りにくさ」にも様々な理由がある。例えば「ガンダムGのレコンギスタ」なんかはその最たる例で、何をどうすげぇと言いたいのか分からないけどやっぱり面白かった。この一本だけでも今期はある意味メモリアル。あと、「面白いんだけど原作知ってるからいまいち突き抜けて褒めにくいんだよね」っていう枠もあり、今年度だと「アカメが斬る!」や「ジョジョの奇妙な冒険SC」なんかが該当する。ジョジョは毎回持ち上げてるからそれでええやろ。あとアニメとしては駄目な部分も多かったんだけども、「悪くないんやで」と必死に擁護したくなるのは「M3 ソノ黒キ鋼」や「グリザイアの果実」、「少年ハリウッド」あたり。ステータスを極振りしてるのでなかなか人の目に留まらない悩ましさである。

 同じように評価軸で悩まされるのが「じんわり良い」タイプで、地味めの作品ってのは要素を拾いにくいのでここに取り上げたくなる。代表的なところでは「普通の女子高生が【ろこどる】やってみた。」だろうか。今後のアニメ年表には是非とも「10年代の4大アイドルアニメ」としてカウントしてほしいものである。あ、あと「ヤマノススメセカンドシーズン」なんかも地味ではあるな。ゆるゆると見られることの幸せよ。

 そして、最終的にこの部門で残ったのは4作品。1つは、努力の方向が正しかったんだか極限まで間違えてたんだか定かじゃない「健全ロボダイミダラー」。作品への愛に満ちあふれており、全力で馬鹿をやろうという意志が表れていた作品。多分もう一回見直しても、文句無く楽しんで観られるだろう。そして、「2期目に1クールで何ができるんや」という無理難題に、なんとか応えてみせた「PSYCHO-PASS」の功績もここで評価しておきたい。あれだけの大風呂敷、きちんと理性的にまとめ上げ、更に作品世界を終わらせずに希望を残すシナリオライン、見事なものでした。そして最後まで悩みに悩んだ結果はずしたのが「それでも世界は美しい」。これこそ本当に「優しいアニメ」なのよ。放送枠のせいでなかなか話題に上りにくかったが、是非たくさんの人に見てほしい佳作である。

 そして、そんな「それせか」と同時期に、同様の多幸感をもたらしてくれた最高の「ほっとアニメ」こそが「ばらかもん」であった。この作品を評するなら「日常もの」に分類してしまっていいと思うのだが、それでもなんかちょっと違う気がする、実に微妙な「ばらか」ワールド。1つ1つの要素がとても丁寧に作られており、1話見ただけで「あ〜、五島に行ってみたいんじゃ〜」と思わせるだけの純度の高い「ご当地アニメ」。半田先生が骨抜きにされていく姿を見るのは、まるで五島という土地そのものがメインヒロインであり、そこで愛を育む特大のラブストーリーにすら見えるのである。またなるちゃんたちに会える日が来るといいんだけどなぁ……あんまり時間が経つと原涼子ちゃんが大きくなってしまうぞ!!

 

 

ファンタジー賞 

‘05「ふしぎ星のふたご姫」’06「あさっての方向。」‘07「天元突破グレンラガン」 

’08「RD 潜脳調査室」‘09「狼と香辛料Ⅱ」’10「あにゃまる探偵キルミンずぅ」

‘11「うさぎドロップ」’12Fate/Zero‘13「翠星のガルガンティア」

’14「ログ・ホライズン2」

 ファンタジーな世界構築の妙を評する部門。最近はアニメも多様化してるし、分かりやすく「ファンタジー」するアニメも減ってきたかなぁ、なんて思ってた時期もあったが、絶対そんなことねぇな。

