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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ハレの日、第5話。約束されし勝利の演奏、今期前半戦のクライマックスである。

 結果については分かりきっていたことなので特別触れることもないが、とにかく演奏の全てを見せようという画作りが圧巻。課題曲の方は流石に切るが、「三日月の舞」は全てをノーカットでお届け。あたかも視聴者がコンクールの会場で演奏を聴いているかのような、臨場感と緊迫感をそのまま伝えている。こういう堂々とした話運びが出来るのが、流石の京アニというか、「それが出来る」という絶対の自負と、実際に出来るだけの技能があって初めて実現する内容である。ただただ驚嘆するしかない。しかし、今回これをやっちゃったら最終話とかでどんな盛り上げ方をすればいいのやら……。

 演奏シーンについては、こちとら素人なので偉そうに語る言葉もない。相変わらず楽器の光沢やらディティールに変態的なこだわりが見えるし、楽器の指運なんかも全部忠実に再現されたものだろう。以前、京アニフェスで展示されていた楽器の詳細の指示書きなんかの解説で「とにかく全部、一から描き上げている」ということを知って度肝を抜かれたが、こういう緊迫した演奏シーンになると、ごまかしのない全力全霊のやり過ぎ描写がしっかりと意味を持ってくる。管楽器だと分かりにくいが、私のような素人でも打楽器のモーションならそのあたりが分かりやすくパーカッションの躍動感なんかは骨まで届くような音の響きが伝わってくる(打楽器パート、可愛い子が多くないですか?)。

 そして、本作の場合はそうししたリアリティを持たせた作劇に、心情芝居がきっちりついてくるのが白眉な点。石原立也ここにあり、と言わんばかりのねちっこい描写に今回もお腹いっぱいムネやけいっぱい。冒頭、橋本に話題を振られた鎧塚先輩の優しい笑顔に始まり、締めの一コマも鎧塚先輩で終わるわけだが、この二枚の笑顔、全然表情が違っていて、自然とその意味合いの違いを感じさせるものになっている。今回のお話をもって完全に「鎧塚編」が幕を閉じたのだなぁ、ということが伝わってくる。それにしても、橋本イイ奴だったな。あの激励は学生さんたちも元気をもらえるわ。

 他にも、各パートごとにそれぞれの交流があり、これだけの大人数であるにも関わらず、「全員で1つの吹奏楽部」「全員が主人公」みたいなニュアンスも伝わってくる部分。流石に全キャラの顔が分かるとか、名前が分かるみたいなことは無いのだが、それでも演奏シーンでは個々の表情が活き活きしているのが見えるし、見えている世界も1つに集約されている。中でも一番思い入れが深いのはやっぱりトランペットの面々ですかね。麗奈のソロパート、背後に優子が映るカット割りで流すのが実に心憎い。数ヶ月前まではおそらく忸怩たる思いで視線を落としていたであろう優子だが、今回は麗奈のソロパートを聞きながらその表情に迷いは無い。やっぱり優子さん最高です。他にもオーボエはもちろん無視できないし、緑輝の堂々たるコンバス捌きなども今回はたっぷり見られる。ここまでまっとうに「吹奏楽アニメ」が実現するなんて、にわかには信じられない事件ですよ。

 そして、毎度お馴染み我らが麗奈・久美子間の関係。以前「誰のために吹くのか」の問いに「強いていうなら自分のため」としれっと答えていたアイアンハート・麗奈嬢。彼女には本番での緊張感などという言葉は無いらしく、出番直前にも久美子相手に余裕のプロポーズである。滝センを想って奏でると暑苦しいバラードになってしまうらしい。真顔でそれを受け取る指揮者の顔も見てみたかった気もするが、この機会を利用して麗奈さんはどさくさで「久美子に届ける演奏」をひとつ。それを聞いた久美子の脳裏に花火が弾け、大吉山がフラッシュバックするのはずる過ぎるな。「こいつッ、直接脳内にッ!」みたいなレベルで思念共有が可能な久美子と麗奈です。ソロパート以外でも二人の演奏中の表情はどちらかというと笑顔に近い。いや、二人だけでなく、今回の北宇治の面々は緊張感を伴いながらも、どこか笑顔に似た雰囲気を持たせて演奏に余裕がある。これが夏休みの猛特訓の成果ということなのだろう。そりゃ、麗奈たちだって2人で目配せする余裕もありますわな。「楽しく(いちゃいちゃと)演奏」というのが、この世界の完成形なのかもしれません。Cパートは「久美子と麗奈が涙ながらに結果発表を聞く」っていう構図が1期とも重なるし、中学時代のあの馴れ初めとも重なるようになってるんだなぁ。

 そして、そんな「楽しい」とは一線を画す存在だったはずの最後の1ピース、田中あすか先輩。すでに鉄壁と思われた彼女の内面にも変化はあらわれており、本番前の突然の弁舌は、これまでのあすか先輩だったら絶対にあり得なかったものだ。彼女は「自分のための演奏」「勝つための吹奏楽」を続けており、それを他人に押しつけたり、期待したりはしてこなかった。しかし、今の北宇治は、田中あすかのお眼鏡にかなう存在になったということなのだろうか。初めて彼女が本気でチームにはっぱをかけた。いや、見方次第では仲間達に懇願したと言ってもいいかもしれない。彼女は、初めて自分以外のものに可能性を見出したのである。この変化は恐ろしく大きな一歩だ。

 めでたく、あすか先輩の願いも叶い、北宇治は全国大会へと歩を進める。ここから先に障害はない。ただひたすらに研鑽を積むだけ……ではないよなぁ。まだ半分残ってるもんなぁ。最後の壁は一体なんでしょうかね。

 今はひとまず、勝利の余韻を楽しみましょう。あ、新山先生、来週以降も来てくれませんかね……。

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