 過去の受賞歴を見ると割と「ファンタジー感」が大雑把であるが、今年度はかなり数が多かったので、ある程度絞り込んでも問題無さそう。どこに絞り込むかといえば、そりゃまあ「暁のヨナ」とか、「棺姫のチャイカ」とか、素直に中高生が読んで心躍らせそうなジャンルに。ヨナもチャイカも、「すごくスタンダードだけど割とおもろいやんけ」という嬉しい誤算が生じた素敵ファンタジーアニメで、結局自分はどんだけ歳くってもこういうお話は嫌いじゃないんだな、っていうことが確認できる。ここからちょっと範囲を広げると、「純潔のマリア」や「ノーゲーム・ノーライフ」、「ローリング☆ガールズ」あたりが出てくることになる。どれも担当した監督の性格が強く押し出された作品であり、画面の彩りが実にふぁんたじっく。各々が対極的な完成形を見せてはいるものの、ファンタジックな存在をゴリッと押し出し、画面映えさせるアピールは共通している。百年戦争も、

物質生成しりとりも、モサの殴り合いも、全部同じように扱えるのがアニメーションの良いところだね。

 もっとファンタジーの世界を身近なところに近づけてみようか。例えば「一週間フレンズ。」なんていう卑近だけど決して届かないファンタジー。というか藤宮香織さんの存在そのものがファンタジー? あ、でもそれだったら「冴えない彼女の育てかた」から、加藤恵っていうファンタジーもある。そもそも幼なじみなんかの数多のヒロインが全員好感度マックスで迫ってくるニヤニヤ世界がファンタジー以外の何物でもないな。あと、個人的にどっかで1回は触れておこうと思った作品に「神々の悪戯」っていうのがあります……これ以上無いくらいにファンタジーだよな! あと「スペース☆ダンディ」は……ファンタ……じぃ?

 最後の最後まで悩んだ作品には、またしても「それでも世界は美しい」の名前が挙がる。「暁のヨナ」と同じ掲載誌であるが、世界観の伝わり方、そしてその受け止め方は「それせか」の方がより強く、より響く仕上がりになっていた。アメフラシの歌に乗せて流れる牧歌的な風景には、どれだけ心救われたことか。今回「それせか」の名前を刻む部門が最終的になくなってしまったのは、末期まで後悔しそうな案件です。じゃぁ、そんな作品を押しのけて何が出てくるかっていうと、パラダイムシフトの様相を見せた「ログ・ホライズン2」の世界構築なのである。やっぱりあの発想は凄いと思う。ゲームはどこまでもゲームライクにしながらも、きちんと「生き様」に反映され、「世界とキャラ」が相互に自分たちの住む舞台を整えていく。突拍子も無い話だし、よく考えれば後ろ盾のない不安定極まりない世界だというのに、不思議と魅力的に見えるし、美しくも映るのである。何はともあれ、にゃん太班長の手料理が食べたいですにゃ。

 

演技賞 

‘05「地獄少女」’06RED GARDEN‘07「魔法少女リリカルなのはStrikerS」 

’08「紅」‘09Phantom ~Requiem for the Phantom~’10「屍鬼」

‘11「Cシーキューブ」’12「夏雪ランデブー」‘13「戦姫絶唱シンフォギアG」

’14selector spread WIXOSS

 声優の演技や、ドラマ作りの時の各キャラクターの心の動きにスポットを当てた部門。一番最後の声優部門と被るとか被らないとかいうことは気にしない方向で。

 今年度、一番最初にはまり込んだのは「一週間フレンズ。」の世界。藤宮さんの圧倒的なヒロインパワーに心臓を鷲づかみにされ、更にリア充大将、世界のハッセに全国から爆発しろの大合唱。沙希ちゃんのすっ飛んだ可愛らしさ、将吾の萌え度の高い甲斐甲斐しさ、どれもこれもが作品世界にマッチしたほんわり風味でとても眩しい。青春カムバック。青春とはちょっと違うが、作品の半分は中の人たちの頑張りに支えられていたんじゃないかとすら思えるのは「幸腹グラフィティ」。美味そうに飯を食らう女の子は正義である。メインの3人、なんで顔出しだとあんなにポンコツになるんや……。あと、飯を食わせるんだったらもっとまつらいさんに出番を与えてもよかったんやで。

 世紀の幼女動物園として話題を呼んだのは「ブラックブレット」。日高里菜をベースに置くことで確実な幼女フィールドを展開するのと同時に、ライバルにあおちゃんを設置、更にはるみるみ、いのりちゃん、そして脅威のメンタル黒沢ともよという、恐るべきロリの饗宴。こんなアニメを放送している時点で、日本は少子化問題を解決する気があるのか。ともよちゃんつながりから出てくる奇跡といえば、何と言っても「結城友奈は勇者である」。ぱるにゃすの真摯な姿勢、そしてにぼっしー役のワイフがみせた11話の勇者部五箇条。未だに聞いたら涙が出るところ。胸を打つドラマならば「M3 ソノ黒キ鋼」もチェックしておこう。ドロドロと横たわる負の感情の博覧会。福圓先生やぴかしゃ、それに小岩井ことりといった面々が、他のアニメではなかなか聞けないダークな芝居で見せてくれるのは必聴ものだ。

 多少頭の悪い方向に進むと、キャストの賑やかさでは他の追随を許さないのは「クロスアンジュ 天使と竜の輪舞」。サンライズってこうやって時たま声優パラダイスを開演してくれることがあるよね。未だに舞-HiMEシリーズの復活を願っている身としては、その片鱗が見えた気がして狂喜。妙な豪華さで似たような印象があるのは「甘城ブリリアントパーク」。エレメンタリオや中心キャストは若手で固めておいて、着ぐるみの下世話トリオを中心とした下衆ファンタジー生物にベテラン勢をずらっと配置するエンタメ性。野中藍が持つ独特の破壊力を久しぶりに堪能した気がします。別次元の豪華さでいうなら「彼女がフラグを折られたら」の「激甘ヒロイン動物園」もひたすら馬鹿の所業。様々な年代からヒロインを取りそろえ、そのボスキャラ枠に丹下桜が待ち構えているという謎の周到さが笑える。あ、笑えるといえば「さばげぶっ!」だが……へごってんなぁ……。

 最終候補としては、何と言っても「声優すげえ!」という評判を轟かせた「異能バトルは日常系の中で」。こうして伝説が語り継がれていく。個人的にもう一本伝説にしてほしいのは「PSYCHO-PASS」の最終話なんだけどなぁ。新たなヒロインの誕生シーンであそこまでゾワリとくるシーンはめったにお目にかかれないだろう。そんな殺伐としてヒロインがイヤなら、「ノーゲーム・ノーライフ」のように激甘なヒロイン像はいかがか。今年度ナンバーワンの「家に囲っておきたい幼女」はおそらく白である。なんだか女性声優ばかりになってしまったがこればかりはしょうがないよな最後に「繰繰れ!コックリさん」の名前を挙げて男性声優もフォローしておこう。全ては俺のニート生活のために!

 というわけで、こんだけあげておいたけれども今期ベスト演技賞は、我らのアイドル赤﨑千夏の手に。「selector spread WIXOSS」シリーズにおける声オタへのご褒美感はたまらないものがあった。やっぱりダークな作品ってのは、普段なかなか楽しめない声優の底力を見せてもらうのに最適な環境である。今作はあきらっきーを筆頭に、終始辛そうな加隈ちゃん、男前な瀬戸ちゃん、したたかな中にも弱さを垣間見せるあやねる、悪逆種ちゃん、もっと悪逆くぎゅう、いつも通りのみっこ、最強破壊兵器久野ちゃんなどなどなど、現代声優界の幕の内弁当みたいな仕上がりになっている。「たくさんの少女が集まって各々にひどい目に遭うお話」って、それだけで声優ファンからしたらご褒美確定やからな! あ〜、耳が幸せなんじゃ〜。

 

 

ユーモア賞 

‘05「アニマル横町」’06「ひだまりスケッチ」‘07「俗・さよなら絶望先生」 

’08「ひだまりスケッチ×365」‘09「そらのおとしもの」

’10「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」‘11gdgd妖精s」 

’12「しろくまカフェ」‘13「マイリトルポニー〜トモダチは魔法〜」

’14「スペース☆ダンディ(シーズン2)」

 独自の尺度で測るために他とは一線を画すラインナップが集まるのがこの部門。やっぱりギャグアニメってのは一大勢力を築くのでそれだけで充分に強いです。

 ここまでの部門でも既に何度も名前を出している「健全ロボダイミダラー」は、ここでも顔を出す強力なタイトル。既に1年前の作品なので印象が薄まっている感はあるものの、放送時の衝撃はなかなかのものだった。下ネタアニメなのにそれだけに終わらず、馬鹿だ馬鹿だと笑い飛ばせる強さってのはなかなかバランス調整の難しい部分だったんじゃなかろうか。そうやって「下ネタロボ」で比較するとまた難しいタイトルが「クロスアンジュ 天使と龍の輪舞」ということになるだろうか。馬鹿だったのは間違いない。お子様ランチならぬ大人様ランチみたいな趣の作品。楽しくなかったといえば嘘になるのが悔しいところだ。あと、下ネタつながりでせっかくなのでピックアップしておきたいのは「デンキ街の本屋さん」。こちらはシモはシモでもより萌え路線に寄せたネタ回しになっており、昨今溢れかえる「オタク系作品」の中でも、独自の強みを見せていた。時折ガチテンションでラブコメするときの温度差もギャグの一環と言えないこともないよな。

 正統派のギャグ漫画原作作品では、筆頭にくるのは「月刊少女野崎くん」だろうか。丁寧な作劇のおかげで、そこまで常軌を逸した内容でもなかったはずなのに毎週きっちり笑わせてもらえたという事実は、未だもって不思議な部分である。「可愛い」が笑いに繋がるととても幸せな気持ちにさせてくれるという良い事例。同様に「可愛い」もありつつ、より強くギャグに寄せたモフモフコメディ「繰繰れ!コックリさん」も、目立ちはしないが押さえておきたい一本。無機物系ヒロインの新境地は我らがこひなが開拓する。あと、「ジョジョの奇妙な冒険」ってギャグ漫画ですかね。違う? でも、下手なネタ漫画よりもよっぽど笑いどころ多いよな。

 その他、斜め上からの刺客としては、例えば「可愛い」に「懐かしい」やら「理不尽」やらを丸め込んだ怪作「HisCoool! セハガール」も忘れちゃいけない。なんだかんだで毎年この部門には石館作品か菅原作品がリストアップされることになるのだよなぁ。ゲームとのつながりだと「妖怪ウォッチ」の理不尽さも今年度の最大トピックの1つかもしれない。私は遅れて見始めたのでブームには乗りきれなかったが、なるほど、流行るのはとても良く理解できるひでぇアニメであった。あと、「ひどい」「ゲーム」「アニメ」だとやっぱり「幕末Rock」の名前は挙げておくべきだろうな。うん、ひでぇ。え?「モモキュンソード」ですか? お客さん、通だねえ。なんなんだろうね、「このクソアニメがwww」って笑いながらも嫌いじゃない感覚って。まぁ、既に記憶もおぼろで、天女隊のビジュアルを思い出そうとしても「甘城ブリリアントパーク」のエレメンタリオしか思い出せないんですけどね。似すぎやで(適当)。

 そして、最後までこの部門で受賞させるかどうか悩んだのは「さばげぶっ」だった。あの破壊力、あの理不尽さ、あの下衆さは充分に今年度ナンバーワンの権利がある作品だったとは思うのだが、更に破壊力があり、更に理不尽極まりないネタの塊でる「スペース☆ダンディ」のことを思えば、やはり一歩譲るのであった。ダンディの恐ろしさは、全力全開での「無駄遣い」というところだ。これだけの制作スタッフ、映像スタッフ、音楽スタッフを集めて、なんでこんなものを……いいぞもっとやれ。どうせ「ギャラクシーエンジェル」と同じようなもんなんだからいくらでも続編作れると思うのだが、これ、多分無茶な企画だったからこれ以上動かないんだろうな……。

 

 

 

アイディア賞 

‘05「アカギ」’06「地獄少女二籠」‘07school days」 

’08「地獄少女三鼎」‘09「大正野球娘。」’10「魔法少女まどか☆マギカ」

‘11TIGER&BUNNY’12「戦国コレクション」’13「ガンダムビルドファイターズ」

’14SHIROBAKO

 「その発想はなかったわ」を評する賞。粗製濫造を嘆かれることの多いアニメ業界、全ての鉱脈は掘り尽くされたかに思われるが、どうしてどうして。まだまだ可能性は残されているもので。

 既に名前を挙げてしまっているが、シナリオ運びでとても感心したのは「PSYCHO-PASS」。1期目にあれだけ大きくてまとまった話を作ってしまった後にはなかなか1クールで2期目など放送出来ないと思うのだが、なんとか尺の中に収めた状態で「もう1つの事件」を生み出すことに成功している。シビュラの立ち回り、そして常守朱という主人公の存在。脚本会議も相当に難航しただろうと思われる苦心のあとが伺える。アイディア勝負というか、セールスの方策として新機軸の展開に成功したのは、「selector infected WIXOSS」シリーズ。カードゲームの販促アニメを作ろう、なんて企画が持ち上がったら、普通ならどうしたって「遊戯王」アニメとかそういう方向性を模索することになると思うのだが、まさかの鬱系魔法少女からのハイブリッド。作中ではカードバトルが罰ゲームにしか見えないという思い切りが良すぎる方策でもって、見事に国内産カードゲームとしては異例の売り上げに繋げることが出来た。何事もチャレンジである。そして、同じようにゲームからの販売戦略(??)で奇妙なハイブリッドを生み出したのは、「HisCoool! セハガール」だろう。まさかの「いち企業にフィーチャーした企業宣伝アニメ」という展開でもって、まるでセガがとても尊いもののように思えてくる謎感動。まぁ、応援したくなってもそのセガがコンシュマーからは撤退してるわけなのだが……。

 シナリオラインでの「やったもん勝ち」感でいうと「クロスアンジュ 天使と竜の輪舞」は「なんか上手いことやられた」という悔しさがある。阿漕なことを汚点とせず、全てにおいて開き直った作品作りは、そりゃまぁ、確かにすごいものではあった。どうやって企画会議通したんだ、って思ったが、まぁ、うわべだけを観ればむしろ正統派の売り文句だもんな。開始前には「おっ、新しいシンフォギアか?」とワクワクしたもんだ。いざ蓋を開けたら……ナニコレ。ナニコレアニメといえばやっぱり「スペース☆ダンディ」かな。「好きなクリエイター集めて好き勝手なアニメを作りましょう」と提案するだけならば簡単だが、実際にそれを作って世に出しちゃうあたりがホント馬鹿。世の中、馬鹿なことをやってくれる人間というのはとても貴重なのです。

 不思議な出自の作品をついでにもう2本、まずは「少年ハリウッド」。放送中のCMを観ていると、どうやら実写企画のリアルアイドルともなにがしかの連繋があるようだが、そんな「絶対面白いわけないやん」と思っていたアニメが、「半端アイドル成長物語」として、他に類をみない作風になっていたのは驚き。アニメ作りって本当に色々な手段があるもので。同様に、まさかのところからシリーズアニメ化したのは「デス・パレード」。あんな設定でちゃんと1クールの長編が組めたというだけでも相当なものだったよ。

 そして、今年度最大のチャレンジ作品といえば、やはり「身内の恥」すら切り売りするアニメ業界の最大級の自家生産。「SHIROBAKO」をおいて他にあるまい。やろうと思ったその意志もすごいが、それを王道的なお仕事ものの路線に乗せ、純然たるクオリティだけで成立させてしまったのは本当に素晴らしい働き。これで今後少しでもアニメ業界が変わるきっかけに……はならないかなぁ。

 

 

 

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